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2016年10月29日(土)

『シャドウバース』公式ライターKuroebiさんが読者の投稿デッキをズバッと評価

文:Kuroebi

 サイゲームスが配信中の人気カードゲーム『Shadowverse(シャドウバース)』。本作の公式サイトでコラムを執筆中のトッププレイヤー Kuroebiさんによる電撃コラム第3回をお届けします。

『Shadowverse(シャドウバース)』

 今回は、事前に募集した読者のデッキをKuroebiさんに評価していただきましたのでご紹介します。

※デッキ募集から記事掲載までに約2週間の時間差がございます。当時と現在では、状況が異なる場合がございますので、ご了承ください。

第3回:kuroebiがデッキを評価します!

 短い募集期間にも関わらず、50人を超える読者様から応募をいただき、誠にありがとうございます! 今回は、その中から5名の方のデッキをピップアップして評価を行っていきたいと思います。

●iraさん
デッキタイプ:コントロールヴァンパイア

『Shadowverse(シャドウバース)』
『Shadowverse(シャドウバース)』
▲好きなカードはクイーンヴァンパイア。

【iraさんのコメント】

 Master帯最大9連勝、勝率は10/13、現在60%程度、参考試合数は70戦程度のコントロールヴァンパイアになります。

 アグロヴァンパイア以外には見られることが少なかった“吸血鬼の古城”をコントロール型に加えて、コウモリ展開とバーンダメージを軸にしてみました。コントロールヴァンパイアは高い性能の反面に自傷をしていくカードが多く、今の環境に疾走ビショップが多いことから、自傷を少なく、ダメージを与えておけることがこのデッキの強みです。勝ち筋が複数あるのも、使い勝手のよさに繋がると信じています。

 苦手デッキはセラフビショップと冥府エルフ、超越ウィッチ。得意デッキは疾走ビショップ、ロイヤル系全般だと思います。しばらくこのデッキを使っていき、よりよいデッキの構築を目指してみようと思います。

【kuroebiコメント】

 最近の攻撃的なヴァンパイアで多く用いられる“フォレストバット”戦略に着目したコントロールデッキということで興味深い一品です。マスターランク帯での勝率を見ても、ご自身でデッキの質の高さを証明されていて素晴らしいですね。

 苦手デッキとして挙げられていた3種については、デッキの性質上、効き目の薄いカードや高コストのカードが多く投入されていますので、不利を覆せないのは仕方なく思います。

 相性改善を行うのであれば、ウィークポイントにメスを入れ、より早く勝ちに行く構成にシフトする必要がありますが、これまで得意としてきたデッキに対して勝率が落ちてしまう変更となるので、難しい問題です。マスターランクでさらに勝利を積み重ねるために、その時々のデッキの流行に敏感に対応していく必要があると思います。

 これからは日々、どのデッキに勝ちたいかを強く意識してデッキの微調整を行ってみてください。ご活躍を期待しております。

●カンナさん
デッキタイプ:超越ウィッチ

『Shadowverse(シャドウバース)』
『Shadowverse(シャドウバース)』
▲好きなカードは“マーリン”。

【カンナさんのコメント】

 超越を軸として、フィニッシャーを“ルーンブレードサモナー”と“フレイムデストロイヤー”の2枚採用。超越が軽くなるまでがつらい……。

【kuroebiコメント】

 超越ウィッチは“スペルブースト”を持つカードをいかに、強力に運用していくかがカギとなります。そのためには低コストのスペルカード、とくにカードを引くことができるカードを多く採用する必要があるのですが、カンナさんはその部分を大胆に削っているために、恐らくスムーズにスペルブーストが行えず、“次元の超越”のコストが下げづらくなっているのかな、と感じました。

 また、“ルーンブレイドサモナー”はスペルブーストで強化されていく強力なカードではありますが、“次元の超越”のコストが下がりにくい状況ではうまく運用するのが難しいカードです。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲スペルブーストで攻撃力と体力が増加する“ルーンブレイドサモナー”。

 これらを活かすためにも低コスト帯のスペルを充実させて、今よりもしっかりスペルブーストをするという方向に舵を切ってみるのはいかがでしょうか? お気に入りのカードたちを強く使えるチャンスも増えていくと思いますので、ぜひご検討ください!

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲自分のターン終了後、相手ターンをすっとばして自分のターンを続けて行うという、強力の効果を持つ“次元の超越”。

●サンアールウモハチさん
デッキタイプ:ニュートラルデッキ

『Shadowverse(シャドウバース)』

【サンアールウモハチさんのコメント】

 もともとカードが不足していて、まともにデッキが組めないクラスのミッションをどう切り抜けるか? という悩みがありました。そこで、どのクラスでも運用可能なニュートラルのみを使ったデッキを作ろうと思いました。

 しかし、展開力やスピード、カードパワーでは他のクラスにどうしても劣ってしまうので、どうすれば勝てるのか? と考えたとき「ひたすら守って“サタン”出せば勝ちじゃない?」となり、この形になりました。

 ただ、どうしても10ターン目以降でしか勝てないので、セラフビショップ、超越ウイッチに対しての勝率がめちゃくちゃ悪いですが、守りきりさえできればそこそこの戦績は望めます(Bランク帯での話ですが……)。

 一応、メタ対策で“エンジェルバレッジ”、“ガーディアンゴーレム”や“死の祝福”などの横に並ぶ守護持ちに対して“ハンプティダンプティ”などをそれぞれピンでさしております。

【kuroebiコメント】

 まずニュートラルデッキというアイディアが素晴らしい! カード資産不足をこのようなアプローチで補っていくという発想に感銘を受けました。ニュートラルだけを扱ったデッキということで、必然的にデッキに投入できるカードは限定されますが、現在のデッキに含まれていないけどぜひ投入したい候補カードが“ファイター”です。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲“ファイター”2コストで攻撃力2、体力2で非常に扱いやすいカードです。

 時間を稼ぐことをメインに据えるのであれば、できる限り相手の速度と同等に展開しつつ、相手のフォロワーと相打ちが取れるフォロワーが欲しいところです。また、投入されているフォロワーの攻撃力があまり高くないため、進化ポイントを惜しまず使う必要があると思いますが、そのコンセプトを強化するためにも疑似進化として“ガブリエル”は一考の余地がありそうです。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲味方フォロワーの攻撃力+4、体力+3する“ガブリエル”。

 これからもニュートラルデッキ愛を貫いてください!

●ラルドさん
デッキタイプ:疾走ビショップ

『Shadowverse(シャドウバース)』

【ラルドさんのコメント】

 名の通り疾走をメインとして使います。序盤は“詠唱:白翼への祈り”や“詠唱:獣姫の呼び声”を優先的に、他のフォロワーを展開していき、相手リーダーにダメージを与えていきます。中盤は相手のフォロワーを除去しながらカウントダウンを出していきます。

 終盤は“死の舞踏”“天空の守護者・ガルラ”“デモンストライク”などで、序盤~中盤に減らしておいた相手リーダーの体力を一気に削り取るという動きです。セラフ(封じられし熾天使)や“サタン”は、悪い状態で終盤になった時にもう一つの勝ち筋として入れてます。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲好きなカードは“天界の忠犬”。

【kuroebiコメント】

 疾走ビショップは現在最も使われているデッキの一つで、手札が揃えば序盤から誰も止められないような激しい攻勢に出られるのが魅力です。一方で序盤から上手く展開できないと一気に不利になってしまうのは攻撃的なデッキのお約束。

 ラルドさんのデッキは苦悩の跡が見て取れ、疾走ビショップの長所である即効性のある攻撃的な部分を伸ばすのではなく、ロングゲームになった時でも勝てるように弱点を補うような調整がされています。

 しかし、疾走ビショップのデッキコンセプトである、相手にスムーズに20点ダメージを与えて倒す、という目標からむしろ遠ざかるカスタマイズとなっているのが気になりました。序盤に引いた“サタン”や“封じられし熾天使”は、直接負けの原因につながります。

 また、これらを投入するために、“詠唱:獣姫の呼び声”のような相手を倒すためのカードが減っていて、むしろ総合的には勝ちにくくなっているのではないかと感じました。このデッキの強み、そして弱みは何なのか、もう一度整理してみるとよいかもしれませんね。

●シュウさん
デッキタイプ:竜呼びの笛ドラゴン

『Shadowverse(シャドウバース)』

【シュウさんのコメント】

 単純に速さとおもしろさとロマンを詰め込んで作りました。基本的に“ヘルフレイムドラゴン”の自爆特攻で処理して、そこを“ダークドラグーン・フォルテ”や“連なる咆哮”を使って突破する感じです。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲好きなカードは“サタン”。

【kuroebiコメント】

 “竜呼びの笛”を使ったデッキは、今回の企画でかなりの数の応募があったのですが、その中でもとくに目を引いたのがシュウさんの構成でした。

 カードを引くためのカードが多く採用されており、“竜呼びの笛”を引いた後も有効活用できるようになっています。また、序盤を凌ぐためのカードとして防御的なカードが多数投入されています。

 “ドラゴンライダー”や“古の飛竜”は優秀なフォロワーですが、覚醒するまで時間を稼ぎ、そして“竜呼びの笛”に繋げるというコンセプトにはあまり合致しません。ここは“ユニコーンの踊り手・ユニコ”などの即効性のある防御フォロワーへの変更が望ましいでしょう。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲“ユニコーンの踊り手・ユニコ”は毎ターン、体力を2回復。
『Shadowverse(シャドウバース)』
▲“ファイアーリザード”は場に出した際、相手のフォロワー1体に1ダメージ与える。

 また、“ワイルドハント”は強力な除去スペルですが、この構成では相手のフォロワーにダメージを与える手段に乏しく、使いづらい印象があるため、直接ダメージを与える“ファイアーリザード”や“鉄鱗の竜人”といったフォロワーも採用する価値があると思います。

『Shadowverse(シャドウバース)』
▲“鉄鱗の竜人”は、場に出た際、味方に進化フォロワーがいるなら相手のフォロワー1体に1ダメージを与える。

 フィニッシュ手段として用意された“連なる咆哮”は非常に渋い、よい選択です。ただ早い段階で2枚引いてしまうリスクを避けるために1枚に抑えたいところ。これだけ潤沢にドロー手段が用意されていれば難なく引けるだろうというのも、その考え方の後押しとなります。

 空いたスペースには、さまざまなデッキに勝ち切るカードとして重ね引いても強い、頼もしい存在である“ダークドラグーン・フォルテ”の追加投入が適切でしょう。もしくは、シュウさんお気に入りの“サタン”でもよいと思います! これからもロマンを追い求めていきましょう!

 今回は5名の方のデッキを評価させていただきましたが、応募していただいたどのデッキも製作者の方の意気込みが伝わってくる評価しがいのあるデッキばかりでした。どれを選ぶか非常に悩ましかったです。ご応募ありがとうございました!

 それではまた次回お会いしましょう!

●kuroebi

『Shadowverse(シャドウバース)』

 ゲームライターおよび解説者。デジタルTCGのプレイヤーとして数々の成績を挙げ、現在は主にWEB実況配信における解説者として活動。アジア大会などさまざまな大会で解説を行ない人気を博する一方、動画解説記事の執筆も手がけている。シャドバで好きなクラスは、スペルが強力なウィッチ。

 サイゲームス『シャドウバース』公式コラムはこちら。

・コラム第1回目の記事はこちら⇒『シャドウバース』公式ライターKuroebiさんのコラム第1回。初心者向けのクラス紹介

・コラム第2回目の記事はこちら⇒『シャドウバース』公式ライターKuroebiさんのコラム第1回。初心者向けのクラス紹介

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データ

▼『Shadowverse(シャドウバース)』
■メーカー:Cygames
■対応端末:iOS
■ジャンル:TCG
■配信日:2016年6月17日
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『Shadowverse(シャドウバース)』
■メーカー:Cygames
■対応端末:Android
■ジャンル:TCG
■配信日:2016年6月17日
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『Shadowverse(シャドウバース)』
■メーカー:Cygames
■対応機種:PC
■ジャンル:TCG
■配信日:2016年8月22日
■価格:基本無料/アイテム課金

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