2017年1月21日(土)
本日1月21日(土)に愛知県・ポートメッセなごやでiOS/Android用RPG『Fate/Grand Order』のリアルイベント“FGO冬祭り 2016-2017 ~ダ・ヴィンチちゃん・コード~”が開催されました。
会場では、普段は聞けない開発・運営の裏側について聞くことができる“クリエイターズトークステージ”が開催。すでに速報で“クー・フーリン”の宝具&バトルモーション改修についてお伝えしましたが、この記事ではトークイベントの内容を詳しくレポートしていきます。
登壇したのは、FGO PROJECTのクリエイティブディレクター・塩川洋介さんとマーケティングディレクター・石倉正啓さんのお2人。
なんと石倉さんは、星3ランサー・ロムルスのお面と肉体美を再現したTシャツ(デンジャラス・ビーストのイラストレーター・ReDropさんがコミケで販売されたものとのこと)を着て登場。イベント冒頭で、来場者と一緒に「ローマ!」と叫ぶ一幕もありました。
まずは“スタッフが選んだ『FGO』三大裏話”と題して、2016年の三大トピックをテーマにトークが繰り広げられました。
1つ目のトピックは、もちろん“第1部完結”。2016年末にめでたく『FGO』の第1部が終了しましたが、現段階で終章までクリアしている人は全ユーザーの約半数だといいます。
塩川さんは2016年に実装された4つの特異点の実装時期について触れ、遊んでいるユーザーが何を期待しているのか、その意見を組み入れながら新しい章を展開するライブ感重視の開発だったとコメント。そのため、だんだんと後半の章の期間が開いてしまったそうです。
2016年中に終局特異点を配信することだけは死守しなければいけないというプレッシャーの中で、6章、7章、終章とどんどん物量と手間が増えていったそうですが、どうにか駆け抜けることができた1年だったと振り返りました。
トピックの2つ目は“進化を遂げたFGO”ということで、2016年に追加された主な新機能が公開されました。
【2016年に追加された新機能】
・魔術礼装クエスト
・サーヴァントのボイス再生機能
・マイルームでのお気に入りサーヴァントの再臨段階カスタム
・サポート編成リニューアル
・パーティ編成でのサポートサーヴァントの再臨段階カスタム
・絆レベル上限開放とオリジナル概念礼装の付与
・聖杯転臨
・レアプリズム
・霊基補完室
さまざまな特徴を持った魔術礼装が追加されましたが、中にはレベル上げが非常に大変なものがあります。それは、カルデア戦闘服、魔術協会制服、アトラス院制服の3種。
この3種の魔術礼装について、レベル10にしたマスターの数でランキングを作成すると下記のようになったそうです。
1位 | カルデア戦闘服 |
2位 | 魔術協会制服 |
3位 | アトラス院制服 |
会場の意見もだいたい同じで、全体の攻撃力強化や敵をスタンさせられるガンド、控えのメンバーと交代できるオーダーチェンジと、ボス戦や周回で役に立つカルデア戦闘服が1位でした。
▲カルデア戦闘服。 |
▲魔術協会制服。 |
▲アトラス院制服。 |
比較的最近に追加されたレアプリズムは、イベントスケジュールの都合上、どうしても復刻できないものが出てきてしまうことから、そういったものを望んいる人が手に入れられる&体験できる機能を追加しようという意図で実装されたもの。
『FGO』の運営は一期一会を重視しているため、当時プレイした人たちに「あの時に頑張らなければよかった」と思われないように、過ぎてしまったものを価値の高いものとして意識しているそうです。
最後に触れられたのは、霊基再臨段階のカスタムについて。バトルキャラクターのグラフィックを任意に設定できるようにするところから始まり、セイントグラフやアイコン、コマンドカードと要素を増やしていったところ、1カ所だけ反映されないところができてしまったとのこと。
現在でも変更できないのは、サーヴァントのレベルなどが記載されているステータス部分の顔。こちらは、いずれ変更できるようにするそうです。
▲ステータス画面の顔部分は、いまのところ変更する方法がありません。 |
トピックの3つ目は“異なる遊び方にチャレンジ”ということで、2016年に開催されたイベントを振り返ることに。
第1部完結まで、それまでとは違ったおもしろさや遊びにチャレンジをするというテーマを守りきれたことが大きなトピックだと塩川さんは語ります。
たとえば、1年前に開催されたセイバーウォーズは、セイバー・リリィが修行をしてイベントの中で強くなっていく様を表現するために、徐々に与ダメージが増えていくことを体験できるイベントにしたそうです。ただ単に毎回仕様を変えようとしているのではなく、常に裏テーマを設けてイベントを作っているとのこと。
『FGO』は1人で自己満足を楽しみながら、自分で自分を愛でるゲームとして設計されているそうですが、そんな中、2016年5月31日にすべてのマスターが協力して1体の強敵を倒す羅生門イベントが始まりました。
塩川さんによれば、羅生門イベントは最終章をお膳立てするために作られたイベントとのこと。
似たような仕様の鬼ヶ島やプリズマ・コーズも同様で、最初期から決まっていたという奈須きのこさんによるストーリーラインと終章の展開を運営としてどうやって盛り上げていけばいいか、それを考えながらスケジュールを切り、システムを新しく開発していったそうです。
最後に振り返ったイベントは、ネロ祭再び。初めて超高難度クエストを実装したイベントで、単純に難しいものを入れてユーザー困らせようとしたのではなく、これも特殊なバフ・デバフを使ってくるような、ストーリーの後半に出てくる敵との戦い方にバリエーションを持たせるための最初の施策だったのだとか。
このように、キャラクターやメインストーリーをどうやっていいものにしていくのかを大前提にして、それぞれのイベントを作っているそうです。
続いて、事前にユーザーから募集した質問について、塩川さんが1つずつ答えていくコーナーで公開された一問一答について紹介します。
人気だった順位は、1位がキャスター、2位がアサシン+エクストラ、3位がライダーでした。ちなみに石倉さんはライダー、塩川さんはランサーで、会場の来場者ではライダーガチャを回した人が多かったようです。
「本当に使うんですか?」という塩川さんの質問に対して、ほとんどの来場者が挙手。それを受けて「持ち帰って検討させていただければと思います」と回答していました。追加しないつもりはまったくなく、必要な時がきたらやりますので楽しみに待っていてくださいとのこと。
恐らく多くの人がエレシュキガルの実装を期待していると思われますが、塩川さんは「『FGO』は、そう簡単に予想されるようなことはしない」と回答。
▲未実装のサーヴァントたち。 |
ただし、1.5部、2部と続いていく中で、必要なタイミングで「あ、なるほどな」と思うような形で登場すると……思う……かなぁ? といった、だいぶ濁した形ではありましたが、今後の展開についての情報もありました。
聖杯はこれからも追加されていく機会はあるとのことですが、『Fate』の世界の中で重要なもののため、多くのAPを使えばたくさん手に入るというような軽々しい形では実装しないそうです。
全4章構成の1.5部の難易度については、4章の難易度は並列で、かつ最終章や7章と同じような難易度なので心配しないでくださいとコメントしていました。
ちなみに、1.5部はこれまでの特異点とは違って、1章をクリアしたら2章、2章をクリアしたら3章という形ではなく、それぞれの章が並列な関係となっているそうです。「リリースは順次」という発言もあったので、どのような構成になるのか気になるところです。
最後のテーマは“数字で見る『FGO』の世界”と題して、『FGO』にまつわるさまざまな数字が公開されました。
最初に公開された455,654は、もっとも多くリトライされたメインクエストのリトライ回数でした。
順位 | クエスト名 | リトライ回数 |
1位 | 第六特異点15節 神王オジマンディアス(3/3) | 455,654回 |
2位 | 第六特異点17節 レプリカ(4/5) | 268,596回 |
3位 | 第三特異点14節 星の開拓者 | 260,666回 |
2つ目の数字は、もっとも多く周回されたフリークエストの周回数でした。やはり需要がある素材が落ちるクエストは周回数が多いようです。個人的には、3位のクエストが1位だと思っていました。
順位 | クエスト名 | 周回数 |
1位 | 特異点F 未確認座標X-G“燃え盛る森” | 8,421,685回 |
2位 | 第四特異点 ハイドパーク“水晶宮の残影” | 6,670,387回 |
3位 | 特異点F 未確認座標X-A“屋敷跡” | 6,648,645回 |
最後の数字は、これまでとは桁が違う数字376兆5880億866万2878。これは、これまでに使われたQPの総数だそうです。
順位 | 内容 | 総使用QP |
1位 | サーヴァントスキル強化 | 240兆7267億2573万(63%) |
2位 | サーヴァント強化 | 54兆9856億8022万6880(15%) |
3位 | 霊基再臨 | 48兆1769億9596万5000(13%) |
4位 | 聖杯転臨 | 19兆7833億1480万(5%) |
5位 | サーヴァント宝具強化 | 10兆4205億1273万5000(3%) |
6位 | 概念礼装強化&進化 | 2億4948億5720万5995(1%) |
なお石倉さんによると、星5サーヴァント1騎をレベル100、スキルレベル10にすると、だいたい2億3000万QPかかるとのことです。
クリエイタートークイベントの最後に、星3ランサー“クー・フーリン”の宝具&バトルモーション改修について発表されました。
会場では宝具映像のみが上映されました。宝具映像は撮影禁止だったため画像ではお伝えできませんが、SEがかなり派手になり、バトルグラフィックはおなじみの“あの構え”をしており、さらにイラスト寄りのシュっとした見た目になっていました。
モーションはシンプルながらもカッコよく変化しており、斜上に突き刺し敵の体が浮き上がる演出に、さらに刺した槍を引き抜き、後方に飛びながらフェードアウトする演出も、よりスタイリッシュになっていたと思います。
クー・フーリンだけでなく、現在は『Fate/stay night』サーヴァントのバトルキャラ、モーション、宝具の改修を行っており、レアリティにかかわらず、どんどんよくしていくとのことでした。
最後に塩川さんから「少しお待たせ……少しかな? ちょっとお待たせする部分もありますが、新たな1.5部の展開を楽しみに、引き続き『FGO』を楽しんでいただければと思っています」と1.5部の実装時期についてのコメントがあり、トークステージは終了しました。
1月21日(土)の15時に開催されたゲストトークステージには、声優の川澄綾子さんと植田佳奈さんが登壇しました。
オープニングトークは福袋召喚2017についての話題に。川澄さんはモードレッドを持っていなかったのでセイバーガチャを回したそうですが、当たったのは3騎目のアルトリア。そう簡単には父上のところに来てくれないようです。
植田さんは、福袋召喚2017を回す前に自身が持っている星5サーヴァントをすべて書き出してみたところ、ライダーのみ星5を持っていなかったため、ライダーガチャを回してケツァル・コアトルを当てたそうです。
続いて“厳選8騎!推しサーヴァントはコレだ!”と題して、川澄さんと植田さんが普段使っているサーヴァントや推しサーヴァントが公開されました。
▲川澄さんが普段使っているサーヴァント。アーチャー枠にはイシュタルを置きたかったそうですが、残念ながら当たらなかったとのこと。 |
最初に公開されたのは、川澄さんの普段使っているサーヴァント8騎。「マーリン、来てください」と自身の声を触媒にして当てたエピソード(『FGO カルデア・ラジオ局』にて)もある星5キャスターのマーリンを自慢したいとのことで、一番目に入るオール枠に置いているようです。
ちなみに、ステージ前に川澄さんのパーティを植田さんが確認したところ、アーチャー編成の敵に対してセイバーパーティで挑むなど、すべて間違った編成で月見イベントに挑んていたそうです。
その後、植田さんに1ターンキルができる編成に直してもらったそうですが、植田さんは川澄さんが意図していない縛りプレイで第1部をクリアしていたことに驚いていました。
▲植田さんの推しサーヴァント。 |
植田さんの推しサーヴァントは、ジャンヌ、セイバー・オルタ、イシュタル、スカサハ、マリー、孔明、ヒロインX、ランスロットの8騎でした。
普段はジャンヌ・オルタをオール枠に置いているそうですが、耐久パーティの時に役に立つ替えのきかないサーヴァントということで、ルーラージャンヌを選択したとのこと。
青セイバーよりも見た目が好みだというセイバー・オルタは、火力がピカイチだったので、初期のマスターランクが低い時によく使っていたそうです。
イシュタルは言わずもがなご自身が演じているからで、スカサハは初の星5ランサーであることと宝具のスタン付与の有用性について語っていました。
星4のライダーマリーは最初に引いたレアサーヴァントだそうで、選んだ理由はかわいらしいから。また、初期のころに『FGO』プレイヤーの間で流行った「ヴィヴ・ラ・フランス」というセリフについても振り返っていました。
孔明はバフが強く、3ターンでクエストを終わらせるために入れているとのこと(ここで、植田さんによる川澄さんへのバフとデバフの説明が)。ヒロインXはネタ系のサーヴァントが少ないから好きだそうで、普段はカーミラを使っているそうです。
そして、もっとも長い期間愛用しているサーヴァントがバーサーカーのランスロット。宝具でスターを出して、次のターンでクリティカルを出すのに重宝するので大好きとのことでした。
最後のコーナーは『FGO』の思い出を振り返る“私たちのFGO”。川澄さんは、最終決戦の魔神柱が朝起きた時には倒されていたエピソードを紹介し、人理焼却が迫った2016年というリアルタイム性が感じられておもしろかったと振り返りました。
植田さんは、7章で一緒に戦えるストーリーの助っ人サーヴァントが強かったことや、最終決戦のそれぞれの座で繰り広げられる展開について触れ、第1部完結に向けてシナリオがどんどん盛り上がっていった当時の印象を語りました。
イベントでは、植田さんは水着イベントをプッシュ。水着のキャラがかわいかったことと、普通のイベントはアイテムをすべて回収したら手持無沙汰になってしまうところ、島を何度も作り直すことで長く遊べたことが好印象だったようです。
川澄さんが挙げたイベントは“Fate/Accel Zero Order”。ゲームに慣れていないので絶対に完走できないと思っていたそうですが、意外とすべてのミッションを達成できてすごく楽しかったと振り返りました。
すでに速報でお伝えした通り、ステージの最後に3つの最新情報が公開されました。
開発がスタートしたばかりの『Fate/Grand Order VR feat.マシュ・キリエライト』を体験した川澄さんと植田さんの感想で、個人的に気になったものを下記で紹介します。
【個人的に気になったキーワード】
・マイルームを360度見回すことができる
・上を見ると電灯があり、見回すと扉があり、そこからマシュが「先輩先輩」
・揺れる
・マシュが近い
・マシュがちょっと積極的
・マシュのスタイルがすごくいい
最後に“FGO冬祭り 2016-2017 ~ダ・ヴィンチちゃん・コード~”名古屋会場の展示物を写真で紹介します。
展示エリアに入って最初に目に入るのが実物大宝具。エクスカリバーやマシュの盾、ダ・ヴィンチちゃんの杖(コスプレイヤーさんが持っていたため撮影できず)が展示されていました。
▲盾は裏側も確認できるのがうれしいです。 |
これまでに実装された概念礼装とサーヴァントがズラリ。人だかりがものすごく、壁際に並んで進まないとまったく近づけませんでした(笑)。
▲ルーラージャンヌとジャンヌ・オルタの旗がセットで展示。センターの消火器はジャンヌのためを思ってでしょうか。 |
2014年の発表から第7章実装までの年表が展示。最近始めた人も多いからなのか、2014~2015年のところで人だかりができていました。
サーヴァント14騎の等身大スタンディコーナー。名古屋会場では、サーヴァントたちがフォウくんブランケットを着用しています。
▲会場にはダ・ヴィンチちゃんのコスプレイヤーさんも。マシュさんは休憩中のため撮影できませんでした。幸運Eかな? |
等身大スタンディコーナーを抜けると、完全再現されたダ・ヴィンチ工房がありました。ものすごい行列でしたが、希望者は工房の中で聖杯を持ちながら記念撮影できます。
出口付近にはフィギュア展示コーナーが。既存のものや『セイバー TYPE-MOON RACING Ver.』、『きゃらふぉるむ びよんど 酒呑童子』、『きゃらふぉるむ びよんど ダ・ヴィンチ』などの新作も展示されていました。
(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT
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