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2013年11月14日(木)

『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』キーマンインタビューをお届け! 電撃文庫20周年の“お祭り感”を感じられるゲームにするために

文:カワカミ雁々

 2014年春に稼働予定のAC向け2D対戦格闘ゲーム『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX(ファイティング クライマックス)』。その制作に携わる3人のキーマンのインタビューをお届けしていく。

『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX(ファイティングクライマックス)』

 本作は、電撃文庫創刊20周年を記念して行われている“電撃文庫vsSEGA”プロジェクトのコラボ第4弾となるタイトル。開発はエコールソフトウェア/フランスパン(『MELTY BLOOD』『UNDER NIGHT IN-BIRTH(アンダーナイト インヴァース)』など)が手掛けており、『ソードアート・オンライン』のアスナや『灼眼のシャナ』のシャナなど、電撃文庫作品に登場するキャラクターたちが火花を散らす。

●『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』プレイ動画 6キャラクターver.

 この記事では、本作の制作に携わるこちらの3人にいろいろなお話を伺った。制作陣がどんなことを考えつつ本作を作っているのか? 来春の稼働を心待ちにしている人は、ぜひご覧いただきたい。

■『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』制作スタッフ

○【セガ】野中竜太郎プロデューサー(以下、野中P)
 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』の概要作りや内容の監修など作品全般を担当。

○【セガ】亙重郎プロデューサー(以下、亙P)
 プロデュース全般、アーケード、コンシューマ展開のサポートなどを担当する。

○【セガ】寺田貴治ディレクター(以下、寺田D)
 ストーリーやゲームシステム、キャラクターなどゲーム内のあらゆる要素を担当。

『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX(ファイティングクライマックス)』
▲左から、亙重郎プロデューサー、野中竜太郎プロデューサー、寺田貴治ディレクター。

■電撃文庫20周年の“お祭り感”を出すために

――本作が2D対戦格闘ゲームになった経緯を教えていただけますか。

野中P:多くの方に愛されている電撃文庫作品のキャラクターをお借りしてゲームを作ることになって、ゲームでしかできないことをやろうといろいろと考えていたのが始まりです。その時点ではどういうゲームにするかはまったくの白紙で、電撃文庫のキャラクターとセガのゲーム作りのノウハウを合体させて、何かおもしろいものを作ろうという話でした。

寺田D:そうですね。本当にいろいろな案を作って、並べて、どれがいいかを考えましたが、不思議と2D格闘ゲーム以外の案が選ばれませんでしたね。みんなが「これがいい」と言ったのが対戦格闘ゲームだったんです。

野中P:どういうゲームにするにせよ、やっぱり電撃文庫のキャラクターが魅力的なのでそれを生かして、20周年記念の夢のゲームみたいな形でキャラクターが集結するものにしようと決まりました。カードゲームやアドベンチャーゲームなど、いろんな案が出た時もその部分だけは変わりませんでした。

――「1つの作品でなくて、電撃文庫のキャラクターを集めたオールスターゲームにしよう」と、最初の段階から考えていたんですね。

寺田D:電撃文庫の20周年記念作品であるので、例えば人気作品であってもどれか1つの作品にフォーカスしたゲームを出したとしても、電撃文庫20周年記念作品として見ると、疑問符が付くわけです。“20周年”というキーワードがある段階で、“お祭り感”のあるゲームにしないといけないというのは頭にありました。

野中P:そして、ゲームの強みって何だろうと考えると、やはり“自分でキャラクターを動かせる”ということなんですね。さらに、セガの強みってアーケード、家庭用ゲーム機それぞれの開発経験があるということだと思ったんです。そういうポイントをつなげていって対戦格闘ゲームを作ろう、アーケードでも家庭用ゲーム機でも出そう、という流れができていきました。

――アーケードで出すことは、どのあたりから意識されたのでしょうか。

寺田D:一番最初の段階では意識していませんでした。家庭用ゲーム機で出すという話が進んでいたんですが、企画段階で一緒にアーケードで出してみたらおもしろいんじゃないかという話もあり、アーケードでも出すことになった感じですね。まだ詳細はお話しできませんが、アーケードならではの要素としてAimeカードとの連動なども予定されています。

野中P:僕個人としては、最初からアーケードでやれたらいいなと思っていたので、アーケードで出すことが決まった時はうれしかったですね。

――セガと言えばアーケードというイメージを持っている方も多いですからね。

亙P:アーケードに関してはセガが一番得意だという自負もあり、アーケードでちゃんと展開していくということは我々にしかできないことだと思っています。電撃文庫の20周年作品でセガが関わるのだから、セガにしかできないことをやらなければ、ということですね。

――『電撃文庫MAGAZINE Vol.34』に成田良悟先生の掌編が掲載されていますが、本作のストーリーはどういうものになるのでしょうか。

寺田D:まず、ある世界にキャラクターたちが迷い込んで戦うことになります。キャラクターたちは、その世界における切札的な立ち位置になって、いろんな困難を打破していくという感じですね。どういう世界でどういう困難なのかということは今は伏せさせてください。

亙P:作り方の切り口としては、世界観のベースをセガのほうで組み立てて、そのあと成田さんに血肉を通わせていただき、カッコいい筋立てにしてもらって、これからようやくスタートを切るというところなので、今後を楽しみにしていただければ。

野中P:お祭り的な作品という前提はありますが、電撃文庫MAGAZINEさんを読む限りでは思ったよりもシリアスというか、ただのお祭りというだけでなくて、きちんとストーリー、世界観を用意しています。ステージの背景などを見て何かを感じられたユーザーさんもいると思うんですが、それとイントロダクションのテキストというのは連動しているので、いろいろと想像していただければうれしいですね。

――プレイヤーキャラクターである桐乃などは原作では戦うキャラクターではありませんが、そういった部分もストーリー上で補足されるのでしょうか。

寺田D:そういうことはあまり意識していないですね。どちらかと言えば、そういったものを超越した世界の中に迷い込んでしまい、それを何とかしないといけない状況があるために、桐乃であっても戦わなくてはならないという感じでしょうか。

亙P:やっぱりアクションゲーム、格闘ゲームですから、理屈抜きに楽しめるのが一番ではないかと。作り手としてもそういう枠組みで作っていますので、そのあたりはシンプルに楽しんでいただければと思います。

寺田D:ちなみにそれぞれのキャラクターのシナリオでは、そのキャラクターが登場する原作の作家さんたちにテキストを監修していただいています。シナリオには共通したストーリーがあるんですが、全体の流れは同じでも、キャラクターによって話の味合いは異なります。キャラクターたちはそれぞれの考えをきっちり持っているんだなと言うことがかいま見えるシナリオになっています。

亙P:それは、作家さんたちがコンセプトを正しく理解されて、自分たちの手がけた作品の作法できちんと肉付けしてくれているからなんですね。こういった点は、今回のタイトルの強みであり大きな魅力になると思います。楽しみにしていてください。

――シナリオ面からも、ファンの人たちにとっては作家さんの色が見えるので、見どころであると。

寺田D:はい、見どころになるでしょう。シナリオシーンには当然ボイスも入るので、皆さんの好きなキャラクターの活き活きとした姿も楽しんでもらえると思います。

――『灼眼のシャナ』などは作品自体が終わってからしばらく経ちますが、新しいシャナが見られたりするというわけですね。

野中P:ゲーム中のボイスなどは全部本作のために収録していますし、作家さん自身が楽しんでキャラクターを動かしてくれているので、皆さんだけでなく私たちもキャラクターたちが物語の中でどう動くのかが楽しみですし、各作品のファンの方が見てもキャラクターがブレているということもないと思います。

→登場キャラクターをチョイスする基準とは?(2ページ目へ)

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