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2014年3月15日(土)

『MH4』開発秘話“モーション編”。リアルさを感じるモンスターを作るためにギリギリのさじ加減で調整(インタビュー連載第3回)

文:電撃オンライン

 カプコンから発売中のニンテンドー3DS用アクションゲーム『モンスターハンター4』。本作を手がけた開発者へのリレーインタビューを掲載する。

『モンスターハンター4』

 『MH4』は、人気のハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』の最新作。新たな武器種や新モンスター、カスタマイズ可能なオトモアイルー、これまで以上に多彩な登場キャラクターなどが好評を博し、400万本以上を出荷する大ヒットを記録した。

 インタビュー連載第3回では、モンスターに命を吹き込むモーションについて質問。リアルな生物に近づける苦労や開発時のエピソードなど、『モンスターハンター4』を遊んでいる人ならより楽しめる内容になっている。ストーリー編ゲームバランス編とあわせて確認してほしい。(※インタビュー中は敬称略)

■高低差によって既存モンスターの動きも作り直しに!

『モンスターハンター4』
▲『MH4』メインプランナー・徳田優也さん(左)と『MH4』モーションディレクター・谷口直弘さん(右)。

――今回はモーションについてお聞きしていきます。谷口さんはどの作品から開発に入られたのでしょうか?

谷口:Wii『モンスターハンター3(トライ)』からモーションとして参加させていただいています。

徳田:ラギアクルスを一緒に作ったのが最初ですね。

――これまで手掛けてきた中で、谷口さんが一番気にいっているモンスターを教えてください。

『モンスターハンター4』

谷口:やはりラギアクルスですね。非常に思い入れが強いモンスターになりました。

藤岡:初めて参加してもらった時に、「今までとは違うモンスターを作りたい」と伝えました。すると、ラギアクルスを作っていたメンバーがものすごく結束して、“チームラギア”と開発内部で呼ばれるまでになったんですよ(笑)。

――東京ゲームショウ2008では、試遊版にもかかわらずラギアクルスを討伐しようとして並ばれていた方がいました(笑)。開発同様に、参加しているハンター同士にも不思議な輪がありました。

徳田:あの時は、1日に1組くらい狩猟できるような難易度にしていたんですが、シリーズをプレイされているユーザーにとっても、水中行動という新たな挑戦が入っていたため、討伐できるか心配していました。ただ、狩猟に成功した組はやはりいて、安心しましたね(笑)。

――討伐されると安心するものなのですか?

徳田:安心します! 討伐してもらえないと「強くしすぎたか……」と反省しますし、逆に多くの組が狩猟できてしまうとガッカリします(笑)。

――『MH4』の大きなテーマとして高低差が新たに加わりました。高低差が入ったことによって、モンスターのモーションにどのような影響があったのかをお聞かせいただけますか?

谷口:モンスターはそれぞれ性格と言うか性質があり、その性質ごとに地形に対応した動きを作り上げていく作業に苦労しました。ただ、最初の研究段階でティガレックスとリオレウスを使って十分に検証していたので、手応えは早い段階から感じていましたね。あとは、物量との戦いがひたすらに大変でした(苦笑)。

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▲『MH4』ディレクター・藤岡要さん。新しい要素が入ったことによる本作の苦労を語った。

藤岡:特に苦労したのは姿勢制御です。ティガレックスのように接地面が多いモンスターだと、傾斜で傾いてしまったり、脚が飛び出してしまったり、めり込んだりして、ちょっとしたことで不具合が発生してしまうんです。そこで早い段階から姿勢制御に着手してもらい、不具合が起こらないようにしてもらいました。

――地形にあわせて、モンスターの動きにも気を配られて作られたのですね。

谷口:地形に対して説得力のある動きを持たせるという部分に、気を配って作らせてもらいました。

藤岡:飛竜種について例を出します。壁際などで壁の方を向いた飛竜種は、よく見ると首をのけ反らせているんです。目立たせたいからそのアクションを入れたのではなく、より自然に見えるようにしたかったので入れた動きです。何気ないため、ほとんどの方が気づかれていないかもしれませんが、さまざまなものが入っています。

――過去作から登場するモンスターにはプレイヤーがそれぞれ独自の印象を持っていると思います。その印象を崩さないようにしつつ本作に落とし込むために、どのようなことをされたのでしょうか?

『モンスターハンター4』

徳田:当然、それぞれのモンスターにはイメージがあります。例えば、ティガレックスであれば“突進”。その突進の進路に壁があった場合、「ティガレックスだったらこういう動きをしてほしい」ということを想像するんです。最初に出てきた連想をゲームに落とし込み、うまくいけばよしとして、うまくいかなかったら別のアプローチを考える。この作業を繰り返しました。

藤岡:同じ壁に対するアプローチでも、ゲリョスであればどこまでも走り続けるイメージがあるんですね。体の大きいティガレックスであれば、途中までは登れるけど落ちてしまうようなイメージがあります。モンスターが持つキャラクター性を変えるのではなく、「そのモンスターだったらどういう行動をしそうか」をイメージして、モーションに落とし込みました。

――これまでに登場してきたモンスターで、特に苦労したモンスターは?

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徳田:今作で壁に対応したフルフルには、長い時間がかかりましたね。

藤岡:フルフルには壁をワサワサと動くモーションを加えたのですが、この制御がとても大変だったんです。

谷口:その他には、“乗り”に対してどう動くのかという部分も苦労しました。

――言われてみると、“乗り”のモーションも新要素ですね。

藤岡:ティガレックスの乗りモーションは非常に激しく、どこまでも転がっていくものだったので少し心配だったんですが、なんとかいけそうだったので採用しました。先ほどもお話した“モンスターの持つ個性をなくさずに新モーションを加える”ことは、苦労が絶えなかったです。モーションはモンスターの個性を出せる場所なので、気を使います。その中でも、ガララアジャラのモーションは大変でしたね……。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』

谷口:あれは本当に大変でした! ガララアジャラはとぐろを巻いているモンスターなので、ドッシリと構えながら攻撃をしてきます。最初はそれがうまくいかなくて、デザイナー、プログラマーともに四苦八苦しました。あとは、ハンターを囲い込むモーションもなかなかうまくいかなくて……。

藤岡:蛇型のモンスターなので、囲い込む動きがウリなんですけどね(笑)。最終的には、囲まれることでプレッシャーを感じてもらえるようになったと思います。

■苦労したのは蛇と虫! リアルなモーションを作るために必要なものとは!?

――以前にお話を伺った時、モーションチームの方は身振り手振りで動きを説明するとお聞きしたのですが、ガララアジャラはどのように説明されたのですか?

谷口:説明することも難しかったモンスターですね。最初は蛇型のおもちゃを買ってきて説明していたのですが、これが左右に動くだけの作りだったので、説明資料になりませんでした。

(一同爆笑)

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谷口:ですので、やっぱり最終的には身振り手振りでしたね。説明の際に体を大きく動かすので、通りがかりの人を叩いてしまうことがありましたよ。

藤岡:あとは、擬音で説明することも多いんです。

――社内の他タイトルのモンスターの動きを参考にしたり、外部に見に行ったりしたことはありましたか?

谷口:動物園は多くのスタッフが足を運びました。虫担当部隊は、虫のDVDを大量に持ち込んだり、昆虫の即売会に行ったりしていましたね。

徳田:僕はプライベートでいつも行っていますけどね!

――徳田さんは昆虫がお好きなのでしょうか?

徳田:昆虫に限らず動物全般、爬虫類全般で、好きどころの騒ぎではないです(笑)。僕個人が所有している昆虫や爬虫類を参考にしてもらうこともありました。

――印象的だった場所は?

『モンスターハンター4』
▲スタッフの血の滲む努力によって生命を吹き込まれたモンスターたち。

谷口:愛知にある日本モンキーパークに行きました。ケチャワチャ担当の子はカメラを持って見に行っていて、満喫していたようです。

藤岡:頭の中で想像しているものから生みだすのと、実際見たものを組み立てるのでは全然違います。モンスターは空想とリアルを複合させて作るので、実際の生物の動きもしっかり見ないとモンスターにリアリティを与えることができないのです。

谷口:ちなみに、ガララアジャラは一番容量を使っているモンスターです。少しずつですが、クオリティに気を使って容量を削っていきました。

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藤岡:大きいし関節数も多いので、容量がどうしても大きくなってしまうんですよ。

谷口:登場デモのモーションは実際にゲーム中で使っているものなんですが、最後の動きは容量の問題で、あそこでしか見られません(笑)。

藤岡:とにかく、容量との戦いがずっとありました。最低限のモーションでも1つ1つの容量が非常に大きいので、「この動きを削ろう」では済まないんです。少しずつ少しずつ削って、やっとのことで詰め込んだモンスターです。カッコよく見せたいという欲求と、メモリ内に納めなければいけない葛藤の戦いでした(笑)。

――先ほど昆虫系の話題が出てきましたが、アルセルタスとゲネル・セルタスはすごく虫っぽくて、今までのモンスターと違う動きをする印象を受けました。虫らしさを出すために、どんな苦労がありましたか?

谷口:虫系のモンスターに共通することですが、虫の動きを追求しすぎてしまうと気持ち悪い印象を与えてしまいます。とは言いつつも、やはりリアルさは追求したかったんです。リアルでありながら、気持ち悪さを与えないさじ加減、ギリギリのバランス取りは難しかったですね。ネルスキュラなどはモーションそのものだけではなく、モーションの組み方にも虫らしさを入れています。

――モーションの組み方ですか?

谷口:例えば、状態異常の睡眠攻撃をしてきますよね。普通の生物であったら、獲物を眠らせたらそのまま食べる、襲うという動作に入ります。でも、ネルスキュラは襲いそうで襲ってこないんです。転んだ時ももがくのですが、フッと動かなくなる。そういった、今までの生態とは違う動きを入れることで、虫らしさを表現していきました。

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藤岡:ネルスキュラは苦労した記憶がありますね。実際の虫をよく見ても、ほとんど動かなくて、そのまま作ってしまうと淡白になってしまうんです。逆に感情表現を付けすぎると虫らしさを失ってしまうので、どこで虫らしさを表現するのかを延々と相談しました。

 最終的には途中で止まったり襲ってこなかったり、何を考えているのかわからない動作を入れたりすることで虫っぽさを表現しました。本当はもっとわけがわからない動きを入れたかったんですけどね(笑)。

――人間からすると、虫は理解できない動きをしますね。

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藤岡:ゲネル・セルタスは重量感のあるモンスターにしたいと考えていたのですが、大きくて重量感のある虫はいないんですよ。カサカサ動かすと重量感がなくなってしまいますし、ドシンドシンと歩かせると虫らしくない。それもあって、非常に苦労して作りあげたモンスターです。

谷口:いろいろな虫を見たのですが、やはり該当する生き物がいなかったんです。ただ、終盤に作ったモンスターなので、作り方や表現方法はある程度培ってきたものがありました。そこに、オリジナルの動きで味付けをしていきました。

――徳田さんから見て、表現で苦労していたモンスターはどれですか?

徳田:やっぱり、虫系は苦労していたと思います(笑)。当時は二重床の要素も固まっていなかったんです。そのために、いかようにもできたのですが、どこを落としどころにするのかを探す作業は大変そうでしたね。

藤岡:遊んでみて楽しいと感じるのは、ゲーム性なのか(モンスターの)動きなのかすごく曖昧(あいまい)で、実はそれぞれが依存しているんです。動きのベースはゲーム性から生まれてくるものですが、逆に、ゲーム性の気持ちよさは動きに依存している。構築していて気持ち悪いと思った時に、どちらが原因なのかがわからなくなってしまうんですね。ネルスキュラは原因を探りながら作っていったので、非常に苦労しました。

谷口:今回のモンスターの中で、ゲネル・セルタスは地味に時間がかかっています。

――討伐した後、ピクピク動いているのを見ながらはぎ取るたびに、「虫ってこうだよな」と思います。

藤岡谷口徳田:(ピクピク動くのは)定番ですから(笑)。

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――アルセルタスとゲネル・セルタスは、合体という生態も切り離せないモンスターだと思うのですが、いかがでしょうか?

谷口:合体は2匹の位置合わせや行動の同期が大変なんです。アルセルタスとゲネル・セルタスがしっかり絡んでいるプログラムに加えて、モーション制御も入れなければなりません。そのため、最初は合わなくて大変でした。

藤岡:アニメーション的にはできていても、通信や制御のことを考え、作りを変更することもよくありました。

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▲開発陣を悩みに悩ませた虫系モンスター。

――高さだけの問題かと思っていたのですが、通信プレイを加味するとさまざまなことを考える必要があるんですね。

藤岡:2匹同時制御や、高低差を含めて位置情報を共有する必要があります。そのために、あらかじめオンラインでの動きを意識して作らないと、対応できなくて動きが止まってしまうんです。開発中に問題が発生した場合、モーションチームにどうしようかとすぐ相談に行きました。

谷口:報告を受けるたびに、「あー……そうか……」という感じでしたね(笑)。

藤岡:ただ、そこをしっかり作っておかないと、通信環境によって大きなズレが起きてしまいます。いろいろな想定をしてから、構築したモンスターです。

■モーションマンの谷口さんがどうしても作りたかったのは、あのモンスター!

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――ゴア・マガラのモーションを作るにあたって、印象的だったことをお聞かせください。

谷口:4脚と6脚時のテンションの差別化には苦労しました。4脚状態ではヒョウや虎といった猛獣のイメージを持ちつつ、6脚状態には猛獣の動きを持ちながら、“非現実的だが、説得力をもつ”ことを意識してモーションを作りました。

藤岡:テンションを変えるのは難しかったです。ゴア・マガラは目が見えないので、不思議なしぐさをどうやって入れていくかも大変でした。4脚状態で歩いている時には、探っている表情を持たせてつつ、しなやかに動かしました。6脚状態は、暴力的に動かすことでテンションの差を作り出しました。あとは、翼の使い分けのルールをしっかり設けるのにも苦労した思い出があります。さらに言うと、そもそも6本脚の動物は地上に存在しないので、走るモーションをどうやって作るのか……大変なことだらけでしたね(笑)。

――すごく特徴的なザボアザギルのお話をお聞かせください。

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藤岡:これは、谷口さんが作りたくて作ったモンスターですね。

谷口:ブヨブヨをやりたかったんです(笑)。とはいえ、「肉まんじゅうみたいなモンスターはどうなの?」という声もあったので、普段はカッコよくして、そのギャップとしてブヨブヨを加えさせてもらいました。

藤岡:キャラ担当のリビドーで作りました(笑)。見ための出来は一番だと思っています。食べている時、メチャクチャ気持ちよさそうですよね。

――骨子をサメのようなデザインにすることは決まっていたのですか?

谷口:シャープなイメージを持たせたかったので、そうなるとサメかなと。鎧をまとった時は、よりカッコよくなって、その鎧をはがされるとボヨ~ンと膨らむ。本当はもう少し強くしたかったんですけどね(笑)。

――確かに、膨らんだ時は若干攻撃しやすくなりますね。

谷口:そうですね。ただ、気持ちいいからいいんです(笑)。

藤岡:最初はカエルの骨格を主として作っていました。カエルで作っている時は顔が大きくなるくらいだったんですが、それだと谷口さんがやりたいことと全然違う(笑)。最終的には、キャラが立つモンスターになってよかったです。

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▲谷口氏がどうしても表現したかったというザボアザギル。多彩な表情を見せるモンスターだ。

――続いてテツカブラをお願いします。

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谷口:カエル骨格のベースとして生まれたモンスターです。パワー系で岩を使うというのは初期の段階から決まっていました。

藤岡:シンプルで何をしてくるのか、判断しやすいモンスターですね。

徳田:突進というわかりやすい遊びを入れたので、モーションもわかりやすいものを用意してもらいました。

藤岡:でっかいカエルを見に行きましたよね、確か。

徳田:ウチにいますけど、その子のことですか?

(一同笑)

■ケチャワチャのベースになるはずだったモンスターとは!?

『モンスターハンター4』

――ケチャワチャは、他のモンスターと比べて独特なモーションだと思いました。遊びの幅が一番ある印象ですね。

谷口:最初はババコンガのモーションを流用しようという話だったのですが、デザイナーの筆が走りまして……。

藤岡:「ババコンガをベースに使うんだよ」としっかり伝えていたのですが、「どこを使い回しているの?」と感じました(笑)。流用ではなく、最初から作っていましたね。

谷口:ぶら下がる動きには苦労しましたが、仕草のモーションなどいろいろなものを入れています。最後は容量が足りなくなってしまったんですよ。

藤岡:僕も、序盤に登場するモンスターにしては容量が大きいなと思いました(笑)。ただ、開発がこだわった分、愛嬌(あいきょう)もしっかり持たせられたカワイらしいモンスターに仕上がりました。

――ババコンガを使いまわすというエピソードをお聞きしても、ピンとこないですね。

藤岡:作りきるエネルギーを現場が持って挑んでくれたので、非常に助かりました。そういう個々のリビドーがあると、モンスターは格段によくなるので。

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――散々お話をお伺いしたのであるかわからないですが、ゲネル・セルタスの誕生秘話などはありますか?

谷口:移動のモーションがとにかく大変でした。ドンドンと歩くのではなく、滑らすように動くモンスターなので。

藤岡:虫って本来はそんなにモニョモニョと動かないんですけど、モニョモニョとした動きが虫っぽいなと。虫っぽいというキーワードだけで生み出しました(笑)。

谷口:各モンスターには楔となるモーションがあるのです。それを担当が見つけ出せるとイメージは加速的に進んでいきます。

藤岡:ネルスキュラも楔となるモーションが見えてきてからテンポ感が見えてきました。

――ボツになったモーションの中で、何か印象的なものがあれば教えてください。

谷口:またまたザボアザギルなんですが……。

(一同笑)

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谷口:ザボアザギルの膨張状態から通常状態に戻るモーションがあるじゃないですか。あれは最初、某マンガの「ひでぶっ」みたいなモーションにしたかったんです。ただ、「それだとダメージを受けているみたいだ」と周りから突っ込まれて、なくなりました。

――それはそれで、見てみたかったですね(笑)。

■谷口印のこだわりは“カブトムシ”

――各モンスターごとの特徴的なモーションのアイデアは、どのようにして決まっていくのですか?

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徳田:遊びのキーになるものは各モンスターで最初に試しています。例えば、クシャルダオラは竜巻攻撃を軸にしたいと設定し、そこに至るまでの細かな攻撃を積み上げて考案していきました。

藤岡:徳田は生き物をよく見ているので、生き物のテンポ感が頭にあるんです。それを受けたモーションセクションが、ゲームに投影していきます。もちろん、モーション側からアプローチすることもあります。

谷口:ゲームに実装してみて、モンスターと対峙してからわかることもたくさんあります。それを見て、変更・修正していきます。

――プレイヤーにとってモンスターの予備動作は重要なファクターですが、そういったやり取りの中で微調整されていくのですね。

徳田:モーションをオーダーする場合、予兆と攻撃の範囲と継続時間、その後に隙がどれくらいあるのかは意識して発注しています。そこに、モンスターのキャラ性を含めて形づくってもらっています。

藤岡:モンスターのイメージはキャラ担当がしっかり持っているので、そのイメージに沿うように話し合いながら構築していきます。モンスターの予備動作に反応して対応できるとすごく気持ちがいいですよね。そういう気持ちよさを感じられる部分を、モーション側に入れ込んでもらっています。ただ、画面外で予備動作をされても対応のしようがないので、モーションセクションには注意深くやってもらっています。

――それでは、モーション部分で特に注目してもらいたい点をお願いします。

谷口:あまり遭遇する機会はないかもしれませんが、ネルスキュラの寝始めのモーションはカワイくしています。ぜひ一度ご覧ください。あと、ゴア・マガラが寝ている時、体がピクってなるモーションをあえて入れています。

――あれは起きたのではなくて、ピクっとするモーションだったんですね。

谷口:プレイヤーにビックリしてもらおうと思って入れたのですが、何人かはビックリしてくれたみたいです(笑)。あとは、テツカブラの口の奥にはカブトムシが入っています。

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▲テツカブラの口の奥にはカブトムシが! 討伐後にもしかしたら見えるかも!?

徳田:谷口は、必ずどこかにカブトムシを入れているんですよ(笑)。

藤岡:『MH3(tri-)』ではチャナガブルに仕込んでいましたよね。

徳田:プレイヤーさんに「あれ、なんなんですか?」と言われたことがありますよ(笑)。

谷口:本当にテツカブラの喉の奥にいるんで、討伐後になんとか見えるくらいですが。

藤岡:容量パンパンなのに(笑)。

――このインタビューを読んだ人は、テツカブラを討伐してカブトムシを見ると思います! ありがとうございました。

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データ

▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月14日
■価格:5,990円(税込)

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