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2014年7月30日(水)

名作RPG『サガフロ2』を15年ごしに再評価! シリーズ最高の物語とオンリーワンのシステムが魅力【サガ25周年記念連載】

文:MAC佐藤

 2014年12月で25周年を迎えるスクウェア(※現スクウェア・エニックス)の名作RPG『サガ』シリーズ。電撃オンラインでは、このお祭りイヤーを盛り上げるべく、シリーズ全作品を振り返る“サガ25周年記念連載”を展開中だ。

 連載第4回となる今回は、1999年4月1日に発売されたプレイステーション用RPG『サガ フロンティア2』の編集部座談会をお届けしよう。

プレイステーション用ソフト『サガ フロンティア2』パッケージ画像

【座談会参加者】

まさん:すべての『サガ』シリーズはもちろん、『ファイナルファンタジーII』や『ワイルドカード』など、河津氏の作品をこよなく愛するライター。好きな『サガ』は全キャラのエンディングを見たという『アンリミテッド:サガ』と『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』。

ごえモン:『サガ』シリーズ連載を企画した電撃オンラインの編集。『魔界塔士 サ・ガ』からシリーズに入り、『ロマサガ2』の“閃き”と世代交代のドラマに衝撃を受ける。その後、中学生時代に遊んだ『サガ フロンティア』の連携の美しさの虜となった。

Mac佐藤:『電撃Nintendo』で活躍している『サガ』好きライター。初代『サガ』から『ロマンシング サ・ガ3』、そして『サガフロ2』の知識が豊富で、シリーズの中では『ロマサガ1』がもっとも好き。

■『サガフロ2』が発売された1999年はどんな年?
<主な出来事>
・石原慎太郎氏が東京都知事に当選
・ノストラダムスの大予言がはずれる
・パイオニアが世界初のDVDレコーダーを発売

<主なゲームソフト>
・『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』
・『ファイナルファンタジーVIII』
・『俺の屍を越えてゆけ』
・『オウガバトル64』
・『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』
・『シーマン』
・『バイオハザード3 LAST ESCAPE』
・『ファイアーエムブレム トラキア776』
・『グローランサー』
・『ときめきメモリアル2』
・『パラサイト・イヴ2』
・『ヴァルキリープロファイル』
・『シェンムー 一章 横須賀』

<主なアニメ>
・『おジャ魔女どれみ』
・『∀ガンダム』
・『デジモンアドベンチャー』
・『無限のリヴァイアス』
・『メダロット』

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■水彩画風のマップに強烈なインパクト! 『サガフロ2』との出会い

ごえモン:『サガ フロンティア2』の発売は1999年で、ちょうど今年で15周年なんですよね。15年前は、僕は中学3年生くらいだったと思いますけど、皆さんは何歳でした?

Mac佐藤:もうそんなに経つのか……。僕は23歳で、ライターになって2年目だったと思います。

ごえモン:『サガフロ2』の記事を担当していたんですか?

Mac佐藤:いや、当時はほぼ任天堂系の雑誌の『電撃NINTENDO64』で記事を書いていたので、仕事ではないですね。完全な趣味プレイです(笑)。

まさん:自分は高校に上がったばかりのころですね。『サガフロ1』の後にこれが発表されて、またこれまでと全然違うものが出てきたなと思った記憶があります。

ごえモン:それは僕もありましたね。『サガフロ1』をかなりやり込みましたから、なんでこんなに変わっちゃったんだろうって、プレイする前は思いました(笑)。でも『サガフロ』と名がついているんだから、きっと僕好みのゲームなんだろうと発売日に買ったことを覚えています。皆さんは、『サガフロ2』のどこに惹かれました?

まさん:『サガ』シリーズだからというのはもちろんですけど、2Dの水彩画のようなグラフィックは今までに見たことがなくて、そこに心を引かれた覚えがあります。

Mac佐藤:僕もグラフィックですね。小林智美さんが描く魅力的なキャラクターイラストや、水彩画風の2Dマップにドット絵のキャラクターという画面を見て、当時は3Dポリゴンが主流になりつつある中で珍しいなと。

 一応社会人だったので、時間的にあまり余裕はなかったんですけど、2DグラフィックのRPGでさらに『サガ』シリーズなら、プレイせねばなるまいという感じでした。

『サガ フロンティア2』グリューゲルの街にたたずむウィル・ナイツ 『サガ フロンティア2』ギュスターヴ編・ワイド奪還イベント
▲水彩画風の美しいグラフィックに魅せられた人も多い。キャラクターもポリゴンではなく2Dのドット絵で、SFC時代の古きよきRPGを進化させたような雰囲気となっていた。

まさん:そういえば、2Dの水彩画のようなフィールドマップを歩くという、こんな感じのグラフィックを継承しているRPGってあんまり見ないですよね。他のゲームでも取り入れていくんじゃないかなと思ったんですけど。

ごえモン:手描きっぽいという意味では、3DSの『ブレイブリーデフォルト』の街のグラフィックは似たような雰囲気でしたね。というか、最初にあのグラフィックを見た時は、真っ先に『サガフロ2』を思い出しました。

まさん:このころのゲームのフィールドマップって、3Dではあるけどカメラアングルは変えられなくて、どこへ行ったらいいかわかりにくいという問題が出始めた時期だったような……。

ごえモン:『FFVII』のインターナショナル版だと、マップの切り替えポイントに目印がついていましたしね。

まさん:カメラワークというもの自体がほとんどなかったですよね。当時の『電撃PlayStation』の記事を見ると、『ゼノギアス』(1998年2月11日発売)の驚きのポイントとして“カメラが回せる”という要素があって、そんな時代だったんだなと(笑)。

Mac佐藤:セガサターンの『グランディア』(1997年12月18日発売)の時も衝撃的でしたからね。とはいえ、マップをきれいに見せるならまだまだ2Dのほうがいいんじゃないか、というような流れはあったような気がします。

まさん:2Dのグラフィックは、あとからプレイした時でもそれほど見劣りしないというのは、1つの利点かもしれないですね。古臭さをあまり感じさせないというか。

『サガ フロンティア2』ギュスターヴと鍛冶屋イベント 『サガ フロンティア2』バトルシーン

ごえモン:この当時のユーザーの意見として、「3Dになることでおもしろいゲームもあるけど、なんでもかんでも3Dにするのはちょっと……」という流れがあった気はします。あと、当時はカメラを回転させると酔っちゃって、数時間もRPGをプレイできなかった(笑)。

Mac佐藤:僕も2D派の1人でした。というか、今でもそうですけどね! 純粋な2Dのゲームなんて今や絶滅状態なのでさびしいです。

■1999年当時のゲームと『サガフロ2』の評判

ごえモン:『サガフロ2』からちょっと離れて、当時発売されたゲームを見てみると、『ヴァルキリープロファイル』、『グローランサー』、『スマブラ』、『ポケットモンスター 金・銀』……。

まさん:めちゃくちゃ当たり年ですね! そのあたりに発売されたタイトルはほとんどプレイしたなぁ。

ごえモン:RPGのラインナップを見ていると、王道からちょっと外れたというか、直球ではないものが多かった印象です。市場が成熟してきた関係で、ここでちょっと別路線に……という感じだったんでしょうか。

まさん:時代を先取りしすぎたというか、今に通じる挑戦的なゲームが出始めたころでしたね。

『サガ フロンティア2』ダンジョンマップ

Mac佐藤:ターン制のコマンドバトルではなく、独特のバトルシステムを導入したRPGが多かったような気がします。

ごえモン:1998年から2000年にかけて発売されたゲームって、有名タイトルばかりという感じですけど、みんなそんな中でよく『サガフロ2』に目をつけたなと思いますよ(笑)。

まさん:そこは、やっぱり『サガ』シリーズだからじゃないですかね。

ごえモン:なんだかんだでこの当時のRPGはほとんどプレイしていますけど、中でも『サガフロ2』は強く印象に残っています。

Mac佐藤:僕はもうライターを始めていたので、仕事以外のゲームをプレイする時間はあまりなかったですね。まだ新人で、いろいろと余裕もなかったですし(笑)。

ごえモン:その点、学生だと時間はたっぷりありますからね。

『サガ フロンティア2』デュエルで剣技・スマッシュを発動 『サガ フロンティア2』ウィル編・パーティバトル

まさん:名作が多く出すぎていたからか、『サガフロ2』はちょっと埋もれてしまったというか、自分の周りとか雑誌とかでも、これまでのシリーズに比べると注目度が少し低かった記憶があるんですけど……。

ごえモン:確かに、周りで『サガフロ2』をプレイしている人って、あんまり見なかったなぁ。ちょっとマニア向け、というような印象もありました。皆さんから見て、当時の『サガ』シリーズってどんな立ち位置でした?

Mac佐藤:ゲームボーイのころからプレイしていた『サガ』好きのプレイヤーは、そろそろ社会人になって、ゲームから離れていった時期かもしれないですね。

ごえモン:個人的には、『サガフロ』の時代で世代交代があったと思っています。グラフィックや音楽など、イメージ的にガラッと変わった感じがしますし。あと、今回の連載を始めるにあたって、いろいろなライターさんに声をかけたんですが、やっぱり『サガフロ』の前と後では、プレイしている人ががらっと変わるんですよね。

Mac佐藤:ハードの変化って、大きいと思いますよ。1999年4月発売の『サガフロ2』の後は、2002年発売の『アンリミテッド:サガ』でしたっけ? 初めてのPS2ということで、ここでもプレイヤーに変化があったかもしれないですね。

まさん:『アンサガ』は個人的には好きな作品なんですけど、あれもまた『サガ』シリーズの中でも異端だった感はあります。その話はまた別の機会に(笑)。

■2つの視点で描かれる壮大な歴史と物語

ごえモン:そんな『サガフロ2』ですが、実際にプレイした『サガ』ファンからは一番好きなシリーズ作品だという意見も多いです。もちろん僕も好きで、特にストーリーが気に入っています。個人的には、シリーズの中でもっとも物語がおもしろい『サガ』だと思っています。

まさん:ストーリーがすごくいいですよね。人間関係が複雑で、最初はそれをつかむのに苦労しましたけど。

Mac佐藤:あの膨大な量のシナリオを、ほとんど河津さん1人で書き上げているというのは驚きました。まさに“河津神”ですね(笑)。

ごえモン:ワールドマップに表示されたシナリオを選んでいく“ヒストリーチョイス”というシステムが『サガフロ2』の特徴なんですけど、あれが今までにないシステムで新鮮でした。

『サガ フロンティア2』ヒストリーチョイス画面 『サガ フロンティア2』年表確認画面
▲世界地図上にプレイ可能なシナリオ名が白く表示され、それを選ぶとシナリオがスタート。シナリオはいくつかが同時に表示され、その中のどれをプレイするかはプレイヤーの自由となっている。クリア後はグレーに変わり、年表画面に記録される。

まさん:シナリオクリア後に記録される年表画面を見てみると、結構年が飛び飛びなんですよね。前のシナリオからいきなり数年経っていたり。あと、重大な事件がシナリオとして用意されていなくて、年表のひと言だけで終わっていたり。

ごえモン:その突き放した部分は、『サガ』らしいといえば『サガ』らしいですけど(笑)。ゲーム的には空白の期間なんですけど、年代が飛ぶ前と後では微妙に人間関係や場の空気感が変わっていて、いろいろと想像させるんですよね。年代が飛ぶ前後にどんなことがあって、心境がどう変化していったのかを会話から読み解くのが僕は楽しかったなぁ。ちなみにMac佐藤さんは歴史が苦手と聞きましたけど、“ヒストリーチョイス”というシステムに抵抗はなかったんですか?

Mac佐藤:“歴史を読み解くRPG”と銘打たれていて、それを見た時はちょっと不安にかられましたけど、まあ『サガ』シリーズだし、大丈夫だろうと(笑)。

ごえモン:実際にプレイしてみて、どうでした?

Mac佐藤:シナリオは大きく分けてギュスターヴ編とウィル・ナイツ編の2つがあるんですけど、それぞれの視点でシナリオを進めながら歴史の真実に迫るというようなザッピング的な要素はそれまでに経験したことがなくて、早く先の展開が知りたくて夢中で遊んでいましたね。

 『サガ』シリーズって、どちらかというとストーリーよりもシステム重視なところがあると思うんですけど、それが『サガフロ2』ではストーリーがしっかり作られていたので、新鮮な気分で楽しめました。

ごえモン:これまでの作品とは毛色がまったく違いますよね。僕はギュスターヴ編が大好きで、ギュス様を愛している人間なんですが(笑)、皆さんはギュスターヴ編とウィル・ナイツ編、どっちが好きですか?

『サガ フロンティア2』の主人公・ギュスターヴ13世 『サガ フロンティア2』のもう1人の主人公 ウィリアム・ナイツ
▲主人公の1人である“鋼の13世”ことギュスターヴ13世。アニマを持たない体質で術を使えないため迫害された時期もあったが、鋼と呼ばれる金属を精製し、世界の覇権を握る。▲もう一方の主人公となるナイツ一族のウィル・ナイツ(ウィリアム・ナイツ)。ディガーと呼ばれる発掘家で、エッグとの3代にわたる因縁の戦いに身を投じる。

まさん:最初のほうはギュスターヴ編で、途中からウィル編ですね。後半のギュスターヴ編は駆け足で歴史を追っていって、人間関係もかなり複雑なので、誰と誰がどんな関係になっているのか、何をやっているのかがよくわからなかった印象があります。ウィル編はナイツ一族が中心で、最終ボスであるエッグを追うという目的も明確だったので。

Mac佐藤:ウィル編のほうが、宝探しやモンスターとの戦いといった冒険がメインで、普通のRPGっぽい感じでしたよね。ギュスターヴ編は、ウォーシミュレーションゲームっぽい印象が強かったような気がします。これはコンバットのイメージが強いこともありますけど。

『サガ フロンティア2』の特殊な戦闘システム・コンバット
▲軍隊同士での大規模な戦闘を表現するコンバット。シミュレーションゲームのように部隊を動かして戦うことになる。

ごえモン:なるほど、僕とは全然違う感想だ(笑)。でも確かに、ギュスターヴ編はギュスターヴに関する要所要所の事件を追っていくという形で、彼の死後は本当に急展開というか、かなりはしょられていた印象があります。ただ、ギュスターヴ編はあくまでギュターヴ13世の物語なので、彼の死後が厚く語られないのはしょうがないでしょう。

 僕としては、1人の英傑の死後、世界がどう回っていくのか、というところが見られたのでよかったと思っています。彼が与えた影響というのはその後もそこかしこで見られるんですが、ギュス様はあくまで1人の人間であり、その彼がいなくなっても変わらず世界は回り続けるという無常感がとても好きでした。でも……なんでギュス様が死ななければいけなかったんだっ! 黒幕よ出て来い!!(笑)

まさん:真犯人をあえてぼかした感じもありますよね。史実でも歴史ものでもそうですけど、それが本当に歴史の真実なのかどうかは誰にもわからない、みたいな。

Mac佐藤:フィリップ二世暗殺の黒幕や、南の砦におけるギュスターブ13世の死については、今もなお考察サイトで熱く議論されているテーマですからね。そういった部分も含めて、『サガフロ2』は歴史物語としておもしろいんだと思います。

『サガ フロンティア2』ギュスターヴ編イベント画像 『サガ フロンティア2』ウィルとナイツ家
▲ギュスターヴ編は、術が使えないギュスターヴ13世を軸に、公的に記録されている史実、貴族や王族たちの政治的な駆け引き、大規模な戦争などが描かれる。13世の死後は、彼の後継者を軸に、戦乱がおさまるまでの流れを追う。シナリオは会話を中心に進むことが多く、冒険的な要素は少ない。▲ウィル・ナイツ編は、ウィリアム・ナイツから3世代にわたるナイツ一族の人生を軸に、歴史の裏で起こるエッグとの戦いが描かれる。ナイツ一族は遺跡の発掘を生業とするディガーであるため、宝探しやモンスターとの戦いなどの冒険が中心となる。主人公は物語の進行とともにウィル、リッチ、ジニーと変わっていく。

ごえモン:ところで、印象に残っているイベントってありますか? 僕は、ギュスターヴ編の序盤のイベントなんですけど、術不能者として迫害されて育って心がすさんでしまったギュスターヴに、母親のソフィーが草木や鳥を例に挙げて「アニマがなくてもあなたは人間なのよ!」と諭すシーンや、ギュスターヴが鍛冶屋に弟子入りして、術不能者の自分だからこそできる金属武器の製作を始めるイベントにものすごく感情移入しました。子弟関係となった後の親方の態度も最高で。この2つのイベントは、過去の自分とオーバーラップして特に印象に残っていますねぇ……(遠い目)。

Mac佐藤:(何があったのかすごく気になるけど、あえて聞かないでおこう……)

まさん:自分は、ギュスターヴ編で王位を継いだ腹違いの弟、ギュスターヴ14世と戦うシナリオあたりが、歴史物としておもしろかったなと。

Mac佐藤:僕は、ウィル編でジニーが登場するあたりですかね。ウィルの子だけじゃなくて、その孫まで登場するという、壮大な時間の流れに圧倒されました。あと、86歳のおじいちゃんになったウィルがパーティメンバーとして登場した時も、まだ現役なのかと驚きました(笑)。

ごえモン:好きなイベントをあげたらキリがないですが、もう少し語らせてください(笑)。死にゆく母との最期の会話とその後の仲間とのやり取りは最初の泣きポイントだと思うんですよ。母の言葉に対する返事の間とか最高。そういえば、『サガフロ2』は相手のセリフにかぶせるように吹き出しが出たり、テンポだったりでしっかりキャラの感情を演出しているところも魅力ですよね。話をイベントに戻すと、あとはワイド奪還の夜明けのシーン。だんだんと夜が明けていく場面は、ギュスターヴの心と立場、あとは世界の変化を暗喩していてグッとくるんですよ。

 それから、ロードレスランドへの上陸シーンも短いながらも素晴らしいイベントです。ギュスターヴへの臣下の強い信頼が感じられて、あのギュスターヴがこんなに大きくなって仲間にも恵まれて……と親の気持ちで感動します。忘れちゃいけないのが、フィリップの部屋でのレスリーとの会話! レスリーのつれない態度の中に確かにギュスターヴへの愛を読み取れて、萌えるんですよ。僕はこのシーンと故郷に戻る前の会話でレスリーに恋しました(笑)。

『サガ フロンティア2』ギュスターヴ追放シナリオ 『サガ フロンティア2』ギュスターヴ12歳イベント画像
『サガ フロンティア2』ギュスターヴの涙に気づくレスリー
▲母・ソフィーがアニマを持たないギュスターヴをそれでも人間だと諭すシーンや、レスリーがギュスターヴの荒れた心の裏側に存在する悲しみに少しだけ気づくシーンなど、ギュスターヴ編は序盤だけでも名シーンがてんこ盛りだ。

 あとはギュスターヴの兄弟が再会するシナリオも印象的でしたね。ギュスターヴの実弟であるフィリップは、幼いころに兄が原因で最愛の母から引き離されたせいで兄を憎んでいたんですけど、約20年ぶりに再会した時に、ギュスターヴから母のアニマを感じ取って態度をやわらげる。ギュスターヴと母がオーバーラップする場面では涙腺が崩壊するし、その後の「別にお前を許したわけじゃないからな!」と素直になれないフィリップも微笑ましいしで非常にいいイベントでした。今でいうツンデレっぽい感じで(笑)。

まさん:長い、長いですよ! ……でもその後のイベントで、すぐにフィリップの息子が暗殺されるんですよね。フィリップも暴走して火竜に変身し、どこかへ飛び去ってしまう。結局誰が暗殺者なのか、真相が明かされないまま物語が進んで、そのあたりも『サガ』っぽいなと。

ごえモン:その後、火竜が戻ってくるイベントがあるじゃないですか。あそこも明確な説明はないですけど、いろいろと想像できておもしろいです。そういえば、そのイベントの前にギュスターヴは炎の中に消えていくんですよね……王家の人間は炎に縁があるなぁ。

まさん:ギュスターヴの享年と死に際を見て想像するに、織田信長を意識していますよね。

Mac佐藤:え、そうなんですか!? 今、初めて知りましたよ!

ごえモン:さすが歴史が苦手なだけはある(笑)。

Mac佐藤:それは言わないで(笑)。

ごえモン:仮にギュスターヴ=織田信長と考えると、本能寺の変を起こした明智光秀は誰になるんでしょうね? 身内だからケルヴィン? まあ、僕はケルヴィンが犯人だったとは思わないですが(笑)。で、じゃあウィル編はなにかとなると、それは『ジョジョの奇妙な冒険』だと思うんですよ。世代を超えて展開する物語とか、一族の宿命の敵との戦いとか、その敵と心中しようとしたりとか。

まさん:言われてみれば、そんな気もしますけど(笑)。

Mac佐藤:実際のところは、河津さんに聞いてみないとわからないですけどね。

ごえモン:機会があれば、お聞きしたいですね。

■世代交代をしていく独特のシステムの感触は?

まさん:システム的にはどうですか? 世代交代のイメージがあったので、自分は『ロマサガ2』の進化系を期待してプレイしたんですけど、まったく違うものだったという記憶があります。

ごえモン:長い歴史の中で世代交代をしながら物語を進めていくという意味では『ロマサガ2』と似た部分がありますけど、まったくの別物ですね。世代交代で能力を受け継がせることはできませんし。

まさん:そうそう。能力を引き継げないので、どのキャラクターをどうやって育てていけばいいのか悩みました。ウィル編で頑張って育てたキャラが、シナリオを進めるといつの間にかいなくなっていて「俺が必死に育てたキャラはどこへ行った!?」みたいな(笑)。

ごえモン:技が残るからいいじゃない(笑)。

『サガ フロンティア2』ゲーム終盤のウィルのイラスト 『サガ フロンティア2』ウィルの息子であるリッチ・ナイツ 『サガ フロンティア2』リッチの娘であるジニー・ナイツ
▲ゲーム終盤でのウィル・ナイツ。老いてなお盛んで、孫のジニーたちとともにエッグに挑む。▲ウィルの息子であるリッチ・ナイツ(リチャード・ナイツ) 。エッグの支配から逃れるため、自ら命を絶つ。▲リッチの娘であるジニー・ナイツ(ヴァージニア・ナイツ)。彼女の代でエッグとの長きにわたる戦いに終止符が打たれる。

Mac佐藤:そういえば、世代交代をするゲームって意外と少ないような気がするんですよ。『ロマサガ2』以外だと何がありますか?

まさん:自分が思い浮かぶのは『時の継承者 ファンタシースターIII』(1990年4月21日発売)ですかね。あまりメジャーではないですけど(笑)。

ごえモン:主人公は1人だけど『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(1992年9月27日発売)とか、恋愛と結婚をシステムに加えて、2世代にわたる戦いを描いた『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』(1996年5月14日発売)とか。近年だと『アガレスト戦記』(2007年9月27日発売)を思い出しますね。

まさん:あとは『7(セブン) ~モールモースの騎兵隊~』(2000年12月21日発売)の“アルメセラ年代記”や、その派生作的な『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』(2003年2月13日発売)。桝田省治さんが手掛けた『俺の屍を越えてゆけ』(1999年6月17日)も世代交代RPGのメジャーどころだと思います。

Mac佐藤:『ファンタシースターIII』や『ドラゴンクエストV』は、どちらかというと結婚に重点を置いている印象が強いんですけど、『サガフロ2』って結婚に関するイベントは特にないんですよね。

ごえモン:ゲーム中の人間関係を俯瞰で見ていく感じですよね。あくまでプレイヤーは歴史を見ていくのみという。

Mac佐藤:選択肢によっては死ぬ可能性があるコーデリアとか、もっとヒロインっぽく描写されてもおもしろかったと思います。

まさん:個人的には、あまり世代交代しているという印象はありませんでした。システム的にも別のキャラクター間で引き継げるのは技だけで、能力値は引き継いでいかないので。

ごえモン:ウィルは最初からずっといるじゃないですか。だんだん能力値が下がっていきますけど(笑)。

Mac佐藤:一応、バトル後にアップした能力値はどんどん加算されていくんですが、年を取ると基本能力値自体が徐々に下がってしまうので、結果として最終的な能力値は下がっているように見えてしまうんですよね。キャラクターの育成という部分では、難しいところがあったかなとは思います。

 まあ、僕は当時はあまりやり込む時間がなかったので、ウィル編の最終メンバー以外はあまり育てなくてもいいというのは、ある意味ありがたかったですけど(笑)。

ごえモン:技を閃くためのシステムを理解するまでは結構大変でしたね。特定の技から派生したり、特定の順番でコマンドを選ぶ必要があったりして、なかなか覚えてくれない。理解してしまえば簡単なゲームではあるんですが。

まさん:システム的には、プレイしている当時は気付かないけど、実は攻略本などを見るとわかるような感じで……。それが本に書かれるようになってきたのが、『サガフロ』や『サガフロ2』のころからだったと思います。デュエルでの技の覚え方とか、技の派生表とか、連携のデータとか。

Mac佐藤:そこらへんは、僕も攻略本のお世話になりました(笑)。

ごえモン:おなじみのシステムが結構変わっていたところも印象的でしたよ。たとえば戦闘終了後にHPが全回復しないとか、その代わりに戦闘中にLPを消費してHPを回復できるとか、敵にLPダメージを与えられるとか、術を使うためには各属性のアニマが必要とか。

まさん:あとは敵と1対1で戦うデュエルですね。あれは斬新でしたけど、『サガフロ2』だけのシステムで、別の作品で発展することなく終わってしまったのが残念です。

ごえモン:デュエルは僕も好きでしたね。バトルにかかる時間を短縮できるので、だいたい1対1を選んでいました。あとは、普通に戦うよりも技を覚えやすいんですよ。だから、データ引き継ぎなしの再プレイがラクチンで。

Mac佐藤:“ためる”、“斬る”、“払う”みたいな感じで、特定の順番でコマンドを入力するんですよね。

ごえモン:序盤でも結構強力な技を覚えられるので、かなり活用しました。疾風打とかの術技は再プレイ時にはまっさきに覚えましたよ。

『サガ フロンティア2』デュエルで4つの戦闘コマンドを入力
▲デュエルは、敵、味方ともに1人で戦う一騎打ち形式の戦闘。装備アイテムや地形に応じていくつかのコマンドが表示され、その中から4つ選んで入力する。コマンドの組み合わせによって、強力な技が発動することも。

まさん:技の閃きに関しては、理屈さえわかっていれば他のシリーズに比べると楽に覚えられる点はよかったですね。

ごえモン:ただ、技の演出に関しては少し物足りなかったです。『サガフロ』はカメラアングルがガンガン変わってド派手な演出ばかりだったんですけど。『サガフロ2』の場合は、連携の時でも視点が変わらないし、技のエフェクトもシンプルで、全体的におとなしかったところが個人的には残念でした。

『サガ フロンティア2』連携発動画面
▲前作『サガフロ』で生まれた連携は『サガフロ2』でも登場。こののち、『サガ』シリーズのお約束ともいえる要素になっていった。

まさん:バトルの演出は、色使いも含めて『サガフロ』と比べるとシンプルになった印象があります。

ごえモン:『アンサガ』になると、それがさらにシンプルになるという(笑)。

まさん:その話はまた別の機会に(笑)。

■15周年を迎えた『サガフロ2』への大きすぎる(?)期待

ごえモン:音楽に関してはどうですか? GB版『サガ2』から『サガフロ』まで担当していた伊藤賢治さんから、『サガフロ2』では浜渦正志さんになって、ずいぶん雰囲気が変わりましたけど。

Mac佐藤:ファンの間では賛否両論があった気がしますが、個人的には今までとは違う演出で好きでした。手法としては、3つくらいのメロディをリズムや楽器などを変えて使うことで違った雰囲気を出して、全体的に一貫性を持たせているということですが。

ごえモン:当時は、どれも似たような感じの音楽だという意見もあった覚えがありますが、そういう理論に基づいた音楽作りだったんですよね。音楽の理論が一般的になってきた今だと、また評価が違うような気がします。

まさん:自分はバトルの曲が好きですね。シナリオが進むとだんだん変化してくるんですよ。最終ボスのエッグの曲はかなり気分が盛り上がりました。ただ、バトルが長いわりに、音楽はずっと変わらないのがちょっと残念でしたけど。

ごえモン:最終ボスは何度も形態チェンジするので、かなり時間がかかるんですよね。通常形態が3つ、将魔形態が2~6つ(直前に倒した将魔の数によって変化)、その後に最終形態という順番で、最低でも6形態と戦う必要があるという。

まさん:途中で音楽が変化すれば、もっと盛り上がったと思うんですよね。

ごえモン:最終ボスは、前段階のデュエルで「ここは俺にまかせて先に行け!」的に1人1殺ができることと、あとで仲間がかけつける展開、そして倒した後の締めが好きでした。当時はタイトル画面のグラフィックが変わって、きっと2周目に何かがあるんだろうと期待したものですよ(笑)。今思うと、あのウィル編ラストのグラフィックはギュスターヴの死後との対比がいいですよね。どちらも1つの時代の終わりを表している。ギュスターヴに始まり、ギュスターヴに終わる。だからこのゲームはギュス様が――。

Mac佐藤:はいはい、長くなるからそこまで(笑)。最後は『サガフロ2』に関する今後の展望について語りましょうか。僕は独特なシステムと世界観をもう一度体験したいので、『サガフロ2』の続編が出てほしいですね。。

まさん:続編は難しくないですか? 描かれていない部分は多いですけど、大筋ではまとまっていますから。

ごえモン:ギュスターヴとレスリーの間に子どもがいたことにすれば、続編も可能ですよ。最終決戦前で、あの時に折れた剣が必要になり、拾いに行くような展開だったら熱い。でも、そこは言わぬが花。シャア・アズナブルとナナイ・ミゲルの関係と同じで、その後を明確に描かないほうがいろいろと想像できておもしろいんです。

Mac佐藤:となると、細部のエピソードを補完する完全版みたいな作品がおもしろそうですね!

『サガ フロンティア2』サソリの毒がまわったヨハン 『サガ フロンティア2』ジニーとグスタフの会話
▲あえて歴史の真実を語らないような物語構成や、以前に登場した人物が年老いて再登場する描写など、他の『サガ』シリーズとは一風変わった魅力を持つ『サガフロ2』の物語。ほぼすべてのシナリオを河津氏が1人で作り上げていったとのこと。

ごえモン:『サガフロ2』の攻略本に掲載されている小説に、オリジナルキャラクターとして“夜猟者”ベエンダーという永遠の時間を生きる青年が登場するんですけど、このキャラクターのエピソードを描くか、仲間にして一緒に戦いたいです!

まさん:ゲーム中で明かされていない謎がたくさんあるので、それを補完してほしいという思いはありますね。

Mac佐藤:すでにそれぞれのファンの間で想像が膨らんでいるので、ここまでくると、もう真実を明かすことは難しいかもしれませんけどね。邪馬台国の場所みたいに、諸説あるわけですし(笑)。

ごえモン:河津さんにインタビューをする機会があれば聞いてみたいですね。河津さんの頭の中に真実はあるとは思うんですけど。

Mac佐藤:ただ河津さんの話だと、そこらへんはあえて謎のまま残しておいたということですけどね。誰が仕組んだのか、なんとなく予想はできるんだけど、はっきりさせたくないみたいな。

まさん:あとは、ボリュームアップですかね。ギュスターヴ編ならギュスターヴの死後のシナリオを増やすとか、ウィル編ならジニー登場後のシナリオを増やすとか。

ごえモン:僕はギュスターヴの死後よりも、生まれてから死ぬまでにあった彼の物語の細部をもっともっと見たいです。ゲーム以外での展開としては、『サガフロ2』は他の『サガ』シリーズに比べるとストーリーがしっかりと作られているので……アニメ化を希望!

Mac佐藤:またとんでもない無茶振りを(笑)。

ごえモン:『サガフロ2』15周年記念としてぜひ!

まさん:自分も見たいです。アニメ化希望で!

Mac佐藤:元気いっぱいに動き回るジニーちゃん(ゴクリ)。アニメ化希望で!

ごえモン:最後までやんの!? 3クールは必要だよ!

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