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2017年5月3日(水)

『グリザイア:ファントムトリガー』レビュー。新たな『グリザイア』で描かれる物語とは?

文:喜一

 フロントウイングより、発売中のPC用全年齢向けADV『グリザイア:ファントムトリガー』Vol.1~2をプレイした感想をお届けします。

『グリザイア:ファントムトリガー』

 本作はフロントウイング10周年記念作品として発売された『グリザイア』シリーズのスタッフたちが贈る、『グリザイア』の世界観を引き継いだ新企画タイトルです。

 また、冒頭でVol.1~2と書いたとおり、本作はまだ完結しておりません。ライトノベルと同等の発行ペースで作品が展開されていくそうで、Vol.3は夏に発売予定とのこと(以降シリーズ続巻を順次リリース)。

Vol.1を気に入ったら2まで遊んでほしい

 まずはVol.1をプレイした感想からお届けしましょう。その前に本作の主人公は蒼井ハルトなのですが、Vol.1をプレイした限りでは、いい意味でそんな感じがまったくせず、前情報がなければ有坂先生が主人公だと勘違いしてしまうほど(笑)。

 有坂先生は、主人公たちハルトが通う私立美浜学園で、ハルトたちのクラスの担任を務めることになる人物。作中では彼女の心情が描かれることも多く、後述する魅力的でちょっと特殊なキャラたちを理解しようと励む、非常に親近感のわく先生なのです。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲のっけからすごい言われようです。
『グリザイア:ファントムトリガー』
▲先生が考えた渾身の質問ですが……。
『グリザイア:ファントムトリガー』
▲まさか銃のマガジンについての質問を返されるとは……。

 Vol.1で有坂先生を主軸にした物語を展開することで、すんなりと本作の世界に入っていけることが好印象。他にもキャラが抱えている謎の部分を深掘りしすぎず、あくまでキャラの表面上の性格などが理解できるといった展開に収まっており、さらに深いところが知りたくなる作りとなっていました。

 もっと素直に書いてしまうと、いわゆる共通ルート的なものがVol.1になると感じました。いよいよここから話がおもしろくなってくるところですので、ぜひVol.2まで続けて遊んでほしいところ。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲おなじみのSDキャラのイラストもありますよ。

 筆者の独断と偏見で簡単に各キャラの印象を紹介しておくと、下記のような感じになります。ちなみに今のところ一番のお気に入りはムラサキです。種﨑敦美さんの演技も相まって素晴らしいキャラになっています。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲よし、キャラ付けもバッチリ!

【各キャラの印象】

ハルト:達観したクラスの大黒柱

レナ:アホっ娘。ハルト大好きで大食い

トーカ:ツンデレ。つっけんどんだけど、ツン8:デレ2な王道感がイイ

クリス:ママ。じつは何もかもお見通し? 早く眼鏡アリCGが見たい

ムラサキ:ニンジャ。ユル~いがやる時はやる、スペシャリスト

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲単刀直入に言うとかわいい以外の言葉が見つかりません。

『グリザイア』シリーズを初めて遊ぶ方へ

 前作の『グリザイア』シリーズをまったく遊んでいないんだけど、おもしろそうだから遊んでみたい方もいると思いますので、実際にどうなのかお伝えしていきます。

 基本的には、前作シリーズをプレイしていなくてもまったく問題ありません。公式サイトで聴いたムラサキの声が頭から離れないとか、ムラサキのことが気になって仕方がないとか、そういう理由で遊んでもらってまったく問題ありません(大事なことなので2回書きます)。

 また、『グリザイア』シリーズの特徴としてはヒロインたちがそれぞれ抱える“問題”や“過去”といった人間性が描かれる部分が大きな魅力として挙げられます。ただ、今回の『ファントムトリガー』に限って言うと、まだまだ筆者自身も展開が読めませんので、どういったことになるかは非常に楽しみです。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲ツンデレなトーカちゃんもいいですよー。

シリーズをすべて遊んだファンはニヤりとできるところが……?

 筆者を含めて、前作のシリーズをすべて遊んでいる方も多くいると思いますが、そんな方たちがニヤりとできそうなポイントも、もちろんあります。まず、美浜学園が個人に買い取られて“特殊技能訓練校”になっているということ。

 個人って誰だ……? とか、美浜学園の在り方が変わっていることが大きなポイントだと思うのですが、何より見知った学生寮とかが出てくるとニヤりとしちゃいます。そしてCIRSが刷新されたということは、アイツらはどうなったんだとか、気になることは尽きません。

 しかも、Vol.1の後半では●●●●もでてきますから! 前作を知っていれば、ニヤりとできることは間違いなしですよ。

新キャラも登場し、レナに関係した物語が展開するVol.2

 Vol.2では、新たにチョコとバニ子……もとい、バニラの稲垣姉妹や宇川といった新たなキャラが続々登場。前半は、ほんわかとした日常パートでしたが、後半にかけてなんだかキナ臭い展開になっていきます。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲左の浅黒いほうがチョコ、右の色白ちゃんがバニラです。

 このVol.2では、おもにレナに関係したお話が展開されるため、Vol.1でレナが気になった人は間違いなくプレイしたほうがよいでしょう。もちろん、レナ以外のキャラも大活躍なので、とても楽しく読み進められました。

 自分のおバカさを気にしてスネちゃうレナかわいいよ、レナ。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲あながち間違いでもないのでは……?

 そしてなんと言っても、『グリザイア』らしさを感じられるのがこのVol.2でしょう。“らしさ”ってなんだよという感じですが、個人的には過去にあったことが清算されて未来へとしっかりつながっていくあたりが、『グリザイア』らしいところなのかなと。

 そういった意味では、『グリザイア』シリーズが持つおもしろさが沸々と感じられるのがVol.2でしょう。

 あと、深夜にプレイしていたのがいけなかったのか、謎のチューカイさんが登場するシーンでは腹筋が崩壊してしまいました。屈指の名シーンだと思います。

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲チューカイさんの登場シーンは必見です。

散りばめられた伏線が気になる展開。物語はどこへ向かうのか

 魅力的な女の子たちのことも気になるのですが、やはり主人公のハルトが一番謎に包まれており、これもいつか明らかになるのかな~と非常に気になります。

 ちなみにVol.1単体では約2時間半ほどで読み終えることができるので、気軽にやってもらえればと。1~2をぶっ通しでやると大体約5~6時間といったところです。

 他にも仙石さんと野上さんについて、もっと詳しい話をはよ! とか、いろいろ言いたいことはあるのですが、ひとまずはVol.3の発売を楽しみにさせていただこうと思います。

『グリザイア:ファントムトリガー』

 学園内でのドタバタコメディから、裏稼業での緊張感まで味わえる『グリザイア:ファントムトリガー』。今まで遊んだことがない方、シリーズが好きという方にもオススメです。銃火器とバイクも出ますよ!

『グリザイア:ファントムトリガー』
▲控えめに言ってセクシーすぎます。
『グリザイア:ファントムトリガー』
▲なんかダメなんでしょうか!?
『グリザイア:ファントムトリガー』
▲クリア後は、EXTRAが解放されてCGやBGMを楽しめます。

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