2013年8月30日(金)
安藤:実は僕はすごく競馬が好きで、そのことも話したいと思っていたんです。1994年~1998年の4年間、WINSで働いていたんです。働き始めたのはナリタブライアンが三冠王を獲った年で、95年くらいにはマヤノトップガンが出てきたり、シルクジャスティスが出てきたりとか。
大久保:黄金時代ですね。
安藤:ゲーム業界で競馬が好きな人は多いと思うんですけど、僕も結構競馬を見ているよって、そろそろ言ってもいいんじゃないかと思って。競馬の本質的なおもしろさも僕なりに考えたつもりだし、多くの競馬ゲームにも接してきた中で、『ダビパク』っていち競馬ファンとしても楽しめるんです。ぜひ多くの人に遊んでほしいです。
大久保:ありがとうございます。
安藤:スマホのゲームってそれ自体がメディアたり得るじゃないですか。『ダビパク』なら競馬ゲームのファンやリアルの競馬ファンが集まるはずですから、そこに対するアプローチがあるといいなと思いますね。歴代の宝塚記念を勝った馬のイベントが開催されるとか、リアルとのリンクを濃くするとか。
大久保:そのあたりはまだ弱いところですけど、逆にリアルのほうに新しいスターが出てくれば『ダビパク』で一緒に盛り上げていきたいと思っています。『ダビパク』が出たばかりのダービーの時に、武さんの復活、キズナ、優勝というドラマがありましたよね。
安藤:ドラマチックでしたね。
大久保:鳥肌ものでしたよね。余談ですが単勝で3万円勝ちました。
安藤:あ、本当ですか(笑)。
大久保:チームのメンバーを連れてオルフェーヴルの三冠達成菊花賞を見に行ったこともあります。「勝ったら祇園で豪遊するぞ!」と言いながら、全員ボロ負けで、本場の天下一品を食べて帰ってきました(笑)。でもあれは興奮しましたね。
安藤:現場主義というか、実際に体感してゲームに魂を込めるところもやっぱりあるんですね。
大久保:大事だと思います。また次の凱旋門賞にオルフェーヴルが出ますし、日本勢が勝てばまた競馬も盛り上がると思いますし。
安藤:このところスターホースが結構出てきているので、競馬全体も『ダビパク』も盛り上がりそうですよね。制作の皆さんはオルフェーヴルやキズナ世代ですけど、願わくば『ダビパク』をきっかけに、かつての名馬を愛した僕たちオッサン世代にもゲームを遊んでほしい。そういう意味では、実際の競馬を振り返るイベントもやってほしいです。
大久保:ぜひやりたいですね。
安藤:競走馬って引退とか、事故とかで命を落とすこともあるあやうい存在ですから、ものすごく命懸けでやっているんですよね。ジョッキーも命懸けですし、そこにしかないドラマが競馬にはあるわけです。もしこの馬が元気だったら、とか“if”みたいなものも。
大久保:サイレンススズカはその筆頭ですよね。
安藤:そう、あのまま失速せずに走って勝っていたらどうなっていたかとか。歴史のイタズラってありますよね、サイレンススズカは毎日王冠がベストレースと言われていますけど、そのレースで2着のエルコンドルパサーが突っ込んでくる。その突っ込み方が尋常じゃない。エルコンドルパサーはのちに凱旋門賞で2着になる馬なんですけど、そいつをそれだけちぎるサイレンススズカはどれだけすごいんだと。残念ながら次のレースで骨折してしまうんですけど、もしサイレンススズカがその後も走っていたらどこまで突き抜けたんだろうっていうのが僕らの中に妄想としてあるんです。かつての名馬や名シーンを、読み物やゲームの中で体感できるようになるとすごくいいなと思います。
大久保:競馬には本当にロマンやドラマがありますよね。
安藤:競馬のよさですよね。スポーツとしてのよさや物語としてのよさを総合的にわかっていないとおもしろくならない難しさが競馬ゲームにはあると思うんですけど、1人の競馬ファンとして『ダビパク』の未来に超期待しています。
大久保:『ダビパク』には、やりたいと思いながらやれていないことがまだたくさんあるんです。海外レースやオンラインの充実など、もっと楽しい『ダビパク』にしたいと考えていますので、引き続きご愛顧をよろしくお願いします。競馬ゲームで遊んだことがない方や、競馬を知らない方もぜひ一度プレイしていただいて、競馬の魅力やロマンを感じていただけるとうれしいです。
安藤:で、大久保さんには将来馬主になっていただいて。ぜひダービーを獲ってください!
『ダビパク』って大久保さんのクリエイターの歴史や“アイレム魂”、“エイチーム魂”などの集大成なんですよね。しかも現在みんなが悩んでいるコンシューマーゲームのよさ、ソーシャルゲームやネットワークゲームのよさを、ハイレベルな積集合として形にしている。競馬ファン、競馬ゲームファンから見てもよしで、今後10年を担う競馬ゲームのスタンダードになると思えるくらいの偉業だと思います。本当なら僕ら老舗ゲームメーカーがやらなければいけないことを、ガンホー・オンライン・エンターテイメントさんやエイチームさんがパッとやってのけるのが今の時代のおもしろさだし、負けていられないところです。僕は1人の競馬ファンとしてこれからも『ダビパク』を遊び続けます!(安藤武博)
(C)Ateam Inc. All Rights Reseved.
データ