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2014年7月10日(木)

『モンスターハンター4G』の新情報が判明。復活モンスターや既存の武器種にもさまざまな調整ポイントが!?

文:kbj

 カプコンからこの秋に発売される3DS『モンスターハンター4G』を手がけた開発者へのインタビューを掲載する。

『モンスターハンター4G』

 『MH4G』は、人気のハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』シリーズの最新作。400万本以上の出荷を記録している『モンスターハンター4』のセーブデータをほぼ引き継げる。

 インタビューでは、辻本良三プロデューサーと藤岡要ディレクターに、本作のコンセプトや新要素についてお聞きした。先日掲載した10周年記念インタビューとあわせてご覧いただきたい。

『モンスターハンター4G』
▲辻本プロデューサー(左)と藤岡ディレクター(右)。本作のキーマンが本作について、語っている。

■無印時代にやり残した砂漠をリメイク

――1月26日に実施された“モンスターハンターフェスタ’13”決勝大会で続編の『MH4G』が発表されましたが、反響はいかがでしたか?

『モンスターハンター4G』

辻本:鳥肌でしたね、あれは! ファンの熱量がすごかったです。

藤岡:ゾクっとしましたね! ああいうサプライズ発表をすることは多いのですが、久しぶりに“ユーザーの生の反響”がすごかった。あんなにゾワッとするとは思わなかったので、うれしかったですね。開発は進んでいますが、頑張って仕上げようと思いました(笑)。

――『MH4G』の構想はいつごろからあったんでしょうか?

辻本:本格的に取り掛かりだしたのは、『MH4』が発売されて、しばらくしてからですね。

藤岡:『MH4』の開発が終わりそうになった時から、『MH4G』の構想がちらっと頭の中にありました。でもまずは『MH4』について全力で投げきって、開発が落ち着いてから、再度動き出した感じですね。

――本作のコンセプトを教えてください。

『モンスターハンター4G』

藤岡:“Gとしての王道”を作ることです。『MH4』をやり尽くしてくれた人たちに、より満足してもらうために、自分たちが『MH4』をやって思ったことをしっかり入れていく。ボクは本当に感謝の気持ちというか……ユーザーの方々に「『MH4』をたくさん遊んでくれてありがとう!」という気持ちが強いですね。

辻本:『MH4G』はタイトルの関係上、「G級が追加されて追いつけない」とか「難しくなる」という声を結構耳にしますが、そうではないんですよ。G級のクエストやモンスターが出てきますが、もちろんハンター側にもG級の装備が出てきてきますので、プレイヤーの方もG級のステップアップをして遊んでいただけるんです。

『モンスターハンター4G』

――追加される“旧砂漠”は、無印と呼ばれている『モンスターハンター』のフィールドでしょうか?

藤岡:そうです。それを『MH4G』用にリメイクしました。

――“砂原”でも“砂漠”でもなく、なぜ“旧砂漠”だったんでしょう?

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

藤岡:以前のシリーズで砂漠を作っていた時、やりきれなかったことがあるんですよ。『MH4』で地形についてやれる幅がグッと増えたので、「初期のフィールドをもう1回作ったらどうなるか?」という話題があがりました。その際に、砂漠の中でも一番思い入れが強い初代の砂漠をリメイクすることに決めました。あと、『MH4』では砂漠系のフィールドがなかったので、そこに生息するモンスターを出せなかったこともあり、それ系のフィールドを追加したかったのも理由としてあります。

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

――PVの中で葉っぱにぶら下がっているシーンがありましたが、マップの構成も大きく変わるのですか?

藤岡:変えているエリアはグッと変えていますね。無印の時から、砂漠には砂丘のような地形を入れたかったんですが、傾斜が強いステージを作れなかったこともあり、あまり思い切った砂丘にできなかったんです。けれども今回は思い切った傾斜を作れることもあり、砂丘の印象も変わっていると思います。

 他にも、岩場の奥まった場所にオアシスがあるのですが、椰子の木自体は以前からあったんですね。『MH4』の“氷海”でツララにつかまれる仕組みがあったので、椰子の木に採用してみたら意外とおもしろいと思い、つかまれるようにしてみました。『MH4』の要素を応用してカスタムしたものはありますね。

■復活したモンスターに注目! ダイミョウザザミは意外に人気!?

――復活モンスターの生態系やモーションなどは、かなり変わっているのでしょうか?

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

藤岡:モンスターの特徴が変わるほど変化しているわけではないんですが、まったく同じという訳でもないですよ。当然地形には対応していて、プレイヤーへのアプローチが増えていることで遊び心地にも変化がでていると思います。動きはぜひ楽しみにしておいてください。

『モンスターハンター4G』

――個人的にドスガレオスが苦手なんですが、このモンスターも地形対応によって手ごたえが変わるのでしょうか?

藤岡:当然ドスガレオスも地形対応を含めて、モーションや行動に見直しをかけています。以前のように「どこまでも追いかけないとダメ」という印象は減ると思います。

――ダイミョウザザミは久々の復活となりますね。

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

藤岡:思った以上に反響があって、ボク自身もビックリしています(笑)。女性ハンターを使っている人には、ザザミシリーズが好きな人が多いですし。思った以上に愛されていたのかもしれませんね。かなり手を入れているモンスターの1体なので、昔のザザミが好きだった人にとってもおもしろく感じられると思います。

――新たに加わる亜種モンスターはかなり毒々しいというか、強いインパクトを受けましたね。

藤岡:通常種の個性を逆手に取るような要素を入れるのが亜種です。今回もちょっとしたネタを加えることで、遊び心地がグッと変わるような何かを亜種で用意しています。プレイまでは、プロモーション映像などからいろいろと想像してみてください。

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』
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■ジャンプ攻撃を活用しやすい新システム!? 既存の武器種にも調整が

『モンスターハンター4G』

――味方プレイヤーの攻撃で、ぶっとび【特大】状態になった場合、そこからジャンプ攻撃ができるようですが、この要素を追加した経緯を教えてください。

藤岡:ジャンプ攻撃は『MH4』でユーザーの1つの選択肢になってくれたと思っています。そういったさまざまな要素をいろいろな角度で伸ばしたいと思っていて、その中の1つとして“ぶっとび【特大】状態”がジャンプ扱いになったらおもしろそうだと思いました。検証をしてもらったところ、サクっとできたので「これはいいな」ということで採用しまいた。

 以前であればお互いぶっ飛ばしあって、ふざけていたのですが、やっぱり真剣に遊んでいる最中にぶっ飛ばしてしまうと「ごめんなさい!」と謝りたくなりますよね? ただそこは「ごめん!」ではなくて「ありがとう!」になることもあるようにしたいと、以前から考えていました。なるべく気を使わずに打ち上げるアクションを使ってほしいなと。乱戦になると「斬り上げとかは、ちょっと控えて」みたいなルールがなんとなくあるじゃないですか? そういうところを少し緩和したいと考えて起用しました。

『モンスターハンター4G』

辻本:ボクはハンマー使いなので、近距離で皆が固まっていた場合「叩きつけからの3段階目を出さないようにしよう」と思っていたんですけど、今後は出していいわけですね?

藤岡:出していいわけではないですが、ギスギスしないような作りになっています(笑)。

――そこから繰り出されたジャンプ攻撃がもしモンスターに当たれば、乗り状態となり、拘束状態につなげられるかもしれないんですよね。

辻本:テストでやっている時、大型モンスターであれば攻撃は結構当たりましたね。

藤岡:意外といい感じで当たります。

――語弊はあるかもしれませんが、ハンマーは仲間に当てやすい武器なので活用されそうですね。

『モンスターハンター4G』

辻本:狙ってやるのが本当に有効かどうかは別として、さっき言った“3段目を出せる”ということで、ハンマーなどの立ち回りは変わってくると思いますね。

藤岡:張り切って出せるような仕組みになっています。ぶっ飛ばされてもジャンプ扱いになるので、着地後にそこまで大きな隙もないため、あまりストレスを感じないかなと。

――平坦なマップだと、今までは操虫棍がいると助かったのですが、そうじゃない武器にも可能性が広がるというわけですね。

藤岡:可能性は十分にあります。サポートをだいぶ期待しないといけない要素になりますが、そういうことも考えつつ遊んでもらえるとうれしいですね。

――そのあたりも含め、既存武器のアクションにも手を入れられているのでしょうか?

藤岡:調整レベルでは入れています。全武器について見直したわけではないですが、大きく足りないなと思う武器は、多めに要素を足していますね。基本的には『MH4』ベースで「もうちょっとこうしたかった」とか「こういうところを伸ばしたほうがいいよね」というところを、しっかり手を入れているような感じです。

辻本:あと、アクションではないのですが、操虫棍とチャージアックスは発掘武器が追加されています。

――チャージアックスは武器の種類が少ないという印象だったのですが、そこはフォローされているのでしょうか?

藤岡:他の武器種はシリーズを積み重ねているので数を揃えやすいのですが、新しい武器ジャンルはどうしても数を揃えるのが難しくて。なので、そういった手の届かなかった部分を今回は厚めに追加、調整するようにしています。

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

■メインモンスターや引き継ぎ要素などその他の要素を質問

――本作のメインモンスターは、かなりゴツゴツしている印象ですね。

『モンスターハンター4G』

藤岡:そのへんは動きを見てもらえると、より納得してもらえると思います。「あぁ、そんな動き方をするんだ」みたいな。意外とゴツゴツしているけどシャープなフォルムじゃないですか。それが全然印象が変わる瞬間があったりする。ゾワッとできる感じかな? そのへんは楽しみにしてほしいですね。

辻本:このモンスターからとれる素材で作る武器のギミックはおもしろいですよ……というところまでにしておきましょう!(笑)。

――気になりますね。『MH4』の物語はシャガルマガラを討伐したことで大団円となりましたが、その後に『MH4G』の物語が続いていくのでしょうか?

藤岡:そうですね。ストーリーに関してはそういう展開になります。

――追加されるのは村の上位と集会所のG級ですか?

『モンスターハンター4G』 『モンスターハンター4G』

藤岡:はい、そうです。集会所にG級を追加します。当然ギルドクエストにも手が入っているので、G級を遊んでもらいながら、そこをやり込んでもらえたらという作りですね。

――ハンターランクは現在999が上限ですが、その上もさらに開放されるのでしょうか?

藤岡:ハンターランクはそのまま引き継いでもらって、999のカウンターストップは一緒です。

――『MH4』で後半の鎧玉はやや出にくいという印象でした。真鎧玉はギルドクエストからのみ採掘できるようにしていたのは、あえてこういう形にしていたのでしょう?

藤岡:エンドコンテンツとしてギルドクエストを回してもらうのは、こちらがイメージしていた設計です。エンドコンテンツでも欲しいものがちゃんと出る仕組みにしてあげたほうがいいと思ったので、そういうバランスにしています。

――セーブデータについては“ほぼ引き継げる”とのことですが、引き継げない要素もあるのでしょうか?

『モンスターハンター4G』

藤岡:一部そういった要素もありますが、基本的にはアイテムボックスに入っているものは引き継ぐというコンセプトがあるので、そこは保証していきたいと思っています。

――インターネットマルチプレイに際して変化しているところがあれば、教えてください。

辻本:前作より遊びやすくしているところがあります。

藤岡:いろいろなユーザーの声をいただき、必要だと思った機能や変更するべき要素について、やれることはやっています。

――では発売を楽しみにしているファンに、お2人からメッセージをお願いします

藤岡:先ほども申しあげましたが『MH4G』は、『MH4』を遊んでくれた人たちにお礼の気持ちを込めて制作しています。自分としてはそれを十分感じてもらえるものになっていると思っています。『MH4』以上に、より長く、いろんな遊び方のできるソフトになると思うので、楽しみにしていただきたいです。本当にいろいろな仕掛けがあって、懐かしいとか新鮮に思える要素が、まだまだあります。今後も注目してください。

辻本:内容的にも満足していただけるものになっているという感触は得ています。あとは細かいところ、最終仕上げまで持っていく作業になるのですが、そこは全スタッフが協力して頑張って作っています。しっかりした形で、皆様の手元にお届けできるようにしますので、ぜひ期待していただきたいです。

10周年記念インタビューも掲載中!

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データ

▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月14日
■価格:5,990円(税込)

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