2014年4月25日(金)
現在放送中のTVアニメ『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』。本作を手がけるアニメプロデューサーのコラム第2回を掲載する。
【ライタープロフィール】高篠秀一(タカシノ・シュウイチ)
創通所属のプロデューサーであり、アライズというと『攻殻機動隊』でなく『ラブライブ!』を思い出すにわかラブライバー。公式の熱いにこまき推しにもめげずエリーチカKKE。
みなさんこんにちは! タカシノPです! TVアニメ『エスカ&ロジーのアトリエ』は楽しんでいただけておりますでしょうか。
さて、先日放送されました第2話からは、ウィルベル、ニオ、リンカといった、ゲームの前作『アーシャのアトリエ』からの続投メンバーがアニメに顔見せとなりました。
原作ゲームにおけるウィルベルは、ゲーム中のイベントには絡んでくるものの、あくまでNPC、ダウンロードコンテンツでパーティメンバーに加入するキャラクターとしての立ち位置でしたが、アニメ版では、キービジュアルにも現れているように、より大きな存在感を持ったキャラクターとして設定しています。
シリーズ通しての人気キャラクターということもあって、「アニメでは出番を増やそう!」ってことは決まっていたのですが、いざシナリオに入れてみると、日常パートではうるさいくらいに喋って動いてくれるし、アクションパートにおいても活躍できる、お話を華やかにしてくれる便利なキャラクターだなあと非常にありがたく感じています。
というのも、今回のアニメで苦労した点として、RPGにおいて頻出するシーンである“戦闘”があります。通常、RPGでは普段戦闘を繰り返し、レベルアップしてパーティメンバーは強くなっていきますが、アニメでは尺の制限と、描いていくドラマの都合もあって、毎回のようにパーティメンバーが敵と戦うことは難しく、キャラクターの“戦闘力”の成長まで丁寧に描くことは難しいだろうな、と考えていました。
そこで、全体的には日常パートを多めにしていく他、日常パートメインの担当キャラクターと、戦闘パートメインの担当キャラクターをできるだけ役割分担するような構成を意図的に作ることで、それぞれの戦闘力が大きく成長しなくても、戦闘パートが成立できるような形を整えています。第3話では本格的なバトルシーンが出てきますので、ご期待ください。
こうした作劇上の都合にかかわらず、ウィルベルはどちらのパートでも活躍できるキャラクターとなっているので、非常に使い勝手がよく、結果的に活躍するシーンが多いという好循環になっているのです。
さて、今週も制作現場の模様をお届けします。
▲作画机ではロジーさんの作画が進んでいる模様。 |
▲こちらにはキャラクターの対比表が張られています。キャラクターの身長をこの表で確認します。 |
▲そっと置かれた栄養ドリンク。今週もお疲れ様でした……。 |
「ムチャぶりだよ! マリオンさん」
素敵な女性上司マリオンさん。前回も言ったように「こういう素敵な女上司、うちの会社にも来てくれないかなー」と思っちゃうくらい基本いい上司なんですが、冷静に考えると今回の任務、気球使えないし、荷車もないし、新人に投げっぱなし。結構ムチャ振り感あります。
新人に現実で「とりあえず水補給してこいや、使える道具ないけど」って振ってみたらマジ泣くと思うんですが、そのあたり意外とエスカもロジーも耐性が強いですね。やればできるんですね。
ということでウチの新人にもちょっとムチャぶりして乗りきれるか生温かく見守ってみたいと思います。頑張れ新社会人。
そして、今回の僕的ベストシーン。
「あはは、ほんとにお二人は仲よしですね~」って、若干乾いたエスカのセリフが意外とやみつきになっています。「ホントに思ってないだろう、それ!」って感じが素敵。
■TVアニメ『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』スタッフ(敬称略)
【監督】岩崎良明
【シリーズ構成】浦畑達彦
【脚本】浦畑達彦・高橋龍也・冨田頼子
【キャラクター原案】左
【キャラクターデザイン・総作画監督】中野圭哉
【モンスターデザイン】岩永悦宜
【美術監督】柴田千佳子
【色彩設計】松岡珠江
【撮影監督】赤松康裕
【編集】後藤正浩
【音響監督】明田川仁
【アニメーション制作】Studio五組
【キャスト】(※敬称略)
エスカ:村川梨衣
ロジー:石川界人
ウィルベル:瀬戸麻沙美
ニオ:伊瀬茉莉也
リンカ:小清水亜美
マリオン:植田佳奈
ルシル:本多真梨子
アウィン:赤羽根健治
スレイア:喜多丘千陽
クローネ:山村響
レイファー:増谷康紀
ミーチェ:村中知
カトラ:うのちひろ
ソール:松原大典
コルランド:藤沼建人
デューク:小山剛志
ハリー:真殿光昭
フラメウ:阿久津加菜
(C)ガスト/エスカ&ロジーのアトリエ製作委員会