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2013年7月24日(水)

PS3版『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』発売直前特集! 『ケツイ』の基本を総ざらい ~初心者も地獄へレッツダイブ!~

文:皐月誠

■そもそも『ケツイ ~絆地獄たち~』って何なのさ?

 というわけで、まずは大元となった『ケツイ ~絆地獄たち~』について振り返ってみよう。

『ケツイ ~絆地獄たち~』

●ストーリー
 ~灰と煙 香る この戦場に あなたがいて 私がいて~

 西暦2054年。
 1900年代半ばから続く環境破壊は、地球の温暖化現象を加速させ、温暖化からくる水位の上昇は、大陸の沿岸にある多くの国を侵食していた。
 世界規模の海岸線の変更は新たな領土問題を生み、各国間での戦争が勃発するのにそう時間は掛からなかった。

 年々烈化する戦争の裏には、世界中に兵器を輸出し、莫大な利益を得ている“EVAC Inderstry”社の存在があった。

 この状況を打破すべく国連はEI社との交渉に乗り出すが、EI社は国連側の“兵器輸出入の全面禁止”という提案を完全に拒否。その後の度重なる交渉も平行線を辿った。

 進展のない状況に国連側は交渉を断念し、秘密裏に武力介入を決定する。それは表向きは無国籍の武力抵抗組織でありながら、実際は国連主導の特殊戦闘部隊による奇襲である。

「EI社の全ての兵器および兵器開発施設の破壊」
「国連の軍事介入に関わる一切のものを破棄せよ」

 その任務の遂行命令は、作戦に携わる者の命にも適用されるものであった。
 例え任務が成功したとしても、生きて帰ることは許されないのだ。

「ただし、志願したものにはその命の報酬として、どんな望みでも1つだけ要求することができる。
国連は責任を持って、それを実行しよう」

 その過酷な特務に志願した4人の若者たちがいた。
 命を賭してでも叶えたい望みを胸に秘め、彼らは出撃する。
 自分たちには決して見ることのできないであろう、明るい未来のために……。

●登場キャラクター
 ~地獄に咲く 儚い 絆の桜~

・TYPE-A“ティーゲルシュベルト01”搭乗チーム

アリス=ブラックバーン

『ケツイ ~絆地獄たち~』

 23歳。とにかく他人との関わりを持ちたがらない。基本的に無口で、会話も少なく、感情の起伏を見せる事など皆無である。パイロットとしての腕は超一流であり、与えられた指示を正確にこなすため、 エヴァンズマンからの信頼は厚い。

『ケツイ ~絆地獄たち~』
▲腕に刻まれたワイバーンのタトゥーをよく見ると……。

 TYPE-B搭乗チームのユウマ=ナナセとは異父兄弟であるが、特に意識はしていないようだ……との基本設定だが、エンディングで明らかになる真意や、タトゥーに刻まれた“YUMA”の文字など、とてつもない弟ラブな絆地獄である。


ロイド=エヴァンズマン

『ケツイ ~絆地獄たち~』

 26歳。完璧主義者で任務遂行を第一に考える。そのために部下の命を危険に晒す事など何とも思わない冷血な男。非常な自信家で、自分に不可能な任務など有り得ないとつねに豪語する。

 基本的に人を信用することは滅多にないが、確実かつ正確に指示をこなすアリスには、絶大な信頼を寄せている。信頼以上の絆地獄な想いも寄せている。


・TYPE-B“パンツァーイェーガー02”搭乗チーム

スティール=ユレク

『ケツイ ~絆地獄たち~』

 26歳。明るく誰とも分け隔て無く付き合う気さくな性格。考えより体が先に動き、多少強引でも推し進めてしまう野蛮さも持つ。直感で行動する事が少なくないため、エヴァンズマンとは折り合いが悪い。

 他人の世話を焼くのが好きなのだが、お節介と取られてしまうことも多い。任務に志願したのも、絆地獄なまでの故郷への愛のため。なお、コレクではない。


ユウマ=ナナセ(七瀬勇真)

『ケツイ ~絆地獄たち~』

 18歳。明るく努力家で、皆に好かれる性格。本来なら経験が浅くまだ10代の彼には志願する権利はないのだが、その努力と熱意により、特別に許可された。入れ込むと周りが見えなくなる傾向があり、スティールに諭されたりする事もよくあるようだ。

 アリス=ブラックバーンとは異父兄弟であるが、なぜか一方的に憎んでいる。それは彼がこの特務に志願したことにも関係しているようだが、彼の口からそれが語られることはないだろう。それもまた絆地獄。


 本作の登場人物は、4人全員男性キャラクター。彼らは2人ずつのペアを組み、ティーゲルシュベルト/パンツァーイェーガーのそれぞれに乗り込んで出撃する。一部の女性は、この設定で┌(┌ ^o^)┐な感じになってしまうかと思うが、エヴァンズマンは実際ソレなことがエンディングにて明らかになる(若干ボカした表現ではあるが)ので問題ない。たぶん。

 以上のように、ハードで悲壮感に満ちたストーリー、ミリタリ調の無機質なデザイン、女っ気のない登場キャラクター、そして尖った難度と、いろいろな意味でケイブの“極地”を見られるのが『ケツイ~絆地獄たち~』の魅力だ。だが、あまりSTGになじみのない人は、「STGって戦闘機が戦うミリタリものじゃないの?」「STGって全部が全部、難しいんでしょ?」など、どれくらい特殊なのかがわかりにくいだろう。そこで、今回はグラフを用意してみた。

■グラフで『ケツイ ~絆地獄たち~』を見てみよう
 ~そんなことより!~

※リストアップは『ブラックレーベル』や家庭用などのマイナーチェンジタイトルを割愛。
※各指数は独断と偏見を含む。

●ミリタリ度

『ケツイ ~絆地獄たち~』

※指数は独断と偏見を含む。

 ケイブの作品には、独自のSFやファンタジーといった世界観の作品は多いものの、なぜかミリタリテイストのタイトルは少ない。STG全体としては“宇宙を背景としたSFもの”や“実在の戦闘機をモチーフとしたミリタリもの”といった世界観が多いのだが、ケイブなりのアンチテーゼなのだろうか。

●メンズ度

『ケツイ ~絆地獄たち~』

※“メンズ数÷(プレイヤーキャラクター数+人間型ボス数:エレメントドーターおよび大佐含む)”にて指数を算出。
※『エスプガルーダ』シリーズ登場キャラクターの覚聖前後は別キャラクターとしてカウント。
※『ぐわんげ』藤村静彦はメンズとしてカウント。
※『赤い刀』神条椿はメンズとしてカウント。
※『デススマイルズII』レイはガールズとしてカウント。

 『ケツイ ~絆地獄たち~』は、キャラクターが全員メンズなだけでなく、リザルト画面もカットインが挿入されるだけという硬派ぶり。なお、ステージ間のアイキャッチがないため、各ステージはシームレスに接続されている。この演出による緊張感の継続も魅力の1つだ。

●難度

『ケツイ ~絆地獄たち~』

※1週クリアを基準、プレイ中で難易度選択が可能なタイトルは最低設定を基準にて独断と偏見のもとに判定。

 ケイブの歴史において比較的初期のタイトルである『ケツイ ~絆地獄たち~』は、難易度の推移では前作『怒首領蜂 大往生』とならんでピークを描く。しかし、これが“理不尽な難しさ”だったら本作は人気タイトルにならなかっただろう。初心者には「上達すれば、1週ぐらいはクリアできるんじゃないか」と思わせ、熟練者には「エヴァッカニア・ドゥーム(隠しボス)、必ず死なす!!」と思わせる絶妙な難易度調整が、本作の人気の根源だと言える。まあ、初心者は家庭用ならではの難易度選択機能で、簡単な設定からプレイしてみよう。

●絆地獄度

『ケツイ ~絆地獄たち~』

※独断と偏見しか含まれていない。

 仏恥義理。

 ★まとめ地獄!【絆地獄編】

 『ケツイ ~絆地獄たち~』は……いろいろスゴい!!

→せっかくだから“ストーム”から“ドゥーム”まで敵機を一挙紹介!(4ページ目へ)

 ■おまケツイ ~なぜなに地獄たち~ EXTRA

『ケツイ ~絆地獄たち~』
▲EVAC Industry名刺入れ(皐月誠・私物/愛用)

Q.EVAC Industryってどんな組織なの?
A.ごっつい超国家巨大企業。

 EVAC Industryは、軍事・民間向けのさまざまなジャンルの事業部を持つ巨大企業。ゲーム中でプレイヤーを襲うのは、“EVACセキュリティーサービス”という、民間向けにもサービスを提供しているグループ企業だ。1面の都市はEVAC Industryに勤める人たちのために作られた街で、ビルや球場などから出てくる兵器は据付の防御装置。プレイヤー機は少数精鋭での奇襲をかけたため簡単に陥落させられたが、攻撃が事前に察知されていたらすべてのビルから砲台が出現していたらしい。

 『ケツイ ~絆地獄たち~』の他、ソーシャル要素を取り入れた携帯電話アプリSTG『SWITCH』でもEVACが登場(こちらでは“ELECTRONIC VIRTUAL AMUSMENT CREATION”の略称だが)し、iOS/Windows Phone用アプリSTG『DODONPACHI MAXIMUM』は“EVAC Industryの開発した戦闘シミュレーション上で、同社の開発した兵器群と対決する”という設定になっている。

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