News

2016年3月18日(金)

《SAO》アルファテストに参加した感想を《帰還者》に聞く? 『ソードアート・オンライン ザ・ビギニング』体験レポ

文:スズタク

 3月18日~20日にかけて、事前応募の当選者のみが参加できるイベント“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM”。その報道関係者向け体験会に参加した感想をお届けしていきます。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM

 このイベントは、川原礫先生が執筆する電撃文庫の小説『ソードアート・オンライン』に登場するVRMMO(Virtual Reality Massively Multiplayer Online=仮想現実大規模多人数オンライン)RPG《SAO》を、日本IBMのクラウドサービス“SoftLayer”を使って体感できるというもの。

 3月13日のステージイベントでも報告されたように。応募総数は10万件にも上り、当選倍率は500倍だったとのこと。

 小説で《SAO》がサービス開始になったのは2022年ですが、「実は、2016年に《SAO》のアルファテストが実施されていた」というイントロダクションをコラボレーション公式サイトで読むことができますので、まだ読んでいない人はぜひチェックしてみてください。

 それでは、このアルファテストではどのようなゲームを体験できたのか? その模様や、仮想空間で感じたことなどをレポートしていきたいと思います。

時代はここまできたのか、と戦々恐々……

 かなりのプレミアムイベントとなった“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM”に参加してきたライターのスズタクです! あの『ソードアート・オンライン』の世界を体験できるということで、楽しみと緊張で心臓がバクバクでした(笑)。

 会場に入ってまず行ったのは、VRシューズの着用。足の動きを感知できるセンサーを付けられるものです。その後、僕の3Dスキャンをするためにスキャンルームへ。今回のイベントは、参加者の身体をスキャンしてアバターを作成するというもので、これで仮想世界へリンクする準備をしていきます。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲こちらがVRシューズ。つま先の上にくっついてるのが足の動きを感知するセンサーのようです。

 3Dスキャンは、真っ白なスキャンルームで行われました。てっきりいろんな角度から時間をかけて撮影するのかと思いきや、大の字に立った姿をパシャリと数秒撮っただけで完了。これだけで3Dアバターが急速に作成されていくのですから、技術の進歩はスゴイものです。

 さて、スキャンが済んだらいよいよ《ナーヴギア》の装着です。青いキャップで髪の毛を覆った後、スタッフがナーヴギアを上からスポっと被せます。この段階では、まだ内部のレンズ越しに現実世界の風景が見えています。ヘッドマウントディスプレイを装着するのはこれが人生初だったのですが、思ったほど重量は感じられず、頭を動かして周囲を見渡してもそんなに負担にはならなそうでした。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM

 ここまで準備が整った段階で、いよいよゲーム世界へ! あ、ちなみに起動する際はもちろん《リンク・スタート》という掛け声を言いましたよ(笑)。

360°どこを見渡しても広がる『SAO』の世界。“あの動作”もしっかり再現!

 《リンク・スタート》の起動ボイスと同時に、アニメでおなじみのダイブ演出が視界いっぱいに広がります。あらかじめ設定したプレイヤー名(僕は“suzutaku”にしました)も表示され、『SAO』にログインする気分がリアルに味わえました。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲ファンなら見覚えあるであろうダイブ時の画面。

 そして、目の前の光景は“はじまりの街”に変わります。同時に、ナビゲーターの“コグ”が出現し、仮想空間での遊び方を説明してくれることに。このコグというキャラクター、見た目は青色のクリスタルのような形ですが、しっかりとしゃべります!

 しかも演じている声優さんは伊藤かな恵さん……これはもう“彼女”の原型ということなんですかね(笑)。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲はじまりの街。茅場さんがフード姿で出てくることはなかったので一安心です。

 僕が操るアバター“suzutaku”は、もちろん先ほどの3Dスキャンで作成されたキャラで、最初に手鏡でその姿を確認できました(“手鏡”というあたりも『SAO』らしさが出ててイイ!)。3Dキャラ自体のデキは……正直に言ってしまうとカッコいいものではありませんでしたが(苦笑)、これはこれでアルファテスト感が出ていてアリかなと。

 その後はコグの説明に従い、ゲーム内でウィンドウを出したり前進したりといった操作方法を学びます。そう! ここで「おっ」と思ったのですが、ウィンドウを出すには、手を胸の前から下に下げるという動作が必要で、これはまさにアニメでキリトがやっていた操作と同じ! 「《SAO》の世界に来ているんだ!!」と、ちょっと感動しました。

 前進はその場で足踏みすれば行うことができ、身体の向きを変えながら前進すれば好きな方向に移動できます。

 しばしの自由時間になってから改めて周りの光景を見てみたのですが、360°どこを見てもバーチャル世界が広がるというのは想像以上に衝撃が大きかったです。例えば家庭用の据え置きゲームを遊ぶ場合、どんなに大きなディスプレイを使用しても、現実世界の部屋の物が視界のあちこちに入ります。それが仮想世界と現実世界の境界なのですが、ナーヴギアを装着したこの時の僕は、完全に現実世界から切り離された仮想世界の中にいました。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲手を伸ばせば、3D化した自分の手が目の前に現れます。指を折り曲げたりといった細かい動作も、きちんとゲーム内で再現されました。

 もっとあれこれ見たり試したりしたかったのですが、そうこうしてる内にコグから武器がプレゼントされ、ゲームは次なる“バトル”のステージに移ります。

迷宮区で巨大ボスとバトル! 両手を使って攻撃と防御を繰り出す!!

 はじまりの街から転移結晶を使って移動した先は、なんと迷宮区! ここでは、一緒にイベントに参加したユーザー3名とともに、ボスとのバトルを体験できました。気付けば、視界の左上にちゃんとパーティメンバー分のライフゲージも表示されています。このゲージが左上というのも《SAO》らしいですね。

 大きな扉を開けた先に待ち構えていたのは、《グリームアイズ・アンセスター》。原作で74層のボスとして立ちふさがった、《ザ・グリームアイズ》の原型となるモンスターのようです。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲ボスの《グリームアイズ・アンセスター》。

 最初にボスを目にして思ったのは、「あ、これ無理だ。死んだわ」という諦めでした(笑)。情けないと言われそうですが、威圧感が本当にシャレにならないんです! 普段、ディスプレイ越しに見ているモンスターとは違い、目の前に3mくらいの怪物がいるんですよ! しかもぶっそうな武器を持って!! ゲームとはわかっていても、思わず引け腰にならざるをえませんでした……。

 とはいえ、本番の《SAO》とは違いこの時点ではまだデスゲームになっていませんので、ゲームオーバーになっても死ぬわけではありません。気を取り直してバトルに挑みます。戦い方はシンプルで、手を縦に振って剣で攻撃するか、両手を前に突き出して防御するかの2択です。

 周囲には他の参加者のアバターもいて、みんなで協力しながらボスのHPを削っていきます。夢中になるとつい手を素早く振っちゃうのですが、それだと攻撃動作が認識されないことが多いので、ゆっくりでもいいのでていねいに振るのが大事だと悟りました。

“ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM
▲防御体勢中。外野から見るとシュールな光景ですね。

 そして、バトルが大詰めになるともう1本の剣を装備でき、キリトのように二刀流で攻撃できます。プレイしてる側は二刀流で爽快に斬ってるのですが、おそらく外の人たちから見たら駄々っ子モーションに見えたことでしょう(笑)。

 さらに、ボスがひん死になるとソードスキルが使用可能に! 腕を掲げて力をためてから振り下ろすことで、ソードスキルが発動して見事ボスを討伐できました。

 ボスを倒したところでアルファテストは終了。現実世界に帰ってくると、スタッフが「おかえりなさい」と声をかけてくれました。最初から最後まで、《SAO》らしさを体験できる内容でした。

“ベータテスト”、そして2022年に正式サービスは……?

 今回のイベント、実際にプレイしたのは10~15分ほどでしたが、その短い時間に濃密で貴重な体験が詰まっていました。3Dスキャンによる自キャラの登場、見渡す限り広がる仮想空間、恐怖すら感じられそうな敵とのリアルなバトルなど、ゲームのあり方を一変させるような要素が盛りだくさんだったと思います。

 僕自身、MMORPGをやった経験はまったくないのですが、それでもアっという間に惹きこまれました。このゲームを全世界の人たちと繋がった状態でプレイできたら……と想像するだけで、興奮が止まりません。決して大げさな表現ではなく、VRのスゴさを感じることができました。

 ちなみに僕は乗り物酔いや3D酔いしやすいタイプなのですが、今回の体験をした限り、特に気持ち悪くなることはありませんでした。ナーヴギアの付け心地も悪くなく、このまま数時間遊びたかったくらいです(笑)。

 これだけ衝撃的な体験をしてしまうと、今後の動向にも期待せざるをえませんね。今後、技術の改良やゲーム内容の調整を経て、“ベータテスト”、そして2022年の正式サービス開始を心待ちにしています!

(C)2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project
(C)SWORD ART ONLINE THE BEGINNING PROJECT

関連サイト