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2015年2月13日(金)

『ドラゴンズドグマ オンライン』開発者が語る経緯やゲーム概要! 基本無料などシステムについても迫る

文:Z佐藤

 カプコンが2015年にサービス開始するPS4/PS3/PC用オンラインゲーム『ドラゴンズドグマ オンライン』。本作を手掛けた開発メンバーへのインタビューを掲載する。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

 『ドラゴンズドグマ オンライン』は、オープンワールドを舞台にしたアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』を本格的なオンラインゲームに作り変えた作品。重厚なファンタジー世界で繰り広げる冒険の楽しさと、アクションの爽快感はそのままに、他のプレイヤーたちと一緒に新たな大地“レスタニア”での物語と戦いを楽しめる。シリーズの特徴である“ポーン”の要素は継承されるため、1人で冒険をすることも可能だ。基本プレイ無料で楽しめることからも注目を集めている。

『ドラゴンズドグマ オンライン』 『ドラゴンズドグマ オンライン』

 今回お話を伺ったのは、小林裕幸エグゼクティブプロデューサー、松川美苗プロデューサー、木下研人ディレクター。開発の経緯からシステム、苦労したところやプレイ料金など、公開されているさまざまな情報について語っていただいているので、ご覧いただきたい。なお、インタビュー中は敬称略。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲左から松川プロデューサー、木下ディレクター、小林エグゼクティブプロデューサー。

■『ドラゴンズドグマ』実現までの道のりやゲーム概要に迫る

――開発がスタートしたのはいつごろですか?

小林:『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の開発と平行して進めていた部分もありますので、実際に始まったのは2012年の夏ごろですね。もともと1人で遊ぶゲームとして企画した作品ですが、『ドラゴンズドグマ』を発売した後に、ユーザーから「マルチプレイでも遊びたい」という要望を、こちらが想定していた以上にいただきまして。それで『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の開発を急ぎつつ、かなりのチャレンジになりましたが同時にオンラインの企画も進めていった感じです。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲小林裕幸エグゼクティブプロデューサー。ゲームのすべてを統括しつつ、とりわけ声優陣のキャスティングに気を配り、力を注いでいる。

――開発のチーム体制はどのような感じですか?

木下:『ドラゴンズドグマ』から引き続き携わったスタッフを中心に、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』のチームが8割、『ドラゴンズドグマ オンライン』のチームが2割くらいのメンバーで動いていました。

小林:初期段階の『ドラゴンズドグマ オンライン』のチームは検証を行うチームで、初めは小規模でした。

松川:そもそも「オンラインが実現できるのか?」という検証をしなくてはいけませんでしたので、まずはその作業を行っていましたが、一方で『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』もすごく大変で間に合うかどうかギリギリだったんですよ。そんな矢先、小林から『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の発売日を1カ月早めるという話が来て、現場が騒然としました(笑)。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲松川美苗プロデューサー。『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』に続いてプロデューサーとして2作目で、マネージメント、スケジュールの調整からスタッフルームの環境整備まで幅広くこなす。

小林:最初に想定していた『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の発売日はゴールデンウィークの後だったんですよ。けれど、開発の進行具合を見て前倒しできそうでしたので決めました。

松川:本当に一部のメンバーだけは『ドラゴンズドグマ オンライン』の作業を進めてという、そんなやりくりをしながら進めていました。その後はほぼ全員合流して『ドラゴンズドグマ オンライン』を作っています。

小林:『ドラゴンズドグマ オンライン』というタイトルですが、ほぼ『2』と呼んでも過言ではないくらいの内容になっていまして、本体チーム一丸となって全力で制作しています。

――現在の開発の進行度はどれくらいですか?

木下:ゲーム自体は組み上がっています。ポーンやプレイヤー同士でパーティーを組んで用意している各種コンテンツのチェックをしています。現在は、もう少し手を加えたいところとか、細部を詰めているところですね。あとはサーバーの安定のために障害になりそうな部分を見直したり、ゲームの最終調整を行っているところです。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲木下研人ディレクターは、『ドラゴンズドグマ』から開発に参加。『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』に続いてディレクターは2作目だ。開発スタッフをまとめ、現場の指揮官として携わる。

――『ドラゴンズドグマ』の時点でオンライン向きな作品のように思えましたが、当初から構想はあったのでしょうか?

小林:まったく考えていませんでしたので、ほぼ1から作り直しています。

木下:構想としてもありませんでした。『ドラゴンズドグマ』は、多人数でコミュニケーションをとりながらプレイするオンラインゲームが増えてきたなかで“あまり人付き合いをしなくても遊べるライトなオンライン要素のあるゲーム”というコンセプトでしたので。

小林:『ドラゴンズドグマ』の立ち上げ当初、ディレクターを務めていた伊津野英昭と「ガチのオンラインは人付き合いがたいへんだよね、でもちょっとオンラインで遊びたいよね」という話から始まっていまして、ポーンの貸し借りくらいの要素でちょうどいいと考えていました。

松川:発売後、ネットワークへの接続率を見ましたら8割くらいのユーザーがポーンの貸し借りをしていることがデータでわかりました。ユーザーからも「マルチプレイもしたい」という意見を多数いただいていましたので、それじゃ1度オンラインの検証をしてみようか、と始まったのがこんなに大きなプロジェクトになったという感じです。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

――戦闘での役割分担ができていましたので、みんなで共闘したらそれは楽しいですよね。ユーザーも遊んでみて、その楽しさがイメージできた結果だと思います。

松川:ただ当初は無理という結論で(笑)。

小林:最初は無理、というところから始まりました。

――ユーザー目線ですと『ドラゴンズドグマ』はオンラインの布石だったのかなと。ついに本命が来たなと思えますが。

木下:伊津野ディレクターも私も、1人で遊べてオンラインの気分も味わえる『ドラゴンズドグマ』が好きでしたので、まだ同じ仕様で遊びたいという気持ちもありましたが、ユーザーからの要望が多かったことがオンラインに踏み切ったきっかけになりますね。ただ、どうしても『ドラゴンズドグマ』のライトなオンラインの要素は残したかったので、「その要素とマルチプレイを両立させるにはどうすればいいか?」という部分から考えていきました。

――もともと『ドラゴンズドグマ』にはなかった要素ですので、チャレンジになったのではないでしょうか?

木下:大チャレンジですね。チームの中にオンラインゲームが好きなメンバーはいましたので「オンラインゲームを作るならしっかりとしたものを作ろう!」と言って、みんなでノウハウを勉強しながら作り上げていきました。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

――『ドラゴンズドグマ オンライン』の資料の文章が、これまで1人で遊んでいた人たちにすごく気を使った言い回しになっているように思えましたが……。

松川:『ドラゴンズドグマ』を遊んでくださった皆様への情報のお知らせは大切にしています。新しい部分として、やはりマルチプレイの楽しさをアピールするのが基本だと思いますが、もともとは『ドラゴンズドグマ』を遊んで気に入ってくれたユーザーの声からスタートしたプロジェクトですので「1人でも遊べるけど共闘も楽しい!」という点をしっかりアピールしたいと考えていますので。

小林:メインのチームが本腰を入れて制作していますので、「『ドラゴンズドグマ』の続編は遊びたいけど、オンラインはいらない」と言われないようにしたいですね。あくまでも1人プレイがベースで『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』までの楽しさは継承していますが、オンラインでの遊びも十分楽しめるように工夫していますので、オンラインが大好きなユーザーにもじっくり腰をすえて遊んでもらいたいです。

■“プレイ料金”は前作に続いてのチャレンジした要素!

――プレイ料金が“基本無料”という発表に、かなり驚きましたが……。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

小林:太っ腹と思っていただけたらうれしいですね。いろいろと考えたうえでの結論ですが、実はゲームを先に作ってしまったんですよ。それで、より多くのユーザーにこのゲームを楽しんでもらうにはどういうサービスが一番いいのか? という、通常とは逆の考え方になりますね。最初から月額だったり、基本無料と決めて作ったわけではありませんので。

松川:友だち同士で「『ドラゴンズドグマ オンライン』っておもしろいよ、基本無料だから1度遊んでみなよ!」という会話をしてもらいたいんですよ。そういう形で広まって、長く楽しんでもらえたらうれしいです。

小林:中身で勝負でしょうかね。もともと『ドラゴンズドグマ』の制作に踏み切ったのもチャレンジでしたし。この部分についても『ドラゴンズドグマ』らしいところでしょうかね。

――ゲームのプレイ方式について説明をお願いします。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

木下:基本的にパーティーリーダーのプレイヤーの世界に、他のプレイヤーが参加する仕組みになります。ですので、自分ではまだ遭遇していない敵なのに、リーダーの人の世界に行ったらその敵と戦えたり、逆に進んでいる人を招待して助けてもらえたりとか、自分のエリアの拡張も含めて世界の行き来も楽しめる仕様になっています。

――一般的なオンラインゲームではサーバーが複数あり、サーバーが違うと行き来ができないことが多いですが。

松川:それはありません。今日遊ぶサーバーを選んでログインします。ゲーム中も自由にサーバー間の移動が出来ます。最初に決めたサーバーで固定されるわけではありませんので、プレイヤーの少ないサーバーを選んで、空いているロビーで遊ぶ、そういう形のオンラインゲームになります。

――1つのアカウントで作成できるキャラクターは1人でしょうか?

木下:最初から1アカウントで複数のキャラクターが作成できるように考えています。

――PC版で要求されるスペックはどれくらいですか?

『ドラゴンズドグマ オンライン』

松川:3年前ぐらいのPCで十分推奨スペックになりますので、かなり間口は広いと思います。かなり敷居を下げています。もちろんオプション設定などでハイスペックのPCにも対応していますので、『ドラゴンズドグマ』の新作だから高解像度で高グラフィックスで遊びたいと考えているユーザーにもしっかり対応したいと思っています。

――発売後の展開は、どのように考えていますか?

木下:オンラインにした強みとしても、継続して遊んでいただけることを重視してゲームデザインをしています。各地に存在するレベリングダンジョンやスポットへ赴き、そこを攻略しアイテムを回収する遊び方もありますし、新聞のようなもので情報を見ながら変則的に発生している各地のクエストに対して出かける遊び方もあります。

 例えば今日はこのエリアはゾンビだらけになっているとか、遺跡の奥にとんでもない敵が出現したとか、そういうお知らせを確認しつつ、せっかくだから今日は1人じゃなくて、他のプレイヤーと一緒にこのコンテンツに挑戦してみようか! という遊び方ですね。ポーンを引き連れて出発したり、プレイヤー同士パーティーを組んで挑戦することもできます。オンラインというシステムのメリットも生かしつつ末永く楽しくプレイしていただけるように考えています。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

――ゲームの進め方で、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』までと変わった部分はありますか?

木下:ほとんど変わりません。まずは、ポーンを連れてプレイしてもらえればいいと思います。ただ途中でどうしても倒したい敵がいたり、クリアしたいクエストがあったりした時にプレイヤー同士で声を掛け合って、マルチプレイをする。最初は特定の状況だけでもいいですし、それが徐々にクセになってくれたらいいですね。

 ポーンのAIも前作同様にしっかり働いてくれますが、とはいえ、アクションの上手なプレイヤーが集まったら別の見え方がする戦いができると思いますので、その部分を体験して味わっていただければと思います。

――コミュニケーションの手段としては、どんなものが用意されていますか?

木下:ゲーム自体にボイスチャットの機能はありませんが、キーボードでメッセージを入力したり、忙しい戦闘中でも状況を伝えられるように定型分を使った簡単なやり取りなどが可能です。あと定型文のような形でボイスが再生できるものもあります。「こっちに集まってください」とか「回復をお願いします」とか。そういったものがコントローラの操作だけで行えるようになっています。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

――ゲーム全体の規模としては『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の何倍くらいになるでしょうか?

木下:フィールドで言いますと、サービスインであるシーズン1.0の時点で開放する広さは『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』と同じくらいかと。その後バージョンアップなどでエリアの拡張を行っていく予定ですので、最終的には3倍くらいになると思います。

――アップデートはどれくらいのひん度で行う予定ですか? 例えば1週間に1度とか、1カ月に1度とかでしょうか?

小林:そこは検討中です。まずは正式サービス時のシーズン1.0が安定して動くかどうかになりますし、サービスインの後に、どのくらいの速さでコンテンツが消費されるか? というところもありますので。

『ドラゴンズドグマ オンライン』 『ドラゴンズドグマ オンライン』
『ドラゴンズドグマ オンライン』

■グラフィックやモンスター、世界観へのこだわりを語る

――背景、キャラクター、モンスターなどグラフィック部分のグレードアップがまず感じられますが、その点で苦労した部分はありますか?

木下:『ドラゴンズドグマ』のグラフィックはオフラインだけを想定したぜいたくな作り方をしていました。それをそのまま使うとメモリも処理もパンクしてしまうので、改めてグラフィックだけでなく、キャラクターモデルの素体も1から作り直しています。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

松川:オンラインがメインのゲームですと、やはり通信処理を最優先に考えますので背景やキャラクターモデルのクオリティが犠牲になってしまうんですよ。そういう理由なら仕方がないと思っていましたが、いざ作り始めるとスタッフたちが、いかにクオリティを落とさずに1作目と同等か同等以上のものにするか? というところに知恵をしぼりはじめて。ユーザーに長く遊んでもらう作品ならば妥協できないと言って、そのジレンマをバネにすごく頑張ってくれた結果ですね。

木下:あとオンラインのゲームですので、長く遊んでもらうための物量が大事になってきます。でもその物量をクリアしつつ、その他の部分をきちっと仕上げられたのはスタッフの力ですね。ほとんどが『ドラゴンズドグマ』と『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』を開発したメンバーですので、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』までのノウハウも生かしてくれています。

――続いては新モンスターについて説明をお願いします。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲オーク

木下:『ドラゴンズドグマ』にゴブリンという種族がいましたが、もう少し強靭な中型の種族を作ろうというコンセプトで生まれたモンスターがオークです。ゴブリンよりもひと回りサイズが大きくて、より好戦的で、ゴブリンとの差別化もできていて、いろいろこだわって種類もたくさん作っています。

松川:中型ってけっこうあなどれないんですよ。大型の敵ってわりと広い場所に出現するので心構えができたり、戦いやすかったりしますが、オークは狭い場所にも出現したり、上の階層からジャンプ攻撃をしてきたり(笑)。わりとアグレッシブで大暴れしますので、新しい遊びが開拓できたと思っています。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

木下:オークの中でも隊長のオークとか雑兵のオークとか階級のようなものを作っていますので、組織的に攻撃してきたりします。武器や装備品にも個体差がありまして、ハンマーを持っていたり、両手にトゲトゲの棍棒を持っていたり、特別に強い個体には専用のアクションなどもあります。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲コロッサス

木下:コロッサスはサイクロプスの派生型として、サイクロプスの骨格をベースに制作したモンスターです。より力強くて、凶暴で、こちらも暴れん坊ですね。オークは改めて骨格から制作しましたが、サイクロプスのように前作に登場したモンスターの骨格を使って作った敵もいます。

『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲リンドブルム

木下:リンドブルムは『ドラゴンズドグマ』の世界には欠かせないドラゴンタイプのモンスターです。おそらく『ドラゴンズドグマ オンライン』で一番最初に遭遇するドラゴンになるかと。水辺に生息していて、雷や水を使って襲ってきます。

松川:『ドラゴンズドグマ』でフィールドをずっと歩いていくと、森の中でドレイクに遭遇しましたよね。あんな感じで待ち構えていますので覚悟していただければ(笑)。

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木下:また、大型の敵にかんしては“怒る”という要素を加えていまして、怒った時には平常時には出さない強力な攻撃を出してきます。そういった要素もありますので、モンスターとの戦闘も『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』とは違った印象で楽しめると思います。

――世界観とストーリーについて説明をお願いします。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

小林:『ドラゴンズドグマ』とストーリー的なつながりはありませんが、プレイヤーはドラゴンに心臓を奪われて覚者になったり、ポーンを従えて冒険するという根本的な部分、それとファンタジーとしての世界観はこれまでと一緒です。

木下:『ドラゴンズドグマ』のストーリーをベースにする考えもあったのですが、ストーリーと舞台はセットなのでグランシス半島をそのまま引き継ごうとするとフィールド構造などで拡張性との相性が悪い部分が多かったんです。オンラインゲームとして末永く楽しんでもらえる土台を作る必要があったので、世界観や根本の概念だけを引き継ぎつつ、ステージとストーリーを一新しました。

 『ドラゴンズドグマ』との違いとしましては、これまで覚者は各プレイヤーの世界に1人で、他の覚者は平行世界の存在という位置づけでした。ですが今回は1つのワールドに複数の覚者が存在する世界が舞台になります。あと『ドラゴンズドグマ』でドラゴンは災いの象徴でしたが、本作では守る対象となっていて、白竜を守るため覚者たちが活躍していきます。

――ポーンとの主従関係は変わりませんか?

松川:同じですね。自分のメインポーンにはオシャレをさせたり、例え自分は貧しくてもメインポーンにはいい防具、いい武器を持たせたり(笑)。そういった遊びもそのまま引き継がれています。

――ストーリーにかかわると思われるNPCも公開されましたが、それぞれの説明をお願いします。

『ドラゴンズドグマ オンライン』 『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲レオ(声優:山寺宏一)

木下:レオは次々と生まれてくる覚者たちをまとめる隊長で、ストーリーを牽引する覚者です。プレイヤーが覚者としてこの世界に降り立った時、レオにあいさつに行くんですけど、そこで新人覚者として顔を覚えてもらうような、そんな頼れるアニキです。

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▲イリス(声優:井上麻里奈)

木下:イリスはヒロイン的な立場の女性で、髪の長い赤毛の勇敢な覚者です。彼女はレオよりもプレイヤーに近い目線で出来事に対処したり、情報を教えてくれたり、ナビゲートしてくれたり、ともに戦う仲間の1人のようなキャラクターになります。

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▲ヴァネッサ(声優:田中敦子)

木下:ヴァネッサは、白竜がいる場所から少し離れた所に覚者陣営の大きな砦があるんですけど、そこの副隊長を務める女性ファイターです。その砦はオークの侵攻を阻止するために建てられた重要な拠点で、ヴァネッサはそこを死守しています。

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▲ファビオ(声優:細谷佳正)

木下:ファビオは、世界がいろんな危機的状況になっている中で、わりと好きなことをやっている自由人という感じですね。彼も覚者なんですがプレイヤーと同じ目線で、この時代を生き抜くために独自の考えを持って行動しているキャラクターです。

松川:ファビオの職業が“不明”なのは、ストーリーやキャラクターの設定で隠しているわけではなく、まだ公開していないジョブという理由からです。すぐに明らかになると思いますので、今のところは装飾品や武器などから想像してみてほしいです。

――NPCの声を担当する声優陣がとても豪華ですが、セリフはどのくらいのパートに入っていますか?

木下:立っているキャラクターに話しかけるなど、日常的なやり取りには入っていませんが、ストーリーの要所に挿入されるイベントデモはすべてボイスが入ります。

小林:今回は4人しか紹介していませんが、今後公開する主要キャラクターのキャスティングも豪華ですので、こだわり具合をわかっていただけたらうれしいですね。

――ストーリーの規模や開放される方式なども気になるところですが……。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

木下:ゲームバージョンごとでストーリーも拡張されていく仕組みとなっています。後半に向け、盛り上がりもありますので続報をご期待いただきたいです。

松川:ストーリーの進行はプレイヤーのレベルで制限する形式で、レベルが上がるとメインクエストが受けられたり、強敵に挑めるようになったり。最初のうちは小さな事件とか、新人覚者なのでお使いなどがメインですが少しずつ活躍が認められて大きな作戦にも参加できるようになって、主人公がどんどんこの世界の運命にかかわる大きな存在になっていきます。

――『ドラゴンズドグマ』には進め方によってシナリオが分岐する要素もありましたが、本作ではいかがでしょうか?

木下:本作はメインクエストを楽しみながら、他のコンテンツを並行して楽しめるように設計しています。シナリオの分岐を中心とした構造にはなっていません。

■ジョブやパーティーは!? キャラのカスタマイズ、スキルなどのシステムを解説

――第1報で公開されたジョブの説明をお願いします。

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木下:ジョブについてはオンラインゲームということで“ロール”という概念を少しだけ加えています。ファイターとハンターはDPS、いわゆる近距離・遠距離アタッカー。プリーストはヒーラーで、回復と後方支援が専門になります。シールドセージはタンクの役割で、ヘイトを引いたり、引いたヘイトを受けて味方の補助をしたり、攻撃に転用して戦うとか、それぞれのジョブに役割を持たせています。

 ただ1番注意しているところは、ロールで縛ると自由度が下がる部分もありますので、基本的にはどのジョブでも『ドラゴンズドグマ』のアクションを満喫できるようになっています。例えばジャンプしたり、壁をよじ登ったり、敵にしがみついて弱点を攻めたり、その部分はどのジョブでもできるように残しています。

――有利・不利でいうならば、役割を考えて戦ったほうが有利に戦えると?

木下:主に大型モンスターなどでは有利に戦えることもあります。先ほどもお話したように、今回はモンスターが怒るという要素がありますので、その時にロールの役割を少し考えて戦ったほうが攻略しやすかったり、早く倒せたり、プラスになるようにしています。モンスターが怒った時にヒーラーが弱点を露出させ、そこをエンチャントされた他のアタッカーが集中的に攻撃すると派手に倒れるとか。ロールの役割をちょっとだけ意識して遊べるようにバトルとジョブのデザインをしています。

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▲ファイターは攻守のバランスに長けたジョブ。剣と盾を装備し、カウンターを駆使した接近戦を得意としている。
『ドラゴンズドグマ オンライン』 『ドラゴンズドグマ オンライン』
▲精密な射撃で遠距離から先制するスナイパー役がハンターだ。身軽さを生かして果敢に攻め込むことも可能。
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▲プリーストは、回復と支援行動でパーティーを支える術士。魔法弾を敵に浴びせて攻撃することもできる。
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▲防御力に優れた大盾で敵のあらゆる攻撃を防ぎ、痛烈な衝撃波を浴びせる攻防一体の戦闘スタイルを得意とするシールドセージ。手にしたロッドで魔法のような攻撃を繰り出すことも。

――前作ではジョブポイントを消費してジョブを変更する仕組みでしたが、その点は変わりませんか?

木下:今回はジョブポイントを使わず、ノーコストで自由に変更できます。ですから一緒に遊ぶメンバーに合わせて変えることも可能です。このあたりはオンラインならではの仕様ですね。

――パーティーは最大4人ですか?

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木下:最大4人ですね。プレイヤーだけでパーティーを組んだり、プレイヤー3人にポーン1人とか、プレイヤー1人でも遊べます。プレイヤーの人数で敵の強さが変わることはありませんので、自由に編成していただいて構いません。

――ポーンの貸し借りの要素は継承されていますか?

木下:しっかり残っています。これまでと同様に、メインポーンを育てて他のユーザーに貸したり、リムを消費してほかのユーザーのメインポーンをサポートポーンとして借りてパーティーを組んだりすることもできます。

――キャラクターのエディットは本作でもできますか?

木下:前作と同様にできます。体が盾に隠れてしまうくらいの小柄なシールドセージも作れます(笑)。

松川:身長、胸の大きさ、シワ、キズも同じようにカスタマイズできます。もともとの『ドラゴンズドグマ』のテイストが好きな人はその系統の顔も作れますし、もうちょっとイケメンだったり、カワイイ女の子も。

『ドラゴンズドグマ オンライン』 『ドラゴンズドグマ オンライン』

――服装のバリエーションも増えていますか?

木下:『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』に登場した装備品だけでなく、新しくデザインしたものがたくさん登場します。NPCが身につけているシンボル的な装備品も加わりますので、総数で言いますと1,000種類以上ありますね。お店でお金を払って購入したり敵が落としたり、また本作から追加している“クラフト”でポーンたちに装備を作らせることもできます。

 『ドラゴンズドグマ』にあったウェアとアーマーというレイヤーの構造も継承していますので、カスタマイズもより楽しんでいただけると思います。

――前作には通常攻撃以外にスキルやアビリティなどもありましたが、その仕組みは同じですか?

木下:スキルやアビリティは前作までを継承した仕様で例えばファイターで覚えたアビリティをプリーストにセットするとか、アビリティのやり取りやカスタマイズもできます。ジョブポイントを消費して新しいスキルを購入する方式も同じですので、『ドラゴンズドグマ』を遊んだことのある人なら、予備知識なしでプレイできると思います。

■ユーザーと運営が楽しめるようなコンテンツ作りを!

――『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』のウルドラゴンのような遊びなどは考えられていますか?

木下:まったく同じものではありませんが、もっと大人数で遊べるお祭りのバトルコンテンツは考えています。これは今後に公開する要素ですが8人参加型で、その中にはレイドの遊びを継承しているものもありますし、砦を舞台にしたオークとの攻防戦を8人で遊ぶものもありますので、楽しみにしていただきたいですね。

――8人プレイの実現は苦労されたのでは?

木下:かなり大変でした。でも、せっかくの新作ですし、4人ではなく、なんとか8人同時プレイに挑戦してみようと企画の段階から考えていましたので。

松川:開発チームが最初に8人だと聞いた時は「8人!? まだ4人プレイですらできていないのに!!」ってなりました(笑)。

木下:オンラインゲームになる以上、ちょっと頑張らないといけない部分かなって思いまして。なんとかスタッフががんばってくれて実現できました。

『ドラゴンズドグマ オンライン』

――戦闘不能になった時の復活方法は?

松川:ポーンは助け起こしてくれませんが、他のプレイヤーに起こしてもらえば復活できるようになっています。ただ復活するまで少し時間がかかりますので、体をゆすっている間に起こそうとしている仲間が吹っ飛ばされたり(笑)。そこはパーティープレイの楽しさですね。

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

木下:『ドラゴンズドグマ』を楽しんでくださったユーザーに、その先のオンライン提供をしたいと企画したチャレンジのタイトルだと思っています。サービスインして皆さんの意見をもらいながら末永く継続させて、頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

松川:『ドラゴンズドグマ』、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』、そして『ドラゴンズドグマ オンライン』とシリーズが続けられたのも、ユーザーが応援してくれたおかげです。オンラインは我々にとっても大きな挑戦になりますが、運営・開発と一緒にユーザーも楽しんでもらって、プレイした感想などをお寄せいただけるとうれしいですね。それを活力に、また頑張っていけると思いますのでよろしくお願いします。

小林:『ドラゴンズドグマ』の企画がスタートしてからおそらく5年以上経ちますが、もともとオンラインではないゲームを目指していたので、オンラインになるとは思っていませんでした。ゲームは発売してみて、ユーザーが遊んで変化していくものだと思いますので、そういう意味では要望の強かったオンラインにたどりつけて、発表できたことはすごくうれしく思っています。

 これからいろいろと発表していきますので、その反応も楽しみですし、サービスインしてからのユーザーの反応を見ながらまた変化していくと思いますので、スタッフ一堂、サービスインを楽しみにしています。オンライン専用のゲームですが、これまでどおり『ドラゴンズドグマ』としての遊びもできますし、オンラインが好きなユーザーにも十分楽しんでいただける設計になっていると思いますので、基本無料ですし、サービスインした暁には、ぜひプレイしてください!

※画面は開発中のもの。
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『ドラゴンズドグマ オンライン』サービス概要
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS4/PS3/PC
■ジャンル:アクション(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2015年
■プレイ料金:アイテム課金

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