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2014年3月20日(木)

“百合”をテーマにしたミステリアスなADV『FLOWERS』の魅力を開発者インタビューとともにお届け

文:リプトン熊田

 本格ミステリー作品を数多く制作するPCゲームブランド・Innocent Grey(イノセントグレイ)。そんな彼らが、なんと“百合”をテーマにした全年齢対象の学園ADV『FLOWERS』をリリースする。今までとは作風を大きく変えた本作には、いったいどんな想いが込められているのか? 今回は作品の基本情報とともに、体験版のプレイレポートやInnocent Grey代表/原画担当スギナミキ氏のインタビューもあわせてお届けしていく。

『FLOWERS』

 “百合系ミステリィADV”と銘打たれた本作『FLOWERS』は、季節ごとに区切られた全4作のシリーズとなっており、第1弾となる今作の季節は“春”。全寮制のミッションスクールを舞台に、そこで暮らす少女たちの日々のふれあいを描いていく。主人公・白羽蘇芳(シラハネ スオウ)をはじめ、同じ学舎に集った少女たちは日々の生活を通して少しずつ友情を深め、その想いはやがて禁断の恋へと発展していき……。

 そしてジャンル名にあえて“ミステリィ”を付けているだけあり、劇中では女の子同士の恋愛だけでなく、とある“事件”も描かれていく。百合という要素にInnocent Greyらしい味付けを加えた『FLOWERS』。まずは気になるストーリーと登場人物を紹介していこう。


■ストーリー

『FLOWERS』 『FLOWERS』

 高い塀と森に囲まれたミッションスクール・聖アングレカム学院。美しい少女たちが集う閉ざされた学院に、心に傷を持つ少女・白羽蘇芳(シラハネ スオウ)が入学する。とある事情から内にこもり、家族以外の者と触れ合ったことのない彼女は、擬似的に“友人”を作らせ学院でのすべてを共にさせる“アミティエ”と呼ばれる試みを行う、この学院に惹かれたのだ。

 学院からあてがわれた仮初めの友、彼女らへ向けられる仄かな恋心。緩やかに流れる学院生活の中で起こる、学院生徒の不自然な消失……。少女たちは学院の中でなにを見、なにを掴むのだろうか――。


■ 白羽 蘇芳(シラハネ スオウ) ■

『FLOWERS』

花蘇芳

花言葉

高貴、質素、不信仰、裏切り、疑惑、豊かな生涯、目覚め

一人称

声優

名塚佳織

 本作の主人公。無口で中性的に思われがちだが、根が小心者で相手の心情を考え過ぎ、つい発言に一拍おいてしまうというのが本当のところ。大人びた見た目も相まって、話しかけづらい印象を持たれてしまうことが多い。学院に入るまではある事情から同世代の人間との交流が持てなかったので、人と接するのが苦手。また非常に恥ずかしがり屋で、小心者の性格もありすぐに赤面してしまう。映画や小説が好きで、台詞を引用する事もしばしば。アミティエは匂坂マユリと花菱立花。趣味は文学、音楽、映画鑑賞。


■ 匂坂 マユリ(コウサカ マユリ) ■

『FLOWERS』

百合(ユリ科)

花言葉

威厳、純潔、無垢、華麗、愉快、軽率

一人称

声優

岡本理絵

 何事にも前向きで明るく、周囲から慕われる性格。努力家で、ひとつのことに集中すると驚くほどの成果をあげる(短所にもなりうる)。しかし、社交的な外面とは裏腹に様々な悩みを抱えており、たとえアミティエであっても自分の素顔を明かさないようにしようと誓っている。趣味はお菓子作り。蘇芳のアミティエのひとり。


■ 花菱 立花(ハナビシ リッカ) ■

『FLOWERS』

ハナビシソウ

花言葉

私の希望を入れて下さい、私を拒絶しないで

一人称

わたし

声優

明島ゆうり

 生真面目で面倒見がいい穏やかな性格。クラスの母親的立場にあるが、人がよく優柔不断な面も。入学試験はトップの成績であり、面倒見もよく行動力もある事から、担任直々に級長に指名される。本人も期待され応えられる自分に誇りを持っており、率先して役職にいそしむことに。趣味は紅茶の茶葉集め。淹れるのも飲むのも好きで、お茶会を主催したりもする。蘇芳のアミティエのひとり。


■ 車椅子の少女 ■

『FLOWERS』

花言葉

一人称

わたし

声優

佐倉綾音

 病気により、車椅子で生活している女の子。人との距離感が取れず壁を作るタイプ。しかし、自身がひとりでいる事を好んでいるので特に気にしてはいない。そのせいか、口調もどこか人を遠ざけるような物言いをする。


■ 小御門 ネリネ(コミカド ネリネ) ■

『FLOWERS』

ネリネ(ヒガンバナ科)

花言葉

華やか、また会う日を楽しみに、幸せな思い出、輝き、忍耐、箱入り娘

一人称

私(わたくし)

声優

西口有香

 カトリックの教義に従う、善良かつ温和な好人物。ハーフであり、日本人とはかけ離れた容姿をしている。性格も温和で上品。ニカイアの会の副会長(生徒会副会長)を務めている。


■ 沙沙貴 苺(ササキ イチゴ) ■

『FLOWERS』

苺(バラ科)

花言葉

尊敬と愛

一人称

私的

声優

長妻樹里

 好奇心旺盛なトラブルメーカー。箱入り娘だったため、何も知らないが故に誤解と衝突を招くことも。双子の妹とともに寮生活をスタートさせたが、学院生活は概ね満足している。明るい性格であるため周囲ともすぐに打ち解け、クラスメイトとの仲も良好。


■ 沙沙貴 林檎(ササキ リンゴ) ■

『FLOWERS』

林檎(バラ科)

花言葉

名声、選択、評判、選ばれた恋

一人称

自分

声優

長妻樹里

 姉のいちごとは違いおっとりに見えるが……実は怠け癖がついているだけ。双子の姉とともに寮生活をスタートさせたが、学院生活にはあまり満足していない。いつも姉と一緒に行動している。


■ 八代 譲葉(ヤツシロ ユズリハ) ■

『FLOWERS』

ユズリハ(ユズリハ科)

花言葉

若返り、世代交代、譲渡

一人称

声優

瑞沢渓

 前向きで常に目標を見いだし邁進する先輩。この学院には珍しく、朗らかで元気のいい好人物。言動や行動が芝居がかっている事もありエキセントリックに見られがちだが、生徒や教師からの信望は厚く、ニカイアの会の会長(生徒会長)を務めている。副会長のネリネとは幼なじみの間柄。


■ ダリア=バスキア ■

『FLOWERS』

ダリア(キク科)

花言葉

移り気、華麗、優雅、威厳、不安定

一人称

私(わたくし)

声優

高城みつ

 包容力のある母親的気質で、おっとりとした口調で話す教師兼シスター。責任感が強く学院の規律を守らせようとするが、どこか抜けているため、生徒たちからはむしろ愛されている。


 ストーリーとキャラ紹介が終わったところで、本作のOPムービーもぜひチェックしてみてほしい。霜月はるかさんの美しい歌声に乗せて、少女たちのキラキラした日常や少し切ない恋模様がたっぷりと堪能できる、百合好きにはたまらない内容となっている。

■ プレイレポート ■

■本編第2章から一部を抜粋した体験版をプレイしてみる

 さて、メーカーさんの資料を元に紹介記事を作ってみたわけですが、本作はすでに体験版を公開しているということで、ここからはそのプレイレポートをお届けしたいと思います。プレイできるのは第2章の一部ということ。体験版というとプロローグから序盤にかけての内容が多いと思うんですが、第2章を遊ばせるってちょっと珍しいですよね。ともあれプレイ開始。なにやら意味深なモノローグから始まります。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●図書室でなくなった本がアミティエのベッドに……!?

 主人公の蘇芳は、学院の定めた仮初めの友人“アミティエ”である花菱立花、匂坂マユリと同じ部屋で寮生活を送っています。とはいえ入学からそれほど時間も経っておらず、まだ打ち解けてはいない様子。そんなある日、図書室から数冊の本がなくなり、蘇芳はそれが立花のベッドに置いてあるのを見つけてしまうのです。しかも、同級生の苺にもそのことを知られてしまい……。

 プレイを初めてまず感じたのが、蘇芳のかわいさ。キャラ紹介を見るともっと固い娘だと思っていたんですが、そこはかとなくポンコツ感がありますよ?(笑) 大人びた見た目とのギャップ、いいじゃないですか。そしてなんといっても、名塚佳織さんの声が絶妙にマッチしているんですよね。この愛らしい声でおろおろされると、プレイしているこっちまではらはらします。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●苺の失言と、荒れるお茶会と、おろおろする蘇芳

 立花の主催するお茶会で、今朝のことを口に出してしまう苺。彼女は本が見つかってよかったという話をしたつもりでしたが、結果的にそれは「立花が本を返し忘れたのでは」という流れに。しかし、当の立花はなによりも規律を重んじる性格であり、またその本を借りた覚えもなく、納得のいかない状況に怒り出してしまいます。蘇芳はそんなアミティエに対してなにもできず……。

 おいこら苺ぉーー!!(笑) なにも考えずにみんなの前で爆弾発言をして未曾有の混乱をもたらすとは……恐ろしい子! しかも双子の妹である林檎もノンフォロー! この姉妹、怖いです!(笑) ともあれ、このギスった空気を誰か早くどうにかしてください。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●真犯人を捜すため、ついに蘇芳が動き出す!

 先のお茶会以来、クラスの人気者だった立花は半ば孤立状態。そんな彼女に自分の姿を重ねた蘇芳は、真犯人を突き止めるべく推理を開始します。映画や本が好きな蘇芳は、自分が好きな小説の探偵ならどうするかを想像し、まずは事件現場(?)である自室を調査してみることに。

 蘇芳がようやく主人公っぽくなってきました! しかも持ち前の推理力とかではなく、探偵小説の見様見真似というところが年相応っぽくていいですね(笑)。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●事件の調査を通じて立花と急接近!?

 部屋に戻り、改めて本が見つかった辺りを調べる蘇芳。そこに帰ってきた立花は一瞬、疑いの目を向けます。しかし蘇芳は勇気を振り絞り、立花が犯人だとは思っていないこと、そして自分が真犯人を捜すことを宣言。それを聞いた立花は今まで見せたことのないような笑顔を見せるのでした。気丈に振る舞ってはいたものの、彼女は誰にも信じてもらえない不安を抱えていたのでしょう。これを機に、2人は“本当の友人”としての第一歩を踏み出します。

 こういう、固い結び目がちょっとずつほどけていくような感じがすごく好きなんですよね。互いに笑顔を見せるようになって、手を握ったりする程度のスキンシップがあって、さらに友情が芽生えた嬉しさと恥ずかしさで赤面とかしちゃうこの初期段階。百合モノには大事だと思います。大事だと思います。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●なくなった本の内容から犯人の人物像を探る

 図書室からなくなり、立花のベッドで見つかった数冊の本。蘇芳は貸し出しカードの履歴や本の内容から、持ち去った犯人の人物像を推理します。しかし辛うじてわかったのは、恐らく自分たちと同じ1年生で、キリスト教に造詣が深い本好きであろうということ。そして部屋に置かれていた本の1冊は犯人の私物であるということだけ。収穫は少なかったものの、自分のために一生懸命になってくれる蘇芳を見て、立花は改めて彼女に感謝するのでした。

 少ない要素を元に少しずつ推理を進め、犯人像を絞り込んでいく過程が気持ちいいですね。普段ミステリー作品を作られているだけあり、こういう場面の雰囲気作りはさすがです。あと何気に、立花がすごく近い位置に顔や身体を寄せてきて、蘇芳がドキドキする描写がまたいいんですよね。友情とも恋とも判別しがたい、嬉し恥ずかし感がたまりません。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●徐々に形作られていくアミティエの関係

 犯人捜しにかまけていたせいか、蘇芳は1人だけバレェの試験に落ちてしまうことに。責任を感じた立花は、再試験に向けて練習の手伝いを買って出ます。そこへ、同じくアミティエの匂坂マユリが登場。事情を聞いたマユリは、まるで当然のことのように自らも手伝いを申し出るのでした。蘇芳たちアミティエにとって、今回の事件はお互いをよく知るいいキッカケになったのかも……。

 マユリかっこいいです! 男前!(笑) 立花と同じくクラスの人気者だそうですが、それもうなずけますね。そんな彼女も内になにかを抱えているっぽいですが、それはもっと先で明かされていくのでしょう。そしてこの3人、やっぱり蘇芳を巡って三角関係とかなっちゃうんでしょうか? なにせ同室ですからね、どちらとくっつくにせよ……あぁ、気になる! 気になります!

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●蘇芳が導き出した犯人、それは……!?

 立花やマユリと花言葉の話をしていた蘇芳。花には良悪様々な意味がある――そんなことを口に出した瞬間、彼女の頭の中ですべてがつながります。なぜ本はあの順番で積まれていたのか。なぜ犯人は私物の本を紛れ込ませたのか……。その後、彼女がいるであろうドミトリーを訪ねた蘇芳を出迎えたのは、名簿には名前のなかった24番目のクラスメイト。その車椅子の少女は蘇芳に、「ようやく見つけてくれた」と不敵な笑みを見せるのでした。

 紹介でも“車椅子の少女”としか書かれていなかったキャラが、ここで登場。名前もモチーフとなる花も未公開だったのは、それ自体が謎の答えになっていたからなんですね。ちなみにメーカーさんから直接資料をいただいている自分も、彼女の名前は知りません!(笑)

『FLOWERS』 『FLOWERS』

●少女が提示したゲーム、それは“名前”を当てること――

 車椅子の少女は、本を立花の部屋に置いた犯人が自分であるというヒントを密かに残していました。それを元に自分の名前を当てることができたら、みんなの前で立花への誤解を解くというのです。蘇芳はしばらく考えを巡らせ、やがて1冊の本を手に取り……。

『FLOWERS』 『FLOWERS』

 と、ここで体験版は終了です。うぉーい名前! 名前気になるんですが! あと蘇芳がどうやって彼女にたどり着いたのかも! うーん、うまい(ズルイ)ところで終わるなぁ……。しかもこのあと出てくるテキストを見ると、蘇芳たちはこれから“学院の七不思議”に関わっていくようですよ。百合要素だけでなく、ミステリー要素も思った以上に強い作品なんですね。しかも山奥にある学院で、女の子だけの寮生活で、七不思議。やばい、大好物ばっかり詰め込まれてますよこの作品!

 そして肝心の百合要素についても、いきなり恋愛MAX状態でチューしちゃうような派手さはないですが、女の子同士の心の結びつきみたいなところがすごく丁寧に描かれていて、自分的には「こういうの待ってました!」という感じです。じんわりと仲よくなっていく過程がいいんですよね。チューは、最後でいい(偏った嗜好)。

 あと、雑誌やネットの情報だともう少し固い印象を持っていたんですが、実際にプレイしてみると思いのほか柔らかいです(笑)。キレイより、かわいい。全体の色合いとか、BGMとか、すごく優しい感じがするんですよね。こういうところ、さり気ないけど結構重要なところだと思っていて、開発スタッフさんの百合愛の現れでもあるのではないかと。

 というわけで体験版プレイレポートはここまで。とはいえ、この雰囲気のよさはなかなか文章では伝えきれないので、少しでも気になった人はぜひ、こちらの体験版をプレイしてみてくださいね!

■ 開発者インタビュー ■

●Innocent Grey設立当時から暖めてきた百合作品への想い

――Innocent Greyは今までずっとミステリー作品を作ってきたわけですが、今回“百合ゲー”を作ることになった理由はなんだったのでしょうか?

 元々ゲームに限らず百合作品が好きで、いつかは自分たちで作ってみたいと思っていたんですよ。それこそ弊社の処女作である『カルタグラ~ツキ狂イノ病~』を作っていた頃から、「いずれは作ってみせる!」と言っていた気がします(笑)。と同時に、“人の死なないミステリー”というのも興味があって、今作はそれらを両方とも詰め込んでみました。

――スギナさんの好きなモノが全部詰まった作品というわけですね。

 そうですね、僕から百合とミステリーを取ってしまったらなにも残りません。

――そこまで!? 本当にお好きなんですねぇ……。ちなみに、百合にハマったキッカケはなんだったんですか?

 『マリア様がみてる』という小説がキッカケです。

――あぁ、『マリみて』はすごい盛り上がりでしたよね。アニメ化や実写映画にもなりましたし。というか、自分もあそこから百合に目覚めた1人です(笑)。

 あれがキッカケになった人、結構多いですよね(笑)。

――一言で“百合”といっても様々なタイプに分類されると思うのですが、本作はやはり『マリみて』に近い方向性なのでしょうか?

 そうなりますね。平たく言えばプラトニック系というか、心と心の繋がりに重点を置いた作品になっています。『マリみて』だけでなく、自分の好きな百合作品全般に共通している方向性ですね。

――なるほど。たとえば女の子同士のキスが物語の最後にようやく来るような方向性ということですか。

 これは個人個人の好みではありますけど、自分的には色々な過程を経て最終的に行き着くところであってほしいと思っています。

――この辺の好みは、百合好きになったキッカケの作品で分かれそうですよね。さて、Innocent Greyとしては今まで18禁というレーティングで作品を作ってきたわけですが、今回は一般向けということで、やはり新しいユーザー層というのも視野に入れているのでしょうか?

 最近はアニメでも普通に百合モノを見るようになりましたし、ジャンルそのものが昔と比べてカジュアルになってきていると思うんですよ。なので、ライトユーザーさんや18歳以下のユーザーさんにも、気軽にプレイしてみてほしいと思っています。もちろん、Innocent Grey作品をプレイしてくださっている大人のみなさんもぜひ(笑)。

――Innocent Grey作品は結構えげつない表現が多いので(笑)、スギナさんの絵で平和なゲームもプレイしてみたいと思っていたユーザーさんは少なくないと思います。

 ただ懸念としては、プラトニックさを売りにした百合作品ってそもそも数が少ないうえに、最近テレビアニメで見る作品も、キスシーンが多かったり絵的に派手なものが多いんですよね。なので、最近の作品で百合好きになった人に受け入れてもらえるのだろうかと。

――うーん、自分は心の結びつきをじんわりと描いていく作品って小説やゲームの方が向いてると思っていて、逆にアニメは絵的に派手な方が話題にもなりやすいのかなぁと。テキストベースかビジュアルベースかでも向き不向きがあると思うので……って、長くなりそうなので百合談義はまたインタビュー後に(笑)。

●季節ごとに切り替わるメインカップル、そして全編で描かれる学院の七不思議

――ちなみに、今回の作品は4部作のうちの1作目ということですが、あえてシリーズ化した理由はなんだったのでしょうか?

 本作はシリーズを通して登場人物は同じなんですが、季節ごとにフィーチャーするカップリングが変わっていきます。それぞれの季節を別作品にすることで、そこをより明確化したかったんですよ。

――今作ではサブヒロインとして登場する女の子たちも、全体で見ると全員がメインヒロイン的な位置づけになるわけですか。

 今回は蘇芳、立花、マユリという3人のアミティエがメイン。それ以外はサブに徹していますが、その子たちも別の季節ではとメインヒロインとして描かれていきます。

――今のお話をお聞きしちゃうと、「次の夏編はいつ出るの?」っていうのが非常に気になりますね。

 立ち絵や背景などで共通する素材も多いので、今回の春編ほど制作時間はかからないかと。今のところは年内が目標ですね。ちなみに次回は、車椅子の少女+新キャラ……こちらはまだ名前を出せないんですが、そのふたりが中心の物語になります。

――気が早いですが、続きの情報公開も楽しみにしています! さて、今回体験版をプレイさせていただきましたが、ミステリー要素が意外と濃いんだなという驚きがあって。イベントのひとつくらいに思っていたんですが、実は物語の根っこの部分にあるものなんですね。

 体験版に出てきた事件はまだ序盤なので軽いものなんですが、これがやがて大きな事件に発展していくことになります。と言っても、人が死ぬとかそういうのはありませんのでご安心ください(笑)。

――体験版の最後に“学院の七不思議”という言葉が出てきましたね。

 やはり学園モノといったらお約束かなぁと。この七不思議は本作の根幹に関わってくるもので、シリーズ全作を通して少しずつ全容が解き明かされていくことになります。

――うーん、最後まで気を持たせますねぇ(笑)。あと体験版でもうひとつ驚きがあって、思っていたよりずっと“柔らかい”印象を受けました。

 今回はこれまでと違って音楽でも柔らかさを出すように工夫したり、背景についてもグラフィックチーフが相当悩んでここまで持ってきてくれたので、その辺りはぜひ体験版をプレイして体感してほしいです。

――学院から庭に出たりすると、色がすごい華やかですもんね。

 タイトル通り“花”がテーマになってますので、華やかさにはとことんこだわってもらいました!

『FLOWERS』
▲イメージビジュアルの1つ。線の柔らかさや色合いの華やかさなど、本作へのこだわりがストレートに表現されている。

●百合好きが、百合好きのために作った『FLOEWRS』!

――今回作っていて、いちばん楽しかったところはどこですか?

 やっぱり女の子同士のプラトニックな恋愛を絵に起こすところですね。あとは自分の中のテーマとして、ヒロインとなる14歳の女の子たちの“足を綺麗に魅せる”というのがあったので、足はもちろん、制服のスカートの長さとかもかなりこだわりました。そうそう、あと女の子同士のカップリングを踏まえて声優さんを決める作業がすごく楽しかったです。

――それは楽しそうですね! 体験版では、名塚佳織さん演じる蘇芳がなんともかわいらしかったです。

 そうなんですよ。うまいしかわいいし、聞いててズルいなぁって(笑)。特にモノローグの喋り方とか、蘇芳の初々しさやキョドってる感じがしっかり出てて本当に素晴らしいです。まさか今回出ていただけるとは思いませんでした。

――なんかこう、作り手も楽しんで作ってる感じでいいですね。

 この楽しさがユーザーさんにも伝わると、こちらも嬉しいです。

『FLOWERS』
▲主人公の蘇芳。ぜひ体験版で、彼女の声を聞いていただきたい! 開始数分で心惹かれることウケアイです。

――では、本作の見どころを教えてください。

 今回の売りは、やはりヒロインとなる少女たちの“成長”です。特にメインヒロインの蘇芳に関しては、うじうじと引っ込み思案なところがあるのですが……事件を解決したり周りの子たちと仲良くする中で、次第に変わっていきます。もう後半くらいになると、別人とまではいきませんが、うじうじしていたのがウソみたいにしっかり者になりますので(笑)。できれば、そんな蘇芳を応援しながらプレイしていただけると嬉しいですね。

――それでは最後に、一言メッセージをお願いします。

 一概に百合と言っても幅広いジャンルがありますが……純粋な百合好きの方、そしてこれまでInnocent Grey作品をプレイしてきてくれたユーザーさん、どちらにも喜んでいただけるような作品に仕上げたつもりです。初めてのジャンルではありますが、ブランドデビュー当初からの想いを込めた作品なので、まずは体験版をプレイしていただきつつ、この世界観を堪能していただければと思います。4月18日発売となります『FLOEWRS』、どうかよろしくお願いします!

■ イベントCGギャラリー ■

『FLOWERS』 『FLOWERS』
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『FLOWERS』

(C) 2014 Innocent Grey / Gungnir All Rights Reserved.

データ

▼『FLOWERS』(初回限定版)
■メーカー:Innocent Grey
■対応機種:PC(全年齢対象)
■ジャンル:百合系ミステリィADV
■発売日:2014年4月18日
■希望小売価格:4,800円(税別)

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