2015年12月29日(火)

【なぜなに三国志11合目】『三國志』30周年記念企画! こんな嫁はいやだ! 三国時代の俺の嫁祭り

文:電撃PlayStation

 今年30周年を迎えるコーエーテクモゲームスの『三國志』シリーズ。三国志ならゲーム、漫画、小説、史実なんでもござれな2人が、過去シリーズをダシに三国志をアレコレ語っちゃう企画第11回です!

うどん先生 KYS
『電撃プレイステーション』 『電撃プレイステーション』
▲『信長の野望』から歴史に入った、ゲーム脳歴史ライター。好きな『三國志』は『三國志IX with パワーアップキット』『三國志 11 with パワーアップキット』『三國志V(3DS版)』。あと『三國志戦記』『三國志Internet』も名作だったと思う! ▲小学校低学年時に父親が持ってた横山光輝“三国志”を読んでこの世界に入る。その後、“蒼天航路”“龍狼伝”“天地を喰らう”などマンガは読み漁る。好きな『三國志』は『V』と『12対戦版』。

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個人の力で歴史を変えろ!『三國志X with パワーアップキット』!!

うどん:イエエエイ。『三國志13』の発売日もいよいよ近づいてきたね!

KYS:延期になったときはどうなるかと思ったけど。そろそろレビュー用のサンプル版ROMが編集部に届くから、実際プレイするのをすごく楽しみにしてるよ。

うどん:ROM早く! ROM!

KYS:とりあえず毎日毎日「『13』届いたー?」って僕にメールするの止めようよ。届いたらちゃんと連絡するから!

うどん:届いたー?

KYS:マダー。

うどん:……。

KYS:……。

うどん:届いたー?

KYS:届いてねえよ!!!

うどん:なんかもうここ数日、我慢できずに『三國志X with パワーアップキット』ばかりやってるよ。と、いうわけで今回は『XPK』の話。IF展開あり、結婚あり。三国志ファンがニヤニヤしながら遊べる記念すべきシリーズ10作目なのだ!

KYS:どんどんぱふぱふー?

『三國志』
▲『VII』『VIII』以来の全武将プレイとなった『X』。舌戦、指揮が追加されたことで、本作は知将プレイが楽しいです。とくに諸葛亮というか、彼で遊ぶために本作は生まれたんじゃないかって思うぐらいシステム的にもイベント的にも優遇されております。
『三國志』
▲ドット絵+ターン制の古き良き戦闘システム。全武将プレイってほんと戦闘が楽しいですよね。功名立てるんじゃー! あいつに負けるかー! と必死になれます。ところで戦闘でも舌戦使えればよかったのに、と当時から思ってたもんでした。「ハイ論破」→「ぐぬぬ」→士気低下、みたいな。

うどん:まず『XPK』は1人の武将となって乱世を自由に生きる作品なのだ。陳宮になって呂布に仕えてもよし、諸葛誕になって魏から反旗を翻すもよし!

KYS:全武将プレイは自由度の高さが魅力だよね~。

うどん:ですな!! いきなり余談なんだけど、近年は自由度高い洋ゲーなんかがもてはやされてるよね。でも、もともとひとつの世界観のなかでの自由な人生って、コーエーが1988年の『維新の嵐』以来さんざんやってきたことなんすよ。『伊忍道』『大航海時代』『太閤立志伝』『ジルオール』あたり。『三國志』でも『VII』『VIII』『X』の自由なスタイルはほんとコーエーの血筋だと思う!

KYS:あ、いきなりコーエー信者の熱い主張。

うどん:リコエイションシリーズのファンだからね!

KYS:う、うん。話を『X』に戻してね? ね?

うどん:へーい。まあ全武将プレイってことで基本は『VII』『VIII』の流れ。いろんな武将と仲よくなったり、主命を受けて内政や戦争で功績を上げたりってゲームだね。

KYS:『VII』『VIII』との違いは?

うどん:まずは、上でも書いてるけど知将プレイがおもしろいってとこやね! 『VII』『VIII』って統率パラメータが存在しなかったから、部隊の強さ=武力だったんだ。『X』では統率が復活したから、諸葛亮や司馬懿が殴り合いでも強い! あ、『VIII』の司馬懿はなぜか武力86もあったから、諸葛亮や陳宮相手でも殴り合いに強い!

KYS:諸葛亮が強いのはやっぱいいよね。『13』も統率あるみたいだし、そこは安心。

うどん:で、『VII』『VIII』では軍師って役職だったんだけど、『X』の軍師は特技のひとつ。これを持ってると、戦場で自分以外の部隊を“指揮”コマンドで操作可能なのだ。ぶっちゃけ、これがめっちゃ便利。軍師が複数いれば、同一ユニットを指揮しまくり突撃しまくりもできちゃう。例えば諸葛亮、法正、ホウ統の3人で趙雲を指揮しまくり突撃しまくり、みたいな。というわけで、高統率+指揮持ちの知将プレイが楽しかったというわけだ。

KYS:ナルホドナー。そういえば舌戦が初めて登場したのも『X』だよね。

うどん:そうそう、知力版一騎討ちみたいな感じで。人材登用なんかを有利に進められるシステムで、これをやりたくて『XPK』では知将ばかりで遊んでたなあ~。

KYS:『13』でも舌戦が採用されてるし、あっちも知将プレイは楽しそうだね。

『三國志』
▲手持ちのコマンドをお互い出し合い、数字の高い側が相手にダメージを与えられるシステム。場に出したコマンドは右下の盤に配置され、ビンゴのように縦横の色がそろうと大ダメージとなります。ちなみにこれは、娘さんを嫁に下さいと嫁パパを舌戦で説得中のシーン。届け、俺の想い!!!

うどん:あと都督って身分が追加されたのはうれしかったかな。要するに軍団長なんだけど、一般→太守→都督と立身出世の階段が増えたのだ。

KYS:都督クラスになるといよいよ国の重鎮って感じがするもんね。

うどん:それと充実のシナリオ関係! さすがに『VIII』の全年代プレイとまではいかないんだけど、いつもの英雄集結を除けば184年から253年までの9シナリオ。とくに227年と253年というあたりの後期シナリオはうれしい!

KYS:後期シナリオってなかなか入らない印象。

うどん:いわゆる孔明死後の三国志って、シリーズでなかなかシナリオにならないとこなんだよね。諸葛亮が死んだ234年から魏呉蜀どこも引き籠りモードだからしょうがないんだけど……。この『X』以降、『11』『12』に諸葛亮死後のシナリオは入ってない。むねん。

KYS:ちなみに253年って何があったっけ?

うどん:費イが刺殺されちゃって、姜維がオラつき始めた年だね。だから227年は諸葛亮の北伐、253年は姜維の北伐シナリオ。253年には諸葛誕、文鴦、陸抗、羊コ、張悌あたりも登場してるから、わりと話が盛り上がってるとこなのだ。

KYS:『13』は公式サイトでシナリオが発表されてたけど、こっちも後期シナリオは入ってなかったね。

うどん:214年の“益州平定”が最後の年代だよね。たぶん、一番若い世代で関興、張苞あたりなのかな。さっき挙げた武将はもちろん姜維、鄧艾もプレイヤー武将に選べないってことだから、そこは正直残念かな……。

KYS:お約束の英雄集結的なシナリオなら使えるかもよ?

うどん:あ、そうかも。でもやっぱり後期シナリオはほしいなあ。そこは今後のアップデートに早くも期待!!

『三國志』
▲久々のプレイは諸葛誕からスタートでした! 義兄弟になると必ず寝返ってくれるようになるので、まずは魏国内で毋丘倹、文欽、文鴦を義兄弟として確保。能力的に考えれば鄧艾や羊コのほうがいいんですがががが。
『三國志』
▲そして汝南で挙兵しつつ呉と同盟。目指すはもちろん、打倒・司馬一族! こういう遊び方こそ、全武将プレイの一番美味しいとこですよね。
『三國志』
▲魏からの猛攻に耐えつつ、汝南、寿春、合肥を確保。魏呉の国境線に挟まれつつ、これからどういう戦略を立てるのか……やっぱり諸葛誕プレイはシチュエーションが熱いなあ。燃える。今度は孟達で上庸独立プレイもやってみよっと。

うどん:『X』の魅力のひとつが歴史への介入かな。

KYS:もともと歴史変えまくるゲームじゃん。

うどん:そうなんですけど! 歴史イベントがすごく豊富だったんよ。で、そのなかでのif展開が熱いの。例えば街亭の戦いを蜀勢力でプレイすると、街亭に登ろうとする馬謖を舌戦で止めることができるのだ。

KYS:マジで! 全蜀ファン待望の展開。むしろそのために舌戦つけたんじゃないか。

うどん:ほかにも船を鎖で繋ごうとする曹操を舌戦で止めさせたり、韓遂を怪しむ馬超を舌戦でなだめたりね! 戦争イベントでいえば、五丈原の戦いや夷陵の戦いを蜀軍勝利に導いたりもできちゃう。

KYS:イベント中に分岐があるのはいいね。1人の武将の活躍や選択で、歴史的事件に影響を与えられるってのはすごく熱いなあ。

うどん:ただしどれも難易度は高いんだけど。超級の五丈原戦とか酷いんすよ。司馬懿や司馬師の挑発連打で、1度も操作することなく自部隊壊滅とか泣いたわ! 1人の武将が歴史を変えるってのはそんなに簡単なことじゃないッス。

KYS:まあ僕なんか、自由に遊べって言われてもなかなかやりたいことが見つからない日本人気質プレイヤーだからさ。「この歴史イベントを自分の力で変えよう!」って、プレイの目標にしやすくていいと思うよ。

『三國志』
▲絶対山に登るマンの馬謖。ここで王平とともに彼を説得すると……。
『三國志』
▲魏軍は手も足も出ず撤退。なんと第1次北伐大成功で、大きく蜀有利の展開に……。

うどん:あとねあとね、『VII』『VIII』から大きく進化したのが個人としての遊びの幅が増えたことなのだ。

KYS:なんぞそれ。

うどん:各都市の酒場で依頼を受けられるようになったのだ。これは勢力の任務とは関係ないプライベートミッション。山賊退治しろーとか、霊山巡ってきてー、みたいな。在野武将のときなんか、この依頼を繰り返して名声高めておくと、仕官の際に有利だったりする。というか、単純にミッションどんどんこなすのがたのちい。

KYS:やり込み要素だね。僕は面倒だからスルーしちゃいそうだけど。

うどん:それもアリアリだっ。別にこのゲームってクリアするだけなら難易度低いと思う。単純に強い勢力に仕官してればいいんだから。それとは別に延々チマチマ遊び込みたい人用に、勢力の主命とは別のミッションって感じかな。

KYS:プライベートといえば、『VIII』では結婚できたけど『XPK』でもできちゃう?

うどん:できちゃうねー。男性武将の場合、嫁候補となるNPCが各地方にいて、さまざまな出会いののちに結婚できるのだ。条件はどれもやさしいから、普通にプレイしてればまず結婚することになると思う。

KYS:女性武将をプレイヤーにした場合は?

うどん:こちらも婿候補の専用NPCがいるんだけど、普通に独身武将とも結婚可能! 前、女性武将でプレイしてて呂布と結婚したんだけど、いつの間にか旦那が敵国に寝返っててひっくり返った。嫁に一言も相談なしかよ! みたいな。

『三國志』
▲各地方に登場する嫁候補は、ある程度名声があればそのうち登場します。こちらは中原の嫁候補・さいおうおう。元ネタは中国古典の戯曲“西廂記(せいそうき)”のヒロインから。同作品からはほかにも紅娘が嫁候補として出演しております。
『三國志』
▲西北地方の女武芸者・何玉鳳は、一騎討ちで破ると逆プロポーズ。ちなみにこちらは武侠小説“児女英雄伝”が元ネタだとか。

KYS:全武将プレイなら、やっぱり結婚イベントだよね……。ねね、今回は嫁の話しようよ。

うどん:うちの?

KYS:なんで君んとこの気性の激しい嫁の話をわざわざ『三國志』シリーズ30周年企画でやるんだよ! “三国志”に出てくる女性の話だよ!

うどん:そういえばありがちな企画だけどやってなかったね。“ドキッ!美少女だらけの三国志”、みたいな。

KYS:この企画立ち上げたときから僕言ってたよね! 女の子の話してよって!

うどん:でも、そもそも美少女を期待して『三國志』プレイしてる人なんかいないし……。『真・三國無双』のほうならいっぱいいると思うけど……。

KYS:え、う、うん。

うどん:そういえば余談なんだけど、『三國志』シリーズに初めて登場した女性武将は『III』の貂蝉。次が『IV』の祝融。以降ぽつぽつ出てたんだけど、『11』で麋氏、鄒氏ら名のある女性が全員武将化したのだ。ついでに“花関索伝”の鮑三娘、王桃なんかも一挙登場! 『12』でも彼女らは武将化してるし、たぶん『13』もそうなんじゃないかなあ。

KYS:ほら、やっぱり『三國志』ユーザーも女の子好きなんだって!

うどん:そうかなあ……女性武将オフ機能あったし……。

KYS:そんなことないって! ほら、うどんも誰か好きな女性武将いるでしょ?

うどん:…………王元姫?

KYS:声が小さいよ! もっと大きな声で!

うどん:……王元姫。

KYS:ダメ。ぜんっぜん気持ち伝わらない。大きな声で!

うどん:王元姫!!!

KYS:はい死んだ。今『三國志』ライターのうどん死んだ。王元姫といえば『真・三國無双』だから。

うどん:なんだよこのテンション。今日は僕がついていけないよ!

KYS:はい、じゃあ“三国志”に登場する女性の話をするぞー! どんどんぱふぱふー!

うどん:う、うん。じゃああたいがおもしろいと思う三国志の女性ベスト10を挙げていくね……。

王異
『三國志』
▲『三國志12』より

 演義での名は王氏。魏の武将・趙昂の妻。西涼の馬超が攻め寄せると、趙昂の上司・韋康は降伏。趙昂も馬超に息子を人質に出して従うことになった。しかし王異は「子どもの命がなんだというのだ」と夫を叱咤して馬超への反乱を後押しした。

 正史では夫とともに馬超を2度破っており、趙昂の9つの奇計には常に彼女の献策があったという。また、籠城戦の際には自ら鎧を着こみ、手ずから兵士たちに恩賞を与えて叱咤激励したという。正史で戦争に参加記録のある唯一の女性である。

うどん:『真・三國無双6 猛将伝』でも新武将として登場した、馬超絶対殺すマン。

KYS:女性武将でメチャ強かった気がする!

うどん:『12』で統率73武力51知力82政治68。傑出して強いわけじゃないけど、十分役に立つスペック。というか、敵を誘引する“虚誘掩殺”を持つ数少ない武将で、めっちゃ役に立つ……。アホの馬超をひょいひょい釣れるし。

KYS:文句なしで女性武将ナンバー1の実力だね~。

馬雲リョク
『三國志』
▲『三國志12』より

 “反三国志”および、それを元にした“超・三國志”の登場人物。馬超の妹で、天女のような美貌と並の男では叶わぬ優れた武勇の持ち主。馬超が劉備に基準した際、趙雲に一目ぼれして結婚する。その後は趙雲師団の武将の1人となり、騎兵部隊を率いて対呉戦線で活躍した。

KYS:お、また戦う女性。王異が知将系ならこっちは猛将系だね。

うどん:初登場は“超・三國志”シナリオのあった『IXPK』から。そのときはなんと統率80武力91。『12』では統率85武力77に落ち着いてる。

KYS:それでも強いなあ。“超・三國志”でそんなに活躍したんだ?

うどん:騎兵を率いて対呉戦線で活躍してて、物語中では無敗。一騎討ちでは潘璋や胡車児を討ち取ってるね。

KYS:潘璋はわかるけどなんで胡車児? 張繍の部下だよね。

うどん:物語では張繍が魏を裏切って呉に寝返るのだ。で、張繍はもともと涼州出身で旧董卓軍の騎兵隊を部下に持ってて、それが呉の貴重な騎兵戦力になるというわけ。意外に張繍が活躍するよ! で、それを同じく涼州出身の馬雲リョクが騎兵対決で破るってあらすじ。

KYS:おお、なるほど。“超・三國志”ちょっと読みたくなるなあ。

呂玲綺
『三國志』
▲『三國志12』より

 コーエーオリジナルの女性武将で呂布の娘。父親譲りの武勇で戦場を駆ける。演義や正史では呂布の娘の記述があり、袁術の息子との縁談が持ち上がっていた。しかし実現には至らず終わっている。

KYS:あ、この子知ってる! 『真・三國無双7』でも登場したよね。

うどん:初出は『三國志戦記2』の呂布シナリオなんだけどね。呂布の外伝シナリオではとある事情で張遼が長く戦線離脱するんだけど、代わりに馬超、呂玲綺コンビがいるから大丈夫だもん!

KYS:そ、そっか。呂布の娘っていうぐらいだから強そうだよね。

うどん:『12』だと統率78武力87。統率型の馬雲リョクと武力型の呂玲綺って感じ? というか、『12』だと呂布軍の貴重な弓兵なんだよね。呂布、張遼、高順の主力軍がみんな騎馬だから、槍対策に出ずっぱり。

KYS:役に立つ子!

うどん:まあそんなわけで、『三國志戦記』シリーズは続編途絶えちゃったけど、呂玲綺というキャラを生んだ功績は後世に語り継がれるじゃろう。

KYS:そ、そこまで言う?

うどん:ほら、“花関索伝”の鮑三娘や民間伝承の関銀屏なんかも今に名を残してるじゃん。数百年経ったら呂玲綺もその仲間に加わるんじゃないかなーって。

張春華
『三國志』
▲『三國志12』より

 司馬懿の妻。若いころの司馬懿は、曹操の仕官要請を拒否して仮病を使って家に引き籠っていた。たまたま司馬懿の元気な姿を目撃した侍女がいたが、張春華は口封じに彼女を刺殺した。

 智謀胆力に優れた女性で、司馬懿に対する態度も高圧的なものがあったという。そのため司馬懿は愛人に入れ込んだが、彼女が産んだ司馬師、司馬昭は母を敬愛し続けた。

うどん:はい、三国一の鬼嫁。張春華たん。

KYS:口封じに侍女刺殺ってすげえな。上の写真だと見切れてるけど、手元に短剣持ってるんだよね……。

うどん:彼女も『真・三國無双7』で登場したんだっけ。なんか『三國志』は『11』以降どんどん女性武将増えたけど、『無双』も負けてないなあ。

KYS:ほら、だからみんな女の子好きなんだって! 三国志ファンなんて、口では男の世界がどうこう言ってるけど、一肌向けばみんな春華たん萌え萌えキュンとか言ってるんだよ。

うどん:そこまでは言わないと思う!!

KYS:まあ、これだけ怖い嫁さんだと司馬懿もたいへんだよね。

うどん:鉄疾黎骨朶で司馬懿を殴ってたしね。

KYS:それ“しばちゅうさん”や!

劉氏
『三國志』
▲『三國志12』より

 袁紹の後妻で、袁尚の母。袁紹が死ぬと、審配らと共謀して袁尚を後継者に立てた。また、袁紹の側室5人を惨殺。彼女たちが死後の世界で袁紹と再会できぬよう、遺体の顔に入れ墨を入れ糠を口に含ませたという。

うどん:はい、袁紹の鬼嫁。もし袁紹が天下を取っていたら、劉邦の嫁・呂太后並みに後世に悪名残してたと思う!

KYS:エピソードがエグすぎるよ!

うどん:三国志って意外と残虐、凄惨なエピソードが少ないんだよね。中国史といえば残虐、凄惨な逸話のオンパレードなのに。その数少ないひとつが、この劉氏の側室皆殺し、遺体弄び事件だと思う。

KYS:結局彼女って、最後はどうなったの?

うどん:甄姫とともに曹丕に保護されて、余生を全うしてるね。

KYS:勝ち組ゴール……!

祝融
『三國志』
▲『三國志12』より

 南蛮王・孟獲の妻。演義にのみ登場する。その名は南蛮の火神に由来するという。連敗した孟獲に代わって蜀軍と激突。飛刀を巧みに使って馬忠、張嶷を一騎討ちで破って捕縛。だが、諸葛亮の策を受けた趙雲、魏延におびき出され捕縛された。のちに孟獲ともども諸葛亮に心服する。

うどん:次は孟獲の鬼嫁・祝融。

KYS:ねね、もしかして鬼嫁好き?

うどん:好きー!

KYS:あっ……(察し)。

うどん:『三國志』シリーズの元祖女性武将だね! 前述のとおりシリーズ初の女性武将は『III』の貂蝉なんだけど、隠しキャラみたいなもんだったし。『IV』では統率63武力79と控えめな能力だったけど、『12』では統率74武力85。馬雲リョク、呂玲綺と並ぶ『三國志』3大女傑の1人なのだ。

KYS:馬忠、張嶷ってどっちも後期の蜀の名将だよね。よく考えたらすごい活躍だなあ。

うどん:駝鳥夫人の異名は伊達じゃないよ!

KYS:そんな異名あったっけ?

うどん:横山版で蜀兵が彼女を挑発するのに叫んでた。「やーい駝鳥夫人~!」って。

KYS:それ異名じゃなくて、馬鹿にしてるだけだし!

王元姫
『三國志』
▲『三國志12』より

 祖父は王朗で、父は王粛。“論語”、“詩経”に通じ、道理と智略に長けた才女。父の王粛は彼女が男として生まれなかったことを残念がったという。しかしのちに司馬昭の妻となり、晋の初代皇帝・司馬炎を産む。的確な助言で夫を支えたほか、鄧艾鍾会の蜀遠征時には、その反乱を予言した。

うどん:はい、僕らの王元姫たん。『真・三國無双6』のローソンコラボ衣装がかわいすぎて、過呼吸で死ぬかと思いました。

KYS:そこで人気爆発したよね……。『三國志』には『12』で初登場だけど、さっそくめっちゃグラフィックかわいいし。

うどん:あざとい。さすがコーエーあざとい。ちなみに鍾会の反乱を予言したことで知られるけど、ほかにも羊コの叔母・辛憲英って人も反乱を予言してるのだ。

KYS:どんだけバレバレな反乱だよ……。

うどん:『12』だと王元姫は知力73政治75、辛憲英は知力84政治76。どちらも内政官として役立つ人材ッス。

郭皇后
『三國志』
▲『三國志12』より

 曹丕の後妻。幼いころから顔立ちが極めて美しく、父は“女の中の王である”と、女王の字(あざな)をつけた。両親が早くに没して家は没落したが、宮中で曹丕の寵愛を受ける。甄皇后が自死を賜ったのちに皇后に立てられた。才知に長けた女性で、彼女が甄皇后を死においやったとも言われている。

うどん:女の中の王で、女王!

KYS:どんだけの美少女だったんだって話だよね。

うどん:身分が低かったことから皇后即位には反対派も多かったらしいんだけど、曹丕がゴリ押ししたそうな。

KYS:曹丕って美人だったらなんでもいいイメージ。甄皇后は敵国の人妻だし、郭皇后は身分低いとこからの抜擢だし。

うどん:そこはさすが、女好きで知られる曹操の息子といったとこだな!

曹節
『三國志』
▲『三國志12』より

 献帝の後宮に入った曹操三姉妹の1人。伏皇后が処刑されたあと、皇后に取り立てられた。曹丕の代に献帝が禅譲を強要されると、兄の非道を嘆き、涙ながらに玉璽を使者に投げつけたという。

うどん:漢王朝のラストを締めくくる悲劇の女性やね。

KYS:鬼嫁好きにしてはらしくないチョイス。

うどん:『12』のこの絵が好きで! それと、彼女が皇后になった流れもなかなかおもしろくて。曹操が娘3人を献帝の後宮に入れた翌年、なぜか十数年も前に伏皇后が父親に宛てた曹操の排除を要請する手紙が見つかったのだ。で、伏皇后は処刑されて、代りに曹節が皇后となった。

KYS:ここぞというときのために、曹操サイドがその手紙を握ってたんだろうなあ。

うどん:だろうねー。まあ父親の野心と謀略で皇后に立った人なんだけど、妻として献帝への愛情を持っていたからこその玉璽投げつけエピソードだと思う。

夏侯氏
『三國志』
▲『三國志12』より

 夏侯一族の娘。夏侯淵の姪とも。13歳くらいのとき、花摘みに出たところを当時汝南で山賊をやっていた張飛にさらわれ、そのまま嫁となる。彼女の2人の娘は、のちに劉禅の皇后となった。

KYS:この人の経歴すごいよね! なんだよ13歳で張飛に誘拐されて嫁にされちゃうって!

うどん:しかも夏侯一族だしさ! 後年、夏侯覇が蜀に亡命したとき皇族待遇で迎えられたのは、彼女の娘たちの存在があったからなのだ。

KYS:結果的に夏侯一族の血を引く女子が、劉禅の皇后になってたのね。

うどん:彼女の娘も、張氏って名前で『12』に登場してるね。あと、張氏は『真・三國無双』シリーズの人気キャラ・星彩の元ネタにもなってる。

KYS:あっちは関平とロマンス風だね。

うどん:まあそんなわけで、三国志の女性10人を紹介してみました。

KYS:ねね、貂蝉、大喬、小喬、孫尚香あたりは?

うどん:いや、なんかもう、そのあたり飽きちゃって。

KYS:そんな理由かい!

うどん:あと『三國志』シリーズには未登場なんだけど、晋を滅ぼした稀代の悪女・賈南風なんかもおもしろい。賈充の娘で、司馬炎の子・司馬衷の皇后。政敵を次々抹殺してやりたい放題やったあげく、晋滅亡のきっかけとなった八王の乱を引き起こしちゃったのだ。晋時代の人だけど、なかなかスケールのデカい悪女だね!

KYS:鬼嫁とか悪女とかほんと好きだね君!

データ

▼『電撃PlayStaton Vol.605』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2015年12月24日
■定価:657円+税
 
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