2013年12月19日(木)
――TBiグループさんとのコラボでトークショー付きの宿泊プランというのがあります。先日のイベントで5回目になり、かなり好評なんですね。
あれは回を追うごとに評判がよくなっています。声優さんのディナーショーは他にもあるようなんですが、遠くのホテルまで行ってというのは、あまりないみたいですね。
――こちらはどういう経緯で生まれたんでしょうか?
『真・三國無双7』のプロモーションでTBiグループさんとフードコラボをやっていた繋がりです。先方から「蓼科にホテルがあるんですが、トークショー付の宿泊プランとかどうでしょうか?」とご提案があったんです。
――やり始めた結果、ユーザーさんの満足度も高いものになっていると。
1回目と2回目ぐらいは応募が50~60人ぐらいだったんですが、今では定員100名に対して抽選になるぐらい応募があります。もちろん、その時によって多少左右されるんですけど、人気は出てきていますね。毎回ではないですが、開発スタッフも見に行くことがあります。
――『真・三國無双』シリーズのキャラのイラストを使ったクッションカバーが販売されていますが、あちらも好評でしょうか?
好評ですよ。あれはうちのライツ関係を扱う部署から「『戦国無双』でやった際に好評だったため、『真・三國無双』でもやってみないか?」と提案があったんですよ。第1弾でやった王元姫がなぜか一番売れているのは我々としても不思議ですが……。王元姫は男女とも買っているんではないかという分析です。
――『真・三國無双』シリーズを10年以上作り続けてきて鈴木さん自身が新しいジャンルに挑戦してみたいとか、オリジナルのタイトルを作りたいという欲求はないのでしょうか?
オリジナルとか新しいジャンルっていうのはつねに思っていて、これまでにも『ブレイドストーム』や『トリニティ ジルオール ゼロ』など挑戦を重ねています。大ヒットまでは至ってないですが、今後もどこかのタイミングで新しいものを出したいと思っています。
――『真・三國無双』シリーズについて、いつも作っているからこそ意識していることはありますか?
作り手もそうですが、遊んでくださるプレイヤーの方も毎回同じようなものだと飽きてきてしまうので、そこをどうするかですね。あとは、『戦国無双』もそうなんですけど、同じ歴史のネタでずっと作り続けるというのが非常に難しいところです。
どうしても外せない定番のエピソードは入れる必要があり、せっかく新しいエピソードを入れたとしてもそういう定番エピソードのせいで「また同じじゃん」という印象を持たれてしまうので、表現や演出を変えたりしながら、どうやって飽きさせないかに気を使っています。
――『真・三國無双』から始まり、『戦国無双』や『真・三國無双 MULTI RAID』、『無双OROCHI』などの派生作品に加えて、『ガンダム無双』や『ワンピース 海賊無双』などの他のIPとタッグを組んだ作品が生まれましたが、この先どうなっていくというイメージはありますか?
これからは周りに派生を広げて単純に大きくしていくというより、いろいろなIPとコラボレーションするような横への広がりと、『真・三國無双』や『戦国無双』など『無双』シリーズとしてのオリジナルIPをナンバリングを重ねて縦に伸ばすという方向に変わっていくと思います。そのIPはIP自身で成長させることと、完全に違うIPと相乗効果で横に広げていくということで、この2つの方向性に絞った形で進んでいくのではないかと思います。
――10年前とはさまざまなことが変化しましたが、DLCもその1つだと思います。今後は、どのように付き合っていこうとお考えでしょう。
私自身の方針は変わっていなくて、長く遊んでもらうための施策ということが一番です。方針としては、本来、ゲーム本編で遊べるようなものはなるべくやらずに、本編ではなかなかできないもの……学園物の衣装もそうですが、そういうものはDLCでやるという方向性ですね。世界観とまったく違うお遊び的なものはDLCとしてあっていいと思うんです。
シナリオや過去ステージのリメイクなどは、懐かしいと感じてやりたい人に買っていただこうと考えています。選択肢の1つとして、いらない人は買わなくていい仕組みにしています。「これだったら本編に入れてほしかった」と言われてしまうものを切り離しちゃうのはちょっと違う気がしていて……それはなるべくやらないようにしていますね。
他にも過去のBGM配信などはプロモーションの戦略的にやっている面もありますが、そういうのは有料ではなくて無料という形にしています。お金を払ってもらうものは選択肢の1つとして用意して、欲しい人だけ買ってくださいという形にしていますね。
――ゲーム開発者として意識されていること、つねに注目していることがあれば教えてください。
ゲームは楽しんでもらってナンボだと思っています。どういうゲームを作るにしても、どういう仕様を考えるにしても、どういう風に楽しんでもらうかっていうことをつねに考えながら作っています。驚きを与えたい、驚いてもらいたいということですね。
――これからクリエイターを目指す人、なりたいと思っている人にアドバイスするとしたら、どんなことがあるでしょうか?
まず1つは、自分の得意なところが絶対にあったほうがいいと思います。あるいは得意だと思っていることでもいいです。“好きこそ物の上手なれ”ではないですけど、好きというのは一番大事なところになってくると思うので……もちろんゲーム制作者になりたいのであればゲーム好きだというのはあると思うんですが、その他に自分を表現する手段として自分の得意なことや好きだと言えるものを、1つ以上は持っておくべきだと思いますね。
あともう1つ、ゲームクリエイターになるのに絶対必要なのは、忍耐力というか突き詰めて考えていく力は重要だと思います。ゲームの仕様って、「これはこういう仕様です」と言うのは簡単なんですけど、その結論に至るまでに例えば100個のことを考えて、99個は消して凝縮したのが最後に1個になって仕様になっているんですね。
ゲーム業界でありがちなのですが、何かのアイデアは必ず他の誰かも考えているんですよ。企画とか立ち上げても、どこかの会社から似たような企画が発表されたというのはよく聞く話。天才でもなければ本当にオリジナリティのあるアイデアは出てこなくて、アイデア自体は普通なんだけどそれを突き詰めていってゲームにするという作業が多くの開発者の前に立ちふさがります。それが一番大変なので、考え続けていく力が必要になると思います。
――何か自分の武器を持ちつつ、忍耐力をつけておこうということですね。最後に『無双OROCHI2 Ultimate』と『真・三國無双7 猛将伝』について、コメントをお願いします。
『無双OROCHI2 Ultimate』は、『無双』シリーズでも最大となる145人という登場キャラクターがいます。ストーリーも大ボリュームなのに加えて、成長要素や武器収集、アンリミテッドというやり込みに特化したモードなど、やり込み甲斐のあるゲームになっているのでぜひプレイしてほしいです。パッチのほうも配信していて、アンリミテッドモードのゲーム性も向上しています。今後もアップデートする予定がありますので、そこも含めて遊んでほしいですね。
『真・三國無双7 猛将伝』についてですが、今回は『猛将伝』の原点に返るということで呂布にスポットを当てた内容になっています。また、『猛将伝』では最多となる新規キャラクターを5人追加して、武器系統も新たに5種類用意しています。新武器はどれも新しいアクションに仕上がっていますのでオススメです。最近『無双』シリーズをプレイしていないという人に向けて『7』と『猛将伝』の両方が1本のソフトで楽しめる『真・三國無双7 with 猛将伝』もあるので、ぜひ一度遊んでみてください。
▲『無双OROCHI2 Ultimate』 | ▲『真・三國無双7 猛将伝』 |
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