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2016年9月17日(土)

『ラファンドール国物語』リエンは“弱い”主人公? 音楽×RPGの魅力を野島一成氏らが語る【TGS2016】

文:あべくん

 9月15日~18日にかけて開催中の“東京ゲームショウ2016”に出展しているワーナーミュージック・ジャパンブースでは、音楽とストーリーが融合する新しいエンターテイメント作品『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』の展示が行われています。

『ラファンドール国物語』

 同ブースで、本作のシナリオ・脚本を手掛ける野島一成氏と、ストーリー原作・作詞・作曲を手掛けるシンガーソングテラーの矢内景子さんから、本作についてのお話を伺うことができましたので、その内容をお届けします。

『ラファンドール国物語』
▲野島一成氏と矢内景子さん。

 また、ブースではCDの配布も行われています。本作の楽曲や世界観に興味を持たれた方は、ぜひ足を運んでみてください。

 なお、本作は公式サイト内の“記憶の断片”に掲載されるとのこと。楽曲『約束』も視聴できますので、あわせてお楽しみください。

●『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』とは?

 本作は“音楽×RPG世界観 -音で紡ぐファンタジー作品-”と題した、音楽とストーリーが融合する新しい形のエンターテインメントファンタジー作品です。物語は毎週インターネット上で更新され、ストーリーと音楽を豪華声優陣が盛り上げます。

 近年、業界の枠を超えたゲーム業界との音楽コラボ施策に力を入れてきたワーナーミュージック・ジャパンが取り組む、新規大型プロジェクトとなっています。

 ストーリー原作・作詞・作曲を矢内景子さんが、サウンドプロデュースは、近谷直之さんが担当。またシナリオ・脚本は『ファイナルファンタジー』シリーズや『キングダムハーツ』シリーズなどのシナリオや脚本を数多く手掛ける野島一成さんが担当しています。

 豪華声優陣として、主人公・リエン役を花江夏樹さん、その妹のトレスタ役を日岡なつみさん、謎の少女・シェルシュ役を福島亜美さん、アイソル役を梅原裕一郎さん、ブライ役を浪川大輔さん、狂気の男・ネブラエス役を鈴木達央さん、ラウラ役を本多陽子さん、エマ役には人気歌い手のろんさんがゲスト参加。

 そしてリエンとトレスタのお母さん・ベネッタ役を俳優の夏木マリさんが務めます。

●動画:「約束」~『SHADOW OF LAFFANDOR ラファンドール国物語』~

――音楽とストーリーが融合する新しい形のエンターテインメントになるということですが、そもそも、どういった物語が展開するのでしょうか?

矢内景子さん(以下、敬称略):物語としては“光と影”、その二面性を表現したストーリーになっています。光と影という2種族が統治していた世界があって、その2つの種族が1つになることで人になることを選んだ、というのがラファンドールという国の成り立ちになります。

 それは言い伝えとして、おとぎ話のように後世に伝わっているのですが、国では“フォージュ”という病気が蔓延していて、フォージュにかかると人から影が抜けてしまい、最終的には死んでしまうのです。ですので、言い伝えは本当なのではないかと皆が思い始めています。

 そうした世界において、主人公のリエンはさびれた村で妹と母と一緒に住んでいるのですが、突如村が何者かに襲われ、逃げ込んだ森のなかで妹のトレスタがフォージュにかかってしまいます。ですのでフォージュから彼女を助けるため、その解決方法を探す旅に出る、というのが物語の大筋です。

 この旅のなかでリエンは、ラファンドールの歴史や秘密と向き合いながら、自己とも向き合っていく。そういったなかで光と影と向き合う、というのがこの物語の核となります。

『ラファンドール国物語』
▲リエン・マキュール(声優:花江夏樹)。
『ラファンドール国物語』
▲トレスタ・マキュール(声優:日岡なつみ)。

野島一成氏(以下、敬称略):光と影に象徴される二面性の対立。矢内さんからそういったものを最初からテーマとしていただいていたので、それが色濃く出るようなシナリオにしました。

――現時点でもかなりの数のキャラクターが登場していますが、今後も増えていくのでしょうか?

野島:そうですね。

矢内:まだまだ数は増えていきますが、現時点で登場している人物を深く掘り下げるような形になると思います。

――現在公開されているキャラクターですと、エマ以外からはわりと暗い印象を受けるのは気のせいでしょうか……?

野島:(笑)。それはよく言われますね。これがゲームのRPGでしたら、もっと明るい雰囲気のキャラを登場させるなどするのですが、本作ではわりと一つの方向に集めています。動き始めると、ものの考え方がそれぞれ違うので個性はちゃんと出るのですが、たしかにキャラの方向性としては同じかなと思います。

『ラファンドール国物語』
▲エマ・リドル(声優:ろん)。服装と髪の色でどことなく明るい印象を受けます。

矢内:そうですね。そもそも人って、好きな面や嫌いな面というか「自分なら絶対にこういう行動はしないハズなのに」といった面がありますよね。二面性の周りに隠しているほうの面と自分自身がどうやって向き合っていくかに重きをおいているので、若干暗くなるのかなと思います。

野島:僕たち2人とも、影属性が強いしね(笑)。

矢内:そうですね。私も影属性が強いし、野島さんも影よりですよね(笑)。

野島:「飲みに行こうね」って言われたら「うん」って答えるし行ったら行ったで楽しいんだけど、行く前に「夕方、家出るのいやだな」と少し思ったり(笑)。

――なんだかお2人とも、息ピッタリですね! 本コンテンツは毎週連載ということですが、1話ごとのボリュームはどれほどなのでしょう?

矢内:東京ゲームショウの会場で第1話を公開中なのですが、短いもので1分ぐらい、長いものですと3分以上ですかね。サクッと楽しめるボリュームですが、1カ月に1度ですとユーザーさんも飽きてしまうかと思いますので、毎週話が進むようにしています。

――第1話はフルボイスのようですが、毎回フルボイスでの展開を?

矢内:はい。声優さんはオーディションではなく、キャスティングでお声掛けさせていただきました。私のほうで「この声優さんの声でお願いしたい!」という方をチョイスさせていただきまして。

――声優さんは本作について、どのような反応をされましたか?

矢内:お願いをした当初はお断りされるかなと思っていたのですが、皆さん快諾してくださいました。「ゲームではなく、音楽プロジェクトなんです」ということで、音楽で新しい形を築いていきたいということや世界観だったりをきちんと説明させていただきました。

 それに共感というか、新しい風のようなものを皆さん感じてくださったようで、非常に協力的に取り組んでいただき、大変感謝しています。役作りにおいても初日から「このように考えてきたんですが、このキャラってこうですよね」と言ってくださる方もいましたね。

――作品全体のテンションについてはいかがでしょう? たとえばコメディタッチのお話などは用意されているのでしょうか?

矢内:いわゆるコメディ回のようなお話はないですね。かなりシリアスな物語が展開していきます。それと回を重ねて同じようなシーンが出てきたとしても、同じ音楽は一切使いません。楽曲は毎週、シーンごとの書き下ろしですので、そういった部分で浮き沈みはつけるようにしています。

――楽曲も毎週書き下ろしなんですね。

矢内:はい。野島さんが出してくれた情景などがすごく美しいので、それをセリフだけでなく正しく表現するために全方位的に取り組もうと考えました。音楽もそうですし、声優さんの演技もそう。さまざまな形で魅力を伝えられればと思います。

 物語についても、お話に出てこない部分も含めて「このキャラはこんな時は、こうしちゃうんです」と説明したものを、野島さんがすごく汲んでくださっているので、そういった部分も追っていただけるとより楽しめるのではないでしょうか。

『ラファンドール国物語』

――ちなみに物語としては、リエンの視点を中心に展開していくものになるのでしょうか? トレスタとそっくりの謎の少女・シェルシュの存在も気になります。

野島:視点についてはそうですね。リエンを中心に物語が進みます。

矢内:シェルシュについては……まだ謎のままにしておいてください(笑)。ちなみに公開中の“「約束」”では、象徴的な部分を描き出しています。なぜ動画のようなことになるのかは、次第にわかってくると思います。

『ラファンドール国物語』
▲シェルシュ(声優:福島亜美)。

――序盤の展開や各キャラがどのように物語にかかわっていくのかが気になりますね。

野島:基本的には、リエンが出ずっぱりではありますが、いろんなキャラが満遍なく登場しますよ。登場するシチュエーションでもちろん違いはありますが。

――彼らがどのように物語を紡ぐのかが楽しみです。本作のジャンルは“音楽×RPG世界観 -音で紡ぐファンタジー作品-”ということですが、具体的にはどういった世界観なのでしょう? 魔法が登場したりするのでしょうか?

野島:魔法ではないんです。何て言ったらいいのかな。僕としては、“ファンタジー”といった時に思い浮かべるような世界観と言いますか。

――魔法だったり、魔物といった世界観ではないということですか?

矢内:呪文があってこれを唱えると、といったようなことはないです。ただ、不思議な力を使える人はいます。不思議なものがあったりもします。魔物が住んでいたりもします。

――戦争の話だったり?

野島:なんでしょうね。長い戦争の後の話です。なんで戦争をしていたかも思い出せないくらい昔に戦争があって、それが終わった状態があたりまえになっている。そんななか「ちょっとずつ様子がおかしくなってきたぞ」という世界で生きている、少年少女の話です。

『ラファンドール国物語』

――歌が付いた楽曲もどんどん登場してくるのでしょうか?

矢内:通常の楽曲は毎週更新で、歌付きの曲は1カ月に1回を予定しています。歌は、象徴的なシーンにおけるキャラクターの心情だったりするんです。歌詞や歌は「こういう時に人はどう思うんだろう」というような、たとえばリエンの歌だったら、リエンでなくても彼に心を重ねられるような歌になっていると思います。

――まだ始まったばかりではありますが、今後いろいろな形での展開を考えられているのでしょうか?

矢内:そうですね。音楽を中心に、いろいろな展開を多方面にしていきたいです。ゲームにもしたいですね。

――実際にゲームのRPGとして出しても、問題なく楽しめる作品になりそうですね。

野島:大丈夫だと思いますよ。ただリエン、全然強くないからなあ。

矢内:リエンには強くなってもらわないとですね。ただ敵が強すぎますよね。

野島:リエンは全然腕っぷしが強くないし、気持ちもそんなに強くはないので困るんですよね。「本当にこの子は」という感じで(笑)。

矢内:このお話に対して野島さんは「ゲームだったら絶対にできなかったことができた」とおっしゃってくださったんです。登場人物が持っている武器も、現状ではみんな同じですから。ゲームでしたら設定の時点でキャラごとに違った武器を持ったと思うのですが、本作は音楽プロジェクトですので、リエンが弱いことも許容して書いてくださっています。

野島:敵のほうが圧倒的に強いので、「どうやってリエン勝つんだろう」と。毎回大変でしたね。

矢内:でも人生ってそんなものじゃないですか。勝てない敵には勝てない。リアルでいいなと思っています。

――仮面を被ったネブラエスとか、見た目からして強そうです。

矢内:強いですよ。実際、ラファンドール軍北方大隊隊長ですから。そもそも、国で1番強いんじゃないかという人物です。ただ、本作は結局、光と影の部分に向き合おうというお話なんです。

 ものすごい悪役がいて、この人を倒したら終わり、という話ではありません。もし倒せたとしても、自分のなかで向き合えない部分が残っているとしたら、それは解決じゃないと思っています。

『ラファンドール国物語』
▲ネブラエス・デュガン(声優:鈴木達央)。

――ちなみに、リエンという人物にはどういった魅力があるのでしょう?

野島:そうですね……基本的に家族想いです。あとはなんだろう……そういわれると困りますね。

矢内:強い気持ちは持っているんですよ。すべてに対して守りたいとも思っているし、大事な人を大切にしたいと思っている。しかし、それができない自分に負けてしまうんです。

野島:なりたいものと本来の自分にちょっとギャップがあって、でもそのギャップを埋めるための努力をあまりしていない人ですね(笑)。本人はこのままではいけないと思っているんですが……。

矢内:ただ、彼がそうであることには理由があります。ただ本当にダメというのではなく、何かしらの理由があって、そういう人物になってしまっているんです。

――発表されたばかりの作品であるのに、ブースの前では写真を撮られているファンの姿も。そういった反響についてはいかがでしょう?

矢内:そもそも、“音楽を連載する”ということ自体が、すごくわかりづらいことですよね。「『ラファンドール国物語』って何なんだろう?」と皆さん疑問に思っておられるのではと。今は「音楽がいいな、野島さんの新しいお話だから読んでみたいな」といったように、そのキャラクターデザインや雰囲気で立ち止まってくださっている。

 興味を持ってくださった方々が今後、『ラファンドール国物語』というプロジェクトをより理解していただくには、私たちが真摯に続けていかなくてはいけないと考えています。

 ただ、自分自身としても、すごく新しい取り組みだと考えています。わからない部分もたくさんあるかと思いますが、野島さんのお話は間違いなくおもしろいし、ファンタジーですが、体験した自分が想いを重ねられる、考えることができる作品に仕上がっています。

 音楽も毎週更新しますし、すごく身近に感じられる作品だと思いますので、まずは読んでみてほしいですね。ぜひ、お客様と一緒に育てるプロジェクトとして、新しい音楽の形にできればと考えています。まずは毎週配信からになりますが、ワーナーミュージックならではの取り組みも用意していますので、そちらも楽しみにしていてほしいですね。

野島:最近は携帯の時代で、スマホで皆さんゲームを遊んでいます。そんななかで仕事をしていると、まずはイラストと設定があれば、と感じることもあるんです。

 それらは今回すでに出していますので、イラストやキャラクターに興味を持っていただいた方は、ぜひ触れてみてほしいと思います。ゲームにくらべて非常に入りやすいので、ぜひ物語に触れていただきたいです。短い時間ですぐに観たり聴いたりできる作品ですので、ぜひ体験して、物語を堪能していただけるとうれしいです。

『ラファンドール国物語』
▲ブースではCDやクリアファイルの配布も! ぜひ遊びに行って、素晴らしい音楽の世界を堪能してください。

■“東京ゲームショウ2016”開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2016年9月15日・16日10:00~17:00
一般公開日……2016年9月17日・18日10:00~17:00
※一般公開日は、状況により9:30に開場する場合があります。
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

(C)2016 Warner Music Japan Inc.
(C)groundinglab Co., Ltd.
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