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2014年10月13日(月)

『GE』富澤さん&吉村さんや『BB』森さんなど7人のクリエイターがマチ★アソビで“子供の頃の夢”などを語る!

文:イトヤン

 徳島県徳島市で開催されていた“マチ★アソビ vol.13”。10月12日には、東新町商店街アーケード・コルネの泉広場で“ゲームクリエイタートークショー”が開催された。

“ゲームクリエイタートーク”

 “ゲームクリエイタートークショー”は、マチ★アソビに参加しているゲームクリエイターが一堂に会して、さまざまな話題でトークを繰り広げるというもの。マチ★アソビでは恒例の企画となっており(関連記事)、この日もステージの前には熱心なファンが詰めかけていた。

 なお、本イベントは新町橋東公園ステージで開催される予定だったが、台風19号による影響で、東新町商店街アーケード内での開催に変更された。

 ステージ上にはまず、イベントの進行役を務める、サイバーコネクトツー代表取締役の松山洋さんが登場。松山さんは同社の代表作である『ナルティメット』シリーズにちなみ、『NARUTO -ナルト-』の主人公・うずまきナルトのコスプレ姿でキメていた。

“ゲームクリエイタートーク”
▲サイバーコネクトツー代表取締役の松山洋さんは、うずまきナルトのコスプレ姿で登場。

 松山さんに続いて、イベントに参加する6人のゲームクリエイターが登壇した。

 そのメンバーは、『テイルズ オブ』シリーズのプロデューサー・馬場英雄さん、『ゴッドイーター』シリーズのプロデューサー・富澤祐介さん、『ゴッドイーター』シリーズ ディレクター・吉村広さん、『ブレイブルー』シリーズのプロデューサー・森利道さん、『討鬼伝』シリーズなどの音楽を手がけているノイジークロークの坂本英城さん、『大逆転裁判』のプロデューサー・小嶋慎太郎さんと、メーカーの枠を超えた豪華な顔ぶれが集結。

 これほどのクリエイター陣が商店街のアーケードに勢揃いしている光景は、マチ★アソビならではのものだろう。

“ゲームクリエイタートーク”
▲写真左から、サイバーコネクトツーの松山洋さん、バンダイナムコゲームスの吉村広さん、同じくバンダイナムコゲームスの富澤祐介さん、バンダイナムコスタジオの馬場英雄さん。
“ゲームクリエイタートーク”
▲写真左から、カプコンの小嶋慎太郎さん、ノイジークロークの坂本英城さん、アークシステムワークスの森利道さん。

 それぞれが自己紹介を終えた後、最初の話題は「子どもの頃の夢」について。ゲームクリエイターを目指す以前は、どんな職業に憧れていたか? という質問に対して、馬場さんは小学生の頃、“パイロット”に憧れていたと回答。続いて富澤さんの回答は“イルカの調教師”で、海洋系の高校に進学しようかと、中3の頃まで真剣に悩んでいたそうだ。

 吉村さんの回答は“サイヤ人”と、大きく飛躍した内容に。子どもの頃に、サイヤ人が死にそうになるほど強くなるというのを信じて大ケガをしたというエピソードを披露したところで、松山さんから「地球人はマネしないように」とツッコミが入っていた。

 “RPGの主人公”と答えた森さんに続いて、坂本さんは“ゲーム音楽家”と、子どもの頃からブレていない点をアピール。坂本さんは4歳からピアノを習っていたが、中1の時に耳コピした『ドラゴンクエスト』のテーマを学校のピアノで弾いて、クラスのヒーローになったことが今の仕事を目指す大きなきっかけになっているそうだ。

 順番的にオチ担当となってしまった小嶋さんは、“超人”レスラーのイラストでしっかり笑いを取った後、もうひとつ“恐竜博士”という夢を披露。実際に、恐竜についていろいろと勉強したことがあり、その経験がカプコンに入社してから、『モンスターハンター』シリーズのモンスターを作成したりする仕事で役に立ったそうだ。

“ゲームクリエイタートーク”
▲あの超人レスラーのイラストを描いてみせた小嶋さん。ちなみにこの夢は、同級生にパイルドライバーをかけて、先生に怒られたことで諦めてしまったとのことだ。

 続いての話題は「ゲームクリエイターになろうと思ったきっかけは?」というもの。これに対して馬場さんは、『スーパーマリオブラザーズ』と答えていた。馬場さんはキノコが食べられないそうなのだが、自分が嫌いなキノコでも『スーパーマリオ』のゲームの中では自然に受け入れられるのに気がついたことから、ゲームの世界観といったものに興味を持つようになったという。

 富澤さんは、マンガ家の“竹本泉”さんの名前を挙げていた。セガ製ゲームハードのユーザーだった富澤さんは、『ゆみみみっくす』や『だいなあいらん』といった、竹本泉さん自身の個性が前面に押し出されたソフトによって、ゲームの表現の可能性を感じたそうだ。

 吉村さんの回答はなんと“ビックリマンシール”。今でもビックリマンシールのコレクターだという吉村さんは、学生時代に趣味が高じて自分だけのオリジナルシールを自作してみたところ、当時知り合ったファンのあいだで大きな反応を呼んだのだという。その経験がきっかけとなって、クリエイティブな仕事を目指したのだそうだ。

 『ファイナルファンタジーIII』と答えた森さんに対しては、松山さんをはじめほかのクリエイターから一斉に「格闘ゲームじゃないの?」とのツッコミが入っていた。森さんによると、学生時代にRPGのデバッグのアルバイトをしたことがあるそうだが、その時にまるで辞書のように分厚いチェック項目のリストを渡されてから、自分でRPGを作りたいという夢は諦めたと語っていた。

 坂本さんの回答は、サウンドクリエイターらしく“同時発音数”。ファミコンなど初期のゲームハードでは、一度に3音までしか同時に出力できないといった制限があったが、坂本さんはそうした制限のなかで名曲を作り上げていく当時のゲーム音楽に、逆にロマンを感じたのだという。

 “ファミコンキッズ”という回答の小嶋さんは、とくに『ドラゴンクエストIII』に大きな影響を受けたとのこと。ほかのクリエイターのみなさんも、それぞれ過去のゲームには思い入れがあるだけに、壇上ではしばらくレトロゲーム談義で盛り上がっていた。

“ゲームクリエイタートーク”
▲RPGについての思いを語る森さん。わずかな時間でサラリとイラストを描き上げるあたりは流石だ。

 最後の話題は「マチ★アソビに参加する理由は?」というもの。これに対して“楽しむため”と答えた馬場さんは、地方在住のユーザーさんと直接触れ合うことで、自分自身も楽しむことができると語っていた。

 “継続は力なり”と答えた富澤さんは、松山さんとともに、マチ★アソビに初期から参加しているクリエイターの1人だ。毎回続けて参加していることで『ゴッドイーター』シリーズの認知度も高くなり、この“マチ★アソビ Vol.13”ではなんと、東京ゲームショウでの試遊とほぼ変わらない人数のファンに、最新作の『ゴッドイーター2 レイジバースト』を体験してもらえたという。

 吉村さんは、その『ゴッドイーター2 レイジバースト』の“最新版ROMを届けるため”にやってきたとのこと。富澤さんからマチ★アソビの話を聞いていて、自分もぜひ参加してみたいと思っていたが、試遊した人からストレートに感想を聞くことができるので、非常に勉強になると語っていた。

 森さんは、アークシステムワークスとして出展する以前から個人的にマチ★アソビに参加して、“おもしろそうだ”と思っていたという。「ゲームファンは地方にも大勢いる」と考える森さんは、マチ★アソビ以外にも積極的に地方でのイベントを行っているそうだ。

 坂本さんは自身でも、ゲーム音楽イベント「沖縄ゲームタクト」を企画しており、思いをひとつにした人々が集まるボルテージの高さを実感していると語った上で、マチ★アソビにもそうした“濃さ”を感じて参加したそうだ。

 最後に小嶋さんが挙げた“お客さんとの距離の近さ”には、ほかのクリエイターのみなさんも大きく頷いていた。今回のカプコンブースも、小嶋さんと『逆転裁判』シリーズの江城元秀プロデューサーの2人で設営したのだそうだが、訪れた観客と直接語り合うことができて、大きな刺激になったと語っていた。

 ゲームクリエイターのみなさんの意外な素顔が明らかになった今回のイベントだが、松山さんの軽妙な進行もあって、ステージは常に爆笑に包まれていた。登場するゲームクリエイターの人数が少しずつ増えるなど、マチ★アソビでも好評の企画となっているだけに、次回以降の開催にも期待したい。

“ゲームクリエイタートーク”
▲ここでは書けないようなジョークも飛び出すなど、ステージでのやり取りは爆笑の連続で、集まったファンも大いに盛り上がっていた。

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