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2016年7月28日(木)

SIEJAデピュティプレジデントの織田博之氏に中国での“PS VR”や『FFXV』の展開について聞く【ChinaJoy】

文:電撃PlayStation

 現在中国で開催されている“ChinaJoy(チャイナジョイ)2016”。現地で行われたSIEのプレスカンファレンス後に、SIEJAデピュティプレジデント(アジア統括)の織田博之氏に、発表内容についての質問を行った。

『ChinaJoy』
▲織田博之氏。
『ChinaJoy』
『ChinaJoy』
▲中国でも10月13日に発売されることが公開になった“PS VR”。

――すでにローエンドのVRは、中国でもかなりVR映像なども多いと思うのですが、今回世界同時発売のハイエンドのPS VRを出すことについて、手ごたえや可能性についてどう思いますか

 プレゼンで紹介しましたが、中国のローカルでVRコンテンツを作られているデベロッパー様とそれを売ろうとするパブリッシャー様が非常に多いんです。ほかの地域と比べても前のめりでVR市場に参入してきています。それはデベロッパー様だけでなく、一般ユーザーの方々も優れたVR体験を望んでいるのを肌で感じて、世界同発に向けて一生懸命進めています。

――PS VRは日本以外のアジアでも展開すると思っていましたが、一番最初に中国で発表した理由は?

 PS4を昨年中国で発売しまして、タイミングは遅かったのですが、PS VRにたいへん興味を持っていただいてる中国のお客様に喜んでもらうために、世界同発というコミットメントと、私としては思っています。

――台湾や韓国よりも重視している?

 これはどの地域が重視というものではありません。中国は、ほかのアジアの地域と比べてタイトルが多く出せない状況のなかで、熱心に待っているお客様にまずはメッセージをお届けしたいという気持ちです。

――アジア全域同時発売と考えてよろしいのでしょうか?

 それは改めて発表させていただきます。

――ローンチタイトルについてはどうですか?

 最終的にはまだ決まっておりませんが、会場では14タイトルほど遊んでいただけます。もちろん開発のチューニングなどもありますが、発売日まで2カ月以上あるのでなるべく多くのタイトルを皆様にお届けできたらと思います。

――中国とグローバルでは異なる内容になる?

 センサーシップがあってまったく同じものにはならないと思います。逆に中国ローカルのタイトルは、中国のお客様にまず楽しんでいただける、ということもあるかもしれません。

――今回発表したタイトルのなかにローンチタイトルに含まれるものはありますか?

 含まれるものもあるかと思います。

――地元のサードパーティのサポートは?

 海外の作品をパブリッシュする際に我々の力だけではなく、中国のローカルのパブリッシャー様の力をパートナーとしてお借りできたことを心強く感じています。『ザ・キング・オブ。ファイターズ XIV』もそうです。そのような活動は今後も力を入れていきたいですね。

――“China Hero Project”は、中国のインディーとかかわっていくなかで、どのように育てるのか。日本やアメリカとの育て方の違いを教えてください

 日本とアメリカもコンソールゲームで20年ぐらいの歴史がありますが、中国向けのコンソールゲームを作ったことがないデベロッパー様も多い。ファンディングだけではなく、技術支援とか、コンソールゲームならではの作り方、エンジンを提供してくれるEpic様やUNITY様など、我々だけでなくいろいろなパートナーと一緒に、これからPS向けに開発していただけるデベロッパー様を支援するというスキームです。我々も重視しているプロジェクトです。

――シリコンスタジオなど日本のメーカーも入ってきていますが、日本の企業にもチャンスを与えている?

 チャンスということではなく、そういう取り組みをやると伝えたらぜひ一緒にやらせてほしいという企業が多く助かっています。

――VRのセンサーシップは通常のゲームと違いますか?

 今のところ大きな違いがあるとは聞いていません。ただVR専門のセンサーシップがないらしいです。完成版のゲームをプレイしてチェックして直すというプロセス、それを審査するのも同じなので、逆にゲーム以上に複雑なことはないと思います。

――センサーシップのプロセスは以前のようなイレギュラーさはないと感じていますか?

 プロセスは変わっていないと思いますが、お互いがお互いの顔と名前がわかってきました。ちゃんと向こうもコントロールできているのかが肝心なのです。我々があまり酷いことをしないとか、コントロールしていないようなコンテンツの持ち込みをしないということを一年半やり続けているので、信頼関係が上手にできているのが大きいかなと感じています。ただプロセスは大きくは変わっていません。

――中国市場でオリジナルモデルのPS4が多くデザインされていますが、『FINAL FANTASY XV(以下、FFXV)』もあるのでしょうか

 これはまだ発表できません。

――中国の3DCG映画スタジオの開発力が高まって来ています。去年は西遊記などが出てきて興行成績も高い。PS4のスマートTV的な役割で、PSネットワークの映像コンテンツの充実化についてはどうお考えですか

 これも重要な宿題だと思っています。コンテンツに関して、ビデオサービスをPSで提供できるかというのを継続で勉強しています。ご存じの通り中国にはいろいろな規制があるので、我々ができるのかどうかも含めて勉強しています。

――グローバルでは『FFXV』の体験版を公開していますが、それは中国ではどうなるのでしょうか

 既に『FFXV』に関してはグローバルと同じタイミングで公開しています。

――反応に関してはどうでしたか

 非常に期待が高いです。

――発売を正式発表する前に体験版だけ展開していた?

 基本的には発売する方向で、早いタイミングで中国を含めてとスクウェア・エニックス様もおっしゃっていただいたので、あとはいつかというだけだと思います。

――昨年発表した『FINAL FANTASY XIV』はいかがでしょうか

 こちらはまだ正式サービスインしていません。これも継続して、中国のパブリッシャー様と進めていきたいです。

――海外や日本のタイトルが中国で展開していると感じました。中国発のAAAクラスタイトルの開発などは進んでいるのでしょうか

 これはトレイラーで発表した『NeverWinter Online』。コンソールでもMicrosoft様が先に出してますが、PS向けのサービスインが決まりました。実は中国ローカルのデベロッパー様の開発力もすごく高まっていて、PSでヒット作品を独占とまでは言わないまでも開発いただきたいと話しをしているところです。

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