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2013年11月14日(木)

【ほぼ毎日特集#60】アトラス最新作の情報も!? 『真・女神転生』『ペルソナ』シリーズを大解剖「教えて!土屋憲一先生」(前編・ミゲル)

文:ミゲル

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――そうだったんですか!? 敵の声は毎作おもしろくて、想像力をかきたてられるので好きです。

土屋:ファンの皆さんに喜んでもらえるのはうれしいのですが、自分の美的感覚から言うと、「もっとこうプロっぽくスマートにしようよ~!」とは思ってしまいます(笑)。『真4』では声優さんに担当していただいたので、録音に行くたびに「すごいな~」と思いましたねぇ。

――ゲームの曲や音は、どのように作ったり付けたりしていくのでしょうか?

土屋:曲にもよりますが、僕は頭からバリバリ書き始めるタイプです。サビからというのはまずないですね。効果音も曲も、絵やプログラムがほぼ完成してプレイできるようになってから付け始めるものなので、そのイメージから作り始めます。アトラスの中で作っている作品については、効果音を付けるところも自分で決めますよ。

 “見ればわかるだろう”という絵にはそのままの音を作りますが、魔法のような現実にないものは結構難しいですね。効果音も、音楽と同じく作った方のセンスが如実に表れるものなので、何かを参考にすることはまずないですけれど、『プリキュア』とかは見ますね。

――『プリキュア』!? ど、どうしてですか?

土屋:女の子向けのアニメはキラキラ音が特に素晴らしいのですが、『プリキュア』はコンパクトをパシッてやる音がすごくよくて、「あわぁ……! カッコイイ!!」ってなります(笑)。スナップ音が大好きです。

――効果音は1から作られたりするのでしょうか?

土屋:音ネタライブラリやシンセサイザーを用意して、素材の選定や録音を行います。それにエフェクトをかけたり重ねたりして磨いていくことが多いですが、選びようがないものは頑張って自分で作ります。

 本当は、1から全部自分で作るべきなのですが、効果音を録音できる環境って全然ないんですよ。足音や身動きする音などを“フォーリー”というのですが、録音スタジオは日本でも2~3件くらいしかないそうです。大きい映画会社さんとかは、自社スタジオを持っているようなんですが……。

 マイクってものすごく高性能なんです。自分のサウンドブースでも上下のフロアや屋外の音がガンガン入ってきてしまったり、聞こえてはいけない隣の会議室のマル秘ボイスが収録されてしまったりするんです。なので、家や外で作業することはありますね。

 家でやっても、また猫がニャーニャーニャーニャーしていて、なかなかやりにくいですが(笑)。

「教えて!土屋憲一先生」 「教えて!土屋憲一先生」
▲土屋さん宅のアイドルちゃんたち。

――ご自宅にスタジオがあるのですか?

土屋:スタジオと呼べるほどかっこいいものではないですが、とりあえず防音の壁を作って、マイクで録音できるくらいの箱があります。

――制作した中で、お気に入りの効果音はありますか?

土屋:今制作している、『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』のムービーですね。皆月翔の持っている刀が、今までのペルソナシリーズとは一線を画する形状で効果音屋さん的にビックリでした。形状によって付けるべき効果音が変わるので気になるんです。

 他の『ペルソナ3』や『ペルソナ4』のキャラクターは、ああいった特殊な形の武器を持っていないですよね。副島くんはちゃんと理由や構造、設定を考えて描く人なので、なぜあのデザインなのかを問い詰めに行って「は……あわわ……、なるほど……!」なんてやり取りがあったりなかったり(笑)。

●『P4U』第2弾 プロモーション動画

 コンシューマ版『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』のムービーの効果音も担当しました。ラビリスは5号機でアイギスは7号機なので、“ラビリスのほうがちょっと無骨な音がする”みたいなことは考えて付けます。あとは、ラビリスがロケットパンチでプロトタイプの顔面を粉砕する音が結構気に入っています(笑)。

→アトラスの未公開楽曲や『ジュネスのテーマ』制作秘話など、盛りだくさんの後編へ

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