2015年9月19日(土)
PlayStation VRの発表や、PS4でのゲーム体験の魅力をアピールしていく新たなキャンペーンの開始など、TGS2015はPS4に新たな動きが感じられる内容となった。そのさらなる詳細に迫るため、SCEJAプレジデント・盛田厚氏にインタビューを行った。
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▲盛田厚氏。1982年にソニー株式会社入社。2006年からSCEの業務に携わり、2014年にSCEJAプレジデントに就任。 |
――プレスカンファレンスではさまざまな新情報が発表されましたが、ユーザーさんやデベロッパーさんなどの反応をどう受け止めましたか?
手ごたえは確かなものを感じました。みなさんから高く評価していただいたようで、ほっとしています。
――具体的にどう言った点がほっとした部分でしょう?
我々が伝えたかった部分がユーザーさんに届いたという点ですね。去年のプレスカンファレンスでは日本向けのタイトルがPS4にこれからそろいますという話をしたのですが、そろいますということは、まだそろっていませんということでもありました。
そういった発表をしたうえで迎えた年末商戦や、TGSで発表されたタイトルがリリースされ始めた2月から3月は本当に緊張していましたね。ですが私の緊張とは裏腹に、結果は十分なもの。そのあとに『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』などの強力なタイトルがハード自体をけん引してくれたこともあって、PS4が日本市場で勝負する土台がようやくできました。
そこにPS4専用のタイトルがさらにリリースされ、PS Vitaも含めてまだまだPSフォーマットは盛り上がっていきますよということが今回ユーザーさんに伝えたかった情報です。いろいろなタイトルが出るということもあって、より多くのユーザーさんの手にPS4が届くよう価格の改定も発表しました。そういった要素が相乗効果を生んで、PS4にタイトルがたくさんそろいますという情報が伝えられました。
――PS4は日本と比べて海外で売れ行きが好調なようですが、価格の改定は日本主導で話し合われたのでしょうか?
そうですね。みなさんご存じかもしれませんが、初代PSから始まり、“PlayStation”はユーザーさんが買いやすい価格でなければならないということが我々の考えです。ですが、それはこれまでも今回も遊ぶタイトルがあってのこと。ハードウェア単体での価格改定は今までしてこなかったと思います。その点、今回は日本でリリースされるタイトル数が多く、コストダウンも進んでいたので日本で勝負する環境を整えた次第です。
――勝負する土台が整ったということですが、この先どういったステップでユーザーさんや潜在的なユーザーさんにアピールしていくのでしょう?
PS4をこのあとどういうステップでアプローチしていくかということは、前から考えていたことです。目標は2段階ありまして、1段階目がPS3と同等の普及率。そして2段階目がPS2の普及率です。この目標に到達するには、以前にゲームをプレイしていた人たちに“ゲームがこんなに楽しくてわくわくするものなんだ”ということを思い出してもらうのが重要です。
私を含めてゲームに触れたことがある人たちは、コンソールゲームだからこその魅力を知っていると思います。ゲームの世界には現実感があってすごく気持ちよかった。ゲーム市場やゲーム業界のためにも、あの感覚を知っている人はぜひ子どもにもゲームをさせてほしいですね。一番感受性が強いときの体験はすごく心に残ります。我々が今一番伝えたいのはゲームをプレイして得られる数々の体験は、いろいろなところに連れて行ったのと同じくらい素晴らしいということ。時間はかかるかもしれませんが継続してアピールしていきたいですね。
――そのために一番大事なことはどういったことだと思いますか?
今、PS4には、ゲームを遊んでいた人たちが当時好きだったゲームの続編や、なんらかの形でその血を受け継いだものなど、さまざなタイプのゲームが揃ってきました。当時おもしろいと感じたゲームの体験や魅力を伝えていって欲しいですね。その魅力を最も伝えやすいのがPlayStation VRだと思います。目の前の世界がリアルだったこれまでのゲームから、ゲームの世界に入り込めるよりリアルな世界を体験できることでしょう。
――今までとは違うゲームが生まれたという感覚は、初代PSがリリースされたころに強く感じました。今、その位置にあるのがPlayStation VRということなのでしょうか?
自分たちがゲームをプレイしていたころは、ドットで描かれた世界と半分記号化されたキャラクターがゲームの主役でしたが、それでも戦っている冒険している気分になれましたよね。
そして今はゲーム、とりわけPS4のなかで映画と同じような体験が可能になっています。ではその次はどんな体験ができれば満足できるのかと言うと、目の前がリアルではなく、自分自身がリアルなゲームの世界に入り込むしかないでしょう。
ただ、VRが盛り上がることは重要ですが、一過性のブームのような、流行り廃りに流される一時的なコンテンツにもなりかねません。PS2をDVDの視聴目当てで買った人が、PS2で遊ぶ人につながったように、PlayStaion VRがあるからPS4を買うという、ゲームをプレイするきっかけになってくれればと思いますね。そのためににはどういった提供の仕方をするか慎重に考えていかなければなりません。
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▲“PlayStation VR”。東京ゲームショウのPlayStation ブースで体験できるほか、展示もされている。 |
――その提供の方法は具体的に考えているのですか?
考えてはいますが、さすがに順番や具体的な形などは見えていません。今は、クリエイターの人たちやゲーム業界だけでなくエンタテインメント全体が刺激を受けているタイミング。なんでもやればいいというわけではないが、自分たちで方向性を定めずに可能性を探っていきたいですね。
これはぜひ触れたいというものをいくつか用意しておきたいです。また、幅広い層に触れてもらうことを考えると店頭でどういう風に体験させるか、店頭以外にPlayStation VRに触れられる場所の用意も考えないといけませんね。
――実際に体験して思いましたが、PlayStation VRは映像面などがデリケートなので伝え方も難しそうですね。
そうですね。伝え方に変な制限はかけたくないけれど、こちらで考えておかないとあとで枠にはめることになりかねません。それはもったいないので、決めるべきことは決めておかないと思っています。
――PlayStation VRは一見新しい周辺機器のようですが、今の話を聞いて戦略的なイメージがあるようですね。今のPSのもう少し先の象徴がVRと聞いて安心しました。
VRにはいろいろな可能性があります。ですからゲーム体験だけでなくいろいろな可能性を追求していきたいですね。ビジネス面で見てもPlayStation VRにはただハードを売ること以外にもビジネスにつながるビジョンはあります。TGS会場内にも、今後に繋がるいろいろなニーズのヒントがありそうです。
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――続いて新たなCMの公開を皮切りにスタートした新キャンペーンについても聞きたいのですが、“できないことが、できるって、最高だ。”というキャッチコピーが、PSというよりもゲーム全般を指すもののように感じました。これは意図したことなのでしょうか?
そうですね。ゲームのなかでできることは非常に豊富で、そのなかでもPlayStationならば、とくにいろいろなことができるというイメージです。
――CMも流れ始めたということで、これからどのようなことを考えているか教えてくれますか?
そこはまだ楽しみに待っていてください。とはいえ今日話していることと、なんらかのつながりは感じるものにはなっています。
――と言いますと、PS4をより多くの人が触れるようなものになっていくのでしょうか?
そのためのアプローチですね。まずはタイトルがそろっていることを伝えていきながら、ゲームの楽しさも同時に多くの人たちが感じられるようにしていきたいです。それは年末商戦で伝えるという短期的なものではなく、日々の発表などが1つのメッセージとしてつながっていくイメージです。長期的なプランになりますので、1つ1つのメッセージがバラバラに見えないようにも注意していきたいですね。
――こういうキャンペーンをやらなければいけないというところが現在の日本のPS市場だと思いますが、それについては危機感はありますか?
キャンペーンを打たずとも問題ない、という状態ではないので危機感がないとは言いません。ですが、逆に言えば今はキャンペーンをやるならここしかないというタイミングでもあると感じています。
――やるなら今ということですが、ユーザーさんもこのときを待っていたと考えていますか?
PS4を買おうと迷っている人には絶好のタイミングかと思います。ですが、これからメッセージを伝えていきたいのは、今はゲームというコンテンツの情報に耳を傾けていない人たち。そういった人たちにとって“待っている”というタイミングはないのでこれからじっくりメッセージをお届けしていきたいです。
――今回のキャンペーンは日本のゲームユーザーにとって、PS4がこれから勢いを増していくという意思表示になるかと思います。そのなかでもとくに強くポイントにして取り組んでいきたい部分はどこでしょう?
みなさんがやりたい、やったら楽しいゲームが出そろうということは発表できました。まずはゲームをプレイしてみてほしいですね。そのなかで今は親になった人たちに“ゲームは楽しかった”ということを思い出して欲しいです。そしてその思いを子どもたちに伝えてください。
ゲームといえば日本しかないという時期があったことを考えると、欧米でゲームが文化になっているとするならば、日本でもマンガや映画などと同じように娯楽の1つになっていないといけないんですよ。ですから改めて、ゲームを日本で流行らせていくのは今ゲームを作っている我々がやるべき義務です。ぜひ、今放送中のCMを見てもらって周りにもゲームのワクワク感というものを伝えてください。
■東京ゲームショウ2015 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2015年9月17日~18日 各日10:00~17:00
一般公開日……2015年9月19日~20日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
2018年4月12日発売
特別定価:694円+税
【表紙&総力特集】ゴッド・オブ・ウォー
【付録冊子16P】SAO フェイタル・バレット
【特集】パワプロ2018 / メアリスケルター2
モンスターハンター:ワールド
【2018年春 ゲーム×アニメ特集 [1] 】
PERSONA5 the Animation / カリギュラ
【電撃特報】魔界戦記ディスガイア Refine
ウィザーズ シンフォニー
CLOSED NIGHTMARE
【PS EXTRA】ドラゴンクエストビルダーズ2
【SUPER PUSH】Detroit: Become Human
METAL MAX Xeno(メタルマックス ゼノ)
グランクレスト戦記 / カリギュラOD
Life is Strange: Before the Storm
うたわれるもの 散りゆく者への子守唄
GOD EATER 3 / Death end re;Quest
CODE VEIN / Fate/EXTELLA LINK
シティーズ:スカイライン
ファークライ5 / 戦場のヴァルキュリア4
北斗が如く / New みんなのGOLF
【Online】PSO2 / FFXIV / DDON / FFXI
【コード付録】Death end re;Quest
DDON / MHF-Z
[集計期間2018年 04月12日~04月18日]
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