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2017年3月10日(金)

abec先生は新印刷技術《CG-i》をどう見たのか? 『劇場版 ソードアート・オンライン』キービジュアルの印刷物を見た感想を伺った

文:てけおん

 バンプレストが開発した新たな印刷出力技術・CG-i(シージーアイ)。その魅力がどこにあるのか? 原作小説『ソードアート・オンライン』のイラストと、アニメのキャラクターデザイン原案を手掛けたabec先生にCG-iで出力した印刷物を見てもらい、いただいた感想からその魅力をひも解いていきたいと思います。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲こちらはCG-iで出力された、abec先生による『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』のキービジュアル第1弾。

 こちらは300点が限定生産され、現在受注中。受注地域は日本のみで、受注は“一番工房”の申し込みページから。

 同じく『劇場版 SAO』でキャラクターデザイン、総作画監督を手掛けた足立慎吾さんによるメインビジュアルをCG-i規格で商品化したものも足立慎吾さん/A-1 Picturesメインビジュアル申し込みページ で注文を受け付けています。

CG-iってどんな技術なの?

 まずは「CG-iってなんなの?」という人のために説明します。2016年9月に発表されたCG-iは“CGイラストのために設計・開発された独自の出力規格”です。

 既存の技術でCGイラストを印刷する場合、RGBカラー(赤・緑・青)で塗られた色をCMYKカラー(シアン・マゼンダ・イエロー・キープレート(≒黒))に変換し、印刷します。これは、通常の印刷で使用されるインクではRGBカラーを表現できないから。

『ソードアート・オンライン』×CG-i
▲RGBとCMYKが表現できる色味のイメージです。RGBをCMYKに置き換えると、どうしても鮮やかさが減退してしまいます。

 RGB→CMYK変換の際、どうしても“表現できない色”が出てきますが「どうにかしてRGBの色味を紙の上で表現できないか?」――こうした考えが起点となって生み出された新規格がCG-iです。

 特色インクによる印刷によって、表現できる色の幅を広げることもできるのですが、CG-iは既存の印刷規格に比べて、官能評価(人間の五感に基づく評価)で見た時に、現時点ではRGBにもっとも近い色味を紙の上に表現できる印刷規格となっているのです。

 abec先生の感想をご覧いただく前に、CG-iで印刷されたCGとRGB→CMYK変換をして印刷されたCGを見比べていただきましょう。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲こちらはCMYK規格でCGを印刷したものです。▲そしてCGのキービジュアルです。
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲そしてこちらがCG-i規格でCGを印刷したものです。

 写真で撮影したものをモニターで見る……という形ではありますが、CMYK規格と比較して、CG-iがどれだけCGに近づいているのかが分かっていただけると思います。

 そんなCG-iをクリエイターの目はどのように評価するのか? 記事の冒頭でも述べたように、abec先生に現物を見ていただき、その違いをメールインタビュー形式で語っていただきました。

 インタビューの後半では、abec先生が制作した『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』のキービジュアルや、『SAO』のイラスト制作についてもコメントをいただきましたので、最後までご覧ください!

――まずは、ご覧になっての率直なご感想をお聞かせください。

abec先生:やはり深い青色がきれいに出ている! というのが第一印象でした。青色がきっちり出ているので絵全体の印象もしまって見えていいなと。

――発色などはどのように思われましたか? 特に従来のCMYK規格と比べてみていかがでしょうか?

abec先生:正直、紙媒体での発色については諦めて気にするのやめていたところがあったのですが、改めて今までのCMYK規格で出力されたものは色だいぶ変わってるんだなぁっていう思いがありますね。

 周辺に散らしている“はがれるテクスチャ”をイメージした光の粒なんかも、ただの白色じゃなくてちゃんと彩度の高い薄い青色なのがわかりますもんね。

 細かい数値の違いやグラデーションがそのまま塗りつぶされて消えちゃっていたり、思ったより強調されちゃったりすることが改めてわかりました。

 あと青色ばかり強調していますけど、アスナの髪色なども色がひっぱられずに綺麗に印刷されていますね。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲こちらがCMYK規格。
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲こちらがCG-i規格。

――印刷されたものを見て、その質感についてはどう思われましたか?

abec先生:従来のCMYK変換をして印刷した物と比べて、薄ぼんやりとした色味ではなくメリハリが効いていて、全体的にしっとりとした質感がありますね。足立さんの方のイラスト、現物で見たかったなぁ(笑)。

――CG-i出力の表現域を活かして描いてみたいモチーフやキャラクターはありますか?

abec先生:青つながりで青空のイラストとかも綺麗に色やグラデーションがでてよさそうですね。青空ってグラデーションで表現するとどうしてもつぶれて安っぽくなってしまいますので雲ひとつない青空って難しいんですよね。

 あと、赤色の映えるイラストがどうなるか気になります。昔から赤髪のキャラクターもよく描くのですが、どうしても彩度の高い赤色ってCMYK変換すると色が変わってしまいますので。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲上がCMYKで、下がCG-i。赤色の部分については、キービジュアルだとこのような違いが出ています。

――額についてもこだわりのポイントなのですが、その点についてもお聞かせいただけますでしょうか?

abec先生:アルミフレームの正面の鏡面加工と横面の金属らしい質感がとてもいいですね。シンプルなのに安っぽくなくて。この絵に本当にこの額でいいんですか?(笑)

――続いて、本ビジュアルの制作についてもお伺いします。このビジュアルを描かれるうえで注意したポイントをいくつか教えていただけますか?

abec先生:まずキービジュアル第1弾だったので、キリトとアスナの新衣装を見せるというのが第一でした。

 実は一度仕上げ作業で青色に引っ張られすぎて色身が全体的に青色に寄った色彩で提出して、衣装の色が変わっているとリテイクされたので、注意してたポイントとは一体……状態ではありますが(笑)。

――abec先生が絵を描かれるうえで特に注意しているポイントはどこですか?

abec先生:自分はキャラクターを描く仕事ですので、やはりキャラクターをかわいくかっこよくです。あんまり深いことを意識することは少なくて、他にその絵その絵ごとの指定によりけりだったりしますね。

――川原礫先生や三木一馬氏とは、どのような打ち合わせをしましたか?

abec先生:イラストに関しては基本的に自由にやらしてもらっている形で、基本的にはどのキャラクターを描くか程度の指定をいただくくらいですね。最初のキービジュアルだったので、「キリトとアスナの新衣装で。」という指定の上で何枚かラフを出して、このラフが選ばれました。

――『SAO』のビジュアル制作やキャラクターのデザインをしていく際に、どのような形で作り上げていくことが多かったのでしょうか? また、ご自身がデザインした『SAO』のキャラクターで一番のお気に入りを教えていただけますか?

abec先生:『SAO』は小説なので、ストーリーを読んでその上でイメージをふくらませて……という形でしょうか。とはいえ『SAO』自体が川原先生がWeb上で公開してた作品でその折に描かれたイラストなどもありましたので、そちらも参考にしつつ、自分なりによい方向でアレンジさせてもらいました。

 キャラクターとして好きなのはクラインですかね。今回の映画でもちょっとひどい目にあったりしているのですが彼には幸せになってほしいです(笑)。デザインならシノンはゼロから自由にデザインさせてもらいまして、自分の趣味全開のデザインですね!

――本ビジュアルの構図についての質問です。キリトとアスナは、なぜこのような配置になったのでしょうか? その狙いをお聞かせください。

abec先生:とりあえず衣装を見せたいというのが第一で、かといって普通に横に並んでるだけじゃつまらないから上下逆にしつつ……とそんなに深い意味はないです。

 元々は、キリトやアスナの左手の先が見切れてしまうぐらい前提の構図だったのですが、使い勝手がいいように足先まで描いて提出したら、ほとんどそっちで使われていたりします(笑)。

――本ビジュアルの背景は、円形の文様が印象的な、青を基調としたものになっていますが、こういった背景にした理由についてお聞かせいただけますでしょうか?

abec先生:『SAO』ってやっぱりファンタジー“ゲーム”、近未来SFなので、そういうデジタルな雰囲気を出せればいいなと思いまして。3DCGなど、デジタルな描写をする技術はあんまり持っていないので、手持ちの技術でデジタル感が出るようがんばってみました。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec
▲背景についての比較。上がCMYKで下がCG-iです。

――最後に『SAO』ファンにむけて、abec先生が感じたCG-i出力の魅力を一言お願いします。

abec先生:各書籍やグッズを印刷してくれている印刷所でも皆さん日々綺麗な商品として、お客様に届けようとがんばってくれています。やはり原作イラストでもアニメでも全部PCで彩色しているのため、再現できる限界というか、モニターとの違いはどうしても発生してしまいます。

 このCG-i規格での出力は、文言に偽りなしというか、確かな違いのある技術だと思いますので興味ある方はぜひ!

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』第1弾キービジュアル Illustrated by abec

 このメールインタビューでは、CG-iの魅力だけでなく、abec先生の制作についてもいろいろとお話を伺いましたがいかがだったでしょうか? 記事の冒頭でも説明しましたが、CG-iで出力したキービジュアルが300点の限定生産で商品化され、“一番工房”で予約を受け付けています。

 abec先生も評価した色の表現を間近で見てみたいという人は、購入を検討してみてはいかがでしょうか?

■受注概要
開始日:2017年2月25日(土)10:00
終了日:2017年3月26日(日)23:59(※受注期間中に上限数に達し次第、販売終了となります)
サイズ:約441mm×768mm×27mm
重量:約3.0kg
対象年齢:15歳以上
商品受渡:2017年5月中旬より順次発送予定

数量あとわずか! 8大特典付き電撃屋限定版の3次予約開始

 電撃屋だけの8大特典が付属するPS4/PS Vita用ソフト『アクセル・ワールド VS ソードアート・オンライン 千年の黄昏(ミレニアム・トワイライト)』の電撃限定版が、通常版と同日の2017年3月16日に発売! 予約ページは下記バナーから。

 この限定版ではゲームソフトに加えて、abec先生&HIMA先生描き下ろし限定収納BOX、サウンドトラックCD、スペシャルコンテンツBlu-rayディスク、CD&BD収納用スペシャルケース、特別小冊子『電撃Nerve Gear VS』、ミニクリアポスター、描き下ろしSDキャラアクリルキーホルダー、ゲーム内で使用できる“情熱の装備 水着《ソレイユ》”の衣装がダウンロードできるプロダクトコードが付属。

 これら特典アイテムは、本限定版を購入することでしか入手できないものばかり。abec先生&HIMA先生ファンや、松岡禎丞さんをはじめとした出演声優のファンにとっては見逃せないアイテムとなっています。

▲ 画像をクリックすると特設ページに飛びます ▲

電撃限定版だけの声優陣座談会映像をチラ見せ!

 もちろん、通常版に付属する初回封入特典“プレイアブルキャラクター「サチALOver.」が使用できるダウンロードコンテンツ”と“プレイアブルキャラクター「ユナ」が使用できるダウンロードコンテンツ”、“ゲーム内で使用できる『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の衣装”も付属します。

 1次予約は予約者全員が購入することができましたが、現時点では数量限定となっています。まだ予約していなかったという人は、早めに予約しておいてくださいね。

電撃限定版セット内容

・ゲームソフト本体(PS4版またはPS Vita版)
・abec先生&HIMA先生描き下ろし限定収納BOX
・サウンドトラックCD
・スペシャルコンテンツBlu-rayディスク
・CD&BD収納用スペシャルケース
・特別小冊子『電撃NerveGear VS』
・ミニクリアポスター
・描き下ろしSDキャラアクリルキーホルダー
・ゲーム内で使用できる「情熱の装備 水着≪ソレイユ≫」の衣装がダウンロードできるプロダクトコード
・初回封入特典 プレイアブルキャラクター「ユナ」が使用できるダウンロードコンテンツ
・初回封入特典 プレイアブルキャラクター「サチALOver.」が使用できるダウンロードコンテンツ
・初回封入特典 ゲーム内で使用できる『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の衣装

(C)2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project

(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
(C)2015 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/AWIB Project
(C)2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
※内容、仕様は予告なく変更になる場合がございます。
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