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2013年9月20日(金)

SCEワールドワイドスタジオ吉田氏が語る、プレイステーションが目指す方向性――プラットフォームからサービスへのシフト【TGS2013】

文:電撃オンライン

 千葉・幕張メッセにて、9月22日まで開催されている"東京ゲームショウ2013(TGS2013)"。今年のTGSでは、PS4やXbox Oneなどの次世代機がプレイアブルで出展されており、多くの人々が注目するイベントとなっている。

 ここでは、PS4の開発にも携わっている、SCE ワールドワイド・スタジオプレジデントの吉田修平氏、プレイステーションが目指すべき方向性や、PS4の気になる機能などを伺うことができたので、その内容をお届けしよう。

SCE吉田修平氏
▲SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏

――PS4のイメージビデオでリモートプレイの様子が描かれていたと思います。PS4とPS Vitaのリモートプレイは、ホームネットワーク外のネットワークでも実際にゲームがプレイできるのでしょうか?

 2月にニューヨークで行った発表会で、マーク・サーニーがPS Vitaのリモートプレイで『KNACK』をプレイしていましたよね。リモートプレイに関してはその時からよく質問されてきたことで、でもはっきりとした解答を我々はしてこなかったんです。

 これは、まだ開発中だったからということが大きいのですが、先週のSCEJAのプレスカンファレンスで公開したイメージビデオでは、さらっとその様子が流れていて、「あれ、インターネット経由のリモートプレイでもゲームができるの?」って話題になりましたよね。

 私もTGS2013の基調講演で説明したのですが、構想段階からPS4は、PS Vitaとどこからでもつなげるようにしているんです。PS4にはプロセッサが2つあって、メインのプロセッサが落ちているときでも、もう一方のプロセッサが常に動いているんですね。そのプロセッサがあるおかげで、常にネットワークからアップデートを受けることができるようになっています。

 そして、PS4がスタンバイ状態の時でも、PS4と機器登録したPS VitaをPSNに接続させると、そのPS4を検索して接続することができるんです。ただし、この接続するときに現在のインターネットの環境を調べるんですね。そしてその環境がOKだったら、PS VitaでPS4のリモートプレイが可能になります。

 リモートプレイは、仕組みとしては提供するのですが、実際にリモートプレイでゲームができるのかというのは、PS4を接続しているネットワークの環境、そしてPS Vitaを接続しているネットワークの環境の両方の条件をクリアしている必要があります。そこさえクリアしていれば、ゲームをプレイして楽しめると思います。

 今回のTGSのPlayStationブースでは、PS VitaやPS Vita TVのリモートプレイでPS4を操作しているものも楽しめます。PS4からTVに直接出力されている映像と、PS Vitaでリモートプレイしている映像を並べてみても、ラグなどは特に感じず、ピッタリ動いているのがわかると思います。

――PVでは、PS Vitaでリモートプレイをするときに「PS4リンク」というアイコンをタッチしていますよね。これがスマートフォンやタブレットで展開する「PlayStation App(以下、PS App)」と同等のものになるのでしょうか?

 PS AppをAndroidやiOS向けに提供していくということを基調講演で話しましたが、PS VitaではPS Appはないのかと言われると、PS Appが持っている機能の一部はすでにPS Vitaに入っているものなんでね。例えばPS Storeやメッセージ、トロフィーなどは、PS Vitaでもすでにある機能ですよね。これらをまとめて、PS Appという形でPS Vitaで出しても無駄なので、PS Vitaにはまだ搭載されていなくて、PS Appで提供するもの――セカンドスクリーンやリモートプレイといったものを、PS4リンクという形で提供していきます。

 ちなみにリモートプレイは家庭内とインターネットを通じての両方で実行可能ですが、セカンドスクリーンは家庭内でのみ実行可能です。これはその名の通り、目の前にTVがある状態で、2つ目のスクリーンとしてPS Vitaを使うためのものだからです。

――セカンドスクリーンの内容は、ゲームに応じて変わるのでしょうか?

 はい。これはPS Appのところでも説明したのですが、『ウォッチドッグス』などのタイトルに関しては、パブリッシャーがゲーム専用のアプリを用意されますよね。専用アプリのほうがさまざまなことができるのでいいのですが、やはり開発するのが大変なんです。

 ただ、私たちとしてはセカンドスクリーンの機能をもっと気軽に使ってもらいたいので、PS4(ゲーム)側にセカンドスクリーンのプログラムを用意できるようにし、PS AppやPS4リンクのセカンドスクリーン機能を使用したときに、PS4からプログラムを入手して使えるようにしています。

 これならユーザーが別のアプリを入手することもありませんし、開発側としてもPS4向けのゲームを作ればいいだけで、専用アプリを制作して審査してもらうという必要もなくなります。

――PS4が登場すると、ハードとハードの関係はこれまでとどのように変化していくのでしょうか?

 これは私たちが意図して努力しているものなのですが、これまでPlayStationというのは、ハードを中心としたハード別のプラットフォームだったんですね。それをこれからはサービスによった形で、ハードごとに別々の展開をするのではなく、PSNやPS Plusのように、1つだけよりも2つあったほうがさらに楽しめる、1+1が2ではなく3になるような方向に持って行きたいと考えています。

 PS4が登場すると、PS4ばかりのゲームになってPS Vitaは楽しくなくなるのか、決してそういうわけではありません。PS4があると、PS VitaのリモートプレイでPS4のゲームができるようになりますし、クラウドサービスも使った遊びも可能になります。ゲームの作り手としては、特にデジタル(配信用)ゲームでしたら、PS4とPS Vita、そしてPS3で同時に展開して、どこでも続きが遊べるような形を目指していきたいですね。

――2014年からアメリカで展開が検討されている、クラウドサービスについてはいかがでしょうか?

 こちらに関しては、着々と準備を進めている最中です。E3で発表したことと同じになってしまいますが、来年のアメリカを皮切りに、PS3のライブラリをPS4とPS3向けに、その後PS Vita向けに順次配信していく予定です。また、PS Vita TVが出ている地域には、そこにも合わせて配信していきます。

 その後は徐々にPS3以外のコンテンツをサービスに加えていきたいと思っていますし、アメリカ以外の地域――もちろん日本を含めて配信して行きたいと考えています。その後はPS以外のデバイスにも展開していきたいですね。ただ、このサービスを配信するにはβサービスなども行わなければいけませんし、そこは情報がまとまりしだい、お伝えしていくつもりです。

――PS以外のデバイスにも対応させていきたいとのことでしたが、それはPCなどのデバイスということでしょうか?

 究極の目標を言えば、ありとあらゆるデバイスにPSのゲームを届けたいと思っています。ですからPCやTV、BDプレイヤー、スマホタブレットなどいろいろ考えられますよね。そしてソニーのデバイスだけでなく、ソニー以外のデバイスにも展開していきたいと考えていますし、まだ検討している段階ですが。先ほどPlayStationはハード中心からサービスに寄せていくと話しましたが、デバイスにこだわらず――もちろんPlayStationが中心ではありますが、さまざまなものに展開していきたいと思っているところです。

――次にPS Vita TVについて、吉田さんの感想などをお聞きできればと思います。

 先週のSCEJAプレスカンファレンスでの発表を私自身とても楽しみにしていました。PS Vitaの開発には私も深く関わっていて、PS VitaはOSは使いやすく、さくさくと動くものができましたし、内部のコンポーネントもスタンダードなもので作っているんですね。このPS Vitaのアーキテクチャそのものを、ほかのデバイスに持っていくことはできないのかという検討は、PS Vita開発段階から行ってきたことなんです。それでさまざまなものを試作していて、そのなかで形としてまとまったものが、PS Vita TVだったんですね。

SCE吉田修平氏

――PS Vita TVは、これまでPlayStationに触れてこなかった人などもターゲットにおいているとのことですが、海外の人の反応もすごくいいですよね。

 PS Vitaはいろいろな事ができるので、どこがユーザーにとって一番価値が高いのかが、まだわからないのが現状なんです。PS Vita TVは、2つのユーザーを想定していて、1つは今おっしゃったように、カジュアルなユーザーですね。お手軽な価格でさまざまなストリーミングサービスを楽しみたいし、ちょっとしたゲームもプレイしてみたい。

 PS1のゲームアーカイブスなら1タイトルが600円ほどとお手軽ですし、プレイステーションのエントリーデバイスとして、とてもいいハードですよね。そしてもう1つが、これまでPlayStationで遊んでくれていた、ゲーム好きなユーザーです。

 すでにPS Vitaをお持ちのユーザーで、なおかつデジタルでゲームを購入しているのならば、それらをPS Vita TVで楽しめますし、PS Vitaカードにも対応しているので、それを挿してゲームをプレイすることも可能です。また、PS4のユーザーならリモートプレイも楽しめますね。

 先ほどの欧米で盛り上がっているユーザーというのは、後者のユーザーなんです。アメリカのように広い家でいくつも部屋があるようなところでは、PS4が家に1台しかなくとも、PS4を持って歩く必要はなく、この小さなデバイス1つで遊べるようになるんですね。さらに私たちが期待しているのは、正式にクラウドサービスが動きだしたときに、たくさんのライブラリを手軽に遊べる端末としてさらに盛り上がってくれるんじゃないだろうかと。そこまで進むと、PS1、PSP、PS Vita、PS3、PS4と、幅広いコンテンツがPS Vita TVで遊べるようになるんです。

――最後に、一般公開日からTGSに来場する人たちに向けてメッセージをお願いします。

 TGSではPS4のタイトルを多数展示していますし、6色のカラーバリエーションの新型PS VitaやPS Vita TVも体験できますし、PS4のリモートプレイも体験できます。もちろん、先週発表したPS4やPS Vita向けの新作タイトルも試遊でき、見どころはたくさんあると思います。TGSにお越しの際は、ぜひPlayStaitonのブースに来て楽しんでいただければと思います。

SCE吉田修平氏

■東京ゲームショウ2013 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデー……2013年9月19日~20日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2013年9月21日~22日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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