2014年8月20日(水)
バンダイナムコゲームスから10月30日に発売されるPS Vita用ソフト『魔法科高校の劣等生 Out of Order』。本作のキーマン2人のインタビューをお届けしていく。
▲武田達弥プロデューサー(左)と二見鷹介プロデューサー(右)。 |
本作は、電撃文庫から発売され、TVアニメも放送されている小説『魔法科高校の劣等生』を原作としたアクションゲーム。物語はゲームオリジナルのエピソードとなっており、シナリオは原作者の佐島勤先生が監修。主人公の司波達也だけでなく、さまざまなキャラクターを操作して、魔法を駆使したバトルを楽しめるゲームとなっている。
今回は、そんな本作を手がけるバンダイナムコゲームスの武田達弥プロデューサーと、二見鷹介プロデューサーにインタビューを敢行。気になる情報をたっぷりと入手したので、『魔法科高校の劣等生』ファンの方は必ずチェックしてほしい!
――改めて本作について伺いたいと思います。TV-CMなどで登場キャラクターが徐々に公開されていますが、本作にはどのくらいの数のキャラクターが登場するのでしょうか。
武田さん:キャラクターは20人程度登場します。
二見さん:アニメではまだ登場していないキャラクターも登場予定です。
――ということは“九校戦編”以降のキャラクターということですか?
武田さん:そうですね。それが誰かは、続報をお待ちください!
――真由美と摩利といった3年生の他、一条将輝の登場も判明しましたよね。
▲“九校戦編”では、モノリスコードで達也と対決した“クリムゾン・プリンス”こと一条将輝だが、ゲームではどんな性能に? |
二見さん:これまでにも、まだ紹介していないキャラがスクリーンショットに映っていたりしたんですよ。ですので、今後も紹介記事の画面写真を見ていただければ、出てくるキャラがわかったりします。ちなみにこのやり方は武田流です(笑)。
――(笑)。画面写真を見ると、美月もいるようですが、彼女でも戦えるのでしょうか?
武田さん:いえ、美月はCAD調整専用のキャラになります。戦えるキャラクターは15人で、CADの調整専用のキャラが5人、美月はそのうちの1人ですね。
――本作ではどのキャラクターもCAD調整役になれるとのことですが、レオがエリカのCADを調整する……といったこともできるということでしょうか?
武田さん:はい、できます。キャラの組み合わせによっては「お前、調整できるのかよ」みたいな会話が聞けますので、いろいろと試してほしいですね(笑)。
二見さん:今武田が言ったように、キャラの組み合わせによって会話のパターンを変えているので、テキストのボリュームがすごく多くなっているんです。
武田さん:最初にペアとなるキャラを選んで物語を進めていくんですが、キャラ同士には好感度が存在しています。例えば、エリカと幹比古でペアを組んだ場合は、この2人の好感度が物語の進行に応じて変わっていくことになります。
――なるほど。それはキャラクターごとの物語が用意されているということでしょうか。
二見さん:物語自体は軸となる大きなストーリーが1つあり、その物語を誰の視点でプレイしていくか……と考えていただければ。どのキャラの視点で物語を進めていくのか、そこも楽しみながらプレイしていただけるとうれしいですね。
武田さん:軸になっているストーリーの主人公はあくまで達也なんです。選んだキャラの視点で物語は進んでいきますが、実際にゲームをプレイしていただけると達也が主人公であることが実感できると思います。
――ゲームはフルボイスと伺ったのですが?
二見さん:ゲームはほぼフルボイスになっています。普通のアドベンチャーゲームでも収録するのは12,000~15,000ワードくらいなんですが、本作の場合はアクションゲームなのに15,000を超えるワードを収録しています。ですので、会話部分も楽しんでもらいたいですね。
――それはかなりのボイス量ですね。となると、ゲームを1周するのにも結構時間がかかるのでしょうか?
二見さん:1周自体はそれほどかかりません。各ペアごとにストーリーを楽しめるのですが、ゲームの流れ自体はアドベンチャーとバトルの繰り返しで進行していきます。1ペアあたり1周は30分~1時間程度でしょうか。
武田さん:キャラクターの組み合わせで、それが50通りくらいある感じです。
二見さん:さらにそこに、調整パートも入ってくるので、実質1時間を超えると思います。ゲームのプレイ自体はサクサク進めてもらって、原作やアニメでは見られない組み合わせもどんどん試してほしいですね。達也をメインにして調整役のキャラクターを変えるだけでも、かなり楽しめます。これが1周につき2時間も3時間もかかってしまうと、全部の組み合わせを試すのにかなりの時間がかかってしまいますよね。
――魔法の種類はどのくらい登場するのでしょうか?
武田さん:50種類くらい登場します。魔法はCADにセットすることで使えるようになるので、例えば幹比古の古式魔法を他のキャラクターが使う……なんてことも可能です。キャラクターごとにそれぞれの魔法に対するボイスも収録しているので、そこも見どころの一つですね。
二見さん:本作はそういう自由度がポイントで、好きなキャラクターで好きな魔法を使うことにも挑戦してほしいですね。
武田さん:ちなみに、最初からすべての魔法が使えるわけではなく、物語を進めていくことで、さまざまなものが使えるようになっていきます。
二見さん:最初から全部使えると、どれをCADにセットしていいか、わかりにくくなっちゃいますしね。
――CADにも汎用型や特化型などさまざまな種類がありますが、どれをチョイスするかによって戦い方も変わってくるのでしょうか。
武田さん:ゲームに登場するCADは全部で10タイプあって、CADごとに戦い方のタイプがあります。
二見さん:魔法は遠距離で撃ちあうものが多いのですが、近距離攻撃できるCADを使っている場合は、近距離での戦いを仕掛けられます。ですので、遠距離で戦うだけでなく“近距離で戦う魔法師”というセットアップも可能なんです。ゲームの開発サイドとは、近距離対遠距離だと、近距離側が近づく前にやられちゃうんじゃ……と話していましたが、そのあたりはしっかりと調整しています。
武田さん:フィールドには障害物も多くて、通常だとロックオンができません。そこで、マルチサイトなどの魔法で相手の位置を調べて対処できるようになっています。他にも、高威力の魔法を使う場合は、サイオンの流れなどで相手に位置がバレる可能性もあります。その点を踏まえたうえで、大魔法を使うか、それともフットワークでかき回すか、相手の出方を伺うのか、それとも自分から攻めに出てペースをにぎるのか……と、戦略的な戦いを楽しめるようになっています。
――1回のバトルにかかる時間はどのくらいでしょうか?
二見さん:だいたい3~4分くらいですね。基本は3本勝負ですが、1本取ったら、すぐに別の場所からスタートして2本目が始まります。壊れた障害物が時間経過で修復されるかは、現在検討中ですが、あえて1本目は勝負を捨てて障害物の破壊に徹して、2本目以降の戦いの布石にする……なんて考え方もできるようにしています。
――CADの調整に関しては、どれくらい時間がかかったりするのでしょうか?
二見さん:そこはプレイヤー次第ですね。こだわる人はかなり悩むんじゃないでしょうか。同じキャラでプレイしていても、この調整次第ではステータスなどが異なるキャラクターになることもあります。どうやって自分好みのキャラクターに調整していくのかなど、やり込み要素もしっかり用意しています。
――カスタマイズしたキャラクターを、対戦で使うこともできるんですか?
武田さん:もちろんできます。ですので、同じキャラクター同士の対戦に見えても、調整次第ではまったく違った性能のキャラに仕上がるので、それに合った戦い方にする必要があるわけです。みんなでゲームを持ち寄って、自分だけの“俺TUEEEEEEEEE!!”を体感してほしいですね(笑)。
二見さん:最初は相手の手の内がまったく見えないので、そこからどうやって有利な状況に持っていくか、どう戦っていくかを考えるのも楽しいんです。相手がレオだから近距離系かと思ったら、実は全然違って遠距離で攻めてくるタイプだったり(笑)。
――CADの調整と言えば、精密計測のイベントも公開されましたが、これはCADの調整とは別の要素なのでしょうか?
武田さん:CADの調整には通常計測と精密計測があって、精密計測は、調整役との好感度次第で断られることがありますが、通常計測より、ステータスなどの上がり幅が大きくなります。
▲カスタマイズパートでは、CADのチューニングを行える。魔法の起動速度、威力、効果範囲を変更できる。通常は服を着たままだが、調整者と被調整者の好感度が高くなると、“精密計測”でより効果的なチューニングを施せる。“精密計測”時は、被調整者が下着姿に……! |
――限定版や予約特典などでブルマやミラージバットの衣装がありますが、これは全キャラクターで衣装を変更できるのでしょうか?
武田さん:衣装の変更は全キャラクターできますが、この特典の衣装は、さすがに男キャラクターは着られません(笑)。でも、男キャラクター向けの別の衣装も用意しているので、そこはご安心ください。
二見さん:そうそう、初回限定生産版ですが、実は本当の名称があるんです(笑)。
武田さん:最初はこの名称で行くつもりだったんですが、ある事情でやめてしまいました。せっかくだし、ここで公開しちゃいますね。
“『魔法科高校の劣等生 Out of Order 初回限定生産版』というのはバンダイナムコゲームスがフルカスタマイズした『魔法科高校の劣等生 Out of Order』の初回限定生産パッケージのモデル名なんです。『魔法科高校』のファンのために最適化されているのはもちろん、7個のアイテムをスリムなパッケージで同梱している点でも場所を取らず、収納ボックスはゲームオリジナルの描き下ろし画像なんですよ! スペシャルコンテンツ映像ブルーレイディスクが付いてくるにもかかわらず、ドラマCDまで付いてくるくらいなんですから! しかもそれ、ゲームオリジナルのエピソードで、原作とは違った世界を楽しめるドラマCDなんですっ! おまけにサウンドトラックCD、『魔法科高校』のキャラクターがデザインされたクリアしおり6枚、ゲーム内で使える衣装3着のプロダクトコードまで入った限定モデルですよねっ! 何処で手に入れたんですかっ! BOX”
▲こちらが限定版のイメージショット。同梱アイテムについては、上のタイトルで確認してもらいたい。 |
武田さん:ここまでが限定版に付けたかった名称で、あーちゃん(中条あずさ)に言ってもらうのが夢でした(笑)。
二見さん:こんな長い商品名なんて聞いたことないですし、やってみようかと動いてみたんですけど……。いろいろな事情でできませんでした(笑)。
――確かに、あーちゃんがちょっとあわてた感じで言うとおもしろいかもしれませんね(笑)。それでは最後に、ゲームを楽しみにしているユーザーに向けてメッセージをお願いします。
二見さん:今回のゲームは限定版を含めて、普段は見られない『魔法科高校の劣等生』メンバーの一面が楽しめるものになっています。原作とアニメが好きな方は、ぜひこちらを楽しみにしていただけたらなと存じます。
武田さん:ドラマCDでは達也とほのかが温泉に入ったり、達也と摩利が水着デートしたりするものになっているので、個人的にすごくオススメです! ゲームの方もボリュームはありますし、マルチエンディングでもあるので、たっぷり遊べます。精密計測のイベントもオススメですので、楽しみにしてください!
▲“精密計測”では、いろいろなハプニングが起こることも!? うるんだ瞳で達也を見上げる深雪。これは、“精密計測”の1シーンとのことだが、はたして? |
(C)2013 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/魔法科高校製作委員会
(C)BANDAI NAMCO Games Inc.
※画面は開発中のもの
※ゲームグラフィック:ウィッチクラフト
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