News

2013年6月21日(金)

【ほぼ毎日特集】ボードゲーム月イチレビュー:ダイスをたくさん転がすのが楽しい『ベガス』で気軽にギャンブラー気分を!(第5回)

文:てけおん

前へ 1 2

 さ、ゲームの流れを説明したところで、さっそくゲームスタート! 会議室に集まったてけおん、カネキング、カールハインツ、チョロ松の4人がダイスを握ります。ちなみに、隣の会議室ではバリバリ会議とかしちゃってるわけですが、これも仕事です。

『ベガス』
▲人一倍気づかいのできる男・カールハインツの提案により箱の裏ぶたの中でダイスを振ることに。ちょっとしたことですが、効果は抜群。ダイスの音はかなり小さくなりました。
『ベガス』
▲こちらはラウンド途中の盤面です。白ダイスでプレイしていたカネキングは、5の目がなんと5個も出たので一気につぎ込んでいます。このカジノのお金はカネキングのものになりそうですね。
『ベガス』 『ベガス』
▲その後のラウンドでもカネキングの判断が冴えていました。もっとも光っていたのが最終ラウンド。盤面をご覧いただければわかるかと思いますが、なんと6万ドル、8万ドル、9万ドルを見事ゲットしています。つ、強い……。

■NPC“赤さん”登場で、男たちのテンションは爆上がり!■

 1回目はカネキングの圧勝でしたが、他3人の「もっかいやろうぜ!」という声で、再びカジノで運を試すことに。せっかくですので、2~4人で遊ぶ場合のバリエーションルールである“NPC”を試してみることにしました。

 このルールでは、各人自分の持ちダイスである8つのダイスに、NPCのダイス2個を加えて振ります。

『ベガス』 『ベガス』
▲今回NPCは赤のダイスだったので、NPCのことをわかりやすく“赤さん”と呼ぶことにしました。▲ダイスの置き方はNPC導入後も変わらず。1の目のダイスを置く時には、赤と黒あわせて3つ全部を置くことになります。

 NPCを採用することで如実に変わったのは、“トップを叩きやすくなる”という点。各人がNPCのダイスを握ることになるので、トップ以外の3人が結託すると、意外とラクに赤さんがトップを叩いてくれたりします。……出目にもよりますが。

 2戦目では、ダイスをどうおけばいいのかもだいたい分かってきたこともあってか、勝負が白熱! 赤さんの導入によってよりプレイがより戦略的になって、知らぬ間に4人とも立ち上がっちゃってました。ダイスの出目に一喜一憂し、歓声と怒号が上がるほど。ここが会社だということも忘れて、『ベガス』を楽しませてもらいました!

『ベガス』
▲立ち上がってプレイする4人。個人的には、NPCを入れたほうがおもしろいと感じました。
『ベガス』 『ベガス』
▲4ラウンド戦った結果、てけおん(黒ダイス)が勝利しましたが、最後は赤さんとガチ勝負になり、かなり危ないところでした……。3人の赤さんダイスが執拗に攻めてきたことが、6の出目のカジノをご覧いただければわかるかと。

 そんなわけで『ベガス』を遊んでみましたが、1回のプレイに必要な時間はおよそ30分程度。ルールの説明にかかる時間も10分くらいと、ボードゲームの中では比較的軽いゲームだと思います。

 本作を遊んでみて思ったのが、運の要素は確かに強いものの、単純な“運ゲー”ではないな、ということです。“8つのダイスをどうマネジメントしていくか”が、このゲームのミソです。

 例えば、9万ドルの置かれたカジノにダイス6つを投入したとします。これならほぼ確実に9万ドルを取れるでしょうが、他のカジノにおけるダイスは2個。この方法では、9万ドルを取れたとしてもあまりうまみを感じられませんよね。むしろ、ライバルが1人減ったと、他のプレイヤーを喜ばせるだけでしょう。

 上の例はちょっと極端ですが、“いかに他プレイヤーよりも少ない数のダイスでお金を獲得していくか”……そんな読み合いをしっかりと行っていく必要があり、ルールは単純ながら、きちんとした駆け引きが楽しめるゲームだと思います。また、本質的には“競り”を行うゲームなのですが、競りを行うための材料がダイスの出目であるため、ゲームのモチーフであるカジノでギャンブルをするという雰囲気もきちんと味わえます。何より、たくさんのダイスを振るのは楽しいですし。

 自分の手番で1個しかダイスがない局面などもあり、どうしても運の要素が絡んでしまうゲームですが、遊ぶ価値のある一作だと思います。価格はだいたい3,000円前後。ダイスを思いっきり振りたいという人や、ライトに駆け引きゲームを楽しみたい人は、ぜひプレイしてみてください。

前へ 1 2