2014年9月12日(金)
寺田海月先生による電撃文庫の新刊『閉鎖学園のリベリオン』の紹介記事をお届けします。
ゲーム好きの少年・珪が入学したのは、全国から学生が集められ、ロボットによる公平な教育を受けられるという“倫理学園”と呼ばれる都市型学校。しかし、そこにゲームショップはおろか、炭酸飲料の自販機もないほどの“健全”ぶりで、珪は窮屈な日々を過ごしていた。
だがあるとき彼は、恐ろしい事実を目撃する。それは素行の悪い者を捕え、脳にチップを埋め込んで人格矯正しようとするロボットたちの姿だった。
「この学園は、狂っている」。珪は仲間たちと共に、学園に反旗を翻す。
信じていた平和な日常が、実は恐ろしい犠牲のもとに成り立っていた――。外界から遮断され、コンピュータによって徹底管理されている学園。本当の自由を求めて反逆する少年少女たち……。勇気と解放と友情の学園ドラマが開幕します!!
舞台は5つの学園が集まっている教育特別行政区“フェニックス学園都市”。主人公・籠原珪の通う倫理学園は、管理コンピュータ“倫理”によって、誰でも公平な教育が受けられることがウリです。でも、珪が実際に目にしたのは、素行が悪い生徒を連れ去っては脳に特殊なチップを埋め込み、人格矯正するという怖ろしい光景でした。
“倫理”に排除されそうになった珪は、逆にこのシステムに戦いを挑むことを決意。本当の自由を求め、学生だけのレジスタンス組織に入るのですが……。管理された閉鎖空間で味わうスリル。長いモノに巻かれたくない読者へオススメします!!
管理コンピュータ“倫理”率いるロボットと、学生たちの攻防がスリル満点の本作。でも、本作の見どころはバトルだけではありません。主人公の珪とヒロインの樗木えりえのボーイ・ミーツ・ガールにも注目してほしいのです。
えりえは珪のクラスメイトで、普段はちょっぴり泣き虫な女の子。趣味はイラストを描くことなのですが、リアルな心臓が鮮血と一緒に猫から飛び出した“とけつネコ”など、選ぶモチーフがちょっと奇妙? 愛らしい外見には似合わず、グロカワ系の趣味があるのかも……。類は友を呼ぶのか、その独創的な絵を珪は大絶賛!! その画才が2人を結びつけるきっかけになるのです。
表向きはごく普通の少女ですが、その正体は管理コンピュータ“倫理”を開発運営するフェニックスシステムズの社長令嬢。それゆえ、自分の生い立ちのことで苦悩することもあるようです。彼女が物語の行く末に大きく関わってくる重要人物なのは確か。悪趣味で(絵が)、泣き虫で、とびっきりかわいい画伯を最後まで応援してあげてください!!
(C)寺田海月/KADOKAWA CORPORATION 2014
イラスト:茶colate
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