2014年3月4日(火)
皆様こんにちは、くる実でございます。今回ご紹介しますのは、昨夏のホラーアプリ特集第1回で紹介されておりました、『歪みの国のアリス』のスタッフが制作した新作アドベンチャーアプリ『オズの国の歩き方』でございます。サンソフトが展開するナイトメア・プロジェクトの最新作にあたりますね。ちなみに私、そちらの特集では『生存率0%! 地下鉄からの脱出』というアプリのレビューを担当させていただきましたので、よろしければソチラも見てくださいね♪
さてさて、とにかくホラーものは苦手と前々から公言しているくる実ではございますが、『オズの国の歩き方』はホラーというよりはファンタジー寄りです。というわけで、私のような怖いものが苦手な人も大丈夫ですので、ノベルゲームが好きな人はぜひプレイしていただきたいタイトルとなっています!
▲不思議な雨の回想から目が覚めたら謎の洋館の中。いきなり謎だらけです。 |
気が付いたら、誰もいない見知らぬ古びた洋館。大雨に打たれたようなびっしょりと濡れた全身。足元にいる愛犬のトト以外なんの記憶もない自分。自分の名前も思い出せない……そもそも私、金髪だったっけ?
出会った人々には<救世主:ドロシー>と呼ばれ、何もかもわからないまま、記憶を取り戻すために、謎だらけでメルヘンチックな世界を舞台に、ドロシーと不思議な仲間の旅が始まります。
『オズの国の歩き方』は、非常に個性的で、魅力あふれる登場人物に彩られた素敵な世界です。彼らのおもしろおかしいやりとりが、いろんな場面で和ませてくれたり、ドキドキさせてくれたりします。そんなキャラクターたちをいつものくる実節(!?)でザックリ紹介していきましょう!
● ドロシー ●
▲最初に訪れる村の村長さんから渡された“救世主のために用意しておいた服”。サイズもピッタリで、ますます自分が何者なのかよくわからなくなります。 |
物語の主人公。プレイヤーの分身的な存在です。ほとんどの記憶を失っているものの、悲壮感はそれほどなく、非常にさっぱりとして前向きでしっかり者な性格。良妻賢母になりそうな感じ。プレイヤーも好感を持ちやすいと思います。読んでて気持ちイイくらい喜怒哀楽がはっきりしています。トンでも展開に対しても、前向きにガンガン行きます。ステキです。
ちなみに最初の服装は“Tシャツとショートパンツとスニーカー”だったようなので、オズの国の人なのではなくて、私たちの暮らしている世界から迷い込んだ人間なのかもしれません……が、謎です。
▲とてもどうでもいい記憶はツッコミの勢いで思い出すこともあります。 |
● トト ●
▲小さくてモコモコなワンちゃん。なんで一緒にいるのかもよく考えると謎なんですよね……うーん。 |
ドロシーの相棒。なぜか自分の名前はわからないドロシーも、トトの名前はわかったようです。ものすごーく利口なワンちゃん。ドロシーの言葉も完全に理解しているようです。かなりの常識人……もとい常識犬。状況判断、勘、度胸。どれをとっても有能です。ただし子犬なので、どんなに優秀でも、そんなに大きく活躍できることがありません。ただ、ドロシーとプレイヤーの癒しにはなります。
▲とにかく抜群にお利口さん。自分のできる範囲で仲間を全力サポートします。 |
● クロウ ●
▲若干リアルでホラーなかかし。ちなみに鳥を追い払う方法は……念力で撃ち落とします……謎です。 |
生きている(?)かかし。名前はなかったのですが、不便なのでドロシーがつけてあげたものです(英語でかかしを意味するscarecrowから付けたと思われます)。脳みそがないので頭が悪く、脳みそがあるドロシーがうらやましい……と思い込んでいます。実際はしっかり物事を記憶しているので、特に必要な気がしないですが、脳みそに執着しているヘンなかかしです。
なぜかよく切れる包丁をつねに持っていたり、頭上の鳥を落とす能力があったりと謎だらけ。のん気で気さくな明るい性格ですが、タマにマッドサイエンティスト気質を発揮するのでちょっと怖いところもあります。
▲脳みそにあこがれるだけでなく、旅の途中で手に入れた本をドロシーに読んでもらって文字を勉強したりと、向学心もあります。 |
● ジャック ●
▲まさしくロボットという見た目。人のような心を持ち、人のためになりたいと願うロボット。 |
自分のマスターに心がないと拒絶され、人の心を求めるようになった悲しいロボット。基本的には木こりをするためのロボットですが、その他の機能も多様で非常に高性能。知識も豊富にインプットされており、その知識ゆえ、ドロシーを救世主と認識しているようです。
また、「心がない」とジャック自身は言いますが、常識と優しさを持ち合わせ、ドロシーや仲間を心配する様子は、どうみても「人らしい」と思えて仕方ありません。ただし何でも潰す怪力の持ち主で、目(?)からも危険なレーダーを発射したりと、いささか物騒ではあります。
▲何でも切断する対物レーダー。出番が多くてどうしても危険物なイメージが……。 |
● レオン ●
▲自分はライオンなので、当然王様だと思い込んでいるメンドクサイ子ども。 |
自称、王様。道行く旅人を襲ったり、同じ森に暮らす動物たちの言うことを聞かない、自分勝手でワガママ極まれる性格。名前はなかったので、これまたドロシーがつけてあげたもの。おそらくライオンだからレオンなのでしょう。
ドロシーが連れている仲間を自分の家来にするべく、虎視眈々(?)と付け狙っているようです。しかし、まだまだ子どもなレオンは、逆にドロシーに甘えることも多々あります。
▲トトをアニキと呼び慕っています。と言うか、トトを家来にしようとしたら、返り討ちにあって懐柔された模様。 |
キャラクターが大事なゲームなので、特に力を入れて紹介してみました! ものすごく濃いキャラばかりなので、物語に盛り上がりに欠けることはまずなさそうですね。
物語の最初の部分をちょっとだけ紹介いたします♪ 序盤は、選択肢などは出てくるものの話が大幅に変化したりするようなことはありませんでしたので、ノベルを読むように楽しむのがいいと思います!
始めるやいなや、いきなりの不思議展開。何かに呼ばれて、何かにお礼を言われる……どういうことなの。
なぜ体が濡れているのか、なぜこんな場所にいるのか……。疑問は尽きませんが、とにかくまずこの部屋を調べてみることにしたようです。
選択肢はありますが、全部調べてみると次に進めるようになりますので、ここで物語が分岐するようなことはありません。
謎の中年男性に発見されるも、中年男性が奇声を発しながら逃亡。その後を追うと……古びた館の外に出ました。冬でもないのに、外の植物は全部枯れてしまっている模様。はたしてここはどこなんでしょう?
そして、謎の村人たちと村長によるお出迎え。結局ドロシーはリヤカーに無理やり乗せられ、村まで案内されるのでした。
農村風景を抜けたどり着いた村ではなんと、ドロシーを迎えるための祭典が準備されていました。なんのこっちゃわからないドロシーですが、なんとか祭典を切り上げさせ、話を聞いてもらうことにします。
なんとドロシーが救世主だというのです。自分の記憶もサッパリなのに、救世主疑惑まで持ち上がってもう大変!
黄色い煉瓦道を進むと、オズというどんな願いも叶えてくれる魔法使いがいる都にたどり着ける、という話だけを頼りに、オズに記憶を取り戻してもらうため、また救世主疑惑の真偽を確認するため、ドロシーは長い長い道のりを歩き始めるのでした。
ザックリとながら、ホンの序盤だけ紹介させていただきました。暗めの物語なのかなというイメージでプレイを始めていた私ですが、キャラクター同士の明るいメリハリのきいた会話や優しい音色のBGMは、ちょっとホッとするような、それでいてちょっと悲しげな気分にさせてくれます。どこかノスタルジックな雰囲気のゲームになっていると思います。
▲森の動物たちに心ない応援をされたり、クスっとなる要素がちりばめられているところも魅力。一方ドロシーさんは、すっかりこのような状況には達観なされております。 |
▲しばらく読み進めると、金の羽根を使わないと続きが読めないようになります。1日4枚は無料で配布されますので、ノンビリでよければ最後まで無課金で楽しめます。 | ▲メニュー画面。課金アイテムなどはショップで購入できます。 |
オートセーブ機能があるので中断しても途中から読めますが、しおりのように、お気に入りの場所から読みたい! という場合は課金アイテムが必要になります。
シナリオをすべて読むには金の羽根が約240枚必要になります。無課金だと2カ月くらいで完走ですね。またセーブ機能やバックログ機能は利用できませんので、思いっきりオズの世界感を楽しみたい人は、課金アイテムの利用もアリだと思います。メルヘンな世界で人々の会話のやりとりが楽しいので、物語に浸りたい方にはオススメです。あと、終盤は泣ける話になるので『歪みの国のアリス』で泣いた人にもオススメですよ。
●くる実’s profile
メルヘンな世界感の話はとっても好物です! というわけで、『オズの国の歩き方』、この後も無課金でノンビリ読み進めようと思っていますが、先が気になって気になって課金してしまうかも。選択肢の前でのセーブ機能とバックログ機能はほしいです!
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