2013年6月13日(木)
――ダウンロード無料ですが、こちらの要素は最初から決まっていたのでしょうか?
小峰:最初に僕が企画を出した時は、すでに「今の時代なので無料だろう」というイメージでいました。
伊津野:誰かに言われて決めたわけではないのですが、時代の流れとしてFree to Play(以下、F2P)かなと。今、この形でゲームを出すのであればこういう形がいいだろうと。
――課金することで何ができるのですか?
伊津野:基本的には課金しなくても大体の要素は遊べます。市場でよく見られる“F2P”と変わりません。
小峰:アーケードゲームのイメージが近いかもしれません。もうちょっとでこのダンジョンをクリアできるけど、いいところでやられちゃったので、コンティニューする時に課金することで続けるとか。あとはスタミナの回復など、そこに余り新しいことはやっていないのでなじみやすいと思います。
伊津野:課金に斬新な機能を盛り込むのではなく、いまある“F2P”の課金システムと、『ドラゴンズドクマ』にもあったポーンの貸し借りに必要なリムを考えています。ポーンを貸すことでリムを得て、無料で自分もポーンを借りられるけど、リムが足りない場合の救済手段は用意しています。そんなシステムです。
――“F2P”として、ゲームを作るうえでこころがけていることは?
伊津野:今もとにかく気をつけているのですが、“F2P”はもとを取らなくていいので、いつでもプレイを中断できる。そういう意味で、ユーザーにガマンを強いることがあまりないように意識しています。
小峰:いつでもプレイを中断できてしまうからこそ、やめ時を見失うものにしようと。また次も遊びたくなるようなものになるように、心がけたいと思っています。
――研究のために、他の“F2P”も遊ばれたのでしょうか?
伊津野:“F2P”に限らず、さまざまなものを相当遊んでいます(笑)。開発内でそのゲームのチームを作れるので、気軽にプレイできるんですよ。
小峰:開発内でむちゃくちゃ遊んでいますよね。
伊津野:研究のために! ……まあ、人によってはお金も使っているんじゃないでしょうか(笑)。
小峰:僕は基本的には無料で、おもしろければそこそこ課金するスタイルです。
伊津野:このように研究はしていますが、開発するうえでは初めてのことばかり。“F2P”もそうですが、アップデート運営も僕らのチームとして初めてなので、いろいろなことにチャレンジするタイトルだと思っています。
――今の話にありましたが、オンラインタイトルということで開発期間が継続されます。コンシューマソフトとは違い、人数を長く拘束されてしまいますが、そこは大変ではないでしょうか?
伊津野:逆に割り切っています。ずっとしんどいので、普段から根を詰めてやるのはやめようって(笑)。
小峰:今のところは、必死でがんばっていますけどね(苦笑)。
伊津野:正直どうなるかわかりません。まだ実感がわかないんですよ。
――クエストを足したり大陸を増やしたり、拡張性がかなりあると思うのですが、そこも構想としてあるのでしょうか?
小峰:ありますね! 大陸が加われば新たな物語も描かれます。そのシナリオを見たくなるように開発しています。
伊津野:『ドラゴンズドグマ』自体も広い世界の一部を描いています。それは拡張という性質にあっている。不自然でないので、かなり作りやすいと考えています。
――シリーズを遊んでいる人に対してのアピールポイントはどこでしょうか?
小峰:見た目も遊びの感覚も違いますが、しっかり『ドラゴンズドクマ』になっているというところです。見た目やシステムに差異はありますが、根っこに『ドラゴンズドクマ』の要素が入っています。
伊津野:家では据え置きの『ドラゴンズドグマ』を、家以外ではこちら『ドラゴンズドクマ クエスト』を遊んでください。同じ世界を、どこでも楽しんでいただけます。
――逆に『ドラゴンズドグマ』を遊んでいない人へ押したい要素をお願いします。
伊津野:すごくゲーム性が高いうえにサクサク遊べるRPG。何も考えずにボタンを押すだけで遊べるという意味のサクサクではなく、攻略したい人からするとサクサク遊べるという、ゲーム好きな人のために作ったRPGになっているところですね。
小峰:“F2P”にしてはあまりないタイプのゲームで、かなりゲームらしいつくりになっています。日本のユーザーはRPGに慣れているので、しっかり楽しめると思います。
伊津野:逆に不安がないわけではないんです。(ソーシャルゲームとして一般的な)カードゲームタイプではないので、遊ばれないかもしれない。また、『ドラゴンズドグマ』をプレイしている人がポジティブに捕えられずに、言葉だけで拒否してしまうかもしれない。
ただ、そうではないんですよ。本編スタッフがちゃんと作っているうえに、よくあるソーシャルゲームではないんです。遊んでいただければ、“F2P”にRPGの要素をうまく落としているのを感じていただけると思います。「ゲーム性の高い“F2P”になっていて、カプコンらしいな」と思ってもらえば幸いです。
――最後に読者の方へメッセージの方をお願いします。
伊津野:カプコンらしい、『ドラゴンズドグマ』チームらしい、ゲーム性の塊になっています! 安心して楽しみにしていてください。
小峰:最初は不安に思うかもしれませんが、さわっていただければちゃんと『ドラゴンズドグマ』になっているのがわかってもらえると思います。そこを楽しみにしていただければと思います。
▲『ドラゴンズドグマ』チームがてがける、新たな『ドラゴンズドグマ』。その完成を楽しみにしておこう。 |
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