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2014年6月13日(金)

続・PSP名作選。10周年特別企画として編集部が選んだおすすめゲーム10本を紹介

文:ごえモン

 6月6日にPSP10周年記念企画としてお届けした“編集部が選ぶPSP名作選”の後編を掲載します。今回も編集部スタッフ1人1人がおすすめしたいゲームを独断と偏見でピックアップ。当時の思い出も絡めつつ、名作を振り返ります。皆さんのおすすめゲームは何本ありますか? ちなみに、筆者ならSRPG『クイーンズブレイド スパイラルカオス』を推します。(※並びはタイトル名五十音順)


■最強さいかわのアイドルユニット

カズ:『アイドルマスターSP』(パーフェクトサン、ワンダリングスター、ミッシングムーン)
●メーカー:バンダイナムコゲームス ●発売日:2009年2月19日

『アイドルマスターSP』 『アイドルマスターSP』 『アイドルマスターSP』

 今や一大コンテンツとなった『アイドルマスター』ですが、携帯機として初めてリリースされたのはPSP『アイドルマスターSP』でしたね(厳密には、アーケード版の携帯連動コンテンツがありましたが)。おもしろいPSP作品は数あれど、危機感を覚えたのはこれが最初で最後でした。

 まずは『パーフェクトサン』『ワンダリングスター』『ミッシングムーン』という3作品の存在。1本ずつ登場人物が異なり、765プロのメンバー全員をプロデュースしようと思ったら3本買う必要があります。「この娘だけでいいや」と思える人は1本でOKですが、熱狂的なプロデューサー(ファン)がそれで満足できるわけもなく……。ボクは結局9本買いました。ええ、プレイ用・保存用・布教用です。発売前は食パンと焼きそばだけで食いつなぎ、たまに生命の危機を感じました(自己責任)。でもまぁ、本作のおかげで“パーフェクトサン組”といった疑似ユニットが存在するわけで。今では感謝することも多いです。

『アイドルマスターSP』 『アイドルマスターSP』

 ゲームとしてはXbox 360版『アイドルマスター』をベースに、PSP向けの調整&新要素を追加したもの。楽曲や衣装、レッスン、営業(コミュニケーション)などが増え、オーディションの難易度調整もGOODでしたね。中でも“ストーリープロデュース”は素晴らしかった。というのもXbox 360版までは営業での断片的な会話しかできなかったんですよね。そこに一本軸の通った物語が加わり、「彼女たちのことをもっと知りたい」という長年の欲求を満たしてくれました。以後のシリーズ作品やTVアニメなどでも、ここで判明した設定が生かされていることが多く、今でも時々「オリジナルのシーンはどんな感じだったっけ?」と見直したくなります。というか見直しています。

 そして、もっとも危機感を覚えたのはライバルユニット“プロジェクト・フェアリー”の登場です。念のため説明すると、プロジェクト・フェアリーとは961プロダクションが掲げていたアイドルプロジェクトで、所属メンバーは現在765プロダクションの一員である星井美希、四条貴音、我那覇響の3人。千早Pとしては、彼女たちを初めて見た瞬間、ゾッとしました……。この子たち、見るからにポテンシャルが高いんですもん。『オーバーマスター』を聴いた時も彼女たちを演じる長谷川明子さん、原由実さん、沼倉愛美さんの歌唱力に圧倒されましたしね。765プロを応援する身としては、あの時ほど961プロを恐ろしく感じたことはなかったです。

 ただ恐怖する反面、圧倒的なポテンシャルに惹かれたのも事実。本作では一部のイベントシーンと事務所モードくらいでしか会えず、かなりヤキモキさせられました。今でこそ765プロの一員としてヒロイン化した彼女たちですが、プロジェクト・フェアリー時代にプロデュースしたらどんな感じだったのか? いつか“アイドルマスター プロジェクト・フェアリー”(まあ、名前はなんでも、いいですけれど)とか出してくれませんかね!? バンナムさん。

『アイドルマスターSP』 『アイドルマスターSP』

(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Games Inc.


■王道はいつまでも色あせない!

ゲゲン:『英雄伝説 零の軌跡』
●メーカー:日本ファルコム ●発売日:2010年9月30日

『英雄伝説 零の軌跡』

 自分が選ぶ1本は、日本ファルコムさんより2010年9月30日に発売された『英雄伝説 零の軌跡』です! 言わずと知れた名作で、王道を限界まで研ぎ澄ましたRPGとして今でも大プッシュです。じゃあ、どこが好きだったのよと思い出を語る前に、ちょっと当時のゲーム的な時代背景なども振り返ってみたいと思います。あ、ちなみに好きなキャラはエリィです、よろしくお願いします。

 さてさて、ファルコムさんといえば『ドラゴンスレイヤー』『イース』『英雄伝説』シリーズといった数々の名作シリーズを作られたメーカーで、近年では珍しく全年齢のパソコンゲームをメインに活躍されておりました。2000年代半ばには、絶大な人気を誇る『英雄伝説 空の軌跡』シリーズといった人気PCゲームのPSP版も発売されていましたが、今までのイメージがあまりにも強烈だったため、まだPCゲームメーカーとしての色が強く残っているという印象でした。

 しかし2009年9月には、PCゲームを出発点とし、長い歴史を持つ『イース』シリーズの新作『Ys SEVEN(イースセブン)』をPSPで発売。さらに翌年には、『軌跡』シリーズの新作『零の軌跡』もPSPで発売しました。これはゲーム業界的にも大きなニュースであり、ファルコムさんが家庭用ゲーム機に本気で取り組んでいることを決定的なものとして印象づけた、ゲーム史に刻まれるべき出来事だったと思います。PCゲームの雄が、看板タイトルの新作を立て続けにPSPでリリースする。これだけでも、PSPというプラットフォームがいかに魅力的で普及していたものだったかということを、なんとなくでも感じていただけるのではないでしょうか。

『英雄伝説 零の軌跡』 『英雄伝説 零の軌跡』 『英雄伝説 零の軌跡』

 とまあ、当時を振り返るのはここまでにして、『零の軌跡』の話に移りたいと思います。

 本作では、光と闇が交錯する大都市“クロスベル”に捜査官として着任した青年・ロイドが、自身の所属するクロスベル警察特務支援課の仲間と共に様々な事件を解決しつつ、大きな“なにか”に挑んでいく壮大な仕掛けと、登場人物たちが様々な“壁”を乗り越える姿が描かれます。それぞれの成長や都市で起こる事件の解決という細かい部分も非常に丁寧に作られているのに加え、中盤から終盤にかけては数々の伏線を回収しつつ、より大きな物語に繋がる流れとなりドキドキが止まりませんでした! この点だけでも、ストーリーなどを重視する方には問答無用でおすすめできます。自分の場合は手軽に遊べるPSPということもあって、続きが気になり「ちょっとだけ……」とついついPSPを触る→遊びすぎてしまう→寝不足で出社のコンボを何回繰り返したことか……。

『英雄伝説 零の軌跡』 『英雄伝説 零の軌跡』

 さらにシステムの中核となる、“オーブメント(導力器)”と呼ばれる端末のカスタマイズも、これまた楽しい! オーブメントのスロットにセットする結晶回路“クオーツ”の収集や組み合わせの模索が、わかってはいたけどゲーマー魂をくすぐってくれました。戦闘はコマンドを選択するスタイルですが、クオーツは様々な効果・属性値を持ち、組み合わせによって使えるアーツ(導力魔法)も変わるので、戦闘スタイルは千差万別。コマンド選択式とはいえ、実際に動く順番は敵も含めてめまぐるしく入れ替わり、さらに戦闘フィールドにはマス目が設定されているので、アーツの効果範囲なども考えた、とてもタクティカルな戦闘が楽しめます(雑魚敵はフィールド上でさくっと撃破できるところもポイント高し!)。

『英雄伝説 零の軌跡』 『英雄伝説 零の軌跡』

 もちろん、ファルコム作品ということで忘れてはいけないのが音楽です。知っている人からは「当たり前だろ!」と怒られそうなポイントですが、ゲーム音楽っていいかもと思い始めている人には、ぜひともFalcom Sound Team jdkが紡ぎ出す音楽にも注目していただきたい! 初めて『Inevitable Struggle』というイベントやボス戦で流れる曲を聴いた時は、演出との相乗効果があるとはいえ本当に震えました。これだからRPGは止められない!

 こんな感じで主観バリバリ、勢いのみで語ってしまいましたが、百見は一プレイにしかず! PSPが現役のあなた、PSP the Bestベスト(DL版あり)でも発売されていますので、今すぐお店へGoです。あ、UMD Passportにも対応していますよ! そして「もうPS Vitaに移行してしまったしなぁ」という方! メインストーリーをフルボイス化し、画像も高解像度化してPS Vita用ソフトとして生まれ変わった『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』もありますのでご安心ください。

 プレイ後に訪れる、爽やかというか前向きな気持ちは、きっと人生を豊かにしてくれます。楽しいゲームで心の栄養を補給しましょう!

(C)2004-2006 Nihon Falcom Corporation. All Rights Reserved.
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■宇宙世紀『ガンダム』ファン定番の一本! 『ギレンの野望 アクシズの脅威V』はPSP史に残る名作

てけおん:『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』
●メーカー名:バンダイナムコゲームス ●発売日:2009年2月12日

『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』

 PSP出荷終了が報じられた時に、まず脳裏に浮かんだのが『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』でした。なぜなら今でもたまに遊ぶからです(笑)。てけおんは地球連邦派ですが、このシリーズで“フライマンタ”や“デプロッグ”などの航空戦力の大切さに気付かされました。このゲームと出会わなければ、いつまでも低評価のままだったでしょう。

 本作のシステムはPSなどで発売された『ギレンの野望 ジオンの系譜』をブラッシュアップしたもの。しかし、ロード時間(特に敵の思考時間)が大幅に短くなっていて、初めてプレイした時に感動した記憶があります。『ジオンの系譜』を遊んでいた時には、ロード時間の長さから、委任モードでの戦闘はめったに使いませんでした。しかし、『アクシズの脅威V』では思考時間が短くサクサク進むので、お手軽に遊びたい時によく使っています。

『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』 『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』
『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』

 正直、戦略SLGとして見ると、ニュータイプたちを乗せた高性能モビルスーツがちょっと強すぎな気もしますが、『ガンダム』ファンにはそれがたまらないカタルシスになるんですよ。“アムロ+ガンダム=強い”なんて、ファンにとって当然のことですし。それまで脅威であったジオンのモビルスーツが次々と倒されていくところなんて、なんとも言えない爽快感と、ほんの少しの寂しさがあります。連邦側でプレイするとガンダム完成までがもっとも苦しく、もっとも楽しいのではないでしょうか。

 他にも一年戦争当時にアムロがアレックスに乗っていたら? や、キシリアやガルマがジオンの指導者だったとしたら? という“ありえたかもしれないif展開”も、『ガンダム』ファンのツボを刺激しまくるところ。特に本作には“アライメント”というシステムがあり、プレイスタイルが道徳的であるか、非人道的であるかによって、ゲームの展開が変わります。場合によっては、シャアとアムロが共闘する……なんてことも。こういうところも、発売から数年経ってもついつい遊んじゃう魅力なんだと思います。

『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』

 あ、言い忘れてましたけど、レビルの秘書官は男性ですが、ギレンの秘書官は女性なんですよね……。この点だけは、ジオンをうらやましく思いました(笑)。

『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』

 本作にはPS2版とPSP版があり、てけおんはどちらも持っていますが、いまだに遊んでいるのはPSPというハードの手軽さゆえだと思うんですよね。PSPの出荷終了後も何年も遊んでいそうな、そんな名作です。

(C)創通・サンライズ


■エッチさに目が行きがちな硬派な名作シミュレーションRPG

ごえモン:『クイーンズブレイド スパイラルカオス』
●メーカー:バンダイナムコゲームス ●発売日:2009年12月17日

『クイーンズブレイド スパイラルカオス』

 『クイーンズブレイド スパイラルカオス』は、ちょっぴりエッチな要素がわかりやすいところにあるため、プレイしていない人からは誤解されていそうな気がしますが、実は非常に硬派なシミュレーションRPGです。

 本作には、大きく分けて2つの魅力があると思います。1つは、なかなか飽きが来ない戦闘システムです。2Dマップ上のキャラを動かして敵に近づき、攻撃方法を選択、戦闘アニメーションへ、と、ここまではオーソドックスなSRPGですが、本作には“鎧破壊システム”という独特なシステムがあります。

 各キャラクターの鎧には頭・胸・腰・腕・脚の5つの部位があり、それぞれに耐久値が設定されています。耐久値を0にすれば美闘士の鎧が破壊され、肌色成分が多めな専用のグラフィックを確認できます。それだけではなく、鎧を破壊するとその部位が弱点となり、敵を倒しやすくなるんです。本作の敵は基本的に硬いので、後半はいかに敵の鎧を脱が……破壊して、防御力を下げられるかがカギとなります。

 べ、別に鎧が破壊されることで露わになる美闘士の柔らかい部分とか、一瞬だけ表示される服がビリビリ破れたカットインとか、艶めかしい声とかのエロス的な意味で素晴らしいのではなく……まあそこも素晴らしいわけなんですが(笑)、各部位を破壊することで攻撃回数がプラスされる“ボーナスアタック”の爽快感とスピード感が素晴らしいんです!

『クイーンズブレイド スパイラルカオス』 『クイーンズブレイド スパイラルカオス』

 各キャラは数種類の技を持っていて、1度の戦闘で最大5つの技を繰り出せます。同じ技を続けて使うと相手に見切られて命中率が下がるとか、各技がどの部位に効果的なのか、とかを考えながら戦闘を組み立てていくところも戦略的でおもしろいです。

 考えるって大事。20数年もSRPGをプレイし続けて慣れすぎたからなのか、何も考えなくても楽にSRPGをクリアできるようになってしまった僕にとって、1シナリオごとに何回か思考する機会があるというのは結構貴重。その思考の先にあるのが、5つの技と“ボーナスアタック”を使って、敵の鎧をパリンパリンと立て続けに破壊していく爽快な戦闘シーンなのです。本作は、考えて、そして見て楽しめるSRPGになっています。

 毎回同じ戦闘シーンを見たくないという人は、戦闘アニメーションを早送りしてしまうかカットしてしまえばOK。しかし、本作のもう1つの魅力は前述の戦闘アニメーションにあるので、できれば何回かはしっかりと見てほしいと思います。共通のスタッフが手掛ける『超ヒロイン戦記』の設定資料紹介記事で絵コンテを紹介しましたが、1つ1つの戦闘シーンには、キャラと技をカッコよく、そして美しく見せるためのノウハウが詰めに詰め込まれているんです。

 腕の振り方1つ、殴り方1つとってもそうで、間、テンポなど、細かい部分にまでこだわって演出されているところが大好きです。股の間から敵の爆発を見たり、カッコいいアニメーションなのに一瞬だけカメラが胸にズームしたり、とにかくお尻を強調したり、クスっと笑える遊び心が加えられたカメラアングルも最高です。

 戦闘アニメーションで個人的におすすめしたいのが、能登麻美子さんが演じている武者巫女トモエの攻撃モーション。その中でも“花鳥風月”という必殺技には当時感動しました。3Dモデル中心の戦闘アニメの中で、リアル頭身のグラフィックの使い方が非常にうまいです。最近のとある作品で、某白いロボットの遠隔操作兵器に感動した人は好きになれると思います! 能登さんの叫び声にも注目です。

『クイーンズブレイド スパイラルカオス』 『クイーンズブレイド スパイラルカオス』

 以前のレビューでも書きましたが、戦闘システムをどんどん進化させて続けていってほしいシリーズです。できれば2Dで……と思うのは贅沢でしょうか?

(C)2009 HobbyJAPAN/QUEEN'S BLADE PARTNERS
(C)BANDAI NAMCO Games Inc.


■麻野一哉さんがシナリオ監修した名作『銃声とダイヤモンド』では手に汗握る交渉が展開

kbj:『銃声とダイヤモンド』
●メーカー:SCE ●発売日:2009年6月18日

『銃声とダイヤモンド』

 PSPでハマったタイトルはいくつもあるのですが、今回は衝撃を受けた名作ADVの『銃声とダイヤモンド』を紹介していきます。このソフトは交渉人・鬼塚陽一として事件を起こした犯人の出方を伺いつつ、事件を解決するために会話を進めていくというアドベンチャーゲームです。こう書いてしまうと普通のADVで、特徴がないように思われるかもしれませんが、本作で印象的だったのは“交渉らしい会話”です。

 会話中に現れる選択肢には、時間によって消えるものもあるため、消えそうになると「選ばないとダメなのでは?」という緊張感からつい選んでしまうのです。もちろん、選んではいけないものだと、状況は悪くなります。さらに、“選択肢をあえて選ばない”ことも頭に入れて進める必要があります。具体的には、相手からの質問をスルーすることで、相手のミスや新たな証拠を引き出せることがある……のですが、返答しないことで激昂させることもあり、とにかく終始ドキドキ、ハラハラします。

『銃声とダイヤモンド』 『銃声とダイヤモンド』

 基本的にはなるべく怒らせずに話を進めていきたいのですが、切羽詰まっている犯人はちょっとしたことで激昂することも。うまくいっていたはずなのに、犯人がカッとなったことで事態が急に悪化してゲームオーバーになることも多々あるのです。ただそれが怖いからといって要求をすべて受け入れてしまうと、交渉ができていないということで現場から撤収させられることになります。

『銃声とダイヤモンド』 『銃声とダイヤモンド』

 状況にあわせて会話をし、相手からの要求に折衷案を出しつつ、事件を解決するための情報を探っていく。事件はすぐには解決しないために「選んだ選択肢が正解なのか、すぐにはわからない」というモヤモヤ感もあるからこそ、事件が解決した時には達成感があるのです。リアルタイムで進んでいく会話システムなので、スピード感があるのですが、そのためにやや難しいと思う人もいるかもしれません。あとはこの緊迫感があわない人もいると思います。ただ、これまでとは違うADVを楽しみたい人には、ぜひやってほしいですね。

 PS Storeでは、本編とは異なる展開の体験版が配信されています。まずは気楽にプレイしてみてください。今回は書けなかったのですが、魅力的なキャラや重厚なストーリーもあって、止め時がわからずにのめり込んだ傑作です。

(C)2009 Sony Computer Entertainment Inc.


■いつでもどこでも遊べるようになった『サカつく』はある意味“革命”だった!

YK3:『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』
●メーカー:SEGA ●発売日:2009年11月12日

『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』

 『サカつく』シリーズはセガサターンで発売された初代からほとんど遊んでいて、私の中ではもはやライフワークと言ってもいいシリーズ。ただ、仕事や家族サービスが忙しくなってきたPS2後期ごろの作品は、なかなか腰を据えて遊ぶことができず「据え置きハードは厳しいなあ」と感じ始めたちょうどそのころ、この『サカつく6』が登場しました。本作が発表された時は「やった! これで通勤時間に遊べる!」と小躍りして喜んだほどです。しかも正統ナンバリングタイトルですよ! 「これこれ、これを待っていたんです!」って感じでしたね。

 クラブ経営、選手育成、試合采配など、クラブを強く大きくしていく楽しさはおなじみなのですが、振り返ってみると登場人物がなかなか強烈だったのを覚えています。まずはアドバイザーになってくれるオシムさん。時々フッとクラブハウスに訪れては、いわゆる“オシム語録”と呼ばれる名言を残して去っていきます。実際のオシムさんもよくいろいろなものに例えて含蓄のある話を展開しますが、このゲームの中でも現実同様“心に響く話”をしてくれます。一瞬「んんん??」と考えてしまうような例えもありましたが、「確かにその通り!」と感心する言葉もあっておもしろかったですねー。

『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』 『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』

 もうひとつ、何気に秘書のラインナップが今にして思うと豪華でした。今や『NEWS ZERO』のメインキャスターとなった山岸舞彩ほか、皆藤愛子、伊藤友里など本作から大きく羽ばたいたと言っていい(言い過ぎ!?)タレントたちが秘書として登場するんですよ。実は本作、お宝映像ならぬお宝ゲームになるかもしれませんね。

『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』 『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!6 Pride of J』

 それと、メモリースティック デュオへのデータインストールの威力を体感したのもこのゲームでした。膨大な選手データを扱う『サカつく』シリーズは、タイトルによっては試合前のロードの長さが気になることもありました。PSP用のUMDで遊んでいた時に「ちょっと時間かかるな」と思っていたのですが、しばらくして大容量のメモリースティックを入手、インストールしてみたところものすごくサクサク遊べるようになって超感動したのを覚えています。おかげで1シーズンを終える時間が格段に短くなりました。

 最後に全然違う話をしますが、私はPSPを通勤時間の動画マシンとしても非常に愛用していました。PS3の『torne(トルネ)』でドラマやアニメなどを録画してPSPに移し、通勤中に見るというスタイルをPS Vitaを入手するまで何年も続けていました。現在はPS Vitaに引き継がれ、通勤時間の長い私の友として活躍しています。今回PSPの出荷完了の報を聞き、私の生活の一部として長年楽しませてくれたPSPに「お疲れ様、そしてありがとう」という言葉を贈りたいと思います。

 ……最後ちと固かった?(笑)

(C)SEGA LICENSED BY J.LEAGUE Stats Stadium The use of real player names and images is authorised by FIFPro Commercial Enterprises BV.


■強い“意地”を追いかけて、大きな奇跡を見た

皐月誠:『ダライアスバースト』
●メーカー:タイトー ●発売日:2009年12月24日

『ダライアスバースト』

 「スペースインベーダーがタイトーの顔ならば、ダライアスはタイトーの意地」……前タイトー社長・和田洋一氏は、そう述べた。

 『ダライアス』シリーズは、STGというジャンルを代表するタイトルでありながら、そのジャンルにおいて異質の存在だ。まず、その元祖たる第1作のAC用『ダライアス』は筐体が尋常ではない。何せ画面が横に3枚分ある。このキャビネットと体感機の中間のような筐体が、『ダライアス』は普通のビデオゲームと異なるタイトルだと明示している。

 2画面の『ダライアスII』を経て、『ダライアス外伝』や『Gダライアス』では1画面の一般キャビネット筐体用ゲームとなったが、それと反比例するかのように、ゲーム自体は先鋭的になっていった。『外伝』のドット絵は美しく、擬似3Dは目を見張るほどで、ZUNTATAの音楽は極めて官能的だ。ドット絵からポリゴン画となった『G』では、原生林の大地や崩壊したスペースコロニー、ジ・エンブリオンの住まう幻想的な空間など、3DCGを生かして徹底的に描き上げてくれた。『Gダライアス』のステージ数は分岐により全15面(1ルート5面)、それがステージ内で2分岐し、都合30ステージ分と大ボリューム。これほどに豪華なAC用の横スクロールSTGは、技術の発達により世情が大きく変化した現在ではむしろ作れない。戦艦・大和の主砲のような、一種のオーパーツだ。

 この『Gダライアス』でひとつの頂点に達し、『ダライアス』シリーズは長い沈黙の時期へと入ることになる。STGマニアたちは続編を待った……しかし、戦艦・大和にヤドカリ型戦艦が寄生して再浮上して来る……なんて『ダライアスII』のK/Mステージボス的なことは起こらなかった。世情はどんどん変わっていった。某横STGはファイナルになって、某縦STGは大往生した。しかし2009年、朗報が訪れる――『ダライアスバースト』。

 『ダライアス』シリーズは、「前作がこうだったから、次もこう」という感覚が、まず通用しない。1画面化+ボンバーの搭載により前作から大きく様変わりした『外伝』、それを“キャプチャー”システムで一気に塗り替えた『G』。そして『ダライアスバースト』における“バースト”システムも、従来作とまったく異なるものだった。

『ダライアスバースト』 『ダライアスバースト』

 バーストシステムの詳細な説明は省くが、これは“ビームで防弾の壁を作り、敵弾の届かない安全地帯から攻撃する”というプレイを可能にする。しかし、“だからヌルい”というものにはなっておらず、“いつエネルギーが尽きて弾雨に曝されるかわからない”という、さらなるスパイスをプレイヤーに与えてくれる。敵弾消しの効果を持つバーストシステムは、特にボスのビームを撃ち返す“カウンターバースト”へ顕著だが、むしろプレイヤーと敵弾の関係を近づけてスリルを演出してくれる。

 これがおもしろいということが、どれだけ凄いか……“斬新なシステム”が“奇をてらっただけ”になることは多いが、その点このシステムは“斬新でおもしろい”ものとして成立している。『ダライアスバースト』の遊びやすさ、奥深さ、そして濃すぎもせず薄すぎもしない絶妙な味付けには、「ゲームを好きな人が手掛けたのだろう」という匙加減を強く感じる。

 STGを作る難しさは伝わりづらい。“横スクロールする画面の中で、画面左側の自機が画面右側の敵機を倒す”なんて、いかにもシンプルで簡単に作れそうだ。しかし、そこに“おもしろさ”を彩ることがどれだけ難しいか? 例えば『ダライアスバースト』とGBA『ダライアスR』を遊び比べてもらえれば、どちらも下地は『ダライアス』なだけあって差が歴然だ。

 『ダライアスバースト』は優れたタイトルだったからこそ、ACへ『ダライアスバースト アナザークロニクル』として『ダライアス』を返り咲かせ、それを『ダライアスバースト アナザークロニクルEX』へとアップデートさせ、さらにスマートデバイス用『ダライアスバースト セカンドプローグ』まで展開を遂げた。“意地”から復活を遂げた『ダライアス』は、その“意地”を見事に貫き通したのだ。

『ダライアスバースト』 『ダライアスバースト』

 さて、こんな『ダライアスバースト』は、個人的に“PSPがあったからこそ生まれたタイトル”だと思っている。据え置き機用として作るにはソフトのボリュームや開発費が足りないが、スペック制限の厳しい携帯機では開発が困難……その隙間を縫うように登場したPSPという“3Dゲームが動くスペックを持った携帯機”は、本作に限らずソフトメーカーにとって一種のフロンティアだったのではないだろうか。だからこそ、『ダライアス』は『バースト』として新生できた。だからこそ、PSPは足掛け10年にもわたって生産が続けられた……。『ダライアス』というタイトルを蘇らせたタイトー、開発のピラミッド、そしてPSPというプラットフォームを築き上げたSCEには、いちSTGマニアとして深く、G.T.Vが潜んでいる深海ほど深く感謝したい。

 そして、いつか新たな『ダライアス』が生まれることを祈りたい――あと、PSアーカイブスに『ダライアス外伝』が来ることも祈りたい。そうすればPS Vita1台に『外伝』、『G』、『バースト』がそろうんですよ? ついでに、どうにかしてPS Vitaに『レイフォース』が来ることも祈りたい。同じく『フォース』、『ストーム』、『クライシス』がそろうんですよ!? 「PCエンジンアーカイブスで『スーパーダライアス』とか『ダライアスプラス』とかが欲しい」とまでは言いませんから、神さま仏さまタイトーさま!? 祈ってます!

(C)TAITO CORPORATION 1986,2009 ALL RIGHTS RESERVED.


■作品を重ねるごとに成長・進化していった思い出の1本

YU:『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』
●メーカー:セガ ●発売日:2011年2月24日

『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』

 ライターのお仕事をするようになって7年目になるのですが、新人のころに担当させてもらったタイトルが『ファンタシースターポータブル』だったりします。正直アクションゲームはそれほど得意ではなかったのですが、体験版をプレイして「これはおもしろい!」と思ったので編集さんにお願いして担当させてもらうことに。そこから『ポータブル2』→『ポータブル2 インフィニティ』と、シリーズを担当させてもらいましたが、本作はPSP版『ファンタシースター』シリーズの集大成として本当にいい作品だったと思います。

 『ファンタシースター』シリーズはアクション要素が強いのですが、ジャンルはRPGとなっており、プレイヤーキャラクターにはレベルが存在します。なので、レベルと装備さえ整えれば難しいミッションでも誰でもクリアできるようになります! もちろん歯ごたえのあるミッションも用意されているので、ライトユーザーからヘビーユーザーまで楽しめる難易度だと思います。

『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』 『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』

 武器の種類は28カテゴリ、3,000以上のアイテムが存在するので、アイテム収集もやり込み要素の1つでしたね。キャラクターの見た目(服装)は性能に影響しないため、服装と武器のデザインを組み合わせてコーディネートする楽しみもあります! まぁ、それだけアイテムの数が多いので、ドロップリストを記事として掲載する時の検証作業はすさまじかったわけですが(汗)。

 インターネットマルチモードの実装、種族や戦闘タイプ(職業)の追加、転生システムなどなど、シリーズを重ねることでシステムもパワーアップしていった印象です。オートワードやショートカットメッセージの他、ソフトキーボードもあったので、コミュニケーション機能は本当に充実していました。

『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』 『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』

 また、ジャンルを問わずさまざまなものに対して積極的にコラボをしていたところも印象的でした。『Fate/stay night』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『天元突破グレンラガン』といったアニメ・ゲームジャンル以外に、“ケンタッキーフライドチキン”や“カロリーメイト”、“ファンタ”といった飲食系の企業ともコラボレーションをしていましたね。

 ちなみに、“全国ファン感謝祭”内で行われたメディア対抗大会で優勝したことがちょっとした自慢だったり。インフィニティグランプリの予選と同じミッションに挑戦するものだと思って、相方のユートと一生懸命練習したのに、自分たちが挑戦するのは完全初見ミッションだったという(汗)。優勝賞品として、開発陣のサイン入りプレートをはじめとしたグッズの詰め合わせやカロリーメイト1カ月分をもらったのは今でもいい思い出です。

(C)SEGA


■俺とラティとPSP。釘宮病の症状悪化待ったなし

まさ:『MAPLUSポータブルナビ2』
●メーカー:エディア ●発売日:2007年12月20日

『MAPLUSポータブルナビ2』

 PSPの発売から約4年。通勤に利用している路線はいつも激混みでPSPを取り出すこともできず、自宅用と編集部用のPSPを購入していた私は、もはや「ポータブルって、なんだっけ……?」な状態。そんな時に、ふと目に入ったソフトが『MAPLUSポータブルナビ2』でした。

 今でこそ、スマホ+ナビアプリで手軽にポータブルナビ環境が手に入りますが、このころはまだiPhone 3Gが発売されたばかり。ポータブルナビは、PSPが軽く4~5台は買えるほどの値段だったのです。ところがPSPさえあれば、『MAPLUSポータブルナビ2』+『PSP専用GPSレシーバー』という1万円ちょいちょいの出費でポータブルナビ環境が手に入るという現実! ようやく自分にもPSPを“ポータブル”する日がやって来たぞと思ったわけです。

『MAPLUSポータブルナビ2』

 ……という、それっぽい理由はさておき、正直な購入理由は追加音声の“ラティ”目的です。当時“ツンデレナビ”としてちょっと話題になっていたので、覚えている方も多いかと思います。この追加音声をダウンロード購入し、設定の案内音声をラティにすると、釘宮理恵さんが演じるラティが音声ナビゲートをしてくるのですが、これがたまらんボイス満載なのであります(ちなみにこのラティ、iPhone/Android用アプリとして配信中の『MAPLUS for スマートフォン』でもバリバリの現役ナビだったりします)。

 「方向は……右、かしら?」とか「だって、左のほうが楽しそうだもの!」とか「あとは適当に頼むわね♪」とか、ナビとしては問題ありの発言だらけなのですが(もちろん、そういうセリフを言っているだけでナビ自体はちゃんとしています)、釘宮理恵さんの甘い声と演技ですべてが許されます、というか超癒されます。ラティのいろいろなボイスパターンを聴くために、わざと道を間違え、遠回りをし、近所のコンビニまで徒歩3分の道のりが30分になるなど、ポータブルナビとして本末転倒な使い方をしていたのもいい思い出です。

『MAPLUSポータブルナビ2』 『MAPLUSポータブルナビ2』

 最後に、思い出のPSP作品を語ろうという今回の企画で、なぜにゲームタイトルではなく実用ソフトをあげたのかと言いますと、PSPのもっとも素晴らしいところは、携帯ゲーム機の範疇を超えた携帯ゲーム機である点だと思っているからであります。過去にも、TVチューナーを付けられたり、音声ファイルを再生できたりといった携帯ゲーム機はありましたが、ここまで明確にポータブルマルチメディアデバイスとして設計されたのは、PSPが初だと言えるのではないでしょうか。スマホの普及、そしてPS Vitaの登場で、PSPが多機能な活躍をする機会は減りましたが、携帯端末としてもPSPは歴史に残る名機だと私は思います。

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■『MHP 2nd G』は仕事でやるもんじゃない! と気づいた2008年春

ゴロー:『モンスターハンターポータブル 2nd G』
●メーカー:カプコン ●発売日:2008年3月27日

『モンスターハンターポータブル 2nd G』

 ボウガンを使って高台から無慈悲にモンスターを狩りまくったこと。ラオシャンロンの侵攻を待ちながら寝オチしたこと。“「マ)王”クエのディアブロスの強さが異常だったこと。ヴォルガノスを●●しちゃったこと。地上に上がって来ないガノトトスにムカついてリタイアして、武器をボウガンに変えてリベンジしたけど、水中で討伐したせいで剥ぎ取れなくなって近くのランゴスタに八つ当たりしたこと……って長げぇよ!

 1人ツッコミはさておき、ここで挙げた以外にも『MHP 2nd G』の思い出はたくさんあります。終盤はハードなクエストが多く、村長クエストの最難関“モンスターハンター”なんかは少なくとも50回は返り討ちにあいました。リオレウス→ティガレックス→ナルガクルガまではなんとか行けるのですが、最後のラージャンで回復薬が尽きてやられるパターンばかり。寝る時に布団の中でどれだけ対策を考えたことか。

『モンスターハンターポータブル 2nd G』 『モンスターハンターポータブル 2nd G』
『モンスターハンターポータブル 2nd G』
▲大闘技場で激昂したラージャン2頭を相手にする、地獄のようなイベントクエストもありましたよね。難しすぎてゲロ吐きそうでしたが。

 それにしても、あのころの双剣はメッチャ強かったですね。“凄く風化した双剣”を手に入れたらイケルみたいなところもありましたし、封龍剣に挟まれてひるみっぱなしのオオナズチがかわいそうでかわいそうで。そして、これらの思い出のほとんどがソロプレイという悲しい事実。別に友だちがいないわけでもなく、これには深~い理由があるんです。

 実を言うと、『MHP 2nd G』の攻略本を作っていた時期があって、仕事で毎日プレイしていました。発売前にプレイできるという点でうらやましいと思われがちですが、『モンハン』が好きな人ほどこの仕事はおすすめできません。ソフトが発売されて「さあ、みんなでやろう」となった時の発見や驚きを共感できない寂しさ……。自分だけ事前に情報を知っているぶん、なんか浮いている感じがして、皆の輪に入って遊ぶ気になれませんでした。

『モンスターハンターポータブル 2nd G』
▲ライター時代に自分がかかわった『MHP 2nd G』の攻略本(打撃系統)。

 攻略本制作を離れた現在は、『MH4G』の発売を楽しみに待ちながら友だちと『MH4』で狩猟生活を満喫しています。結論、好きなゲームは仕事でやるもんじゃない!

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