2014年4月27日(日)
4月26・27日にかけて、千葉県・幕張メッセにて開催されている“ニコニコ超会議3”。その会場から、SCEブースの模様をお届けする。
SCEブースではPlayStationプラットフォームにてリリースされる各種タイトルを紹介する“やってやるラボ”や、PS4によるニコニコ生放送でのブロードキャストを先行体験できる“やってみようラボ”、そして最新のAR技術をデモプログラムにて紹介する“やってみたラボ”を設置していた。この記事では、“やってみたラボ”をピックアップして紹介していく。
現在では多彩なデバイスにて使用可能となっているAR(拡張現実)。簡単に言ってしまえばリアルタイムに実写とCGモデルを合成する技術だが、ARを謳うコンテンツには本当に単なる合成写真にすぎないものもあり、まだまだ黎明期にあると言える。
ダイナミックライティングとは、カメラが認識した明度から光源を算出し、CGモデルのライティングに反映される技術。実世界と光源が統一されるため、リアリティが格段に向上する。デモプログラムでは、一般的な懐中電灯の投光によって初音ミクの影が動く様子や、カラーフィルタを通すとCGの光源も着色される様子などを確認できた。
▲懐中電灯によるライティングに応じて、CGモデルのライティングと影が変化する。 |
▲セロファンによるライトのカラーリング+CGモデルが拡大された様子。開発が進めば、さらに自然な合成が可能となるだろう。 |
TCG『プレシャスメモリーズ』の“初音ミク”シリーズを用いて実演されていたのが、このコーナー。フィールドに置いたカードの上にキャラクターが出現するという、TVアニメのような演出をAR技術で実現している。アクションに応じてエフェクトを発生させたり、カードに応じてBGMを変更させたりと、一部には特殊な演出も設定されていた。
これまでのデジタルカードゲームは、カードへのバーコードやマーカーの印刷、ICチップの内蔵などを必須としていたが、この技術ではカードの絵柄を認識して実行しているため、特殊なカードを作る必要がない。また、既存のTCGへ新たにデジタル要素を追加するといったアプローチが可能という点も強みだ。
▲スタッフの方々がノリノリでプレイを実演。画面ではそれに応じて、キャラクターやカットインなどが表示されていく。 |
▲1台のPS4につき約1万種のカードを判別可能で、オンラインによる拡張も考慮した場合は100~200万種まで判別可能になるという。 |
この技術デモは、成田国際空港に隣接する航空科学博物館にて展示されているものの簡易版。画像認識という点ではラボ02のカードゲームと同様だが、こちらはカードのような“個”ではなく、地図という“場”を認識するものとなっている。
地図をカメラに映すと建物や飛行機の情報がARにて表示され、遠近によってCGモデルの拡大/縮小や、エンジン音のボリュームアップ/ダウンが自動で行われる。出展コンテンツの中でも、実用的な(エンタテインメント以外における)ARの特性を特に体験できるコンテンツだ。
▲アナログ情報にデジタル情報が重ねて表示される。飛行機の離発着がアニメーションにて表現される様子は、まるでミニチュアの飛行機が机上を飛んでいるかのよう。 |
ハーフミラーを利用して、映像をフィギュアや背景と重ねるコンテンツが“HoloPoP”。スマートフォン用製品として類似の物もすでに存在するが、本品のユニークな点がフィギュアに動きを加えた点と、PS Vita本体の機能を活用できる点だ。
後者について顕著なのが、PlayStationの技術デモではおなじみのアヒルちゃんを用いたもの。背面タッチによって新たなアヒルを投下したり、モーションセンサーによる検出で“水面に揺れるアヒル”をリアルに表現したりと、デジタルが現実に出てきたような感覚を楽しめる。
現在はあくまでデモの段階だが、プロジェクションマッピング的な表現を容易に実現する手段として、一般ユーザーがエディット可能なものを提供することも検討しているという。
▲基部に小型モータがセットされていて、フィギュアがくるくる動く。 |
▲バルーンでセリフを表現すれば簡単なコントが表現可能。 | ▲カレンダーや時計など、実用的なアプリとしてもおもしろそうだ。 |
▲リアルな挙動で波に乗るアヒルちゃん。 | ▲“花を見ると蝶が止まる”という変形バージョン。肉眼だと明瞭に視認できるのだが、デジカメには写りづらい。 |
ゲームの最新技術と言えば、高精細なグラフィックや新たな遊びを紹介するプレイデモなどはよく紹介されるが、こういった技術デモが披露されるのは比較的珍しいこと。このような技術研究からどのようなゲームが生まれるのか、未知への期待を高めてくれる展示だった。
▲場内にはラボらしい(?)ホワイトボードが掲示されていた。 |
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