『乖離性ミリオンアーサー』のデッキメイクが楽しいバトルシステムを高評価【電撃Appアワード2014】

文：喜一

　ららららら～♪　あ、ついつい歌姫プレイに夢中で『乖離性ミリオンアーサー』の主題歌を口ずさんでしまいました。電撃Appの喜一です。

　無意識に主題歌を口ずさんでしまうほどハマってしまった正統派RPG『乖離性ミリオンアーサー』を、2014年のベストアプリゲームを決める“電撃Appアワード”にプッシュしたいと思います。

　本作は同社の人気タイトル『拡散性ミリオンアーサー』の“正統進化タイトル”と銘打たれ、なんと配信開始からわずか2週間で500万ダウンロードを達成しました。シナリオは『拡散性』に続き『とある魔術の禁書目録』でおなじみの鎌池和馬先生。楽曲は伊藤賢治氏、前山田健一氏とスタッフ陣の力の入り方も半端ではありません。配信開始から2カ月たった1月現在もダウンロード数900万オーバーと数を伸ばして、ユーザー数が拡大しています。

　この『乖離性』の勢いはものすごく、今年の年末年始には多くの知り合いから「マジで『乖離性』おもしろいって！」「スマホでRPG遊ぶなら『乖離性』ははずせない！」なんて大絶賛の嵐でした。

　でもまあ、あまりにほめられると「ほんとに～？」と疑いたくなるのが人間というもの。そんなわけで、サービス開始直後から『乖離性ミリオンアーサー』にハマっている自分の評価を交えつつ、本作がなぜおもしろいのかをご紹介していきましょう！

■聖剣が100万本!?　驚きの設定と物語の熱さは、さすが鎌池和馬先生！

　『乖離性』の物語は『拡散性』と同時代の時間軸で進みます。まずは世界観に関する概要を紹介しましょう。

　というわけで、『乖離性』の主人公は“エクスカリバー”を抜くことができ、王の候補となった傭兵アーサー、盗賊アーサー、富豪アーサー、歌姫アーサーの4人です。

　しかし、その時ブリテンは“外敵”との戦闘や内乱が激化しており、新米のアーサーたちを鍛えている余裕はなかったのです。戦力アップのため『拡散性』の舞台である“キャメロット”を飛び出し、ブリテンの北方にある“訓練城ヘヴリディーズ”で修行することになった主人公たち。

　そんな4人の新人アーサー候補（傭兵、盗賊、富豪、歌姫）の前にブリテン史上空前の脅威が訪れるというのが物語の概要です。

　ちなみにゲーム開始時に4人から主人公を選ぶことになりますが、ストーリー自体は共通ですし、主人公を変えることもできるので、わりと気楽に選んで大丈夫ですよ。また、シリーズ作である『拡散性』を遊んでいなくてもストーリー的についていけなくなる部分はないので、本作から遊び始めても問題ありません。

▲『乖離性』のOPはフルアニメーションです。声優であり歌手の水樹奈々さんが主題歌を担当しています！

　シナリオを手がけているのは『とある魔術の禁書目録』でおなじみの鎌池和馬先生ということで、そのクオリティは折り紙付き。「RPGってやっぱり、シナリオが第一だよね！」なんて人には間違いなく刺さるストーリーとなっています。もう、RPG好きには絶対おすすめ!!

　なんて書くと、「いやいや、自分的にRPGはシナリオよりもゲーム性が大事ですよ」という方もいらっしゃるでしょう。待っていました、その言葉！　自分はシナリオもゲーム性もどちらも好きですが、こと『乖離性ミリオンアーサー』においてはゲームとしての出来のよさも強くアピールしたいのです。

　というわけで、ゲームシステム重視派の方に向けて、ここから本格的にゲームのおもしろさをお伝えしていきます！

■戦闘は遊びやすいターン制！　騎士のスキルを使うことでバトルが展開!!

　本作はターン制・カード選択式のバトルになっており、基本ルールはとてもシンプル。RPGの王道である敵味方が交互に行動するターン制なので、いい意味で誰でも気軽に楽しめます。

　ちょっと特殊なのは、本作はコマンド選択バトルでありながら、いわゆる“たたかう”とか“魔法”みたいなコマンドが存在しないところ。じゃあ、どうやってバトル中に行動をするのか？　それはカードで表現された“騎士”に命令する形となります。

　騎士にはそれぞれに攻撃や、補助、回復などのスキルが割り振られていて、さまざまな行動を行えます。この時に大事なのは、スキルを使うためには“コスト”が存在すること。初期値は3から始まり、1ターンが経過するごとに使えるコストが1ずつ増えていきます（最大値は10）。

▲騎士が描かれたカードをタップ。コストが足りていれば……。

▲騎士を呼び出し、スキルを発動することができます。

　1ターン内での行動はコスト内なら組み合わせは自由なので、仮にコストが3の場合、コスト1の騎士×3で攻撃・攻撃・回復と行動するもよし、コスト3の騎士×1で強力な一撃を繰り出すもよしといったところです。強力な騎士ほど高いコストが要求されるので、コストの範囲内で騎士を選択＝行動を考えていく部分が楽しいんですよ。

　こういったルールを聞くと「ふむふむ。じゃあ、コストが低い最初のターンはコストが低い騎士を選んで、後半にコストが高い騎士を選べばいいってことね。楽勝！」なんて早々と結論を出してしまったRPG好きのあなた！　実は、そううまくはいきません。バトルで選べる騎士は任意ではなく、あらかじめ編成しておいた10枚のデッキから5枚がランダムで選ばれます。なので、仮に10枚全部をコスト4以上のカードにしてしまうと、1ターン目は何もできないわけですね……。

　そのため、基本的には1ターン目から行動できるコスト1～3の騎士を何枚か用意しておき、コスト4以上の強力な騎士は切り札的なものとして考えることがセオリーです。でも、これってあくまでセオリーで、ハイリスクハイリターンで戦うのが好きな人もいれば、行動回数や安定性を重視して低コスト中心で戦う人もいます。

　ちなみにもう1つ重要となるのが、騎士（カード）は1ターンに1枚しか補充されないこと。低コストでガンガン攻撃しようとしても、騎士の補充が追っつかずに、結果的にコストが余ってもったいなくなることも……。ところがどっこい、騎士の補充枚数を増やすスキルを持っている騎士もいるわけで、自分好みの戦い方にあわせて幅広い戦術を組めることこそ、この『乖離性ミリオンアーサー』の大きな魅力と言えるでしょう。

　あまり細かくルール説明をすると難しそうに感じるかもしれませんので、あえていくつかのルールの説明は省きました。ぶっちゃけ、一度遊べばすんなりと頭に入ってくるはずですから。ただ、声を大にしてお伝えしたい結論は、「カードゲームとRPGのコマンドバトルがうまく融合して戦術性が高いバトルを楽しめる！」ということです。頭を使ったバトルが好きな人には、力いっぱいおすすめですよ！

■RPG的なお約束も詰まっています！

　『乖離性ミリオンアーサー』の魅力というと大げさですが、ゲームの全体像を把握していただくためにバトル以外のシステムも軽く紹介していきます。

　まずはクエストの種類について。通常のストーリークエストやレベルアップの素材が出やすいゲリラクエスト、期間限定のイベントクエストの他、突如襲い来る“外敵”との戦闘をメインにしたスペシャルクエストなどさまざまなタイプが用意されています。敵のタイプによってデッキを使い分けるのが勝利のカギです。

▲スペシャルクエストでは、3Dモデルでのド派手な演出も挿入されさます！

　また、本作には探索システムがあり、“探索”することによって経験値やお金、クエストポイント（クエストに行くための行動力）を獲得できます。また、探索の最後には宝箱が見つかり、中からは騎士の進化・成長に必要な素材カードが取得できることもあります。

▲探索に行ける回数は時間経過で回復するタイプ。気軽に探索に出かけましょう。

▲探索の最後には宝箱が！　何が出るかわくわくします。

■いよいよ本題！　マルチプレイでロールを演じきることこそ『乖離性』最大の魅力！

　さて、ここからが声をさらに大きくしてお伝えしたい本題です。自分にとって『乖離性ミリオンアーサー』の真骨頂として評価しているのは、オンラインでのマルチプレイの楽しさです。

　最大4人までのパーティプレイで強大な敵に挑むことになるのですが、システム的に役割分担が重要となるので、特定の戦い方に特化して遊べる部分が楽しいのです。……もちろん、マルチプレイは報酬がおいしいことも魅力ですけど（笑）。

▲協力バトルの募集画面。ここでは簡単な定型文チャットが使用できます。

　さておき、マルチプレイの際には4人それぞれが異なるアーサー（傭兵、盗賊、富豪、歌姫）を選んで戦うことになります。各アーサーの特徴は以下の通り。

●傭兵アーサー（声：阿部敦）

　傭兵アーサーは、物理アタッカータイプ。パーティのメイン火力という役割を与えられています。とにかく高いダメージを出したいという人にオススメ。また、見た目がザ・主人公といった感じで、かっこいい王道系主人公好きな方にも向いています。

●富豪アーサー（声：岡本信彦）

　富豪アーサーは、味方全員を強化する補助タイプ。また、傭兵アーサーほどではありませんが物理攻撃も得意です。味方を強化し、状況を見て敵にダメージを与えるという役割ですね。キャラクターイラストのように、知的かつクールに立ち回りたい人にオススメです。

●盗賊アーサー（声：佐倉綾音）

　盗賊アーサーは魔法アタッカータイプ。魔法攻撃だけでなく、敵の防御力・攻撃力を下げる妨害魔法が得意です。魔法攻撃に弱い敵も多いので、傭兵に負けない火力を叩き出せます！

●歌姫アーサー（声：内田真礼）

　歌姫アーサーは回復支援タイプ。味方を回復し、味方の魔法や物理ダメージを強化するといった役割を与えられています。自分は歌姫メインのデッキを組んで頑張っています！

---

　といったように、傭兵＝物理アタッカー、富豪＝サポート役、盗賊＝魔法アタッカー、歌姫＝ヒーラーに特化している感じですね。これらの特徴デッキにも影響するので、例えば傭兵アーサーを選ぶなら物理攻撃に特化したデッキを使うことが肝心です。

　もし魔法が得意な盗賊アーサーなのに、物理攻撃の騎士ばかりを使っていたら、周りのプレイヤーから「なんで!?」とツッコミが入ることでしょう（笑）。

　自分は回復役の歌姫アーサーで遊ぶことが多いのですが、その際は1人プレイと違い、攻撃系の騎士はいっさい入れません。だって、攻撃は傭兵アーサーや盗賊アーサーにまかせればいいわけですからね。歌姫アーサーの役割は回復なので、当然ながらHP回復系の騎士ばかり入れています。

▲パーティのピンチ！　今こそ歌姫アーサーが頑張る時!!

▲HP回復をするのが歌姫プレイの基本！　デッキ構築も回復に特化したものにしています。

　基本的には全体回復のスキルが重要ですが、コストなどの問題も考えて単体回復も入れています。また、回復が不要な時に備えて、アタッカーを強化する攻撃力アップ用の騎士も織り交ぜています。

　ちなみにアーサーとともに戦う騎士たちにもしっかりとボイスがついていて、戦闘中にはテンションが上がります！

▲“制御型ベディヴィア（声：久野美咲）”。

▲“聖夜型リネット（声：新井里美）”。

▲“特殊型ロウエナ（声：伊藤かな恵）”。

　デッキにはどんな騎士でも組み込めますが、特性を考えることでより有利に戦えます。例えば歌姫に適合する騎士はアイコンが“ハート”型になっていて、その騎士を歌姫のデッキに入れた時に能力が覚醒します。

▲歌姫のデッキに入れることで能力が覚醒した“制圧型エニード（声：井口裕香）”。

　このように能力を覚醒させると、一段と強力なスキルを使えます。ここで紹介した“制圧型エニード”は“ハート型”のアイコンなので、歌姫のデッキに入れることで能力が覚醒します。デッキを作る上で大事なことは、能力を覚醒させることです。覚醒によって騎士たちの個性がより強調されたものとなり、ひいてはアーサーの能力も上がるので、より役割に徹する戦い方ができるようになります。

　1人で遊ぶ時は攻撃から回復までバランスよく考えてデッキを組むことが基本となりますし、正直なところ、サポートよりも火力を重視しがちです。でも、マルチプレイの際は役割分担が前提となるので、ちゃんとアーサータイプに合わせて特化したデッキを組むことが重要となります。1人プレイとはまた違い、強敵との戦いで自分の役割がしっかりと果たせた時の「皆さんのお役に立てた！」と実感できる感覚がたまりません！

　そもそも戦術性が高いバトルシステムですが、マルチプレイの際はさらに尖った形でデッキ構築や戦術の組み立てを楽しめますので、ぜひRPG好きの方は『乖離性ミリオンアーサー』を遊んでみてほしいと思います！

---

　このように『乖離性ミリオンアーサー』はマルチプレイ、役割分担による戦術的なバトルが魅力のアプリゲームです。各アーサーによって得意なことが全然違うので、楽しみ方の自由度が高く、RPG好きの皆さんにおすすめです！

　大絶賛されるだけのクオリティや楽しさを備えたゲームなので、ぜひプレイしてみてください。自分のように歌姫アーサーとなって、パーティを支える癒やしプレイヤーの楽しさを味わってみてはいかがですか？

　もちろん、じっくり1人で遊びたいという人にもおすすめです。そもそもバトルシステムがおもしろいですし、ストーリーモードでは鎌池和馬先生によるシナリオを楽しめます！　腰を据えてどっぷり遊びたいプレイヤーにもおすすめですよ!!

▲ストーリー性の高さも魅力。個々のキャラの魅力を掘り下げるエピソードも用意されており、遊べば遊ぶほど『乖離性ミリオンアーサー』の世界にはまっていくことでしょう。

---

●あなたの2014年のベストアプリを教えてください！

　ファン投票で2014年のベストアプリを決める“電撃Appアワード2014”にぜひご投票ください！　対象タイトルは、2014年に皆さんが遊んでおもしろかったと感じたスマホアプリです。2014年以前に配信されたアプリも対象となるので、皆さんが名作だと思うものを教えてください。

　投票していただいた方の中から抽選で10名様にiTunes CardかGoogle playで使えるギフト・カード（5,000円分）をプレゼントいたします。締切は2015年3月22日（日）24:00まで。ぜひ、あなたの2014年のベストアプリに投票してください！

“電撃Appアワード2014”の投票はこちらから

(C)2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

• “電撃Appアワード2014”はこちら
• 『ミリオンアーサー』シリーズ特集ページはこちら（電撃オンライン）

データ

関連サイト

• “電撃Appアワード2014”
• 『ミリオンアーサー』シリーズ特集ページ（電撃オンライン）
• 『乖離性ミリオンアーサー』公式サイト