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2016年4月28日(木)

『クラシックダンジョン 戦国』体験版をレビュー。やり込みがいのあるレトロなアクションRPGが帰ってきた!

文:まさん

 日本一ソフトウェアが、5月26日に発売するPS Vita用アクションRPG『クラシックダンジョン 戦国』。本日4月28日から、製品版にデータの引き継ぎが可能な体験版が配信開始! ということで、みなさんこんにちは。『クラシックダンジョン(クラダン)』シリーズファンのライター・まさんです。配信されたばかりの体験版のレビューをお届けします!

『クラシックダンジョン 戦国』

 自分は『クラダン』シリーズの大ファンかつ、過去シリーズの担当ライターもしておりました。もちろん過去作は全部クリアしてますし、派生作にあたるPS3用ソフト『迷宮塔路レガシスタ』も遊びました。

 『レガシスタ』の続編も楽しみに待っているのですが、まさか『クラダン』で5年ぶりの続編が出るとは思ってもみませんでした。いやー、懐かしい&ビックリですが、ものすごくうれしいです!

レトロなグラフィックで遊べるやり込み系ハック&スラッシュ

 『クラダン』シリーズを知らない人のために説明すると、このシリーズはハック&スラッシュ……つまり、ダンジョンに潜ってアイテムを集めてキャラクターを強化して、よりよいアイテムを求めてダンジョンに何度も潜って、というやり込みを楽しむアクションRPGの名作です。チマチマとキャラクターを強化することが好きな人にはたまらない内容になっています。

 PSPで『クラシックダンジョン ~扶翼の魔装陣~』『クラシックダンジョンX2』の2作品が展開していて、どちらもキャラクターをじっくり強化するのが大好きな自分は相当楽しめました。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲レトロなグラフィックも『クラダン』シリーズの特徴です。BGMはピコピコなレトロBGMの他、好みでリアルBGMに変更可能です。

 とはいえ、シリーズ間でストーリー的なつながりはまったくないので、PSP版を知らない人でも本作から楽しめますよ。そんなわけで、今回もチマチマじっくり遊べることに期待しつつ、さっそく体験版をプレイしてみましょう。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲過去作はオーソドックスな剣と魔法の世界でしたが、今作ではタイトルにもある通り和風・戦国ファンタジーな雰囲気にチェンジ!

まずはキャラメイク! 武士、妖術師、公家など戦国らしい職業を選択

 体験版では、ゲームの序盤にあたる第2章までをプレイすることが可能です。また、システムは製品版とほぼ同じ仕様ですが、鍛冶屋や転職といった一部の施設や機能には制限がかかっています。

 『クラダン』シリーズの魅力は複数あるのですが、まずはなんといってもキャラメイク。ドット絵で作られたキャラクターの外見を“おえかき”して作り替え、好きな時に好きなキャラクターでプレイできるのが特徴です。と言っても、いきなりイチから絵を描くわけではありませんのでご安心を。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲キャラクターの口調も複数のパターンから選択できます。筋肉隆々な見た目だけど口調は“びょうじゃく”にするなど、ギャップを狙うのもおもしろいですよ。

 最初にゲームを起動すると、用意されている複数のキャラクターから外見を選択できるので悩む必要はありません。外見や口調はゲーム中にいつでも変更できるので、まずは、適当にサクッとキャラクターを作ってから自分好みにエディットしていくといいでしょう。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲最初のキャラクター選択で選べる外見は男女ともに40パターンずつ。今回の舞台にあわせて戦国時代風の外見が追加されています。
『クラシックダンジョン 戦国』
▲2ページ目の外見はシリーズ経験者ならおなじみのやつですね。このツインテールがすごくいい動きをして目立つので、よく選んでいました。

 なお、職業は“武士”、“妖術師”、“公家”、“破戒僧”、“剣豪”、“商人”、“陰陽師”の7つの基本職業から選べます。最初は直接攻撃でサクサク戦えてステータスも平均的で扱いやすい“武士”あたりを選ぶのがおすすめ。

 もちろん、どれを選んでもクリアできなくなる、なんてことはありません。体験版では転職ができませんが、複数キャラクターを作成できるのでいろいろな職業でキャラを作ってみてください。仲間をたくさん作っておくといいことがありますよ。

 そんな風にいろいろいじりながらキャラクターを作ると、いよいよ物語が始まります。本作の舞台は戦国時代。何かがあって死んでしまった主人公であるプレイヤーは、記憶を失って“魔の開かず(まのあかず)”と呼ばれる異界に来てしまったようです。

 自分を助け起こしてくれた“ゆきむら”と名乗る人物に導かれ、悩める魂を解放するためにダンジョンへ潜ることに……というのが簡単な序盤のあらすじ。“転移の岩”からダンジョンに潜れば、本格的な『クラダン』の始まりです!

『クラシックダンジョン 戦国』
▲戦国時代というとシリアスな物語に感じるかもしれませんが、いつもの『クラダン』らしい脱力感あふれるテキストは健在。バカバカしくて、クスリと笑えます。
『クラシックダンジョン 戦国』
▲戦国時代にちなんだ歴史ネタもちらほら。歴史好きな人も楽しめるかもしれませんね。

手ごわい敵がひしめくダンジョン。戦って逃げて出口を目指せ!

 本作は、いわゆるローグライク系のアクションRPG。ダンジョンに潜ってランダムで手に入るアイテムを探しながら、奥へ奥へと進んでいくタイプのゲームです。ランダムダンジョンに潜り、ひたすら戦うのが最終的なやり込み要素になりますが、本編はランダムではなく構造が決まった迷宮を1フロアごとに攻略していく形になっています。

 フロアをクリアするたびに拠点に戻れるので、体験版の範囲だとそこまで難しくはありません。物語を楽しみつつ、操作や基本をしっかり覚えちゃいましょう。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲ゲームの基本を教えてくれるチュートリアルダンジョンもあるので初めての方も安心。操作自体はとても単純なので、誰でも簡単にプレイできます。
『クラシックダンジョン 戦国』
▲攻撃すると前に進んでしまってダメージを受けてしまうことや、ワナをジャンプで飛び越せること、スライディングで移動して敵をやりすごせることなど、本作独自のポイントをチュートリアルで身につけましょう。

 体験版から初めてこのシリーズを遊ぶ人もいると思いますから、1つだけアドバイスを。本作では、慎重なヒット&アウェイを心がけるのが基本です。たとえば、武士なら連続で3回攻撃できますが、3回目は相手のほうに移動してしまうので2発で止めて距離をとることが重要。相手が攻撃した直後を狙って再度近づいてから攻撃するなど、ダメージを受けないように慎重に立ち回りましょう。

 ダンジョンの奥へ奥へと進んで、出口から出ればクリアとなります。どうしても倒せない敵がいる場合は、無視して進んでしまうのも1つの手。チキンな戦法と言われようがいいのです。

 ただ、ボスモンスターなど一部の敵は必ず倒す必要が出てきます。力尽きても経験値とお金は半分手に入るので、何度でも再挑戦すればいつか勝てます。何度も挑戦してボスに勝てた時は喜びもひとしおです!

 通常より難しいEXダンジョンも2章まで解放されますが、体験版ではそこまで苦戦することはないと思います。遊べば遊ぶほど期待通りの『クラダン』なので、早くランダムダンジョンを遊びたくて仕方ない! そこは製品版までガマンです。

仲間が多いほど強くなる“魔装陣”でキャラクターを強化しまくれ!

 最初の迷宮をクリアすると、ゆきむらが“魔装陣”というシステムを教えてくれました。これは『クラダン』シリーズ最大の特徴であり、他にない独特な要素。育成が好きなら人なら絶対にハマるシステムなんです。

 かいつまんで説明すると、魔装陣とは“仲間を装備して強化する”ようなシステムです。仲間たちを魔装陣に配置していくことで、操作キャラクターを強化できます。ダンジョンで戦うキャラクターは操作キャラクターのみですが、魔装陣にキャラクターを配置すると仲間(家臣)と一緒にダンジョンへ潜れて経験値ももらえるので、安全に育成することが可能です。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲職業ごとにさまざまな魔装陣が存在。魔装陣の種類によって強化される能力の傾向も変わるので、目的やダンジョンに応じて切り替えていくのが勝利の秘訣です。

 ダンジョン内で仲間たちと操作を交代することはできませんが、配置した方向から来た攻撃を肩代わりしてくれます。魔装陣に仲間を配置しておけば、仲間がいる限りプレイヤーキャラクターはダメージを受けません。もちろん、仲間たちのHPが0になると力尽きて離脱してしまいますが、単純に仲間の合計HPの分だけ体力が増えると考えていいでしょう。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲仲間が多ければ多いほどHPの合計も増加。なので、たくさんキャラを作成したほうがいいのです。魔装陣に配置した仲間も経験値がもらえるので、戦わせなくても自然に強くなっていきます。

 さらに、魔装陣には“アーティファクト”というアイテムを配置できます。これは“真名(マナ)”と呼ばれるポイントを使って配置して、キャラクターを強化できるアイテム。HPや攻撃力などを増やせるので、より強いアーティファクトを置くことが強化のカギになります。

 アーティファクトは自由につけはずしできるので、仲間とアーティファクトをどのように配置するかで頭を悩ませるのが『クラダン』のおもしろいところでしょう。同じアーティファクトでも装備ボーナスが異なるので、レアな物を求めてダンジョンに潜り始めると止まらなくなりますよ!

『クラシックダンジョン 戦国』
▲レベルアップで新たな魔装陣を習得! 強い魔装陣には当然強力なアーティファクトを置きたいので、またダンジョンに潜って探して、というハクスラのサイクルがたまりません。

 体験版では制限されていますが、転職して魔装陣を集めていくのも楽しいです。転職するとレベルが1に戻りますが、育てた分の魔装陣や技、魔法、ある程度の能力値をそのまま引き継ぐので、魔法で回復しながら突き進む武士や、直接攻撃も得意な妖術師なども作れるのです。

 レベルが1になったキャラクターは、仲間を切り替えて強いキャラクターの家臣として連れていけば、安全に経験値を稼げます。転職して育てなおす、という感覚が薄いのもいいところ。そうやってガンガン強化していくのが気持ちいいんです。

 なお今作では、1作目にはあったものの『X2』では搭載されなかった通信プレイ要素が復活しています。体験版でも対戦・協力プレイのステージがいくつか遊べますので、友だちと一緒に遊ぶのもおすすめです。

製品版に備えて、自分だけのキャラクターをドット絵で作っちゃおう!

 『クラダン』シリーズでおなじみの“キャラクタークリエイト”。本作では、自分が使うキャラクターの絵をドットで自由に“おえかき”して反映させられます。ベースとなるドットイラストからいじってもいいですし、自分でイチから描いてもいいですよ。

 キャラクターだけではなく、武器や防具の見た目も変えられるようになっています。変更した見た目は“おえかき”の称号がついた装備品に反映できます。自分で考えた最強(な見た目の)武器を持ってダンジョンに潜るのも楽しいです。

 さらに今作では、おえかきしたドット絵を画像データとして保存・読み込みすることが可能になりました。アドホック通信でのデータの受け渡しなど、自作したデータのやり取りがしやすくなっています。体験版でもこの機能が使えますので、活用して『クラダン』仲間を見つけちゃいましょう!

『クラシックダンジョン 戦国』
▲絵心がなくても、既存のキャラクターをちょっといじるだけで、オリジナルキャラクターっぽく作れちゃいます。

 どうしてもキャラのアイデアが浮かばない! という時は、自分の好きなキャラクターをモデルにしてみるといいですね。ちなみに、公式サイトでも日本一ソフトウェアの『ディスガイア』シリーズや『魔女と百騎兵』のキャラクターなどのコラボキャラクターデータが続々配信される予定です。

『クラシックダンジョン 戦国』
▲こちらはすでにコラボが発表された日本ファルコムのRPG『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』の主人公、アドル・クリスティン! 赤毛の冒険家が戦国の地に降り立つ!?

 キャラクター作りは凝りだすと止まらなくなりますが、製品版の発売まではまのあかず……ではなくて、まだ間があります。いろいろドット絵をいじりながら、発売に備えておくのもいいでしょう。

じっくり長く遊べるアクションRPG好きにおすすめです!

 体験版で遊べるのは2章までとなりますが、キャラクタークリエイトや魔装陣など、『クラダン』のおもしろさを存分に楽しめる内容となっています。ですが、ぶっちゃけた話、クリア後が本番と言えるほどやり込み要素のあるシリーズなので、体験版では魅力の10分の1くらいしか味わえないかもしれません。

 転職などのおなじみのシステムや、築城や目安箱といった『戦国』からの新要素は製品版までお預けですが、体験版を遊んでキャラクリエイトやハクスラにはまった人なら、間違いなく楽しめるのではないでしょうか。体験版のセーブデータは製品版に引き継げますし、体験版をじっくり遊んで5月26日の発売日までお待ちください!

『クラシックダンジョン 戦国』
▲最後に小ネタを紹介。意外と見落としやすいですが、拠点にある富豪の家で本を調べると、敵の図鑑やEXダンジョンで魂を解放した武将の図鑑を参照できます。
『クラシックダンジョン 戦国』
▲図鑑を埋めたり、強いアイテムを探したりと、ストーリーを楽しむゲームというよりも、じっくり好きなペースでやり込めるのが『クラダン』のいいところではないでしょうか。

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