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2017年6月14日(水)

SIE WWSプレジデント・吉田修平氏が『Spider-Man』などカンファレンス発表タイトルを語る!【E3 2017】

文:電撃PlayStation

 米国・ロサンゼルスにて、現地時間6月13日~15日に開催されているコンピュータゲームの祭典“Electronic Entertainment Expo 2017(E3 2017)”。

『E3 2017』

 その会場で、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏にインタビューを実施。本イベントで発表された注目タイトルに関する情報や、PlayStation VRに対する海外の動向など、貴重な話をたくさんうかがえた内容となった。

『E3 2017』
▲SIE WWS プレジデントの吉田修平氏。

吉田修平氏インタビュー

――『Days Gone』『GOD OF WAR』『Detroit Become Human』など、今年で2回目の紹介となるタイトルが目立ちましたが、今回はどこを意識して見せようとしたのでしょうか?

吉田修平氏(以下、敬称略):ゲームが完成に近づいてきたことで、プレイの部分をフィーチャーしました。最後にお見せした『Spider-Man』はすべてゲームプレイです。映像ではビルの中を進んでいましたが、あのとおりにプレイする必要はなく、いろいろなルートで進むことができます。

 私もプレイしましたが、毎回違ったイベントが発生しました。オープンワールドのゲームなので、映像の中でも見られたヘリコプターを追いかけるルートも自由で、最終的に追いつきさえすればイベントが発生します。

 毎回展開が変わるので、1回プレイした人がもう1度プレイしたくなるようなゲームになっています。また、少しデフォルメはされていますが、『Grand Theft Auto V(GTA5)』のような感じで、ニューヨークの街並みをオープンワールド化しています。

『E3 2017』
『E3 2017』
▲『Spider-Man』

――ストーリーはゲームオリジナルなのでしょうか?

吉田:完全オリジナルです。これは、MARVEL側のアプローチが変わったことがきっかけです。これまでのタイトルは、映画の内容やリリーススケジュールが優先されていたため、作品のクオリティを上げる時間があまり多くありませんでした。

 しかし、MARVEL自身が“作り込まれた世界観を自由に使ってオリジナルのストーリーを作りたい”という方針に変わってきたんです。そのため、ゲーム開発側もじっくりと作り込むことができるようになりました。

 MARVEL側の担当者もゲームに詳しい方で、ゲーム化にあたり優秀なデベロッパーとしか組まないというスタンスでした。そのなかで、SIEとInsomniac Gamesが制作してくれるなら、ということでプロジェクトがスタートしています。『アベンジャーズ』のCrystal DynamicsとEidos Montrealもすごい組み合わせですよね。

――PlayStation 4の影響力もあると思います。

吉田:昨今のゲームのクオリティや表現力から、ゲームでも質の高いものが作れるという認知が高まったのだと思います。IPを所有する側も自分のIPをゲームで表現するときに、映画や原作だけではなく、ゲームのよさを生かした形でキャラクターや世界観を表現したい、という考えになってきています。

――PS VR向けのコンテンツもカンファレンスでは多数発表されていました。日本は盛り上がっていますが、海外でのVR市場はどうなっているのでしょうか?

吉田:VRコンテンツは元々海外先行で盛り上がっています。PCゲームが盛んなこともあって、デベロッパーへの出資も含めて活気づいています。VRコンテンツを作る環境としては海外が一歩先を行っています。

 日本はアーケードでのVRコンテンツが世界から見ても優れていると思います。VRへの認知度やコンテンツを作るパワー、魅力的なIPが存在するという意味では高いポテンシャルをもっていると言えるのではないでしょうか。ただ、ゲームコンテンツを作るという意味では、投資する規模や企業数が違うので、そこが海外との差なのかなと感じています。

――VRコンテンツはリージョンによって盛り上がり方が違うのが印象的でした。

吉田:よりコンシューマー向けのコンテンツ制作への投資、という意味では欧米と中国がリードしています。PS VRでも中国のデベロッパーが作ったタイトルを全世界に配信することが多くなっています。

 PlayStationハードに関して中国メーカーの取り組みはこれまであまり多くなかったのですが、VRが出てから非常に盛んになりました。背景として、VRコンテンツの制作に対する中国企業の投資があります。中国企業の投資は中国国内だけではなく全世界に向けられていますし、日本のデベロッパーにも中国から支援を受けてコンテンツを作っているところがあります。

――日本はまだ及び腰ということですか?

吉田:新たな市場に慎重な企業は多いですが、本腰を入れればクオリティの高いコンテンツを作れるポテンシャルがあるので、今後がすごく楽しみです。

――『FF15』の釣りゲームはVRに向いていると思います。

吉田:よくできていますね。プレイヤーは動かなくていい点も、PS VR向きです。横を向いたら『ファイナルファンタジーXV』のキャラクターがいる、なんて演出があればキャラクターが好きな人にはたまらないゲームになりそうです。

――VRコンテンツにも本格的に遊べるゲームが増えてきました。

吉田:VRデベロッパーの投資が非常に盛んなので、多くのコンテンツが制作されていますし、発売もされています。PS VRは普及台数も多いため、すでにPCで発売されたタイトルをPS VR向けにアレンジしてリリースする、といった流れもできつつあります。

――『The Inpatient』はリアルでゾクっとしました。

吉田:『Until Dawn -惨劇の山荘-』の派生作品ですね。以前同じチームがPS VR用コンテンツとして『Until Dawn: Rush of Blood』というレールシューターを制作しましたが、オリジナルファンはホラーアドベンチャーを期待していたところもありました。それに応える形で、今回は『Until Dawn』の世界観を生かしたサイコスリラー風の物語を、PS VRコンテンツとして制作しています。

『E3 2017』
『E3 2017』
▲『The Inpatient』

――今回のカンファレンスではSIEタイトルが多かったように感じましたが、なにか意図していたのでしょうか?

吉田:確かに、PS4ロンチ以降、近年のカンファレンスでは、SIEタイトルの割合はあまり高くなかったと思いますが、今年は『グランツーリスモSPORT』、『New みんなのGOLF』、『GOD OF WAR』など、SIE発のPS4でしか遊べないタイトルが選ばれました。

『E3 2017』
『E3 2017』
▲『GOD OF WAR』

――『ワンダと巨像』は新作にしか見えませんでした。

吉田:会場でどのような反応になるかドキドキしましたが、開発のBluepoint Gamesは、PlayStation 3の『ワンダと巨像』リマスターも担当しているので安心しています。そして本作のコンセプトは、原作をリスペクトしたうえでPS4の技術で作ったらどうなるか、というものになっています。

 一見PS4の新作ゲームに見えますが、中身は『ワンダと巨像』そのものです。実はアセットも全部作り直していて、かなりの時間をかけて作り込んでいます。

 また、今の時代に即した操作性や遊びやすさなどを、オプション的に加えようと考えているところです。発売は来年を予定していますが、順調に進んでいます。

――インディーゲームのタイトルが少なかったように感じました。

吉田:私もインディータイトルが好きなので残念なところですが、カンファレンスの全体的な時間にも制限がありますので、別の形でフォローしていきます。E3会場では、去年のPlayStation Experienceの Showcaseで発表していないタイトルもたくさん展示しています。

――『モンスターハンター:ワールド』は日本でも盛り上がったようです。

吉田:『モンスターハンター』もPS4版になったことでさらに規模が大きくなるでしょう。会場の反応もよかったですね。日本以外にもファンが増えているので、このままの勢いで世界でも成功してほしいです。

――吉田さんから見て世界で成功するには何が重要だと思いますか?

吉田:海外ユーザーはオープンワールドでサンドボックス的に自由に遊べる作品を好むので、そういった部分は望まれますね。あとはモンスター同士の戦いや、AIを生かしたコンテンツなどでしょうか。ユーザーが工夫する要素や、プレイするたびに異なる展開があると世界でも盛り上がると思います。

――『Days Gone』のゲーム性が印象的でした。

吉田:完全なオープンワールドタイプのゲームなので、どのシチュエーションにアプローチするかはユーザーによってさまざま。今回はそのシチュエーションの1つを見てもらいました。

『E3 2017』
『E3 2017』
▲『Days Gone』

――すごくわかりやすいと思います。あれでいろんなアプローチがあるんだと理解しました。  

吉田:パズル的な要素もアクションのなかにあるんですよ。例えば、素材を集めてクラフトしたアイテムをこのシチュエーションで使ったらどうなるか、という遊びも本作の魅力です。

――『Detroit: Become Human』の紹介時間も長かったですよね。

吉田:アンドロイドと人間という、今の時代にマッチしたテーマのタイトルで個人的にとても好きです。開発に4、5年の期間をかけているので、かなり作り込まれた内容になっています。

『E3 2017』
『E3 2017』
▲『Detroit: Become Human』

――今後、PS4はどのように進化していくと感じていますか?

吉田:『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』の追加DLCや、『Horizon Zero Dawn』の追加DLCなど、コンテンツを継続していくことが多くなると思います。『Destiny』がいい例ですね。

 今はかなりのユーザーがオンラインでつながっているので、ユーザーとクリエイターの繋がりをいかに絶やさないか。そこを考えながら、今後のタイトル開発を進めています。

――e-SPORTSを意識したタイトルが少なかったのが意外でした。   

吉田:SIEタイトルですと、『グランツーリスモSPORT』はそれにあたると考えています。カジュアルな対戦から、オンラインのオフィシャルトーナメントまで、いろいろな遊びを提供できればと思います。

――運営型は仕組みを作るのが大変だと思います。

吉田:確かに運営にはかなり手間がかかりますし、リージョンによってアプローチを変えていく必要もあります。今後は、状況に応じてパートナーシップを組むことも視野に、長い目で続けていく必要があると思います。これからのゲームは発売日がゴールではなく、スタート地点になっていくと思います。

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