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2014年12月8日(月)

中二的TPS『Drawn to Death』を体験。個性的なデザインは次世代ゲームの方向性を示す?

文:皐月誠

 12月6日(現地時間)の“PlayStation Experience”初日における“Keynote”ステージにて発表された、SCEサンディエゴスタジオの新作TPS『Drawn to Death』。“PlayStation Experience”会場では本作のプレイアブルデモが出展されていたので、実際にプレイしてみた。

『Drawn to Death』
▲スタート&リスポーンは高空(ノートの上方?)からのダイブで、特定のリスポーンポイントは存在しない。使用可能だったキャラクターは、クマの気ぐるみを被った巨漢・ALAN、サイボーグ吸血鬼・CYBORGULA、モヒカンパンクス・JOHNY SAVAGE、悪魔っ娘・DIABLA TIJUANAといった面々。

 『Drawn to Death』において特徴的なのが、トレーラー動画では“High School Kids Notebook(高校生のノート)”と表現されている、ギークな男子高校生がノートに落書きしたかのようなテイストのグラフィクスだ。日本的に言うと、“中二病”という表現に相当するだろう。

 本作のシステムは一般的なTPSにおけるPvPのセオリーを踏襲しており、基本的なプレイは誰でもすんなりとなじめるだろう。キャラクター性能については差別化の甘さやバランスの不均等ぶりが感じられ、固有アクションやアイテム使用についてもわかりにくい部分が目立ったが、今回はプレアルファなので“今後に期待”といったところだ。

 しかし、それでもビジュアル表現のユニークさはインパクト絶大。照準を動かして周囲を見わたすだけでも楽しく、個人的にはかなり好意的なファーストインプレッションを感じた。グラフィックのトーンとして落書き、あるいは水彩画やカートゥンなどのテイストを採用したタイトルは過去にも散見されるが、“ノートの落書きが舞台”という設定でこのようなビジュアルを実現したタイトルは本作が初ではないだろうか?

 その他、起動時の表示から開発にはUnityが用いられていることを確認できた。

『Drawn to Death』

 昨今、シューター(FPS/TPS)タイプのゲームは細分化と先鋭化でさまざまな方向へと進化している。大規模化を極めた『Destiny』を筆頭に、個性的なフィーチャーを取り入れている『Call of Duty』シリーズや『Battlefield』シリーズなどが目立つが、本作やBlizzardが先月に発表した『Over Watch』のような“プレイ感がライトな対戦メインのシューター”も注目ジャンルの1つだ。シューターのオンラインプレイは大規模化・多人数化を目指した時期が長かったため、本作のようなスタイルをメインに押し出したタイトルはまだ少ないが、今後はニーズが伸びてくるかもしれない。

 手書きテイストなビジュアル表現が可能となった背景には、ゲームマシンのスペック向上によって高解像度のテクスチャを用いれるようになったという部分がある。『Drawn to Death』は独創的なビジュアルとともに、リアルでない方向に向けたグラフィック表現の可能性を見せてくれている。ソフト自体の動向、そして市場や各ゲームメーカーの反応も気になる、実に注目すべきタイトルだ。

『Drawn to Death』
『Drawn to Death』

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