News

2013年6月14日(金)

ミスター鉄拳こと原田勝弘さんが語る『鉄拳レボリューション』――ナンバリングの『鉄拳』最新作への思いも【E3 2013】

文:電撃オンライン

■成長要素を入れたのは、練習の努力を形にしてあげたかったから

――本作で採用された成長要素について教えてください。

 『鉄拳レボリューション』のゲームとしての最大の特徴は、このキャラクター育成となります。戦えば経験値がたまってって、経験値のバーが満タンになると、レベル1つ上がります。レベルが上がった時にスキルポイントがもらえて、攻撃力にあたる“Power”、体力にあたる“Toughness”、クリティカルヒット率にあたる“SPIRIT”という3つに割り振ることができます。

『鉄拳レボリューション』

 これらをどのようにあげていくかによって、成長の仕方が変わっていきます。例えば、同じ一八を育てても、力重視の人と、体力重視の人と、運重視というか当たった時のラッキーさを重視する人で戦略が分かれるというわけです。

 『鉄拳』では初ですし、対戦格闘ゲームでもあまりない、珍しいシステムだと思います。なぜ、こういうシステムを入れたかと言うと、今までの対戦格闘ゲームって、長時間遊んだ際の蓄積要素は自分のスキルだったり、腕前だったりするじゃないですか。でも、自分よりうまくてかなわない人と戦った時などに、これまでの努力が0にされたような気持ちになってしまうことも多いと思います。

『鉄拳レボリューション』

 僕は特におっさんなので、だいぶ練習してうまくなったなと思っても、大学生くらいの生きのいい若者にコロッとやられてしまう。、初めて対戦格闘ゲームをやる人や久々にやってみようという人に向けて、毎日の努力がゲームの中で確実にわかるようにしたかったんです。RPG的な要素を入れると、毎日の努力が確実に何かになって残って、すごくキャラクターにも愛着がわきます。

 これは、自分がどういうふうにやってきたという努力の証なので、継続するモチベーションにもなりますし、新しい遊び方が生まれるかなと思い、こういう仕様を入れてみました。

 また、『鉄拳』ってご存知の通り、格闘ゲームの中で技が一番多いと言われています。例えば、『バーチャファイター』シリーズは駆け引きはすごく難しいですが、技は少ないです。『鉄拳』の場合は、技が一番少ないと思われる一八でも100近くあるんです。キャラクターによっては200くらいあるものもいます。

 これが逆に自由度が高いって意味で非常に評価されていますが、一方で初心者や久々にやろうとする人とか、僕みたいな40代の人がタダだからと酒飲みながらこの技表を見ると、「こんなに覚えられないよ!」となると思うんですよね。

――コマンド表が呪文の羅列みたいですよね。

 そうなんです。コマンドはまさに呪文です。ただし、その自由度を削るのはいやなので、残したままゲームをいかにシンプルに楽しめるようにするにはどうしたらいいか、というのを考えました。その結果、最初の1ページに載っている技を覚えるだけでいいという設計にしました。

 最初の1ページ目の一番上には各キャラクターに必ず1つ用意されているスペシャルアーツが載っています。このスペシャルアーツがどんな技かというと、『ストリートファイター』シリーズの昇龍拳のような少しだけ無敵がある、技を避けれる性能のある技です。

『鉄拳レボリューション』 『鉄拳レボリューション』

 それにクリティカルアーツといって、当たった時にクリティカルヒットがドーンと出る確率の高い強力な技を4つ掲載しています。この合計5つの技を覚えれば、基本の戦略は立てられるゲーム内容にデザインし直しているんです。ピンと来る人もいるかと思いますが、2D対戦格闘ゲームっぽい感じだと思ってもらえればと。

 2D対戦格闘ゲームって、最近は技の数も増えてきましたが、基本的に覚えるのってだいたい5、6個じゃないですか。昔の2D格闘は技を5、6個覚えれば戦える、そういうイメージの要素を今回加えて、わかりやすくしています。

 今回の鉄拳は、戦い方が比較的一辺倒になりがちかと思いきや、成長システムがあるので、体力重視の人と攻撃力重視の人で攻め方が全然変わってきて、そこでやっぱり個性が出ると思っています。それがさらに継続したくなる要素になる、そういう試みをしています。

 また、一部の技も難しかったのが出しやすくなっていたりとか、投げ抜けとかも実はちょっと猶予の時間が長くなっているとか、細かいことではありますが、遊びやすく変えています。

→トレーニングモードの追加も検討中。(3ページ目へ)

(C)2013 NAMCO BANDAI Games Inc.

データ

▼『鉄拳レボリューション』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PS3
■ジャンル:FTG
■配信日:2013年6月12日
■価格:無料(アイテム課金制)

関連サイト