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2015年4月7日(火)

新型Project Morpheusの進化を実感! 国内初となる4種のデモをプレイしてきた

文:あべくん

 4月6日、東京・品川のソニーシティにて、SCE発となるバーチャルリアリティ(VR)システム“Project Morpheus”の最新デモ4種を試遊できた。

 体験したのは、アメリカ・サンフランシスコの“Game Developers Conference 2015(GDC 2015)”でも出展されていた『Magic Controller』、『Bedroom Robots』、『The London Heist』、『The Deep』のデモ。GDC2015で初お披露目となった新型Project Morpheusを着用しつつ、それぞれのデモをプレイできた。

“Project Morpheus”
▲こちらが新型Project Morpheus。見た目には大きな変化こそないものの、フレームレート120fps対応の5.7インチ有機ELパネルを搭載し、ディスプレイ部分のスライドも可能になっているなど大幅な進化を遂げている。
“Project Morpheus”

 初めに体験したのは『The London Heist』という、PS Moveを用いてプレイするタイプのFPS。このデモは、イスに縛り付けられたプレイヤーが、目の前にいる謎の男から尋問を受けるシーンから始まった。

 男の手にはガスバーナーが握られており、その炎が近づいてくると思わず身構えてしまうほどの臨場感だ。デモの途中では携帯電話を手渡されるシーンがあるのだが、PS Moveを手に見立てて携帯電話をつかむように持つことで、本当にそれを使って会話をしているような感覚になれるというのが非常にユニークだった。

 電話のシーンが終わると、画面は一転して洋風の建物内へ。謎の敵集団がこちらに向かって銃を乱射してくるので、目の前にある机の引き出しを開けて拳銃を手に取り、弾薬を装填しつつ戦うことになる。この“引き出しを開ける”という動きや“拳銃にマガジンを装填する”という何気ない動作そのものにも楽しさを感じた。

 シューティング部分の完成度も高く、しっかりと相手に狙いをつけてヒットさせた時の爽快感はなかなかのもの。コントローラで照準を動かすのではなく、あくまで自分が狙いを付けて撃つ、という点が従来のゲームとは一線を画す楽しさをもたらしてくれた。

“Project Morpheus”
▲オブジェクトに身を隠しながら敵を狙い撃つ! 射撃だけでなく、引き出しからマガジンを取りだす動きなども直感的に楽しめる。

 次に体験した『Magic Controller』と『Bedroom Robots』という2つのデモには、PS4の『THE PLAYROOM』でおなじみ“ARボット”が登場。前者の『Magic Controller』は、画面内に出現したPS4専用コントローラ“DUALSHOCK 4”を操作して、ARボットたちに指示を与えるというタイプのデモだ。

 Project Morpheusを体験したことのある人ならわかると思うが、本機を被ると視界の大半が遮られてしまうため、コントローラを握る手元の状態を確認しにくい。しかしこのデモでは、プレイヤーが握っているDUALSHOCK 4の傾きや位置を現実同様の形で画面内に再現しているため、手元を確認せずとも不自由なくコントローラを操れる。

 ボタンを押すことでさまざまなリアクションを見せてくれるARボットたちもかわいらしく、その動き見たさに無意識にボタンを押してしまうほどだった。

“Project Morpheus”
▲『Magic Controller』は120fpsで動作しているとのことで、ARボットたちの動きも非常に滑らか。

 もう一方の『Bedroom Robots』は、ARボットたちがミニチュアのアパートのなかで生活している様子を楽しめる。プレイヤーが視線を向けた場所に応じて、ARボットたちがさまざまなリアクションをとってくれるのが非常にユニークだ。

 ランニングマシンでトレーニング中のARボットに注目するとスピードを上げ過ぎて後方へと飛んでいってしまったり、プールでのんびりしているARボットを注視しているとサメに襲われてしまったり……。観れば観るほどに新たな発見がある。

 このデモはコントローラを必要とせず、ヘッドトラッキングのみでの操作に対応。コントローラを介さずにゲームの世界に入るという、VRの新たな楽しさを提示してくれるデモだと言えるだろう。

“Project Morpheus”
▲自分を中心に360度、世界が広がる。細部まで作り込まれており、どこに注目すればいいのか迷うほど。

 最後に紹介する『The Deep』は、Project Morpheus発表当初から公開されているデモだが、内容が大幅にグレードアップしている。以前はケージ(檻)に入ってサメに襲われる恐怖を体感する内容だったが、今回はタートルやマンタ、無数のクラゲが泳ぐ姿を満喫でき、海中を探索している感がより強くなっていた。なお、こちらのデモは60fpsで作ったものをリプロジェクションで120fpsにしているとのこと。

 デモの後半には、おなじみのサメも出現するのだが、凶暴性が大きく増していた。サメの攻撃によりケージがどんどん壊されていくうえに、ケージを大きく揺らされることもあり、迫力により磨きがかかっている。

 おもしろいのは、ケージが揺れることにより独特の浮遊感を感じるものの、それが気持ち悪さとは結びつかないところ。スタッフによると、その点については細心の注意が払われているとのことだ。

“Project Morpheus”
▲ケージから身を乗り出すようにして下をのぞき込むことも可能。コントローラを使わないことから、自然にVRの世界へと入り込むことができた。
“Project Morpheus”

 紹介した4つのデモだけでなく、新型Project Morpheusも着用した際の快適性という点において大きな進化を遂げている。従来のものに比べて非常に軽く、着けていることすら忘れてデモに没頭する自分がいた。

 また、一般向けの体験会で多く寄せられた「熱気で内部のレンズが曇る」という点も、着用した際にハードと顔の間にわずかに隙間を作って解消している。これは同時に、通気性の向上にも一役買っており、熱さを感じることなくプレイできた。

 ゲームはもちろん、映像分野全般に大きな革新をもたらすであろうProject Morpheus。これからの展開に、ますます目が離せない。

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