2013年11月13日(水)
小笠原:戦闘システムはベースから丸ごと制作されたということでしたが、ベーシックなシステムに加えて、“デンチ”や“バッテリー”という本作の独特な要素も加えられていて、さらに大変だったのではないですか?
岩田:そうですね。ただ、メンバー6人の行動を戦闘ごとに、毎ターン選択するのは、大変だろうと考えたんです。じゃあ、例えば3人だけ行動できればいいかというと、それも違う。おそらくは特定のキャラクターだけ使って、他は全然成長しないということが起こってしまいます。
「ではどうするか?」となった時に、全員が行動可能だけれど、同じキャラクターばかりが行動できないようにという意味で、“AP”と“デンチ”というシステムを盛り込んだんです。
福田:戦闘時のわずらわしさを感じることなく、とにかくキャラクター全員を使ってほしかったんです。使わないキャラクターが生まれてしまうのは、とにかく避けたかった。
岩田:ただ、その分だけ理解しなければいけないルールが増えたのが悩ましかったのですが、実際プレイされていかがでしたか?
小笠原:最初はちょっと戸惑うこともありましたけど、チュートリアルがすごく親切だったので、すぐに慣れました!
福田:それならよかった。戦闘システムはいろいろ試行錯誤して、仕様が変わった部分も多かったんですよ。
▲強い攻撃手段を見つけたら、そればかりを使うことでバトルが単調になる怖さがあったという。“デンチ”というシステムを組み込んだことで、“デンチ”が尽きたら他のキャラクターでフォローするという戦術が生まれた。 |
小笠原:ところで、“デンチ”の設定ってどこから生まれたんですか?
福田:携帯電話の電池がヒントになっているんです。だから、3回行動すると空っぽに。
小笠原:なるほど~!
岩田:MPといったファンタジーRPG的なシステムよりは、この作品の世界観にマッチしているかなと思います。
世俵:シナリオを書き進めている途中でその設定をいただいて、軽く混乱しましたよ(笑)。
福田:システムの変化に合わせて、設定もコロコロ変わりましたからね(笑)。
小笠原:あと、戦闘システムと言えば、“たたかう”の基本コマンドがないのは珍しいですよね?
岩田:それも最初の頃から決まっていたことですね。どんなスキルでも必ず使い道があるので、それを見つける楽しさも味わってほしかったんです。
福田:さまざまな“連携”を見つけるのもバトルの楽しさなので、いろいろな組み合わせをぜひ試してほしいですね。
小笠原:サンプルROMをちょっと触らせてもらった感じだと、クノイチとヒメが個性的すぎて、扱いが難しそうだったのですが……?
岩田:クノイチは、HPが低くなると攻撃力が上がるスキルがあるなど、条件はあるものの、味方の中で最大の火力を持ったキャラクターなんですよ。
一方のヒメはとにかく命中率が低いのですが、元々の攻撃力は高いので、命中率を上げるスキルや装備品でフォローしてあげれば、優秀なアタッカーになると思います。
▲クノイチ(左)とヒメ(右)。クセの強いキャラクターでも、必ず活躍できるようにバランス調整されている。スキルの効果を把握して、自分なりの連携を見つけるのも楽しみの1つだ。 |
小笠原:なるほど、いろいろ工夫も必要なんですね。アクセサリーで思い出しましたけど、本作には武器や防具がないんですね。
福田:そうなんですよ。本作の仲間は、例えばクイーンなら日本刀というように、強いイメージの武器を持っているので、そのイメージを優先した結果ですね。
岩田:その分、装備品はひとクセもふたクセもある効果のものを多数用意しているので、探し出してほしいですね。
福田:あと、本作ではダンジョンで手に入るお金の総額と、ショップの商品の総額が同じなんです。敵を倒してもお金はもらえないので、ダンジョンですべてのお金を見つけて手に入れないと、ショップの商品を全部買えないわけで(笑)。
小笠原:え~、そうなんですか!? 確かに、「お金がたまらないなぁ」と思ってたんですよね。
岩田:だから、“売る”というコマンドもないんです。ショップの商品の中には、新しいスキルを覚えられるものもあるので、購入する順番は意外と重要ですよ。
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