2017年4月28日(金)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第56回でお祝いするのは、2001年10月12日に1作目『逆転裁判』が発売された『逆転裁判』シリーズ。弁護士となって、冤罪で捕まった依頼人の無実を法廷で証明していく“法廷バトルゲーム”です。逆転に次ぐ逆転で最後まで気が抜けないストーリー展開と、法廷でムジュンを突いていく独自のゲーム性、そして個性豊かなキャラクターたちが人気を博しています。
ゲームシリーズだけでなく、TVアニメ、実写映画、舞台などさまざまなメディアに展開し、今なお人気を誇るシリーズの全タイトルを紹介。さらに、編集/ライターが当時の感想を交えながら振り返ります。
記念すべきシリーズ1作目。主人公の新米弁護士・成歩堂龍一が、霊媒師のタマゴの綾里真宵とともに、さまざまな殺人事件の真相を暴いていきます。永遠のライバル検事・御剣怜侍や成歩堂の親友・矢張政志など、のちのシリーズでもおなじみの個性豊かなキャラクターが登場しています。
“探偵パート”で事件に関する証拠品を集め、“法廷パート”で証拠品を武器に真相をつきとめていきます。メインとなる法廷パートでは、相手の証言を“ゆさぶる”で崩し、証言のムジュンを示す証拠品を“つきつける”ことで、二転三転して真相に近づいていく展開が推理アドベンチャー好きのユーザーの心を強く惹きつけ、ヒット作となりました。
ニンテンドーDSで発売された『逆転裁判』のリメイクタイトル。新たに第5話“蘇る逆転”が追加され、新キャラクターとして科学捜査官に憧れる高校生・宝月茜が登場しました。
探偵パートで新システム“カガク捜査”が導入されました。犯人の指紋探しやルミノール試薬を使って血液反応を見るなど、本格的な現場検証ができるようになり、よりリアルな捜査感を楽しめるようになりました。
▲画像はDS版のもの。 |
2作目では、さまざまな裁判を経験して少し成長した成歩堂が新たな事件に挑んでいきます。成歩堂が記憶喪失になったり、真宵が被告人になったりと、一筋縄ではいかない難事件が全4話で展開。新キャラクターとして、ライバル検事の狩魔冥や、真宵のキュートな従姉妹“綾里春美”が登場し、ますます賑やかになっていく作品です。
相手の秘密や隠し事が錠前になって現れる新システム“心理錠(サイコ・ロック)”が追加されました。秘密やウソにまつわる証拠品をつきつけると、サイコ・ロックが解除され、すべて壊せば秘密を聞き出すことができます。
▲画像はDS版のもの。 |
成歩堂を主人公としたシリーズ3作目。謎多き新ライバル検事のゴドーを相手に、熱いハッタリとキレのあるツッコミで真実を暴き、依頼人の無実を証明していきます。過去2作に登場したキャラクターが再登場しており、過去作での因縁が複雑に絡み合うなど、シリーズの集大成とも言える作品となっています。
見どころの1つは、成歩堂の師匠・綾里千尋や若い成歩堂のエピソードが楽しめること。第1話“思い出の逆転”は、大学生の成歩堂が容疑者として登場し、プレイヤーは新米弁護士である千尋となって、事件に挑みます。この事件がきっかけとなって、成歩堂は弁護士を目指すことになるなど、弁護士・成歩堂の原点を知ることができます。
4作目の『逆転裁判4』では、主人公が成歩堂から王泥喜法介に変わり、登場人物が一新されます。マジシャンのみぬき、検事でミュージシャンの牙琉響也など、より個性的なキャラクターが、真実を巡って法廷で大バトルを繰り広げます。
前作までは“ゆさぶる”で、新たな証言やムジュンが出現しましたが、本作ではゆさぶっても状況が打開できない手強い証人が登場します。そんな時は新システム“みぬく”で、証人たちの細かなしぐさの変化を見つけて、そこを突くことで相手の動揺を誘って、ムジュンを引き出していきます。
『逆転裁判4』から約6年の時間を経て、成歩堂が主人公のナンバリング5作目が発売されました。ある事件に巻き込まれて弁護士資格を失っていた成歩堂が、弁護士バッジを取り戻し、再び法廷へと帰ってきます。しかし、帰ってきて早々、法廷で爆発事件が起こり、新たな難事件へと巻き込まれてしまいます。
これまでに登場した王泥喜やみぬきの他、新たな仲間として声のトーンから感情を聞き取れる弁護士“希月心音”が登場し、成歩堂や王泥喜と力を合わせて事件を解決していきます。
本作からグラフィックが一新され、フル3Dに! 滑らかに動くキャラクターによる法廷バトルが楽しめるようになりました。新システム“ココロスコープ”では、証人の証言と感情とのムジュンを見つけ出して、真実への新たな突破口を開くことができます。
ナンバリング6作目は、成歩堂と王泥喜のW主人公が2つの国の法廷で逆転劇を繰り広げる作品になっています。霊媒修行中の真宵を迎えに行くため、異国・クライン王国にやってきた成歩堂は、事件の容疑者となったガイド役の少年を助けるため、異国の裁判に挑むことに。一方、成歩堂不在の日本でも事件が発生し、成歩堂の部下である王泥喜が心音のサポートのもと、法廷に立つことになります。
本作の最大の特徴は、クライン王国で行われている“霊媒裁判”です。王国の姫巫女“レイファ・パドマ・クライン”の霊媒によって映し出される死者の死ぬ直前の映像とレイファによる“御魂の託宣”の間に隠されたムジュンを暴き、絶望的な状況から無罪を勝ち取ります。
『逆転裁判』シリーズで人気の御剣検事が主人公のシリーズ第1弾。『逆転裁判』シリーズとは異なり、御剣検事を操作してゲームを進めていきます。事件現場をくまなく歩いて証拠品を探し、証人に話しかけて証言を得て、最後にすべてのロジックを組み立てて、事件の真相を暴き出します。
シリーズでおなじみの糸鋸刑事に加えて、自称大ドロボウの少女・一条美雲が新たに登場。彼女の持つアイテム“ぬすみちゃん”に事件の情報を入力すると、事件発生時の状況をシミュレーションでき、新たな情報を入手することができます。
『逆転検事』シリーズ2作目でも、御剣検事には大統領暗殺事件や刑務所での殺人事件など、さまざまな難事件が降りかかります。その上、検事の動きを監視する“検事審査会”のメンバー“水鏡秤”から、事件の捜査権を剥奪されてしまい、大ピンチに! 第3話では、御剣の父で弁護士の御剣信を動かして18年前の事件を捜査。御剣親子の今まで語られなかった過去が明らかになります。
新システム“ロジックチェス”は、証言を拒否する証人をチェスの様に追い詰めて真実を聞き出します。解答には制限時間があるので、緊迫感のあるスピーディな駆け引きが楽しめます。
『逆転裁判』から遙か昔、19世紀末が舞台の新シリーズ『大逆転裁判』の1作目です。成歩堂龍一の先祖である主人公の成歩堂龍ノ介は、ある事件をきっかけに弁護士を目指すことになり、最新の司法を学ぶため、法務助士の御琴羽寿沙都とともに留学生として倫敦(ロンドン)へとやってきます。そこで、かの有名な名探偵“シャーロック・ホームズ”と出会い、協力しながら事件を解決していくことになります。
探偵パートでは、事件現場を調べて証拠を入手しつつ、ホームズの常識を超越した推理にツッコミを入れて、推理を完成させる「共同推理」が楽しめます。法廷パートは、基本は『逆転裁判』シリーズと同じですが、大英帝国では検事や証人、裁判長の他に6人の陪審員が裁判に参加する“陪審バトル”となり、陪審員の評決が裁判の結果を左右します。龍ノ介は“最終弁論”で有罪と判断する陪審員を説得し、評決を逆転させることができます。
『大逆転裁判』シリーズ2作目が、8月3日に発売。前作から数カ月後の大日本帝国と大英帝国を舞台に、龍ノ介の大法廷活劇第二幕が切って落とされます。
公式サイトではWeb体験版が公開中。本作を一足早く遊ぶことができます。その他、本作の登場キャラクターやあらすじ、最新映像が公開中です。本作の数量限定特典や早期購入特典、さらに前作を遊んでいない人に向けた『1&2 限定版』など、製品情報も要チェックです。
「以前に遊んだタイトルをプレイしたい!」、「初期作品を遊びたい」という人のために、最新ハードやアプリで発売されているタイトルを紹介します。
『逆転』シリーズの魅力を改めて聞かれると迷います。逆転していく物語もいいし、それぞれのキャラクターも魅力的だし、謎を解き進めていくシステムもおもしろい。そんな中でも熱い物語は外せないと思っています。
各キャラにはバックボーンがあり、事件には因果関係があります。弁護士として調査していくに従って、プレイヤーはキャラと同じような目線で理解し、感情移入していきます。そして後半で迎えるピンチをキャラとともに乗り越えていく。手に汗握りながらギリギリで突破するからこそ、裁判に勝った時に心の底からうれしくなるのです。
個人的には、過去のキャラや関係するキャラが登場するのも、たまらない要素。好きな『逆転検事』シリーズには、狼士龍や一柳弓彦という魅力的なキャラに加えて、御剣信や信楽盾之、ミリカや山野星雄が出てくるのがたまりません。『検事』をやると、そのキャラが出てきた『逆転裁判』の作品をやりたくなり、遊ぶとさらに最近のタイトルを遊びたくなる。キャラが加わり、物語が動くことで深まっていく世界観を味わっていくのはたまらなく楽しいです。
そのうえで、補足説明があるのでどのタイミングでプレイしても楽しめるのはうれしい限りですね。
『逆転裁判』シリーズの好きなところは、本格的なトリックと難易度の高さです。当時発売されていた推理アドベンチャーは、どちらかというとストーリー重視で、調べていくことで自然と解けていくものが多かったのですが、『逆転裁判』はストーリーもさることながら、トリックもかなり秀逸で、そこを解き明かして適切な証拠を提示しなければクリア出来ないという難易度の高さに「これは、すごいミステリゲームが出たぞ!」と苦戦しながらもワクワクしたのを覚えています。
今考えると、探偵パートで証拠を見つけ出し、法廷パートでさまざまな角度から証拠を検証して真実を導き出すシステムも、作中で事件の証拠をすべて提示し、読者にトリックを解いてみろと挑戦状を出す本格ミステリ小説のような手法になっており、おもしろさを増幅する一因だったのだと思います。
もはや『逆転裁判』は、本格ミステリと言っても過言ではないかと思っています! まだ未プレイの方は、3DS版やアプリで遊べるので、ぜひぜひ秀逸なトリックに挑み、解いた爽快感を味わってください!
祝!『逆転裁判』15周年。私が初代をプレイしたのは大学生のころ……もう15年も経ったことにオドロキくんです。
私が『逆転裁判』で一番好きなキャラは『逆転裁判2』から登場した女性警察官の須々木マコちゃんです。メガネとオデコがチャーミングな彼女ですが、一通りの不幸を体験した“不幸の見本市”的なキャラが不遇カワイイわけですよ。『2』だけの登場かと当時は思ったのですが、『3』や『検事』にも登場。レストラン“吐麗美庵(とれびあん)”でのウェイトレス姿や、タイホくんシャツを着たちょいダサファッションも親近感が沸いてイイですよ。
そんな彼女ですが、イトノコ刑事とのエピソードがいいんです。イトノコ刑事の部下であった彼女は、語尾もおそろいの「ッス」。尊敬するセンパイであるところのイトノコ刑事と、『3』ではケンカをしてしまうわけですが……。この仲直りのシーンは何度プレイしてもウルっとしてしまいます。白米とウィンナー……いいよね。
というわけでカプコンさんは、早くマコちゃんのラバーストラップとアクリルキーホルダーとバッジとコースターとステッカーを出してください!
『逆転』作品はどれも大好きなんですが、特に思い入れが強いのが『4』です。数年ぶりの新作、ナンバリング初となるDSプラットフォーム、そして成歩堂龍一に代わる新主人公と、発売前から楽しみで仕方ありませんでした。
実際にプレイしてみたら予想以上におもしろくて、クリア後に何度もプレイしたものです。ここまで私がハマったのは、主人公の王泥喜法介とそのライバルとなる検事、牙琉響也の存在が大きかったのかなと。
オドロキくんについては、ナルホドくんを引き継ぐ主人公ということで若干不安だったんですが、フタを空けてみたらとても愛すべきキャラでした。彼のハードな生い立ちを知るにつれ、「大丈夫ですッ!」と自分を奮い立たせながら生きてきたんだなと切なくなったり。
ガリュウ検事は、軟派な外見に反してマジメだったり、オドロキくんが困っているときに助けてくれたりと、ギャップにやられました。決定打(?)だったのが、燃えるギターの火を必死で消している姿を見た時。以来、彼は私の中で“シリーズで一番好きな検事”の座に居続けています。『5』の3話に登場した時は歓喜したものですよ。
番外編やオマケではなく、本編の裁判でオドロキくんとガリュウ検事が対峙するシーンを再び見たいなと願わずにはいられません。
『逆転裁判』シリーズ、特に1作目は数年ごとにプレイし直していますが、その度に「何度やってもおもしろい!」と思ってしまいます。いや、あなたこれプレイするの何度目よ? と自分につっこみたくなりますが、おもしろい物はおもしろい。
私が『逆転裁判』シリーズにひかれる一番の理由は、キャラクター同士の掛け合いはもちろんカメラワークやテキスト表示にいたるまで、そこかしこにあふれる独特の間の取り方にあります。
このゲームは基本的にテキスト一括表示がありません。最初はまどろっこしいなと思ってしまうのですが、キャラクターの動作や心情に合わせてリズムを変えながら表示されるテキストを追っていくうちに、気がつくとその独特の間合いに引き込まれているのです。
そしてそれを15年前も今もまったく同じように楽しめてしまう……というより『逆転裁判』でしかこの楽しさは味わえない。15年前よりさまざまなコンテンツがあふれるこの時代でも『逆転裁判』は唯一無二なんだなと感じざるを得ません。
有名だけど実はまだプレイしたことがないという人は2話まで無料で遊べるスマホアプリ版の『逆転裁判 123HD』をおすすめします。百聞は一見にしかず、とにかく一度この独特の間合いを感じてみてください。
いつまでもミッちゃんが大好きなりえぽんです。『逆転』シリーズを初めてプレイしたのがGBA版『逆転裁判』で、『2』と『3』も夢中になってプレイした覚えがあります。物語はもちろん、魅力的なキャラクターたちに心ひかれました。
『逆転裁判4』以降のタイトルや他の派生作品もすごくおもしろかったのですが、御剣検事が好きすぎるので、ナルホドくんとの活躍が楽しめる『3』までが大好き! いや、その後の作品に出てくるミッちゃんも好きですけど!! 「やっぱりミッちゃんが一番魅力的だな」とずっと思っていました……『逆転裁判6』をプレイする時までは!
『逆転裁判6』をプレイして本当に“オドロキ”ました! まさかまさか、オドロキくんにこんな展開が待っているとは……。クリア後に思わず『4』と『5』を再プレイして、オドロキくんの成長に涙しました。
最新作をプレイして、過去作がもっと好きになれるシリーズって、なかなかないと思いませんか? というか、オドロキくんがすごく好きになりました! ……ミッちゃんにはちょっとだけかないませんけどね!
それにしても“逆転総選挙”の1位は予想外すぎましたよ。ジャースティース!
『逆転』シリーズ10作品の全事件を分析、解説したファン待望の『逆転大全 2001-2016』が発売中。前後の動向を含めて、それぞれの事件をタイムライン形式で掲載している。
また、巧舟さんをはじめとする歴代作品のクリエイター陣による、インタビューをお届け。今だから語る制作秘話6篇を読むことができる。
●逆転裁判『1』『2』『3』/巧舟×岩元辰郎
●逆転検事『1』『2』/山崎剛×岩元辰郎
●逆転裁判の楽曲/堀山俊彦×岩垂徳行
●逆転裁判『5』『6』/山崎剛×布施拓郎
●大逆転裁判/巧舟×塗和也×北川保昌
●『逆転』シリーズのこれまでと、これから/巧舟×山崎剛×江城元秀
特別解説として、事件年表、登場人物・証拠品一覧、設定資料などを楽しめるので、ぜひ手にとっていただきたい。
※本書は各作品の事件の真相・真犯人の描写を含みます。予めご了承ください。
※本書収録の作品内容、事実解釈は電撃攻略本編集部独自の分析によるものです。
※『大逆転裁判』『逆転裁判6』のみ最終話に関する秘匿があります。
※『逆転裁判6』のDLC特別編“時を越える逆転”の解説は収録していません。
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