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2016年1月28日(木)

コミック版『P4U2』第1巻が発売!! アトラスの和田Dとマンガ家・斉藤ロクロのガチ対談が実現!!

文:電撃オンライン

 アトラスが放つ、大人気RPG『ペルソナ4』の“その後”の物語を描いた、2D対戦格闘ゲーム『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(『P4U2』)。

『P4U』

 公式コミカライズ第1巻の発売を記念して、原作ゲームのディレクターを務める和田和久氏とマンガ家の斉藤ロクロ氏のガチ対談が実現!! そこから見えてくるコミック版の魅力とは――!?

プロフィール

和田和久(わだ かずひさ)

 大学卒業後、プロレスラーになる夢を追うか、大好きなゲーム業界で働くか迷った末にアトラスに就職。『ペルソナ3』、『ペルソナ4』、『キャサリン』などのチーフデザイナーを担当する。2D格闘対戦ゲーム『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』では、アトラスサイドのディレクターを務める。

斉藤ロクロ(さいとうろくろ)

 マンガ家。おもな代表作は、電撃コミックス『GOD EATER -the spiral fate-』、電撃コミックスNEXT『GOD EATER 2 -undercover-』など。RPG『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』のカードイラストなど、イラストレーターとしても活躍している。作画する上でのこだわりは、Gペンを使って描くこと。辛くないカレーが好物。

『P4U』

コミック版『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』とは?

『P4U』

 原作は2014年にアトラスからリリースされた同名の2D対戦格闘ゲーム。大人気RPG『ペルソナ4』のエンディングから約2か月後――。謎のキャラクター・クマ総統が主催する格闘大会”P‐1クライマックス”に巻き込まれた鳴上 悠と自称特別捜査隊、そして桐条美鶴率いるシャドーワーカーのメンバーの活躍が描かれる。現在電撃マオウにて好評連載中!!

第1話立ち読みはこちらから

『P4U』

――このたび、電撃コミックスNEXT『P4U2』の第1巻が発売されました。喜びもひとしおかと思いますが、今の心境をお願いします。

斉藤ロクロ(以下、ロクロ):ついに発売日を迎え、ガチガチに緊張しております。この本が『ペルソナ』ファンのみなさんに受け入れてもらえるのか、不安でしょうがないですね。主人公の鳴上 悠をはじめ、登場人物がすべて人気キャラクター。それぞれに応援してくれるファンがいるので、その期待に応えないとなっていうプレッシャーがすごくあります。今日はディレクターとの和田さんと対談ということで、ダメ出しを受けるつもりでやってまいりました。

和田和久氏(以下、和田):いえいえ! ロクロ先生のコミック版は原作の技に忠実に描いて……いや、それよりもかっこよく描いてもらっているので、とても感謝しています。

ロクロ:そういっていただけると本当に救われます!! このコミカライズのお話をいただいた時、挑戦すべきかどうかすごく迷ったんですよ。『ペルソナ4』はTVアニメ版を最後まで観ていたし、副島(成記)さんのキャラクターデザインも好きだったけど……。

 でも、原作が格闘ゲームだと聞いて「できるかな?」と不安になって。実は自分は『GOD EATER』のコミカライズをするまで、『スーパーマリオ』ぐらいしかプレイしたことがないゲーム初心者だったんですね。恐る恐る『GOD EATER』をプレイしてみたら、狩りアクションがオモシロくて最後までクリアすることができたけど、格闘ゲームは難しそうだなぁとビビってました。それに登場人物を理解するためには、RPGの『ペルソナ4』と『ペルソナ3』をプレイするのはマストだと思ったんです。

 今までどんなRPGも序章でリタイヤしてきた自分が、自力で格闘ゲームとRPGをクリアするのは、さすがにムリなんじゃないかと思ったんです。

和田:そうだったんですか! でも、引き受けてくださったということは、その心境に変化が起きたんですか?

ロクロ:ゲーム誌でも働いている担当編集が「『ペルソナ4』はおもしろいからやってごらん」と薦めてくれたんですね。で、だまされたと思ってやってみたら、夢中になってプレイしていたという(笑)。

 その勢いで『P4U2』をやったら、美術背景はクレイジーで綺麗だし、悠や陽介の戦闘のモーションはカッコイイし。「こりゃ、いいぞ!!」と。ゲーマーとしての自分は最弱だと思うんですけど、『P4U2』にはストーリーモードの時にCPUが自分の代わりに戦ってくれるオートモードがあって、初心者の私でもスイスイ勝てた! 物語だけを楽しみたい時は本当に便利で助かりました。

和田:前作『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(以下、『P4U』)をリリースする時、格闘ゲームが苦手な方でも楽しんでいただけるよう、簡単な操作で連続技が発動するとか、僕らとしては十分工夫したつもりだったんです。それでも、やっぱり難しいという意見がユーザーのみなさんから届いて。こうなったら、ストーリーモードはオートで戦ってくれる機能をつけちゃおうか! という結論に至り……。『P4U2』では勝てなくて先に進めないストレスを感じることなく、物語を楽しむことも可能になったんです。その機能をフル活用してのコミカライズだったのですね。

ロクロ:はい、随分と助けられました。もちろん、格闘ゲームが大好きなみなさんは、ボス戦までガチで全部戦ってくださっていいんだよ? アナタのペルソナでカッ! って。

和田:そうですね。できれば操作して楽しんでほしいです(笑)。

『P4U』
▲『ペルソナ4』と『ペルソナ3』でおなじみのキャラクターが多数登場する原作ゲーム。コミック版ではどんな活躍を見せてくれるのか楽しみですね!!

――続いて、コミック版について質問します。謎の格闘大会”P‐1クライマックス”に巻き込まれた鳴上 悠たちの奮闘が描かれる本作。和田さんは第1巻を読んで、どのシーンが印象に残りましたか?

和田:第4話の(花村)陽介が印象的ですね。スクカジャからの攻撃が気に入っています。“速さの強さ”がしっかり描かれているので。

斉藤:よかった!! 最初、担当編集に「変幻地走斬りをやりたい」といったら「地味じゃない?」と。「大丈夫だって! かっこいいから!!」って押し切ったんですよ。陽介のペルソナは風を司るジライヤ。その魅力が一番わかりやすいと思ったんです。

和田:実は前作『P4U』で、陽介の超必殺技をスクカジャに設定した時、もともとは補助スキルなので、ユーザーからの反応が微妙だったんです。でも、『P4U2』からかなり強力な技になって。

ロクロ:『ペルソナ4』の時は命中率と回避率が上がる技でしたよね? 命中率と回避率が上がるということはイコール、速いってこと!

和田:はい。格闘ゲームの大会で陽介を使うプレイヤーさんは、必ずといっていいほどスクカジャをからめた大ダメージコンボで相手を倒しきってきますね。

ロクロ:あれ、カッコイイですもんね!

和田:あのコンボをやられると相手はかなりキツイですよ。コミック版で陽介の戦闘シーンを描いてもらう時は、彼の速さに注目してほしいと思っていたので本当にありがたいです。

ロクロ:今、和田さんの言葉を聞いて、もっと高速に見えるように描かなくちゃいけなかったのかも……と焦ってきました(笑)。第4話はネーム作業がすごく大変だったんです。担当編集にネームを出したら、「スピード感が全然ない」「誰がどこにいるのかわからない」とつっぱねられて。最後の見開き以外、全修正をくらったんですね。おかげで大ゲンカになって……いや、アイツとはいつもケンカしながら作業しているんですけど。今、やっと報われた気分です(笑)。

和田:そうだったんですか!! 第4話はアクションが一番かっこよかったですよ。陽介ファンはたまらないと思いますよ、きっと。

『P4U』
▲和田さん絶賛のアクションシーンは、コミック版の見どころの1つ。「子供のことからアクション映画やアニメ作品が好きで、自分でも一度は描いてみたいと思っていた」とロクロ先生。

――和田さんご自身は、コミック版のどの部分に魅力を感じていますか?

和田:『P4U』シリーズで初登場したキャラクターたちが活躍するところと、原作ゲームで描き切れなかった設定を物語に入れ込んでいるところですね。皆月翔の生活感が伝わってくる第1話の冒頭が非常に興味深かったので、今後の展開にも期待しています。

 あとはアクションがかっこよくて、テンポよく読めるのもいいですね。この作品は別行動する登場人物たちの状況を説明しなきゃならないシーンが多いのですが、うまく再構築しているなって本当に関心しています。こんなに読みやすい作品になるとは想像していなかったので、開発スタッフも驚いているんですよ。それから、足立サイドの描写ですね。原作ゲームには足立透のルートがあるので、それをどう物語に盛り込んでいくのか、僕としてもすごく楽しみにしています。

ロクロ:(和田さんの期待に満ちた視線に気づいて)……そんな真っ直ぐな目で見ないでくださいよ(笑)。

――一同爆笑

ロクロ:いやもう、がんばります!! コミック版では原作ゲームでは描かれなかったエピソードがたくさん盛り込まれているので、原作ゲームを楽しんだファンのみなさんにも楽しんでいただけるはず。逆にコミック版から『P4U2』の世界に触れた方は、ぜひ原作ゲームもプレイしていただきたいです。コミック版は原作ゲームに収録されている大ボリュームのシナリオをすべて補完できていません。『ペルソナ4』と『ペルソナ3』の登場人物たちそれぞれに熱いドラマが用意されているので、それを思う存分堪能してほしいです。原作ゲームとコミック版、両方楽しんでいただくと事件の真相に関わる人間関係や因果関係をより深く理解できると思うので……。

和田:そうですね。ぜひ両方楽しんでいただきたいです。あ、僕がコミック版で好きなところがもう1つありました。

ロクロ:えっ、なんですか? なんですか?

和田:昭和臭の漂う小ネタ。地味に好きなんですよね~(笑)。

ロクロ:ぶははッ……!! やべ……そこですか(笑)。テレビが一番元気だった時代のバラエティ番組ネタは喜んで入れていますね。逆に昭和すぎてヤングにはわからないのかもしれない(笑)。担当編集が生粋の昭和ピープルなのでネタは相談しています。

和田:たとえば、”クイズ世界はホーカイホーカイ”や、第2話から登場するリングアナのジャスト肉(ミート)里中とかね!

ロクロ:千枝は肉好きだから、肉(ミート)にしました。『ペルソナ4』だとクマが”ジャスミー”という名前を使ってたけど、また使うのもいいかなと。

『P4U』
▲第1話で描かれた皆月 翔の部屋(?)のような場所。コミック版では原作ゲームでは描かれなかった彼のバックボーンも明らかにされる予定だ。
『P4U』
▲リングアナに扮した里中千枝は、ジャスト肉(ミート)里中と名乗っているが、その正体は……?! 昭和生まれには懐かしい、某アナウンサーのネタです!!

――そろそろお時間なので、最後にお2人から読者のみなさまにメッセージを!!

ロクロ:いつも応援してくださって、ありがとうございます!! 今回はアクションに力を入れつつ、『ペルソナ』シリーズの魅力的な世界観を再現できるようがんばりつつ、夢中で描いています。自分としては、原作ゲーム『P4U2』の新キャラクター・皆月 翔の魅力が伝わるとよいなぁと思っております。単行本1巻は、前作の『P4U』をプレイしていない方でもスッと物語に入れるよう、工夫しております。ゲームやアニメで『ペルソナ4』や『ペルソナ3』を楽しんだ方はぜひ、お手に取っていただけると! そして謎の格闘大会”P‐1クライマックス”に巻き込まれた鳴上 悠たちが戦いの果てにどんな未来を手に入れるのか、いっしょに見届けてくださるとうれしいです。

和田:コミック版は原作サイドから見ても、キャラクターたちがとても魅力的に描かれている作品です。『ペルソナ』ファン向けであることはもちろんなのですが、マンガ作品としても本当に素晴らしい出来栄えだと思いますので、これからもどうぞ応援のほどをよろしくお願いします。そして僕らゲーム制作チームも、まだまだこれからがんばっていきます。2016年もアトラスをよろしくお願いします!

 2月23日発売予定の『ペルソナマガジン #2016 MARCH~』に掲載するコミック版『P4U2』特集には、2人の対談を全文掲載します。さらに斉藤ロクロ先生の描き下ろしカラーイラストも掲載!! そちらもぜひお楽しみに♪

『P4U』
▲アニメイトではコミック版第1巻を購入すると先着で購入特典のミニ色紙をプレゼント。数に限りがありますので、詳しくは店頭にお問い合わせください。

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データ

▼『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド1』
■作画:斉藤ロクロ
■原作:アトラス
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:KADOKAWA
■発売日:2016年1月27日
■価格:570円+税
 
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