News

2014年2月20日(木)

PS4版『新生FFXIV』βテスト直前! 制作秘話&新情報について吉田直樹氏にインタビュー&PS4版先行体験レポートをお届け!

文:ほっちゃん♂

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

――新たに公開されたPS4版のパッケージイラストですが、こちらのデザインコンセプトは?

 新規のお客様も増えると思うので、クリスタルの物語というのを改めて明示するために2.0(サービススタート時)までのメインシナリオに登場したキーキャラクターを配置し、わかりやすくしてあります。実はもう1案あって、そちらは光と闇の抗争を縦に二分割し、2人のキャラクターをクローズアップしたものでした。アートワーク的にかなり挑戦的だったんですが、最後に吉田明彦に「どっちか選んでいいよ」と言ったら、こちらに決まりました(笑)。

――発売が4月なので、パッチ2.2で登場するリヴァイアサンも描かれるのかなと予想していました。

 新しい要素だけになりがちなので、なるべく標準的なバランスでデザインしています。

――ちなみに、光の戦士側のキーキャラクターはアルフィノでなくミンフィリアなんですね。

 そこはこの先のシナリオで徐々に明かされていきますよ。アルフィノは理想論者すぎるうえに若い(笑)。そのせいでトラブルを招いたり……。順を追っていけば、なぜミンフィリアが暁のリーダーなのかわかってくると思います。

――PS3版&PC版のコレクターズエディション(CE)を購入していれば、追加される2つのインゲームアイテムを無料でもらえるのはユーザーにとってはうれしい限りです。

 そこは最初からインゲームアイテムは追加するけど、既にCEをお持ちの方からは、お金はとらないと決めていました。以前のボックス版のCEは、まず『新生FFXIV』の評判を聞いたあとに買おうと思った方の多くが買えていないと思うんです。そういった方はPS4版のCEの購入を検討していただけると思うんですが、そこにインゲームアイテムだけのために購入する方が加わってしまうと、本当に欲しい人へ届かなくなってしまいます。

 この前のプロデューサーレターLIVEでこれを発表した時「スクエニは商売が下手だな」と言われてしまいましたが、一度価値を決めて出したにもかかわらず、時間が経ったあとそれ以上の価値をつけてまた出すのは「今後もそういったことが続いていくのか」という印象を与えてしまうので、避けたほうがいいだろうと。もちろん、拡張パックがリリースされる時のCE版には、まったく新しいリアルアイテムとインゲームアイテムを付けたものにしようと思いますので、そちらは気に入った方にご購入いただきたいと思います(笑)。

――PS4と同じく次世代機のXboxOneでのサービス展開は予定されていますか?

 Xbox Liveがクロスプラットフォームを許可しないかぎり難しいです。マイクロソフトさんとは当初からその話だけを続けてきて、それ以外はなんの障害もありません。ビジネス的な観点から見た場合、当然リリースしたほうがいいと思いますが、長い目でプレイヤーのコミュニティを考えると決断できないんです。ただ、仮にクロスプラットフォームが可能になった時はすぐにお声がけしていただけるよう言ってくださっています。

■パッチ2.2の大きなポイントは現エンドコンテンツのカジュアル化

――では3月に公開予定のパッチ2.2についてですが、まず全体のコンセプトをお聞かせください。

 大規模アップデートの第2弾なので、このボリュームが今後も続いていくことの証明になります。蛮族デイリークエストも新たに2種族増えますし、インスタンスダンジョンやレイドも登場します。メインシナリオも進展し、エオルゼア側の身勝手さがあらわになり、あまり見たくないような部分が出てきていよいよエオルゼア全体が混沌としはじめてきます。また、カットシーンにはボイスが付きますし、皆さんが驚くような新キャラクターも登場する予定です。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲こちらがパッチ2.2『混沌の渦動』のロゴ。大きな“渦”にのまれていくエオルゼアはどうなってしまうのか……。

――前回のプロデューサーレターLIVEでは、リムサ・ロミンサの黒渦団にフォーカスした展開になるとお話されていました。今後も他のグランドカンパニーにもスポットライトが当てられていくのでしょうか?

 そうですね。蛮神が蛮族がらみである以上、それぞれの地域に根付いた蛮族が問題を起こすので、その地域にフォーカスされた展開になります。パッチ2.1で登場した極蛮神のクエストは、アシエンたちが再稼動したきっかけになる内容でしたが、リヴァイアサン以降はあちらこちらでさらに大きな問題が発生しはじめます。

――2.0では大きなストーリーが1本あり、パッチ2.1で極蛮神やクリスタルタワーなど物語が個々に広がりましたが、これ以降のストーリーも横に広がっていくイメージですか?

 グランドカンパニーや新しい蛮神が絡んだ物語は、メインシナリオとして展開されていきます。サイドストーリーである“クリスタルタワー”や“大迷宮バハムート”もそうですが、バックグラウンドには古代アラグ帝国(かつてエオルゼアで繁栄した文明)を絡ませており、すでにかなり先までの話ができ上がっているので、あとはプレイヤーの皆さんの反応を見ながら微調整していこうと思います。

――コンテンツに関してはアイテムレベル(IL)の上昇もあり、比較的ハイレベルなものが多く実装されるのですか?

 たしかにリヴァイアサンや“大迷宮バハムート:侵攻編”が出るので、そういったイメージをされがちです。僕としてはILが上がることによって、今のエンドコンテンツがカジュアルになっていくことが一番大きいと思っています。現段階でエンドコンテンツに辿り着けていない人にとっては、極蛮神戦や“大迷宮バハムート:邂逅編”は未知のものです。挑戦できないので今は無価値と同じ。それがILの上昇によってキャラクターの強さがグンと上がれば、プレイヤースキル的にクリアが難しかった人でもクリアできようになるハズなのです。

 以前からお話していた通り、レベル50になって最初のメインシナリオが終わるまでは、ある意味チュートリアル。ですから低レベル向けのコンテンツをいくら用意しても、MMORPGを初めてプレイする人には飽和状態になるだけだと思います。トレジャーハントのような要素は少しずつ入っていきますが、あまり低レベルのところにコンテンツを増やすつもりはないです。なにせレベルアップの速度も速いですしね。

――アラガントームストーン:戦記が新たに追加されますが、こちらは新インスタンスダンジョンやリヴァイアサン、“大迷宮バハムート:侵攻編”で手に入るのでしょうか?

 はい。また、アラガントームストーン:神話は週制限が撤廃されます。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲さまざまな装備、素材と交換できるアラガントームストーン。戦記で交換できるアイテムはもちろん、哲学や神話と引き換えで入手できるものの種類が増えるか気になるところ。

――たしかに、そうなるとライトプレイヤーの底上げになり、挑めなかったコンテンツに気軽に挑戦できますね。

 そうですね。さらにコンテンツに突入した時、プレイヤーに特別なバフがかかってさらに強くなるので、そうして入手したアイテムで次のステージへ徐々に向かって行ってもらえればと思います。こんな感じであまり無理に先行している人たちと並ぼうとせず、ゆっくり楽しんでいただいたほうがラクだと思います。

――パッチごとに緩和されていくという状況をまだ体験していないせいか、今はやっておかないと追いつけないというイメージがどうしてもあります。そこの意識が変わりはじめるのが、たしかにパッチ2.2のタイミングなのかもしれません。

 毎パッチごとに大きな波で興奮していただき、なおかつ自分のペースで進められるっていうようにしないと、今のプレイヤーさんはついてきてくれないと思います。刺激的なエンターテインメントは他にいくらでもありますので、マイペースで続けていただくとか、いったんやり尽くしたら次のパッチまで他のゲームで遊ぶなど、そういう運営方法が今の時代にマッチしているのかなと考えています。

――“大迷宮バハムート:邂逅編”の制限がなくなる一方、クリスタルタワーの取得制限はどうなるか気になります。

 じつは今一番悩んでいるのがそこです。もう少しお時間をください。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲現状、最上位の難易度を誇る“大迷宮バハムート:邂逅編”。パッチ2.2で環境が変われば、ライトプレイヤーでも十分攻略可能となるようだ。▲“クリスタルタワー:古代の民の迷宮”では独特なグラフィックの装備を入手できる。パッチ2.2で追加されるミラージュプリズム(装備の見た目を別の装備にするシステム)により、需要は高まりそうだ。

――ILの上限が上がるうえで、クラフターが作る装備の位置づけはどうなりますか?

 マテリアを何個禁断で付けるかにもよりますね。アラガントームストーン:戦記に関しては入手量に週制限をかけさせていただくので、トップ層の方たちはおそらくクラフター産の装備にマテリアを装着したもので身を固めるのかなと。ILが上がると格段に世界が変わり、状況が一変します。プレイヤーの皆さんがまだ味わったことのない波になると思います。これが今後も続いていきますが、だからこそ装備の入手については確率にせず、コツコツやっていれば絶対取れるようなデザインにしています。半年くらいで装備品の価値は“アイテムレベルの上昇”つまり成長によって変化しますので、また次の目標に向かってゲームを楽しんでもらいたいですね。

――それがプレイへのモチベーションにもつながりますね。

 ILが上がることはレベルキャップの上限が上がっているようなものと思っていただきたいなと。今の時代、経験値を稼ぐという行為自体は、“コンテンツ”にならないと思っているので、楽しんでプレイしつつ装備を整え、さらに上へ挑んでいく。“大迷宮バハムート”のようなエンドコンテンツも、パッチが進めば制限をなくすので、好きなだけ装備を集めて次に進んでもらうサイクルにしたほうが、僕たちもつねに思い切ったことをできます。マーケットに関しても、アイテムの強さを固定化してしまうと、その中で経済バランスをとらなければならなくなり、いずれギルがインフレーションしてしまうんです。それならばパッチごとに需要をガラッと変えてしまったほうが、波ができて商機も変わるし、増えると思っています。

――経済といえば2月下旬にはハウジングの土地価格がどのワールドも最低価格くらいになると思いますが、現在の状況というのはいかがでしょうか?

 1月下旬ぐらいからかなりの数のフリーカンパニーが土地を購入されています。ハウジングゾーンの中でもいい場所を押さえるため、下がりきる前に購入を検討するところも多くなると思います。今ならトレジャーハントのG5を8人で回したり、マテリアの練精をフリーカンパニー全体でやっていれば、確実にギルはたまりますからね。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲初期はとてつもない金額に設定されていたレガシーワールドも、いまでは多くのフリーカンパニーがハウスを建てている。

■秋には大規模なファンフェスを開催予定!? 今年もイベントが盛りだくさん!

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

――先日行われた“FINAL FANTASY XIV: Full Active Time Event in OSAKA”のようなリアルイベントは、今後どれくらいのスパンで行っていく予定でしょうか?

 今年1年で5カ所はまわる予定でいて、だいたい2~3カ月に1回という感じです。また、秋くらいに都内で1万人規模が入れる場所でファンフェスをやろうとも考えていて、国内だけじゃなく北米や欧州でも開催します。

――イベント会場では大阪の時と同様、プロデューサーレターLIVEが行われると思うのですが、その間にはレターLIVEは行われないのでしょうか?

 ニコニコ超会議やE3、東京ゲームショウでもプロデューサーレターLIVEはやると思いますので、そう考えるとほぼ毎月やることになりそうです。たぶん、去年より今年のほうがスケジュールがみっちり詰まっていますね(笑)。逆に『新生FFXIV』はまだまだやることが盛りだくさんということにもなります。中国でのサービス開始を待ってくれている皆さんにご挨拶へ行ったり、地域展開を広げていくとなると、各国でミーティングをしないといけないので、僕は今年も海外と日本を行ったり来たりになりそうです。引き続き4月のPS4版も含め、『新生FFXIV』を今後ともよろしくお願いします。

→PS4版とリモートプレイの様子をレポート!(3ページ目へ)

(C)2010-2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
ILLUSTRATION: (C)2013 YOSHITAKA AMANO

データ

関連サイト