2017年6月21日(水)
セガゲームスから発売されるPS4/Xbox One/Nintendo Switch『ソニックマニア』、PS4/Xbox One/PC『ソニックフォース』の開発者インタビューをお届けします。
米国・ロサンゼルスにて開催されていた“Electronic Entertainment Expo 2017(E3 2017)”のセガブースに出展されていた『ソニックマニア』、『ソニックフォース』。プレイしようと幅広い層のユーザーが集まり、ブースは盛況でした。
『ソニックマニア』の飯塚隆プロデューサーと、『ソニックフォース』の中村俊プロデューサーへのインタビューを実施。会場の印象や、ゲームのポイントなどをお聞きしました。
▲中村プロデューサー(左)と飯塚プロデューサー(右)。 |
――E3の感想はいかがですか?
飯塚:今年から一般のユーザーが入られているということもあり、人が多いですね。初日は通路を歩けないくらい、混んでいました。
中村:他のブースを見る時間はあまりないのですが、これまでのE3はブースを見て、タイトルを比較的遊べる印象だったのですが、今年は遊べる隙はほぼないですね。ただ、熱気を含めてすごいと感じています。
――会場のタイトル、カンファレンスで発表されたタイトルで印象的だったものは?
中村:『ソニック』を担当しているので、『スーパーマリオ オデッセイ』は気になります。さわれていないので遊びたいです! Nintendo Switchは北米でも調子がいいので、どのように受け入れられていくのか、注目しています。
飯塚:各社様いろいろ発表されていて、目移りしています。『スーパーマリオ オデッセイ』や『モンスターハンター:ワールド』は注目です。
あと、個人的には好きな『スパイダーマン』がおもしろそうで、気になりますね。ムービーなのか、カットシーンなのか、インタラクティブな部分を含めて、ゲームの作りとしても気になります。
――ブースでゲームをプレイされたユーザーの反応はいかがですか?
飯塚:ドット絵のソニックということで、遊ぶやすいとすごく評判です。あといくつかのノミネートをいただけたので、期待されていることを実感しています。
今は最後の追い込みなので、より気持ちをいれて作業したいと思います。
中村:ハイスピードのアクションで期待されたタイトルになっているというところを評価していただいています。そのうえで、熱い展開もあるので、楽しんでいただけているようです。
――会場ではリングチャレンジが行われていて、かなり盛り上がっていますね。
中村:私もやって賞金をゲットしたいのですが、残念ながら社員には当たらない仕組みです(笑)。
――あれはセガ・オブ・アメリカの企画なんですか?
飯塚:そうです。狙いとしては、まずユーザー参加型のアトラクションにしたかったんです。参加すると、『ソニックマニア』の世界でジャンプしている動画を作れるため、体験と拡散ができる企画になっています。
――『ソニックマニア』は5ステージが公開されていますが、他にどのようなステージが用意されているのでしょうか?
飯塚:今までのクラシックソニックシリーズで一番ステージ数があります。そのため言いたいのですが、皆さんの楽しみをそがないように、あまり公開しすぎないようにしています。
――開発で重視していることは?
飯塚:クラシックソニックファンに喜んでいただけることをもっとも重視しています。新しいギミックを作る際にも、レベルデザイン、見た目ともシリーズテイストを外さないことを意識。新しいステージでありつつ、懐かしさを感じる作りにしています。
――レトロさがありつつ、新たなグラフィック表現には驚きもありました。
飯塚:レトロな遊びを搭載しつつ、グラフィックには力を入れています。奥行きを感じられる作りになっているため、新鮮さもあります。いままでの2D集大成だと思ってください。
――配信アナウンスPVは、スケッチのテイストや流れを含め、すばらしいと感じたのですが、あの映像はパッケージにならないのでしょうか?
飯塚:ありがとうございます。おかげさまでファンの方からも、すごく反響がありました。個人的にもいいアニメができたと思っています。スケッチだったのが、最後にカラーになりましたよね? 何か期待できるのではないでしょうか(笑)。
――前回のインタビューでは決まっていなかった限定版が、国内でも発売となりましたね。
飯塚:国内の方の反響は確認できていないのですが、アナウンスのとたんに売り切れてしまったと聞いています。皆さん、待ってくださっていたのを感じました。
――ターゲットはどこの層を考えていますか?
中村:レトロとモダンで分かれているのですが、『ソニックマニア』でレトロなユーザーを取り込んで、『ソニック』熱を取り戻して、『ソニックフォース』をやってもらう。
『ソニックフォース』はストーリーもあり、アバター要素もあるので新しいユーザーを呼び込む。2つのコンボで『ソニック』を楽しんでもらえるユーザーを増やしていきたいと考えています。
――自分でキャラクターを作るというのはいつごろから考えていたのでしょう?
中村:実は飯塚が長年温めていたアイデアです。
飯塚:シリーズを作っている間、ファンからずっと「私の考えたキャラを出してほしいです」という要望がずっとありました。それをそのまま出すことはできないんですが、何らかの形で実現したいと思っていました。それで今回、カスタムキャラクターを採用しました。
中村:人間をキャラメイクするゲームはあるんですが、あのようなキャラクターを作れるものは珍しい。実際にやってみると楽しいと思いました。『ソニック』は1人のキャラでアクションをするゲームですが、アバターをカスタマイズして新しいルートを切り開いていくのは新鮮ですね。
――発表されて反応はいかがでしたか?
飯塚:非常にポジティブな意見が多いですね。自分でキャラを作れることに、ファンから御礼を言われました。
中村:海外は文化として自分のキャラを動かしたいという人が多い。日本でも「ついにキャラを入れられる」と熱い反応が来ています。
――パーツとしては、どれくらいあるのですか?
中村:顔、目、口など、かなりあります。アクセサリーもあり、手やボディにつけられます。色も変えられることも考えると無数にあります。
自分のキャラがソニックと一緒に冒険して、成長していく様子を見られるのでより愛着が沸くと思います。
飯塚:カッコいいキャラはもちろん、おちゃらけたキャラも作れます。シリアスな場面にそういうキャラが参加しているのが、個人的にはすごく楽しいです。
中村:開発中にはランダムで生成してみることもあるのですが、できてきたキャラを見ておどろくこともあります。
――例えば、どこかで見たようなキャラを作ることも可能?
中村:そういうこともできるかと。
――2人のソニックはどちらが主役なのですか?
中村:基本的にはモダンソニックが主役です。モダンソニックの世界がピンチになったので、ある理由できたクラシックソニックが助けるという流れです。
――プレイのイメージは、シリーズのどのタイトルに近いのでしょうか?
飯塚:ゲームプレイではサイドビュー、フォワードビューというパターンはこれまでにも確立しています。それにアバターシステムを加えて調整しています。
中村:ゲームの展開としては、『ソニックアドベンチャー2』に近いですね。
――『ソニックフォース』もこの後、情報を出されると思うのですが、国内でもさわれる機会はくるのでしょうか?
中村:今後、どんどん情報を出していきます。国内ファンに遊んでいただく機会は東京ゲームショウで作りたいと。
――開発の中で重要視していることは?
中村:ハイスピードアクションを重視して作っています。これまでのシリーズですと、ベクトルの違うアクションをまとめることもあったのですが、今回はトータルのアクションとして楽しめるように、考えています。
クラシックの速さと、モダンの速さと、アバターのテンポという3つのハイスピードをプレイしてほしいです。
――他にも見どころ、ポイントがあれば、最後にお願いします。
飯塚:先に『ソニックフォース』を開発していて、3Dのソニックファンでカジュアルユーザーを取り込み、『ソニックマニア』はコアファンと昔のシリーズをやっているが最近のタイトルはやっていない人を狙っています。
一見、違うターゲットにしているタイトルなのですが、両方やっていただけると感じてもらえるものがあると思い、作っています。夏に『ソニックマニア』、冬に『ソニックフォース』と楽しんでいただければと思います。
中村:今までの敵が出てくるトレーラーを公開したのですが、最後に出てくるものがどんなヤツで、なぜ世界を支配したのかはお楽しみ要素です。カットシーンはまだ見せていないのですが、興味をひかれると思います。今後も注目してください。
(C)SEGA
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