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2013年12月28日(土)

元攻略担当による3DS『モンハン4』感想&レビュー。プレイ時間は約200時間、シリーズ通算では3,000時間ぐらい【電撃オンラインアワード2013】

文:野村一真

■モンスターの狩猟はアイテム・素材収集の過程なのか?

 前ページでアイテム・素材収集について書かせていただきましたが、それを行ううえでメインとなるのはモンスターの狩猟です。アイテム・素材を集めるためにモンスターを狩るのか、モンスターを狩るためにアイテム・素材を集めるのか。これは表裏一体のため、主従を決めることはできません。モンスターを狩ることが最大の目的のときもありますし、アイテム・素材を収集することが目的のときもある。その時々で変化するわけです。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』

 『モンスターハンター4』には、本作が初登場となる新モンスターが多数存在します。大型モンスターで言うと、ゴア・マガラ、ガララアジャラ、テツカブラ、ネルスキュラ、ゲネル・セルタス、ザボアザギル、ケチャワチャなど。個人的に驚いたのが、どのモンスターも、今までのモンスターにはない動きをし、シリーズ経験者にも新鮮さを与えてくれることです。上から目線で恐縮な限りですが、よくぞまあ、個性的な新モンスター&アクションを作り上げられた、さすが『モンハン』チームの方々、みたいな感覚でした。蛇のような動き、相撲の四股を踏むような動き、素早すぎる蜘蛛のような動き、重戦車のような動き、膨らんで巨大化する動き、まさに猿の動き。各モンスターの動きをひと言で表現できるのって、当たり前だけど実はすごいことだと思います。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』

 シリーズを通して見てみると、かなりの数のモンスターが登場し、ネタ的にはそろそろ厳しいんじゃないかな……と、そんなことを思っていたんですが、いざ新モンスターと対峙すると、これは余計な杞憂でした。何度も対峙して攻撃アクションや予備動作を頭と体で理解し、幾度となく狩り続けることで、腕前が上達していく。このアクションゲームとしてのおもしろさは、『モンスターハンター』シリーズならではですが、私はシリーズ経験者なので、新モンスターと立ち回ることで、それを実感できました。

『モンスターハンター4』

 鈍っていた腕が徐々に回復していく感覚も、個人的にすごく楽しかったところです。「モンハンって、こういうセオリーだったよね」的なことを思い出していく楽しさ。『モンスターハンター』の立ち回りの基本が“待ち”にあることも、久しぶりに思い出した感覚です。私は1人で狩りをする機会が多いのですが、待ち過ぎているとクエスト自体が時間切れになってしまうことがあります。こうならないために、細かい攻撃チャンスをも見逃さずに立ち回る必要が出てくるわけで、今までは安全を期して攻撃していなかったタイミングでも、攻撃を繰り出していかないといけないことになります。

『モンスターハンター4』

 そうすると、案の定、何度も力尽きちゃうんです。力尽きるたびに「あー、むかつく」と思うわけですが(笑)、「あそこの立ち回りが甘かった」とか、「あの場面でこうしておけばよかった」とか考えて、次回の立ち回りに生かそうとする。すると、徐々に腕が上達していき、いずれは狩りに成功→クエストクリアとなります。この上達を実感できる感覚が、アクションゲームにおいては肝だと思うのですが、これをわかりやすく感じさせてくれる『モンスターハンター』って、いつもすごいと思います。そして、それを変わらずの遊びの形として提供してくれた『MH4』って、ホントすごいと思います。

『モンスターハンター4』

 こうした従来の遊びを踏襲しつつ、段差アクションという新しい遊びを加えた『モンハン4』。“乗り”って、楽しいですよね! 乗り攻防が成功して転倒を奪ったあとの攻撃チャンスの大きさもさることながら、協力プレイ時では、乗り攻防中に攻撃を控えてみたり、回復してみたり、怒り状態で乗りを狙ってみたりなど、アクションとしてのおもしろさだけでなく、戦術としても幅が広がっています。

『モンスターハンター4』

 ある意味で確立されていたアクション部分に新たな要素を加えつつ、それを完璧に融合させてプレイヤーに違和感を与えず、自然と『モンスターハンター』らしさを維持している。2011年のニンテンドー3DSカンファレンスで初めて実機で動いている映像を見たとき、今までの『モンスターハンター』とは異なるアクションを目にし、「果たしてどう進化するんだろう?」と当時は思ったものですが、「これがその形か!」と、今回原稿を書いていて、素直にこの言葉が出てきました。

『モンスターハンター4』

■『MH4』に点数を付けるとしたら何点なのか?

 国内で400万本以上を出荷したという実績は、2013年のコンシューマゲームのなかで、もちろんトップとなります。そんなゲームに私ごときが点を付けるのはおこがましい限りですが、レビュー記事テイストを表現するうえで、あえて付けてみるとしたらこうなります。10点、10点、10点、10点の40点満点。クロスレビュー風にしてみました。

 アイテム・素材収集と、モンスター&アクションに着目してここまで記事を書いてきましたが、『MH4』ならではの魅力はもっといっぱいありますので、思いついたものを感想を交えて下に書き連ね、私の原稿を終わりにしたいと思います。なお、次のページでは、『モンハン4』をプレイしている編集部員による寄稿(感想)を掲載します。こちらもよろしくお願いします。

『モンスターハンター4』

●協力プレイ

 協力プレイは最大4人まで参加可能。ワイワイ言いながらの協力プレイはやっぱりおもしろく、クリアタイムを突き詰めていく闘技大会も楽しいです。最近はいろいろなコイン集めにハマっています。

『モンスターハンター4』

●大型モンスター

 大型モンスターを狩ることがクエストの主な目的。各モンスターには特徴があり、属性の効きやすさや肉質の硬さといった特徴のほか、それぞれが個性的な動きや攻撃アクションをとります。これらをすべて覚えたうえで、何度も狩猟に挑み、予備動作を含む攻撃アクションをすべて覚えて攻略していくことになります。モンスターごとに攻略法が異なり、しかもアクションゲームということで、覚えたことを実践できるようになるまでに、時間がかかったりしますが、こうして上達していく喜びを感じられる点が、アクションゲームである『モンハン』のおもしろいところ。大型モンスターの種類はかなり多いです。だからこそ攻略しがいがあって、『モンスターハンター』にハマるんだと思います。

『モンスターハンター4』

●14種類の武器種

 チャージアックス、操虫棍、大剣、双剣、片手剣、太刀、ハンマー、狩猟笛、ランス、ガンランス、スラッシュアックス、ライトボウガン、ヘビィボウガン、弓という14種類の武器種があり、それぞれでアクションが異なります。アクションゲームということで、使いこなせるようになるには、プレイヤー自身の腕の上達が必須。1つの武器種をある程度使いこなせるようになると、異なる武器種を使ってみたくなることがよくあります。そして、何種類もの片手剣が存在するなど、各武器種には数多くの武器が存在し、それらを集めるとなると、たくさんのアイテム・素材が必要となるわけで、こうして物欲のエンドレスがはじまります。

『モンスターハンター4』

●シングルプレイ

 『MH4』で個人的に「これ、いいな~」と思ったのが旅団クエストです。テンポがいいというか飽きさせないというか、でもボリュームいっぱいで難易度は適度。最後のほうになると、かなり難易度が上がります。ちなみに、まだ最後のクエストはクリアできていません。あと、食材のレベルなど、複数の要素に絡むところもモチベーションが続く要因かと。

●スキル、護石

 攻撃力UP【大】や回避性能+3など、さまざまな種類のスキルがあります。防具、装飾品、護石に備わっているスキルポイントの組み合わせによって、発動するスキルが決まるわけですが、有用なスキルを発動させることは、攻撃力や防御力、属性などの要素と同じぐらい重要だったりします。しかも、武器種ごとに有用なスキルが変わり、武器種に関連しないもののなかにも有用なスキルは数多くあります。よって、スキルを重視した装備を複数所持することが基本となるでしょう。有用なスキルを複数発動させるための防具、装飾品、護石を入手するうえで、アイテム・素材集めが必須となります。いわゆるこれも物欲です。

●装備のマイセット、アイテムのマイセット

 装備のマイセットはもちろん、アイテムのマイセットも超便利。モンスターごとにセットしておいたり、他のハンターにわたすためのセットを用意しておいたりと、用途は多岐にわたります。

●パネルのカスタマイズ(下画面)

 アイテム登録がすごく便利です。まさに3DSならでは。回復薬グレートをセットしておくことは必須かと。

●オトモアイルー

 私は1人でプレイすることが多いので、オトモアイルーを2匹連れていけることに、すごく助けられています。レベルや装備によって、思った以上に強くなる印象。レギュラーの入れ替えによるメインオトモのトレンドの変更もおもしろいです。

●探索、ギルドクエスト

 発掘装備や護石など、極める要素が盛りだくさん。高レベルのクエストにおけるモンスターの強さがハンパないです。時間泥棒。

●ラージャン、古龍

 『モンスターハンター』の過去作品に登場したラージャンや古龍(クシャルダオラ、テオ・テスカトルなど)が再登場し、いずれも強力なのがたまりません。クシャルダオラのブレス、強いです。テオ・テスカトルの攻撃、とにかくかっこいい! あと、竜人商人から入手できる素材で存在を確認できるモンスターもいますが、こういうところもシリーズ経験者的に嬉しいところです。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』

→編集部員による『MH4』の感想は?(3ページ目へ)

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データ

▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月14日
■価格:5,990円(税込)

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