『怒首領蜂最大往生』レビューをお届け――STG初級者でも楽しくがんばれる、ケイブの家庭用STGの集大成【春のレビュー祭り】

文：megane

■ゲージ管理ゲーに生まれ変わったXbox 360モード

　すでに掲載したインタビューでも開発担当の池田さんが語っていますが（関連記事）、Xbox 360モードは通常のモードとは違い、マルチエネルギーゲージを使ってボムや残機、強力なダブルアタックを使用します。

　減ったゲージはハイパーモード時の攻撃を敵に当てて撃破することで回復します。また、ダブルアタックを使って敵を倒すと、ハイパーゲージがギュンギュンとたまります。このハイパーモードとダブルアタックを使い分けてステージを進んでいくのがXbox 360モードとなります。

▲被弾するとオートボムが発動し、エネルギーが2000マイナスになる。

　また、自機は陽蜂に対抗できるエレメントドール・桜夜が乗っていることもあって、他の機体とは段違いに強い。このあたりも含めて、オリジナルとは別のゲーム性となっているという印象です。

▲機体の攻撃力は非常に高い。ショット強化を選ぶことでノービス難易度に、レーザー強化を選ぶことでノーマル難易度となる。エキスパート強化は2周め相当となる。

■桜夜とオペレーターによる掛け合いはとてもいい

　ステージ道中は、桜夜とオペレーターが非常によくしゃべります。ボス撃破後もよくしゃべります。桜夜役の平野綾さんの演技はキャラクターに合っており、オペレーター役の下田麻美さんも、とても違和感なくスッとストーリーを頭に入れることができます。

▲画面両脇の桜夜とオペレーターの顔も表情豊か。

　必死こいて弾を避けている間にしゃべっていることなんて聞こえるのかな、なんてプレイ前は思っていましたが、意外や意外、聞こえるんですよこれが。ここは声優さんの技量の賜物かもしれません。

　とはいえ、1つ気になったのが、ヘッドホンでプレイしていると、音声のビットレートがちょっと低いように聞こえてしまうということ。演技がいいだけに、声にノイズが若干混じったように聞こえるのが残念です。

■Xbox 360モードのアレンジBGMが秀逸

　Xbox 360モードでは、ベイシスケイプの工藤吉三さんと千葉梓さん、大久保潤さん、武井侑渡さんのアレンジによるXbox 360用のBGMが用意されています（オリジナルBGMとの切り替えも可能）。元ベイシスケイプの並木学さん作曲による、もともとの評価が高い『最大往生』ですが、このアレンジBGMも元のイメージを損なわず、しかし時には大胆なアレンジが加えられており、一聴の価値ありです。

▲敵の攻撃が一気に激化するステージ5。サウンドはゴキゲン。

　個人的に好きなのは、ステージ5『ミチ』のアレンジ。オリジナルに比べてメロディーラインが強調されたイントロ、後半の『大復活』のモチーフを使ったフレーズなど、とにかくシビれる。それにクライマックスに向けて声に感情がこもっていく桜夜、考える余地を与えてくれない敵の攻撃……いつも通りステージ5は長いですが、それでも飽きることなく進めていくことができます。

　なお、ストーリー上、陽蜂および陰蜂とは必ず戦うことになります。どちらもオリジナルよりもマイルドな調整がされており、特にノービスの陰蜂は、陽蜂が倒せた人ならノーミスで倒せるかと思います。陽蜂は普通に強いですが……。

▲ストーリーの進行上、必ず会うことになる陽蜂。第1攻撃がオリジナルとは異なる。

▲発狂後を含めた攻撃はオリジナルと同じと思われる。洗濯機辛い。

▲陽蜂撃破後は陰蜂と戦う。ノービス（ショット強化）とノーマル（レーザー強化）では強さが天と地ほどに違いがある。

▲猛攻をくぐり抜けてクリアできれば、100のゲーム内ポイントを入手。途中でやめても40程度のポイントはもらえる。

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■結局、STG初級者にも楽しめるゲームなのか？

　本作はケイブの弾幕STGとして見ても、トップクラスに難易度が高いゲームであると思っています。ですので「STGをやったことがないんだけど～」という人には、素直に『虫姫さま ふたり』から始めることをオススメします。まず『虫姫さま ふたり』を遊んでみて、「弾幕STGっておもしろいかも」と思えてから本作にチャレンジしても遅くはないでしょう。

　逆に「弾幕STGは下手なんだけど、好きなんすよ～」という人（つまり僕のような人）には迷わずオススメできる、そんな作品です。前述したようにアイテムをてんこ盛りに装備すれば、初級者クラスでも陽蜂に会えますから、ゲームに慣れてきたなと思ったら、少しずつ装備するアイテムを減らしていけばよいのです。このあたりのウマイさじ加減は、やはりケイブならではだなと。

▲実績は大半がノービスを含めて取得可能なので、がんばれば7割は取得できるはず。きついのはチャレンジをすべてクリアする実績か。

　もう1つ、STGが非常に楽しくなるポイントをお伝えします。それは友人とスコアアタックで競い合うことです。理想を言えば“目標となる自分よりもちょっと上手な友人”、“自分と同じくらいの腕前の友人”、“自分にちょっとだけスコアが届かない友人”の3タイプがいることです。それぞれのタイプの友人とあーだこーだと語り合うことで、あなたのSTGライフはバラ色になることでしょう。

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データ

関連サイト

• 『怒首領蜂 最大往生』公式サイト