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2015年1月13日(火)

『SAO ロストソング』の情報も明らかに! 二見鷹介Pと河合泰一Pが語る2015年の目標は?

文:てけおん

 ゲーム最新作となるPS3/PS Vita用アクションRPG『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』をはじめ、数々の『ソードアート・オンライン』ゲームシリーズを手掛ける二見鷹介プロデューサーと河合泰一プロデューサーのインタビューをお届けしていく。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』
▲二見鷹介プロデューサー(左)と河合泰一プロデューサー(右)。

 インタビューでは、2人に2014年を振り返ってもらい、現在展開中の『ソードアート・オンライン コード・レジスタ』や『ロスト・ソング』の話、そして今後の目標などを語っていただいた。インタビューでは『ロスト・ソング』や『コード・レジスタ』の気になる情報もチェックできるので、ファンはぜひ目を通してもらいたい。

■『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』から始まった2014年

――まずは2014年を振り返ってみましょう。昨年は4月24日に『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』が発売されました。電撃オンラインでも、年明けすぐの1月1日0時に最新映像公開記事を公開しました。

■動画:『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』60秒CM

二見P早いですね。もうあれから1年以上経つんですね……。

――そうねんですよね。で、その10分前の大みそかにはTVアニメの第2期が公開されるという……。

二見P『ソードアート・オンライン』新情報ラッシュから始まったんですね、2014年は。

河合P振り返ってみると、アっという間でしたね。TVアニメ第2期も昨年末で終わってしまいましたし。

二見Pなつかしいなぁ。『ソードアート・オンライン エンドワールド』はずっと展開しつつ、4月に『ホロウ・フラグメント』を発売して……。

河合P8月に『コード・レジスタ』の発表があったんですよね。

二見P当然のことですが、アプリタイトルもコンシューマ向けタイトルも『ソードアート・オンライン』のファンに楽しんでもらうために作っているものですので。今振り返ると、2014年はいろいろと仕込みに手をかけた時間が長かったですね。

――『ホロウ・フラグメント』については、2本目ということでプレッシャーを感じたりはしましたか?

二見Pう~ん、全然なかったですね。

――全然ですか。

二見Pそもそも『インフィニティ・モーメント』の時点でPS Vitaで遊んでもらいたいと思っていたのですが、いろいろな……大人の都合で出せなかったんですよ。

■動画:『ソードアート・オンライン -インフィニティ・モーメント-』60秒CM

 それをちゃんと出せたということと、ただの移植作品ではなく、ユーザーの皆さんにゲーム第2弾ととらえていただけるくらいの内容とボリュームにできたこと。この2つができてよかったと思っています。どちらも僕や現場がやりたかったことなんですよ。そういう意味では、とても恵まれた状況で作ることができた作品だと思います。

――『ホロウ・フラグメント』を作るにあたっては、前作からのユーザーの声をずいぶん大事にしたと聞いています。

二見Pそうですね。ユーザーの皆さんから送られた声は大事にしていますし、一緒に作り上げたという感覚はありますね。その一方で、皆さんのご意見を反映できるということは、まだ世の中に出ていない状態、まだ作っている状態でもあるんですよ。ですので、そこはあくまで自分たちを信じて、楽しいものをユーザーの皆さんに遊んでもらおうと思って作りました。

――『インフィニティ・モーメント』を遊んだユーザーからの要望は、どれくらい寄せられたんでしょうか?

二見Pありがたいことに、とてもじゃありませんが数えきれないくらいいただきました(笑)。その中から吟味しつつ、少なくとも100個以上はゲームにフィードバックしています。

――ジャンルとしては同じであるものの、『インフィニティ・モーメント』とはまったく別のゲームになりましたよね。

二見Pこれは半分冗談なんですけど、『ホロウ・フラグメント』の最初の段階では、最初は『インフィニティ・モーメント 1.2』を作ろうかな、ぐらいの考えだったんですよ。それが気付いたら『ホロウ・フラグメント』という名前のゲームになってしまって……。

――以前、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない』というタイトルでも似たような話を聞いた気がします(笑)。

二見P不思議な話ですよね(笑)。あの時はゲーム自体のベクトルはほとんど一緒でした。背景や立ち絵で、そのまま使えるところはそのまま使ったりとかね。ただ、最初は『1.5』くらいを目指していたら『1.8』くらいのボリュームになっていたんです。

 『ホロウ・フラグメント』は、『俺の妹P続』よりも制作期間に余裕があって、さらに新しいハードで作ることができたので、こういう形になりました。現場に「もっと要素を追加しましょうよ」と言って「最初は『1.2』って言ってたのに、『1.5』くらいあるじゃないですか!」って怒られて(笑)。そこから「やっぱり『1.8』くらいで」、「大型アップデートもするんだし、いっそのこと『2』にしようよ」って感じになって……。実に幸せなタイトルだなと思っています(笑)。

――イベントCGはもちろん、イベント自体もガラッと変わりましたもんね。

二見Pそうですね。

――私も最初は『インフィニティ・モーメント』のパワーアップ版だと聞いていたので、記事で書くために触らせてもらった時に、「あれ? こんなに早くこのキャラ出てきてる」など、いろいろと驚いた記憶があります。

二見Pその部分もユーザーからの声を反映したポイントですね。最初から好きなキャラと付き合いたい、話したい、冒険したいなどの声がとても多く、現場でもそれを望む声があったんです。僕らがやりたい『ソードアート・オンライン』のゲーム性と相反しない部分で、かつユーザーによろこんでもらえるポイントは、できる限り汲みあげる努力をしています。その結果として『ホロウ・フラグメント』があるのではないかと思っています。

――発売後のアップデートの狙いとしては、オンラインゲームらしさを出すということがポイントのひとつだったとのことですが?

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』

二見Pそうですね。アップデートって、MMO作品にとってはとてもワクワクする要素のひとつだと思うので、その感覚を楽しんでもらう狙いがありました。

 アップデートについて言いますと、グランドクエストの実装やレジェンダリーアイテムの追加など、当初やらなくちゃならないと思っていたことは4つか5つしかなかったんです。大きく追加する部分は決まっていたんですが、逆に細かい調整はユーザーの意見を拾って「確かにおかしいよね」というところをリスト化していきました。

 発売後に行われたニコニコ超会議3での生放送にも出演しましたが、そこで寄せられた意見がとても勉強になりました。アップデートのマスターアップを少しずらしましたからね(笑)。本当は、TVアニメ2期が始まる7月前にアップデートを実施しようとしたんですけど、2週間くらい遅れました。

――アップデートについては、何が一番大変でしたか?

二見Pやっぱり新規のボスを入れて、クエストを作ったことですね。正直な話、並行して他のこともしていましたから、どうしても新しいことのほうに意識がむいてしまうんですよ。その一方で、「がんばらなきゃ!」という謎の使命感もあったりして(笑)。おかげさまでユーザーの皆さんにはよろこんでもらえたと思っていますが、会社には冷たい目で見られました(笑)。デバッグも想像していたより大変でしたね。

――そうした甲斐もあって、昨年10月に出たニュースでは、全世界での出荷本数が40万本を突破したことをお伝えできました。

■動画:『ソードアート・オンライン ―ホロウ・フラグメント―』TVCM第5弾

二見P今(※2014年12月時点)は45万本くらいです。実は国内での売り上げがとても伸びていて、28万本くらいですね。

――海外ではどこが多いのですか。

二見Pアジアですね。9万本くらいはアジアで売り上げています。北米がだいたい7万くらい。端数まで考えると、だいたい45万本になります。

――電撃オンラインでも、『ソードアート・オンライン』関連の記事を海外のユーザーがリツイートしてくれることが増えたように思います。

二見Pイベントでも訪れましたが、台湾などは盛り上がりがとてもすごいんですよ。先日もシンガポールに行ってきましたが、とても期待されていることを感じました。それとシノンの人気がとても高かったのが印象的でしたね。ゲーム文化はどんどんと広がっているので、その中で『ソードアート・オンライン』のよさを広げていければと思っています。


■『コード・レジスタ』を作るに際して注意したポイントは?

――では続いて、先日300万ダウンロードを達成した『コード・レジスタ』についてもお話を聞いていきたいと思います。制作を始めたのはいつごろからですか?

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』

河合P2013年の10月ごろから始めた感じですね。事前登録などをしつつ楽しみに待ってくださった皆様を予定以上にお待たせすることになってしまって、特にiOSのユーザーの皆さんを長くお待たせしてしまい、申し訳なく思っています。

――2014年はほとんど『コード・レジスタ』と歩んできたと言ってもいいくらいですね。

河合Pそうですね、実際には『コード・レジスタ』と並行して『エンドワールド』を展開しつつ、二見のアシスタントとして『ホロウ・フラグメント』でもいろいろやらせていただきました。

二見P『コード・レジスタ』は、そもそも河合が『ソードアート・オンライン』にかかわるきっかけだったんだよね。

河合Pはい。担当タイトルとして最初に持たせてもらったのが『コード・レジスタ』でした。

二見P一番最初の、それこそ企画立ち上げからかかわっているよね。一緒のチームになって「アプリやろう」と声をかけて、「はい」と言ってくれた感じです(笑)。僕には全部をやるほどのキャパシティーはないので……。そうなるとアプリまで全部をやることは実質的にできません。ですから河合にポンと渡した感じです(笑)。

河合P最初の構想と比べてみると、この1年でだいぶ違うものに仕上がりましたけどね。

二見Pもともとアプリで気軽に『ソードアート・オンライン』ユーザーに遊んでもらえるモノを提供したいなとは思っていたので、だったら河合に作らせてみよう! と。そうした経緯で動き出したのが『コード・レジスタ』です。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』

河合P二見は全部僕がと言っていますが、『ソードアート・オンライン』のゲーム化については、いろいろとノウハウを持っている頼れる先輩ですから、いろいろと相談しながら進めていきました。

――大変だったところは?

河合Pこれは二見からずっと言われ続けていることなんですが“『ソードアート・オンライン』らしさをアプリでどう出すか”を、考えながら作りました。最初は“他のユーザーとのかかわり”だろうと考えて、MMOっぽい要素や同じボスを一緒に倒すなどの同期性を強くした要素を入れようと思っていたんですけど、実際にプレイしたり、二見に相談しているうちに「はたしてそれだけなんだろうか?」と思うところがあって、開発現場と企画の打ち合わせではなく“『ソードアート・オンライン』らしさとはなんだろうか?”とずっと話しあったりしました。

――それは小説やアニメをすべてひっくるめた“らしさ”ということですか?

河合Pすべてをひっくるめたものですね。『ソードアート・オンライン』らしさを味わってもらうために、ユーザーにどういうものを提供すればいいのかをずっと考え続けていましたね。今でもハッキリとして答えが出たのかと言えば、100%そうではありませんが……。これを考えつつ、汲み上げた要素をゲームに落とし込んでいく。それが非常に大変なんですが、

二見P今まで発売したタイトルを振り返ってみると、コンシューマのタイトルは1人で遊ぶ要素を非常に強く押し出していて、アプリはみんなとつながっていくことで得られる強さ、ユーザー同士でコミュニケーションをとっていくMMOライクな楽しさ、空気感を目指しています。お互いのハードの特性・おもしろさとの相性を生かしていくことが大事なんだと思いますね。

河合P『コード・レジスタ』のコンセプトは“すべてとつながるRPG”というものなんです。『ホロウ・フラグメント』もそうですが、さっき二見が言っていたように他のユーザーやNPC、あるいは世界との“つながり”を感じさせるようなゲームをスマホで手軽にということを考えています。そうした点も踏まえて、『コード・レジスタ』にはまだまだこれから実装する要素がいくつもあります。

――現段階で言える範囲のことを教えていただけますか?

河合P早いうちに戦闘中のボイスを実装したいと思っています。また、今実施している“キャラクタ―イベント”や“装備イベント”とは別の遊びが体験できるイベントや、ユーザーが1カ月、2カ月というスパンで遊ぶ時に目標となるようなイベントをいくつか考えていて、それも春までには実装どんどんしていければいいなと考えています。

――では、そうしたもので“つながり”を感じられるようになると。

河合Pそうですね。共闘するのか、ランキング形式で競い合ってもらうのか、イベントの根幹はある程度決まっていますが、その中でユーザーにどういった形で関わってもらうのか、そこが『ソードアート・オンライン』の魅力を見せられる一番大きなところかなと。『コード・レジスタ』というアプリを通して、どうやればいいのかずっと考えていています。

二見P僕はそれを見て「がんばって」って(笑)。基本的にはそういう配置ですね(笑)。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』
▲1月15日からは、☆5カード《【月下の黒剣士】キリト》がフレンドスカウト(※ゲーム内ポイントでカードを引けるスカウト)に登場。この他にも☆4のリーファやシノンなどもフレンドスカウトに登場する。戦力が足りないと感じていた人は、こちらのトライしてみては?

■最新作『ロスト・ソング』でやりたいこと、そして今後について

――先ほど、『ソードアート・オンライン』関連の記事をリツイートしてくれる外国の方が増えたという話をしましたが、『ロスト・ソング』もすでにいろいろな国の方が注目しているようです。海外で出す予定はあるのでしょうか?

二見P英語版と中文版を出すことはもう発表していますね。『ロスト・ソング』は日本語版とアジア版をあまり間を開けずにリリースできると思います。

――システムがまったく違う形になりましたが、その点についてはいかがでしょうか?

二見P開発をアートディンクさんにお願いしましたからね。《アルヴヘイム・オンライン》の世界を飛びまわるゲームを作る時に、どこにお願いしたらいいかを考えて、アートディンクさんになりました。以前、『ホロウ・フラグメント』が20万本以上売れたら続編を作りますと言いましたけど。このタイトルは続編ではなく、完全な新作です。

 ただ僕がプロデュースさせていただいているタイトルなので、『ホロウ・フラグメント』から引き継ぐべきものは引き継いだ作品になっていると思います。

――アートディンクさんが制作することに決まったのがいつごろですか?

二見PTVアニメの2期制作が決まったタイミングくらいですね。

――新たに盛り込んだ要素にはどういったものがありますか?

二見P実は『ホロウ・フラグメント』で1個だけやり残したことがあったんです。それは、ストレアを救う話です。前作までをプレイしてくださった皆さん向けの話になりますが、ストレアってある意味《ソードアート・オンライン》と切っても切れない関係にあって、《アルヴヘイム・オンライン》には本来であれば出るべきではない、でも、出たほうがユーザーはうれしいだろうということで、今回も出すことにしました。

 ただ「それなら最初から『ホロウ・フラグメント』にストレアを救うお話を入れておけば?」とおっしゃる人がいると思います。これについては、その当時に入れるイメージがなかったということで、許していただけると助かります。なので、ストレアというキャラクターについて、いい形でユーザーが納得できるようなエピソードは作りたいですね。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』
▲コンシューマ版ゲームのオリジナルキャラとして3作品すべてに登場するストレア。『ロスト・ソング』ではどんな物語が描かれるのか?

――『ロスト・ソング』ではストレアにも注目したいですね。

二見Pそうですね。ゲームではかなり自然に登場します。『ホロウ・フラグメント』をやっていなくても普通に楽しめますが、遊んでおくとニヤリとできると思います。

――フィリアもそうですが、アルゴも登場が決定しましたね。あの情報を見て、《ソードアート・オンライン》から生還したんだな、と思いました。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』
▲《鼠》からネコの妖精・ケットシーになったアルゴオネーサン。キリト・アスナとともに『SAO プログレッシブ』トリオで冒険しても楽しそうだ。

二見P現場チームとも話して、いろいろとにおわせてはいるものの、アルゴの生死が不明だなという話になりまして。電撃文庫の小説では本来、どうかわからないですけど「ゲームでは生きているという扱いでいいですか?」と相談して、ゲームではそのまま続投する流れになりました。そこはゲームならではですよね。もちろん、もちろん川原先生たちには「アルゴを出していいですよね?」と了解は取っています(笑)。あくまでゲームの世界線でのお話であって、原作などでは実は違うかもしれません。

――これも気になっていた点なのですが、《ソードアート・オンライン》では《鼠》のアルゴだったのに、どうして《アルヴヘイム・オンライン》では《猫妖精(ケットシー)》になったのでしょうか?

二見Pう~ん、共通点がヒゲというくらいでしょうか? そこには特に深い意味はありませんでした(笑)。どうすればアルゴオネーサンをカワイくできるかな、と。スプリガンでもよかったんですが……。

――すでにフィリアがスプリガンとして発表されていますもんね。

二見Pそうなんですよ。そこでカブらせてしまうのも違うと感じたので、ですからケットシーにしようと。abecさんにもキャラクターデザインを相談して、今の形に変わりました。

――現在展開中の『ソードアート・オンライン プログレッシブ』でもアルゴはたくさん出てきているので、ゲームに登場することがうれしいファンも多いんじゃないかなと。

二見Pはい。アルゴファンにはぜひ楽しんでもらえればと思っています。

――『ロスト・ソング』では、『ホロウ・フラグメント』みたいに発売後のアップデートは予定されているんですか?

二見Pありますよ。まだ内容は秘密ですが……。

――やっぱり本作でもあるんですね。どんな内容になるのか楽しみです。

二見Pはい、時期についてはちょっと明言できませんが。アップデートについては『ホロウ・フラグメント』と同じように、ユーザーの意見を取り入れながらやろうと思っています。ミッションなどのDLCもありますが、これはすべて無料になる予定です。

――現在、アインクラッドのドレイのイラストを募集中ですが、二見さんが考える選考のコツはありますか?

二見P一番大事なのは“気持ち”に決まっているじゃないですか。前回も絵がうまい人はたくさんいましたが、一番大事にしたのは気持ちがこもっているかどうかですね。前作の限定版をお持ちの人は、小冊子を見てもらえばわかりますが、絵が上手とか上手じゃないというのはあまり関係ないですね。イラストからあふれる気持ちがあれば大丈夫ですよ。

――ありがとうございます。それではお2人に、今後『ソードアート・オンライン』のゲームシリーズをどうしていきたいのかを聞きたいと思います。

二見Pこれはもう何回か話したことがあるのですが、『ソードアート・オンライン』については、できればずっと続けていきたいと思っているんですよ。もちろんアプリでも展開はしていきますし、コンシューマはコンシューマでやっていきたいです。これは、僕だけでなくゲームの『ソードアート・オンライン』プロデューサー陣の思いでもありますね。『ロスト・ソング』はそれが形になったものの1つでもあります。

 まだまだ先の話ですがVRMMOを作ることができればうれしいですね(笑)。それに向けて徐々に開発陣から会社まで実行できるスタッフがチームとしてそろえて、本当のVRに近づくために何ができるか考えていきたいと思います。

河合P二見がずっと先のことを話してくれたので(笑)、僕は『コード・レジスタ』の話をします。昨年末に配信は始まりましたが、まだまだ実装できていない部分がたくさんあります。アプリの性質上、いろいろなアイデアを盛り込んでいくことができますし、開発陣もそのつもりサービスを運営しています。引き続き『ソードアート・オンライン』を盛り上げられるようにイベントや新しいシステムを加えていって、常に新しい遊びが楽しめるようにしたいと思っています。

 今は100種類くらいいるキャラクターたちも今後どんどん増えていく予定です。例えばPoH(プー)やザザ、フィリアなどですね。展開中の『エンドワールド』でもそうですが、コンシューマゲームのオリジナルキャラクターの人気が高いんですよ。ですので『ロスト・ソング』のオリジナルキャラクターなども、いずれ『コード・レジスタ』に出したいですね。

二見P『コード・レジスタ』のようなネットワーク重視のアプリは河合が、コンシューマは僕がというように、本当にいいチームができているので、これはゲームの『ソードアート・オンライン』をお客さんに楽しんでもらえるように、なるべくならずっと続けていきたいと思っています。そのため2015年は、事前登録中の『プログレス・リンク』も含めて、いろいろな環境で『ソードアート・オンライン』を楽しめるようにチャレンジしたいと思います。まぁ、会社の人事で来年いるかどうかはわかりませんが(笑)。

河合Pその前まで、ちょっと感動してたのに! 感動を返してください(笑)。

二見P(笑)。では少し真面目に『ロスト・ソング』の話も。これまでに新キャラクターを3人紹介させてもらいましたけれど、今回のシナリオは完全オリジナルになっていて『ホロウ・フラグメント』のゲームをクリアした後ぐらいの時間軸でやっています。その中で“歌”や“光と闇の異なる側面”というテーマになっていて、“本当にVR世界がある時代なら、こういう考えが生まれてきてもいいのかな?”と考えながら作っています。キリトたちはあくまでゲームを楽しむ1ユーザーとして、とある困難にどう立ち向かっていくかが描かれていきます。

 基本的にはすごく楽しさあふれるシナリオになっていますし、「ゲームっておもしろいんだよ」ということを前面に出している作品です。これからいろいろ情報が出てくるとは思いますが楽しみにしていただければと思います。よろしくお願いします。

 最後に、今年はアプリでもコンシューマでも分け隔てなく『ソードアート・オンライン』のゲームを楽しめる環境を作っていきたいと思っています。昨年でその土台はできたと思いますので、それを広げられるようにがんばりたいですね。

『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』

(C)2014 川原 磔/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
(C)BANDAI NAMCO Games Inc.

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