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2015-09-09 17:00

アニメにライブに朗読劇も! 『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』レポート

文:ガルスタオンライン、文責:原 常樹

 8月23日に東京・舞浜アンフィシアターにて、声優・小野友樹さんと江口拓也さんによる自主企画ユニット・Teamゆーたくが企画・立案した一大フェスティバル『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』が開催されました! ここではその様子をお届けしちゃいます。

『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』レポート

 もともと、Teamゆーたくとは小野さんと江口さんがクリエイティブな活動をするために、2011年8月からスタートした企画。これまでにWEBラジオやドラマCD等を数多く自主制作し、今年の2月からは文化放送超!A&G+にて、ラジオ『小野友樹と江口拓也のTeamゆーたくのアニつく!』もオンエアーを開始し、今回のイベントに向けての情報も少しずつ明かされてきました。とはいえ、「アニミュージカル」というコンセプトは発表されていたものの、具体的な内容は当日まで秘密。来場者たちもワクワクしながらステージの開幕を待っている様子でした。

 そんな中、イベントは衝撃的な開幕を迎えます。会場が暗転すると、なんとスクリーンには美麗なアニメーションが……! アニメの中心人物は、黒髪メガネのユーヤ(声:小野友樹さん)、金髪でラフなタクト(声:江口拓也さん)、そして紅一点のエリ(声:堀江由衣さん)。物語は日本武道館の前にある北の丸公園で、三人が巷で流行っているという音楽ユニット・TAK-e-MEに憧れ、自分たちもユニットとして活動を始めようと誓う場面から始まります。

 エリは「ユニット名はTAK-e-YOUがいい!」と主張。チーム名の(-e-)の部分をデザインに取り入れたマスコットキャラクター・ピヨ(ていくゆひよこ)のぬいぐるみまで作ってきてしまいます。楽しそうに夢を語る三人でしたが、「TAK-e-YOU」と呟いた次の瞬間、エリの身体はまばゆい光に包まれて──跡形もなく消え去ってしまいました……。

 アニメを使ったシリアスな導入が終わると、今度は小野さんと江口さん本人がステージにポップアップで飛び出し、アンフィシアターを練り歩きながら「take you take me」を熱唱! そのまま“朗読”で物語を進めていきます。

『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』レポート 『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』レポート

 劇中ではすでにエリの失踪から四年が経っていました。当時の想いを胸にひたすら歌い続けるユーヤとタクト、再びやってきた北の丸公園で「TAK-e-YOU」とつぶやくと、なんと、今度は彼らがまばゆい光に包まれて……。ここでスクリーンには再びアニメーションの映像が!

 転送された彼らがやってきたのは、夜空に三つの月が浮かぶ幻想的な世界。呆然とするユーヤとタクトは、謎の二人組・ケンザブロウ(声:小野賢章さん)とノヴァピコ(声:岡本信彦さん)に襲われてしまいます! 炎を自在に操るケンザブロウの手で、絶体絶命の状況へと追い詰められるユーヤとタクトでしたが、覚悟を決めて言葉を発すると炎はあらぬ方向へ……。不運にも木の上にいたスーツ&メガネの青年・ヨシフィコテレス(声:細谷佳正さん)を直撃してしまいます。そして、ヨシフィコテレスが落下するところで再びステージは朗読劇にシフトチェンジ!(小野賢章さん、岡本さん、細谷さんもステージに登場)

 実は中二病的な言動を連発していたケンザブロウとノヴァピコの正体は、ユーヤとタクトが憧れていた音楽ユニット・TAK-e-YOUで、今は異世界を統べる王・Jキングの魔吟戦士(ヴォジカル・ソルジャー)として操られているのだとか。──そう、すべての黒幕は異世界を統べるJキング。そして、彼らの炎をあらぬ方向へワープさせたのは、ユーヤとタクトによる「tak-e-you」という言葉による転送の魔吟(ヴォジック)。ふたりも魔吟戦士として強い力を持っていたようです。

 ちなみに、炎の巻き添えになったヨシフィコテレスの正体は、Jキングの気まぐれで異世界に召喚された司法浪人生。かつてはJキングの部下だったものの、キレやすい性格とうるさいハーモニカが原因でクビになったのだとか……。

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▲フリーダムにキレまくるヨシフィコテレスを細谷さんが怪演。身体を張ったお芝居の数々で会場を魅了していました。

 ここでアンフィシアターのステージから神々しくせり上がって登場したのが、サプライズゲストの杉田智和さん! 実は四年前に失踪したエリは魔吟の女神(ヴォジディーテ)としてJキングに操られていて、彼女を救うためにぬいぐるみのピヨが自我を持つようになったのでした。ユーヤとタクトは、そんなピヨとヨシフィコテレスの協力のもと、トレーニングに励むことになります。

 そのトレーニング内容とは、ブラックボックスからくじを引いて指定の席に100kg(設定上)のプレゼントを届けること。端的に行ってしまえば“プレゼント抽選”のコーナーですが、それをもエンターテインメントに盛り込んでしまうあたりはさすがの展開です! さらにここに歌まで盛り込まれるのが「アニミュージカル」。三人と一匹は、肺活量のテストということで汗を流しながらも「トレーニング☆チャンス」を歌い上げました。

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▲杉田さんの登場には感嘆と歓喜の絶叫が! 「ヒヨコの杉田さんが下から(せり上がって)登場するのを見たかった」と思って小野友樹さんはオファーしたそうです。

 ここまでコミカルに進んできたストーリーですが、敵側のケンザブロウとノヴァピコの掛け合いもユニーク。やたらと脱ぐことにこだわるケンザブロウ(スクリーンには何パターンもの脱衣スチルまで用意!)と、笑顔&毒舌でツッコミを入れるノヴァピコの姿には、会場からも爆笑が!

 しっとりとしたユーヤとタクトの「恋のチョイスはキミ次第」を挟みつつ、いよいよ物語は決戦へと突入します。敵の本拠地・Jキングダムに乗り込んだユーヤは、催眠術を操るノヴァピコと直接対決に臨むも、夢の世界に連れていかれてしまい……。ふたりの対決の様子は「Sweet paradox」での小野友樹さんと岡本さんのデュエットを通じて描かれていきます。最初は甘くてふんわりとした世界観ですが、曲の途中からは転調し、一気にゴシックで好戦的な空気に変わるというまさにミュージカルらしい構成に! 岡本さんの“役の二面性を感じさせる歌声”には会場からも黄色い声が飛んでいました。

 そしてこの戦いはユーヤたちの勝利で決着。満身創痍のノヴァピコとケンザブロウにヨシフィコは「あなたたちはこの世界で終わる人間じゃない」と声を掛けます。実はヨシフィコは、現実世界の彼らにハーモニカをもらい、勇気づけられたという“過去”を持っていました。

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▲甘やかすような動作を見せつつ、“覚醒”したあとはマントを脱ぎ捨てて本性を表すノヴァピコ。岡本さんの変貌に会場中が息を飲みました。

 残る相手は黒幕のJキングのみ! 渾身の魔吟を放つユーヤとタクトでしたが、いとも簡単にはじき返されてしまいます。為す術なしか──という状況に颯爽と割って入ってきたのがピヨ。彼は「すべての力を“tak-e-you”という言葉に込めて、自分にぶつけることでJキングダムごと現実に転移させろ」と言い出します。そして、そこにケンザブロウとノヴァピコも協力!

 クライマックスは再びアニメという形で描かれていきます。「あばよ、また会おうぜ!」と告げて膨大な魔吟の力に飲み込まれるピヨ……しばらくして北の丸公園に戻ってくるユーヤとタクトとエリ。ピヨの犠牲に悲しむ三人でしたが、声がする方を見ると、そこにはどうにか一命を取り留めたピヨの姿も! こうして物語は見事な大団円へ(“半脱ぎ”状態で戻ってきたケンザブロウは警察官に追いかけられることになりましたが)。出演者全員が歌う感動的な「Vogic ~声の魔法~」に会場からも万雷の拍手が巻き起こります。

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 ちなみに物語のラストには、ポツンと置かれたラジオからDJ・じょいまっくすポコ氏の番組に、謎の人物“J”が出演するという意味深な下りも用意されていました。「to be continued……?」という文字の通り、もしかするとゆーたくの二人の頭の中にはまだまだ続きが用意されているのかも!?

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 夜の部の「アニミュージカル」も、物語の流れは昼の部と一緒でしたが、細かい部分に“遊び”が感じられました。小野賢章さんの動きがさらにダンサブルでキレキレになったり、岡本さんの毒のあるツッコミが増幅されたり、杉田さんや細谷さんのフリーダムさが増したり……と、一度見た人でも楽しめる内容に!

 また、昼の部でヨシフィコにユーヤとタクトが鍛えられるシーンが、Jキングにケンザブロウとノヴァピコが鍛えられるシーンにすり替わっていたり、“脱ぎスチル”を連発したケンザブロウが“厚着”をさせようとするノヴァピコとの色っぽい(?)攻防戦を披露するハメになったりと、TAK-e-MEのふたりのファンにとってはうれしい展開も数多く用意されていました。

 さらに、最終決戦ではユーヤがノヴァピコではなくケンザブロウと対決する展開も! “小野コンビ”による「虚炉の焔」は今回のアニミュージカル屈指の盛り上がりで、熱唱する小野賢章さんとそこに強く呼びかける小野友樹さんのステージはひたすらに白熱!

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▲ユーヤのストレートな想いを受けて崩れ落ちるケンザブロウ。殺陣のような流麗な動きと、激しい歌声とのコンビネーションは圧巻!

 トークコーナーでは、昼の部、夜の部ともに、Teamゆーたくらしいゆる~い空気が全開! ノヴァピコの催眠術のシーンに「(岡本くんは)絶対に催眠術をやり慣れているでしょ!」と杉田さんがツッコミを入れたり、小野友樹さんが台本の中に盛り込んだ「魔吟(ヴォジック)」などの厨二要素満載の用語に触れられて「すんなり出てきたわけじゃないですから」と弁解をしたり……と楽しそう。

 昼の部ではほかのメンバーがトーク中に、みんなで小道具のラジオをイジりまくるというフリーダムっぷり。夜の部も小野賢章さんが「あっ……。ズボンに60円入ってた」とトークの途中で気づいたり、細谷さんが汗ぐっしょりでスーツを脱げないという話をしているときに、なぜか横にいる小野友樹さんが脇汗パッドを落とすという神がかった展開も連続し、笑いの絶えないお祭りとなりました。

『ゆーたく祭 2015夏 ~アニミュージカル~in舞浜アンフィシアター』レポート

 また、ゲストとしては昼の部のステージに、今回のミュージカルの骨子となるアイディアを提案した音楽ユニット・adstlaxyさん、そして夜の部のステージには台本の監修と楽曲の作詞を担当した作家・和ヶ原聡司さんもゲストとして登場! 小野友樹さんの“人望”と“情熱”があったからこその企画ということがひしひしと伝わってきました。

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 出演者の話によると、実際、小野友樹さんはアニメの魔吟の詠唱シーンで細かく小野賢章さんにディレクションを出したり(小野賢章さんは「うるさかった(笑)」とコメント)、寝る直前になって細谷さんにもう一回打ち合わせをしたいとお願いをしたり、自ら会場に足を運んでタイムを計測しながらこれなら客席を回れると判断したりと、設計から出演まで獅子奮迅の活躍を見せていたそうです。

 杉田さんはそんな小野さんについて「事務所に入って初めてできた後輩が人をまとめ上げ、夢を形にしているという姿は、当人じゃないのにものすごい充実感があって。人と一緒に楽しいことをしたい、盛り上がりたいという気持ちの表れだと思います」と感慨深そう。江口さんに対しても「身長だけじゃなくて心も大きい。大人に見えるけれど、二人でいるときにしか見えない表情が出ているんじゃないかと思います」とその関係性にも言及していました。

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 昼の部、夜の部ともにイベントの締めは全員で歌う「FRIENDIER」。会場を練り歩きながらキャストがアットホームにじゃれ合う感じは、まさにゆーたく祭ならでは! ひとまずアニミュージカルは終幕となりましたが、四周年を迎えたTeamゆーたくは今後もさまざまな展開を用意しているとか! ますます目が離せなさそうです。

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■セットリスト

【昼の部】
1:『take you take me』
2:『トレーニング☆チャンス』
3:『恋のチョイスはキミ次第』
4:『Sweet paradox』
5:『Vogic ~声の魔法~』
6:『FRIENDIER』

【夜の部】
1:『take you take me』
2:『トレーニング☆チャンス』
3:『陽炎を探して』
4:『虚炉の焔』
5:『Vogic ~声の魔法~』
6:『FRIENDIER』

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