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2013年8月30日(金)

【スクウェア・エニックス安藤の召喚★アプリ神】また1人、アプリの神を発見! エイチーム『ダービーインパクト』大久保亮介氏

文:電撃ゲームアプリ

■安藤式プロデュース! 『ダビパク』が家庭用に進出!?

召喚★アプリ神

安藤:パッケージのゲームとしてデザインされたものをフリー・トゥ・プレイにして、かつ運営に耐えられるシステムに変えていくのってかなり難しいと思うんです。そういった中で『ダビパク』は、あの『ダビスタ』や『ウイポ』の遊びが見事にフリー・トゥ・プレイに、かつ今風にアレンジされている。それがすごく新鮮でした。

大久保:フリー・トゥ・プレイと課金はこの会社に来て学びました。5,000円を払ってパッケージゲームを1本買ってくれるお客さんは、5,000円分楽しもうと積極的に遊んでくれますが、フリーミアムのモデルだと遊んでもらえるハードルは低くても、それと同じかそれ以上にやめてしまう可能性も高い。無料のゲームがたくさんある中で遊んでもらうにはどうすべきか、すごく考えました。

安藤:例えばガチャガチャの概念は“種牡馬抽選”という形にして、しかもダブったカードは種付けの回数を増やすために使う。そういう見事なゲームデザインはまさに最先端というか、このディレクションができる人って日本に何人いるのかっていうくらい鮮やかでした。それからトップジョッキーに任せたときの大人の遊びをしている感じ、お金を払ってブーストしている気持ちよさは、実はアプリにおいて僕にとって初めての体験だったんです。故にすごくお金使ってしまったんですけど(笑)。それって完全に『ダビスタ』でも『ウイポ』でもない新しい遊びだと思うんです。既存のゲームと新型サービスの融合を、ついに実現した人が登場したという感じです。『パズドラ』以来かもしれません。

大久保:それはちょっと誉めすぎです(笑)。でもそのあたりは、やはりエイチームが持っているものが大きいですね。『ダークサマナー』などの人気タイトルの運営を通じて学ぶところがたくさんあって、別のプロジェクトであってもいいところは受け継いで積極的に取り入れた結果だと思います。

安藤:なるほど。今まで作ってきたもののいいとこ取りができた上で、しかも競馬というテーマを新しい遊びにうまく着地させていますよね。それって実は相当なスキルが必要だと思うんです。もう1つすごいと思うのは、5分に1回ユーザー同士の“VSレース”が開催されていることです。

大久保:“VSレース”は技術的にも難しくて、1つのレースにアクセスが集中するんです。それをトラフィックでさばくんですけど、エイチームのサーバ系の技術やノウハウによって実現できました。今後は、友だち同士で競えるフレンドレースも導入したいと思っています。

安藤:いいですね! 今はどちらかに偏っている会社が多いですよね。トップエンジニアはいるけどゲームはイマイチとか、ゲームはおもしろいけどメンテばかりのところもあったりする中で、“VSレース”が何ごともなく運営されているのは同業者の目から見て本当にすごいです。実はエイチームってすごい底力があるんじゃないかと思っているんですよ。老婆心ながら1つオススメがあるんですが、『ダビパク』を家庭用ゲーム機で出されるといいと思いますよ。

大久保:なるほど!

安藤:我々はPS Vitaで『拡散性ミリオンアーサー』をやっているんですけど、PS Vitaだからこそ遊ぶというユーザーがいるんです。PS Vitaにはフリーミアムの競馬ゲームはもちろん、ちゃんとした競馬ゲームがありませんし、狙いどころですよ。

大久保:そうですね、いいかもしれません。

安藤:大久保さんがターゲットとしている人って、実は家庭用ゲーム機にたくさんいるはずです。『ミリオンアーサー』を運営していて感じたのは、スマホも持っているけどPS Vitaにきたからようやく遊ぶという人たちが、すごく多いことです。

大久保:スマホとPS Vitaの両方で遊ぶんですか?

安藤:それが遊ばないんです、PS Vitaだけなんです。だからきっとヒットすると思いますよ。僕がエイチームのプロデューサーだったら『ダビパク』をPS VitaやPS3に持っていって、『ダビスタ』と『ウイポ』が持っていた覇権を一気に取りに行きますね。エイチームは大久保さんをはじめ家庭用ゲームを経験されている方がたくさんいらっしゃいますし。

大久保:アドバイスありがとうございます。実はエイチームに入社した時に、モバイルのゲームということで甘くみていた部分もありましたし、いつかコンシューマーに戻りたいと思っていたんです。でも一度モバイルのゲームを作ってしまうともう戻れない。このおもしろさとダイレクト感は他では味わえませんね。今、頑張っていいゲームを作っても多くの人に遊んでもらうのが難しい状況ですが、この名古屋の会社で作ったものが一瞬で世界中にお届けできる。そういう意味では、メチャクチャおもしろい時代におもしろいところで戦えてるなって、すごく幸せに思います。

安藤:競馬って、興行自体が大変システマチックじゃないですか。生産から引退まで生態系があって、ギャンブルとしてもシステマチック。だからゲームにおいて、最もシステムと対峙しなければいけないのが競馬ゲームなんですよね。『ダビパク』はそこに新しいシステムと生態系を与えたわけで、それによって競馬ゲーム自体が盛り返す可能性があると思うんです。今、閉塞しているジャンルって多くて、いろいろなところがフリーミアム化で苦しんでいる。その隙間を縫ってぽーんとエイチームから、競馬ゲームの次世代を担うものが出てきたのはユニークで今っぽいですし、競馬ゲームのような古典ジャンルでも出るということは、サッカーや野球のゲーム、シューティングやアドベンチャーでも今後新しいものが生まれる可能性があるかもしれない。で、恐らくRPGは僕らが答えを出さないといけないんでしょうね。

大久保:期待しています。

安藤:頑張ります、はい。『ダビパク』のようにスマホから新しい時代が紡がれていくのはすごくいいし、大久保さんの「1回やると抜け出せないくらいモバイルのゲームはおもしろい」という言葉は、パッケージのゲームを作っているクリエイターの方々にもぜひ伝えたいです。今後『ダビパク』のようなニューヒーローがいろんなところから現れるかもしれないと思うと、1人のプレイヤーとして楽しみです。今日、声を大にして言いたいんです。「『ダビパク』すごいよ!」って。これからもっと伸びる可能性があるし、そのぐらいシステムとして完成度が高いということを、多くのユーザーに知ってもらいたいですね。

→安藤氏の過去が明らかに! 競馬談義と『ダビパク』の未来とは?(3ページ目へ)

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データ

▼『ダービーインパクト』
■メーカー:エイチーム
■対応機種:iOS/Android
■ジャンル:SLG
■配信日:配信中
■価格:無料(アイテム課金)

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