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2013年9月5日(木)

『ドラッグ オン ドラグーン3』キャラデザ担当・藤坂氏インタビュー。伝説の学園恋愛ゲーム化企画“エンジェレグナ”もチラリ【電撃DOD3】

文:タダツグ

■オクタのインナーはあのハ……ヴェルドレとおそろい!? 意外な共通点にセルフジョイ

――ちなみに、藤坂さんが『DOD3』のキャラの中で、一番気になっているキャラクターは誰なのかを教えてください

藤坂:デザイン的にはワンですかね。自分の中で最も好きなデザインラインです。あと、●●●●。

:わぁ! 言っちゃったよ。

――ん? ●●●●?

藤坂:なんかすごくいいなって思ってます、●●●●。詳細はプレイしてのお楽しみです!

:まだとても言えませんからね。それにしても、君は●●●●好きだね。

藤坂:好きですね。あと、オクタも好きです。

――藤坂さんって、いっつもおっさんとかジジイを推しキャラにあげますよね。

藤坂:いやでも、デザイン的にかなり凝ってるんですよ? オクタは、僕にしては珍しく、構造が複雑な服の着方をしています。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲セルフジョイが趣味というオクタ。デザイン的にはかなりのこだわりが!?

――なるほど、言われてみるとその通りですね。これはマントとマフラーを重ねているんでしょうか?

藤坂:そうですね。僕、普通はあまり重ね着というか、複雑に服を着せるのって好きじゃないんですよ。ラフではそのように描いていても、途中でイライラするのか、最終的にはシンプルにする傾向があるんです。

:たしかに、基本はシンプルだよね。

藤坂:最初はもっとアニメっぽくとか、ゲームっぽく見える切り返しを入れたりもするんですけど、描いてるうちに嫌だなって思って、すぐに地味にしちゃう。でも、オクタはそんな中で、地味にものすごく重ね着していて、自分の中ではかなりのこだわりがあるんですよ。

:藤坂さんのタガが外れたんですね。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲上はオクタで、下はヴェルドレ。まさかのジジイつながり。恥ずかしながら、気づけませんでした……。

藤坂:実は、インナーはヴェルドレと同じ服だったりするとか、いろいろ考えてたりはするんですけどね。

:あ、ほんとだ。神官長の服とすごい似てる!!

藤坂:これ、もちろんわざと似せてます。まぁ、つながりがあるのかって聞かれても、自分でもわかんないんですけど。

:あと背中にしょってるこの荷物の秘密、ついこの前知ったんですけど……。

藤坂:あぁ、亀仙人。

――亀仙人!?

藤坂:これ、亀仙人にインスパイアされてるんですよね。あのじいさん、甲羅をしょってるでしょ?

――わ、わかりづらかったー! でも、言われてみれば確かにそうですよね。

:まさにエロジジイつながり! もうね、オクタには藤坂さんのいびつな愛を感じますよ。

藤坂:そうですね。ヒゲの形も終盤で変えちゃったりして、開発のみなさんにご迷惑をかけたりもしました。

:ちなみに、僕もけっこう好きですよ、オクタ。走り方のモーションがおもしろいんですよ。ぜひゲーム本編で確かめてみてほしいです。

藤坂:もしかしたら、一番好き勝手にやっちゃったキャラかもって気がしますし。うん、そういう意味ではオクタこそが一番のお気に入りかもしれません。

:ちなみに、服のこういうテクスチャーってさ、どうやって描いてるの? そういう素材とかがあるものなの?

藤坂:いやいや、自分で描いてるよ。

:描いてるの? これ、1つ1つ描き込んでるの? うわー、こういうのいいなぁ。イチから自分でデザインしてるってことだよね? さすが藤坂さんだなぁ。

藤坂:まぁ、デジタルだから1個描けば、後はコピーでなんとでもなるんだけどね。でも、たいへんなんだよ、こういう地味な部分って。

:でしょうね。いや、こんなジジイにめちゃくちゃこってもらっちゃって、本当にありがとうございます。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲オクタのマフラーの紋様をズームアップ! こ、こまけぇぇぇぇぇぇぇ!!

藤坂:ゲームの3Dモデルのいいところって、1度作ってさえしまえば、アニメやマンガのように何度も作る必要がないってところだと思うんですよ。まぁ、それをうまく動かすってことが、またたいへんではありますけど。

:そうだね。

藤坂:それはアニメやマンガとは違う部分だから、もっともっと際限なくテクスチャの解像度なんかは上げていけるといいなとは思いますね。

:いいね、そのこだわり。藤坂さん、昔から細かいからなー。個人的にも、藤坂さんのイラストは大好きですよ。

――細部にもこだわっているから、ずっと見ていられますよね。100年経過した後とかに、壁画として飾られててもおかしくないくらいの描き込みだと思います。

藤坂:ゲームキャラの立ち絵って、独特の存在のものじゃないですか。アニメやマンガのイラストは、細かく動くことを前提にしているぶん、1つ1つにディテールがなくても十分魅力を表現出来ると思うんです。もちろん、ゲームキャラも実際にゲームを遊べば、2Dなり3Dのモデルが動き回るわけですが、ほとんどの場合、僕らキャラクターデザイナーが描いたイラストが、そのままのタッチで動くわけではありませんからね。

――そうですね。アクションゲームだと、特にそういう側面はありますね。

藤坂:そのわりに、キャライラストっていろいろなところで使用されて、それをきっかけに興味を持ってくれるお客さんもたくさんいるわけですから。WEBであったり、雑誌媒体であったり、それこそ店頭のポップとかでも使われる可能性がありますからね。そうやって、いろいろな場所で何度も見てもらうことになるわけですから、そのたびに何か新たな発見ができるように、細部にまでこだわっているつもりです。

『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲藤坂さんの細かいデザインが、ゲーム内でどこまで再現されているのかが気になります。

→『DOD3』の声優選びに関する裏話とは?(4ページ目へ)

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Character Design : Kimihiko Fujisaka.

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