2016年10月29日(土)
どうも! 編集部でもっとも『サガ』が好きと言っても過言ではないかもしれない男、カワチです。
なんと、このたび12月15日に発売されるPS Vita用RPG『サガ スカーレット グレイス』を事前に殺らせて……やらせていただくことになったのでプレイインプレッションをお届けしたいと思います!
4人の主人公が存在する『サガ スカーレット グレイス』ですが、ボクはバルマンテをチョイス。なぜなら“処刑人”の主人公というのは『サガ』シリーズならではだと思ったんですよね。
普通のRPGだっだら、まずありえないですからね。この尖りかたがイイ!
▲処刑人のバルマンテ。ボーナス効果を持つ“ロール”をチェックしたところ、そのものずばり“処刑人”という名称で“ややガード回避されにくい・即死抵抗力がアップ”という効果がありました。確かに処刑人っぽい能力! |
恐怖政治を敷き、軍人、政治家、一般市民まで多くの人々を処刑したシグフレイ。そのシグフレイを処刑するのがバルマンテです。
「私は七度蘇って、この世界に正義を為すつもりだよ。また、会おう」と不穏な言葉を残すシグフレイ。
その後、各地でシグフレイが現れたという情報を法務書記官のアーサーから聞いたバルマンテは、彼の首を7回落とすために仲間たちと放浪の旅に出ることになります。
ここまでがプロローグです。とても壮大なストーリーに思えますが、そこは『サガ』シリーズ。あっさりとした会話だけで終了し、すぐに冒険に旅立つことができます(笑)。
▲他のRPGだったら何十分もかかりそうなプロローグもあっさり終了。すぐに冒険がはじまるのは『サガ』シリーズらしくていいですね。 |
フィールドに出ると、いきなり護衛団のキャラクターたちが仲間に加わり、7人の大所帯に。最初からフルメンバーで戦闘を楽しめることにビックリしました。
冒険は、シグフレイを追うという目標はあるものの、フィールドを自由に探索して好きなイベントを見ることができます。モンスターも最初からマップに存在しているため、挑むタイミングを自由に選ぶことが可能です。
▲やることがわからなくっても“備忘録”で目標を確認することができます。 |
というわけで、さっそく戦闘を開始!
『サガ スカーレット グレイス』のバトルは“タイムライン制”を採用しています。ターン開始時に敵と味方の行動順と行動の詳細が表示され、敵がどんな攻撃をするのか事前に確認しながら戦術を組み立てることができるのですが……これがめちゃくちゃおもしろいんですよ!
基本的にはパーティで共有しているBP(ブレイブポイント)を使って技や術を発動するのですが、味方と味方にはさまった敵を倒して味方同士をつなげることで“連撃”が発動!
別の敵に大ダメージを与えつつ、次ターンの消費BPが軽減されるボーナスが発生します。成功すれば次ターンで敵を一気に攻撃できるため爽快なんですよね。
逆に敵が連撃をしてくることもあり、当然食らうとピンチになるのですが、タイムラインの順番は敵を倒すなどの行動によって目まぐるしく変わるため、なかなか狙い通りに回避できないことも多いんですよ。このもどかしさがおもしろいんですよね。
▲連撃が発動するように行動するのが基本。 |
▲戦闘前の陣形なども重要です。この陣形は……!? |
また、バトルに緊張感を持たせてくれるのが“リザーブ技”。敵が技を放つ直前に割り込んで行動できる“インタラプト技”や、自分が攻撃されたときに敵の攻撃を無効化して反撃する“カウンター技”などがあり、これは味方だけでなく敵も使ってくるため、一手間違えるだけで一方的に連撃で負けてしまうことも。
敵のリザーブ技はタイムラインの中で“???”と表示されるため、今までの傾向などからどのリザーブ技を使ってこようとしているのかを読むことが重要になります。これがまるでトレーディングカードゲームをしているかのようで楽しいんですよね。
▲使う技によってタイムラインの順番が変化。しかし戦闘不能などによって狙った順番にならないことも。 |
他にもファンにはおなじみとなっている戦闘中に技を思いつく“ひらめき”や、詠唱時間が数ターンかかる代わりに全体攻撃や状態異常を付与できる“術”など、多彩な要素があります。
これらの要素が複雑に絡み合い、まるで一戦一戦のバトルがボスと戦っているようで、とてつもなく熱いです!
ちなみに、負けてしまった場合もLPが続く限り閃いた技を維持したままリトライすることが可能です。
▲敵に負けてもすぐに再挑戦できます。 |
ということで、早足であるものの本作のインプレッションをお届けしました!
自分も実際にプレイするまでは、ダンジョンがない、エンカウントバトルもない、戦闘開始までにラグがある……など『サガ スカーレット グレイス』がどんな仕上がりになるか不安な部分もありました。
でも、戦闘が楽しすぎてそれらがまったく気にならないんですよね。とくに戦闘開始までの読み込みについては、従来のシリーズのように戦闘自体が頻繁に起きる仕様ではないので、実際にプレイすればそれほど気にならないと思います。
繰り返しになりますが、本作はバトルが楽しい作品になっているので、ぜひ皆さんにも体験してみてもらいたいですね。
どうも、『サガ』シリーズ25周年記念特集の担当編集だったごえモンです。
カワチさんと一緒に、僕も『サガ スカーレット グレイス』をひと足早く体験させていただきました。先行プレイでわかった情報と、おもしろかったかどうかの感想を率直にお届けします。
今回の先行体験では、プレイを開始してから1時間だけ遊べるという時間制限がありました。選択した主人公は、カワチさんと同じ“バルマンテ”。
そして、あえて僕はロード時間短縮前の東京ゲームショウ2016版をプレイさせていただきました(笑)。これでロード時間が気にならないようなら、短縮された製品版ではまったく気にならないはず!
TGS2016のステージイベントを見て、「なんかロード時間が長くない? MCの中村悠一さんもそのことに触れないし、本当に大丈夫なんだろうか?」という感想を抱いたのはまぎれもない事実。皆さんもだいたい同じことを感じたと思います。
実際に体験してみると、最初の戦闘時に「まだかな、まだかな」と手持無沙汰になってしまい、確かに長いと感じました。しかし、2戦、3戦、4戦とプレイを進めていくと、次第にロード時間のことを意識しなくなっていたんです。
というのも、本作の戦闘は1戦1戦がボスバトルと言えるような濃いものとなっていて、1時間で体験できたのは5戦だけでした。序盤でも1戦闘に10分くらいかかるため、その前の20秒くらいのロードではほとんど気にならなかったのでしょう。
また、本作はエンカウントバトルではなく、自分でバトルをするかどうか選べます。1時間に5戦ということからもわかるように、頻繁にバトルが発生しない&戦いたくない時に敵に当たって戦闘に入ってしまう、といったことがないので、ロードが短縮された製品版であればそんなに気にならないはず。
これが過去作のような戦闘頻度&システムだったら、PS Vitaを投げていたかもしれませんね(笑)。
ただ、特定の素材を集めるために同じ場所で数十回バトルをし続けるという場合、ロードが気になるかどうかは1時間プレイしただけの段階ではわかりませんでした。
本作は戦闘に比重を置いているようで、1時間のプレイだけを見るとストーリーはかなりあっさり目。しかしTIPSのテキストがすべて1ページ内に納められている、たった一行のキャラ紹介に個性が詰まっているなど、あっさり目の中にもこだわりを感じました。
▲「女たちはともかく」という発言がおもしろいです(笑)。 |
▲たった一行のセリフなんですが、なんとなくどんなキャラかわかる内容になっています。 |
そのぶん、バトルは非常に濃厚。TGS2016でバトルを見た時には、おもしろいのかつまらないのか正直まったく読めませんでしたが(笑)、もしかしたら『サガ』シリーズの中で一番おもしろいかもしれません。
実際に体験してみると……1戦目はなんだかよくわからないうちに終了。しかし、2戦目で「あれ、これもしかして?」と何かに気づき、3戦目で「めちゃくちゃおもしろい!」と興奮状態に!
キモは“いかに連撃を発動させるか”でした。バルマンテのパーティには術使いが1人いるのですが、術は序盤でも敵全体に攻撃できてかなり強いんです。
その代わり多くのBPが必要だったり、発動するまでに数ターン詠唱をする必要があったりするなどコストが重め。そこでうまく連撃に組み込むことで、次ターンのBPを軽減したり、詠唱時間を短くしたりできます。
▲プレイ前は、「BPがあるから、『アンサガ』みたいに好きな技を好きなように使えないのでは?」と思っていたのですが、連撃を駆使すればBPが少ない早いターンから全力で戦うことも。 |
術者を連撃に加えるために、行動速度が速い&遅い技を使ってタイムライン上で団子状になった敵の中に割り込み、孤立した敵を倒して連撃を発動させたり、“かかと斬り”を使って敵の行動速度を遅くしたり……。
さらには、敵に攻撃されやすくなるロールをセットした味方が戦闘不能になることを利用して、連撃を使ったりと発動方法はさまざまです。
逆に敵が3体以上並んでいる場合、真ん中を先に倒してしまうと敵の連撃が発動してしまうので、テキトーなコマンド選択なんて言語道断。僕は囲碁や将棋などの知的ゲームが好きなので、こういった1ターンごとに最適解を探していくコマンドバトルは大好物です。
戦闘バランスは、何も考えないで戦えばザコ戦でも戦闘不能者が出てしまう歯ごたえある難易度。そのかわり、4戦目で戦った難易度ハードのボス敵には、頭を使えばほぼ成長していない初期パーティでも勝利することができました。
1戦1戦で頭を使うので、1時間プレイした時の頭がしびれる心地いい疲労感と満足感がたまらない! このような難易度なので、『サガ スカーレット グレイス』でも戦闘後のHP全回復システムは健在でした。
さらに今回は、戦闘不能になったキャラも戦闘後に起き上がって成長してくれる点がうれしい。倒れているキャラがムクリと起き上がって、“HPがアップ!”なんて表示される演出はシュールでおもしろいですよ(笑)。
▲起き上がりながらHPが2アップ! 今回の『サガ』は優しいですね。 |
本作がどの『サガ』に近いかと問われると、難しいですが戦闘演出は『ミンストレルソング』の発展系。街でできることやストーリー部分は『アンリミテッド:サガ』の発展系のような印象です。
個人的には『ミンサガ』のキャラの動きは少し消化不良だったので、『サガ スカーレット グレイス』で見られる華麗なバトルモーションには感動しました。シリーズファンとしては、おなじみの技がどんな美しいモーションになっているのか、1つ1つ見ているだけで楽しめます。
▲敵が強いからか、1戦闘で3~4つの技を閃くこともあって爽快でした。選択肢で2回も“倒す”を選ばないと戦えない敵だったので、一度全滅しましたけど(笑)。 |
▲今回は“倒す”を2回選んで戦っちゃいましたが、これが正解なのかは不明。いろいろ試したくなるのも『サガ』の魅力です。 |
ロールや陣形、装備の変更、技のランクアップなど、まだまだ体験できていない要素がもりだくさん。1時間では全然プレイしたりないですね。早く初期パーティクリアとか、最少戦闘回数クリアとか、そういったやり込みプレイを楽しみたいです!
▲ロールによって戦闘方法に幅が生まれそうなので、研究のし甲斐がありそうです! |
※画面写真はすべて開発中のもの。
(C) 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI
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