2013年8月22日(木)
――一部のタイトルについて、PS3版のソフトを買えば、PS4版をディスカウント価格で購入できるという施策も発表されました。これは、UMDパスポートと同じようなイメージでよろしいですか?
そうですね。UMDパスポートは、UMDドライブのないモデルを出す時に互換性を保つ意味で始めた施策でした。今回は、PS3とPS4で同じタイトルを出すサードパーティさんから、「PS3版の発売がPS4版よりも早いケースが多いので、ユーザーさんがどちらを買うかを迷われてしまうのではないか」という声が多かったことがきっかけです。
「これはマズかろう」ということで、「まずは安心してPS3版で遊んで、後から追加で少しだけお金を払ってPS4に移ってください」というようなものを考えました。システムおよびプラットフォーム側として、サードパーティさんのニーズをサポートしたというのが背景です。
――最初に、サードパーティ側からそういう要望があったということですか?
そういう声が、強かったですね。
――当然、このサービスは日本でも行われると考えてよろしいでしょうか。
まだそこはハッキリと決まっていませんので、これから日本向けに情報をお出しする時に、お伝えできるかなと考えています。
――PS4のコントローラについてですが、カラーバリエーションが一挙に発表されました。誤解を恐れずに言えば、「おもしろい色だな」と思いました(笑)。
私もちょっと驚きました。「いきなりツートンか!」と(笑)。
――名前も、“マグマ・レッド”と“ウェイブ・ブルー”で、普通ではないですね。
これまでのパターンだと、最初はブラックが来て次はホワイトとなるんですが、デザイナーのこだわりがあるようです。言われてみると、PS4のベーシックなカラーとなるブラックも、よく見るとツートンカラーになっているんですね。そこを統一したかったようです。
――コントローラのカラーバリエーションは、欧州限定ですか?
今回は欧米での発売を発表した、ということになります。
――日本のユーザーとしては、「オレたちもコレが手に入るんだろうか?」と疑問に感じるのではないでしょうか。
その点も、後日ちゃんとお伝えしなくてはいけないと思います。実は、これまでは日本のほうがカラーバリエーションを多く展開してきているのですが。
――ちなみに、カラーの名前の由来を教えてください。
私もよくわからないんですが(笑)。そこも、デザイナーがその都度、オリジナルで決めているみたいです。
――PS4のユーザーインターフェースというのは、どういったことを意図して構築されたんでしょうか。
2月のPS4の発表の時、Simple/Immediate/Social/Integrated/Personalizedという5つのキーワードを掲げました。従来のクロスメディアバー(XMB)は使いやすく分かりやすいのですが、そのシンプルさは踏襲しつつ、5つのキーワードをすべてシステムソフトの中で実現したいなと考えたんです。
昨今はいろんな情報がソーシャルメディアなどで扱われていて、自分にかかわる情報が常にアップデートされるというのが当たり前になってきています。そんなSocialな一面を、ゲームに対しても組み込みたいんです。やはりゲームを遊んで知りたい情報を、努力することなく得られるように、どんどん出してあげたいという一面を盛り込んであります。
またImmediateという意味では、デジタル配信のゲームが増えてくると、ゲームをダウンロードしたり、パッチを当てたりといった際に、ゲームとシステムの切り替えを含めて、色々な点で待ち時間が長くなってしまいます。これはイヤですよね。PS3では残念ながら、さまざまな待ち時間が発生してしまったので、ここを何とかしたいというのがありました。そういった点が切り替えの早さですとか、バックグラウンドでいろんな処理をするといったところに反映されています。
あと、これはSocialとも共通することでもあるんですが、Personalizedという部分ですね。例えば『KILLZONE Shadow Fall』に関する情報を提供する際に、そのユーザーにまつわる多様な情報も出てきます。1人1人のユーザーさんの『KILLZONE Shadow Fall』のページに、それぞれに合わせた違う情報が出るようになっているわけです。またストアに関しても、その人がどういうものを買ったとか、あるいは友だちが何を買ったとか、そういう形でその人の趣味趣向を反映し、お出しする情報を変えていこうとしています。
それと、Integratedについて。PS4のシステムでは、スマートフォンやタブレット用に連携アプリを用意します。そのアプリでPS Networkのアカウントを使ってログオンすれば、PS4にまつわる情報や、あるいはPS Storeの情報などが、自分用に用意される仕組みです。スマホでもPS4のゲームが買えたり、新しい情報が見られたりとか……。他にも、別のプレイヤーが遊んでいるストリーミング映像が見られたりとか。そういう楽しみを提供しようというのが、基本的な考えになっています。
――『BEYOND: Two Souls』では専用アプリを通じてスマートフォンやタブレットでキャラクターを操作できるなど、一部はすでに実現されている気がしますが、そういったソーシャル的な機能を今後はさらに活用していくということでしょうか。
PS3でも、いくつかスマートフォン用のアプリがありますね。オンライン機能が充実したゲームでは、自分のクランの情報が閲覧できたり、戦いの結果が見られたりとか。
PS4に移るからできること、というわけではなく、サーバーベースで開発・運用すればPS3でもPS Vitaでもできるんですが、PS4では最初からそれを意識して作っています。ですので、ディベロッパーさんがあまり苦労しなくても、スマホやタブレットのアプリを作れるような環境を用意しているということになります。PS3でやっているのは、個々のディベロッパーが努力してそれぞれの専用アプリを作っているという状況ですね。
■gamescomのSCEブースでは寝転びながら新作を楽しめる!?
――gamescom会場のSCEブースをひと通り回ってきて、やっぱりPS4がものすごい人気で、長蛇の列ができていました。これはやはり、PS4への期待度が高いということだと思うのですが、吉田さんはもう会場をご覧になりましたか?
まだ行けてないんですよ(笑)。今日は遅くまで開いているそうなので、この後に行こうかなと思っています。
――ブース全体がとてもリラックスして楽しめるような展示形式になっていて、その辺も、PS4でのこれからの遊び方をイメージしているのかなと感じました。
Gamecomは毎年そうなのですが、SCEヨーロッパが頑張って大きいスペースを取ってくれるんです。ですから、他のイベントよりは割と余裕を持って配置されているのではないでしょうか。
――すごく大きなクッションがモニターの前に置いてあって、寝転びながらプレイできるような様子でした(笑)。
毎年そんな感じです(笑)。ビックリするほど広いスペースですよね。
――それでは最後に、9月9日のプレスイベントや東京ゲームショウでの、日本のPS4に関する発表を心待ちにしているゲームファンに向けて、ひと言いただければと思います。
今回のgamescomでは、北米と欧州での発売日が発表できました。32カ国において11月に発売ということで、日本の皆さんには情報をお出しできなくて大変申し訳なく思っています。けれど9月には、9日のプレスイベントと東京ゲームショウと、皆さんに新しい情報をお伝えする機会を2回用意していますので、ぜひ楽しみにお待ちいただきたいと思います。
――本日はありがとうございました。