News

2017年7月31日(月)

『アーマード・コア』で鷲掴みにされたロボット好きの心。20年前あの瞬間から俺らはレイヴンだ【周年連載】

文:キャナ☆メン

 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 第61回は、7月10日に20周年を迎えたプレイステーション用メカアクションゲーム『アーマード・コア』です。フロム・ソフトウェアが生んだ名作『AC』シリーズは、メカアクションの肝になる操作感、自由度が高くこだわれるメカカスタマイズの遊び、プレイヤーの想像力を刺激する世界観の表現など、さまざまな要素が人気を博し、多くのロボットファン、アクションゲームファンを虜にしてきました。

『アーマード・コア』
▲初代『AC』のパッケージ画像。20年前の7月10日……1997年7月10日に本作は発売されました。

 20年の歴史はタイトル数に感じることもでき、アクションをメインにした主軸の作品だけでも14タイトルが発売されています。他にも、AIを搭載した機体同士を戦わせるシミュレーター『アーマード・コア フォーミュラフロント』、モバイル展開、PSPへの移植などがあり、それらを数えるとタイトル数は20を超えます。

 最新作となるPS3/Xbox 360用ソフト『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』の発売からは4年弱が経過していますが、今も多くのファンが続編の発表を熱烈に待っているはずです。

 そんな人気シリーズの原点となる初代『AC』は何が素晴らしかったのか? ライター・キャナ☆メンの個人的な思い出と感想を交えて振り返りたいと思います。また、記事の最後にはプレゼント企画も用意しています!

機体の個性と自分の腕を感じられる触り心地

 初代『AC』は、先に挙げたようなシリーズの魅力になる要素の土台が、1作目にして既にそろっていたタイトルだと思います。中でも個人的に一番感動した部分が、コントローラを通して得られる操作感がよいところです。

『アーマード・コア』

 第一に、自分の操作で機体が動いた時、それを表現するモーションやエフェクト、効果音など、すべてを引っくるめて得られる体験に、すごく“ロボットらしさ”を感じました。単純な例を書けば、ブーストを噴かしている時の音がいいとか、動作に応じた機体の傾き具合が絶妙とか、左右に切り返した時の動きが格好よすぎるとか、挙げたらキリがないのですが……。

 “自分こそがアーマード・コアを動かしている感覚”、言い換えればパイロット、『AC』シリーズで言えばレイヴン気分を味わえるゲームだったので、そのことをきっかけにハマっていった記憶があります。

 また、アセンブルに応じた機体の違いを、コントローラ越しの手応えとして感じられるところも『AC』の魅力に思ったところです。自分好みにオリジナルの機体を組み、それを操作するゲームなので、ある意味でこれを満たさなければゲームにならないのですが、それでも自分は『AC』で初めて味わった体験だったので、すごく感動したことを覚えています。

 そのため、自分の機体にとても愛着がわいて、ただゲームをクリアするだけでは物足りず、友だちとの対戦が盛り上がるようになりました。

『アーマード・コア』
『アーマード・コア』

 『AC』をプレイしてないと耳慣れないであろうアセンブルは、コアや頭、腕、脚、ジェネレーター、FCS、武器など、さまざまなパーツを組み合わせて機体をカスタマイズできる機能です。機体構成をアセンと略して呼ぶことも多いです。

 とはいえ対戦をするとなると、基本的な操作や立ち回りに慣れるまで、最初のハードルがけっこう高かったとも思います。例えば、『AC』だと相手に攻撃を当てるためには、自分の手で敵機を照準サイト内に収める必要があり、平面に高さの概念が加わった3D空間で、これをできるようになるのがまず難しい(苦笑)。

 1人でミッションをプレイする分には、高さの対応は操作が遅れてもそこまで困らないのですが、対戦だと自機と敵機の高低差はきちんと対応しないと、なかなか勝てるようになりません。ただ、敵機を照準サイトに収める難しさ、一歩進んで“相手の攻撃を避けながら、いかに敵機を照準サイトに収めるか”という立ち回りの駆け引きは、バトルの基本でありながら奥が深く、『AC』の熱中する要素の1つでもあります。

 そして『AC』の操作感は、練習するほどうまくなることをを実感できるものでした。そのため自分は、だんだんと練習すること自体にハマって、気づいたらアセンブルと練習を繰り返すのが日課になっていました(笑)。

『アーマード・コア』

 操作感はいいけれど、操作難度は高い『AC』。照準サイトの上下を合わせる操作は、苦戦した人も多いのではないでしょうか。自分は対戦を始めてから、本格的に苦労しました……。

 ただ、『AC』の操作はハードルが高い代わりに、“機体をどう動かすかは自分の腕次第”という実感を得られて、それこそが勝利の快感やプレイの達成感を強めていたと思います。そのおかげで、勝てなかった時に「練習さえすればどうにかなる」と思えたのも大きかったです。

 対戦ゲームとしてこれらは当たり前のことかもしれませんが、その“当たり前”と“自分のオリジナル機体で戦える”という要素が両立していたことに、『AC』の新鮮さがあったと思います。

『アーマード・コア』

 対戦や勝ち負けとは一切関係なく、操作に慣れてくると、機体の動きがすごく格好よく思えてくる……最初はパイロット気分だった感覚が、そのうちエースの気分になって、「俺カッコイイ!」と思えるゲームでした。

想像力をかき立てる世界観

 初代『AC』の世界設定は、未来の地球で“大破壊”と呼ばれる国家間戦争が起き、その戦争によって荒廃した地上を捨てて地下に都市を築いた人類が、国家ではなく“企業”の主導によって再興していくものの、社会の裏ではテロや企業の汚い争いが絶えない……というのが概略です。

『アーマード・コア』

 主人公(プレイヤー)は、アーマード・コアというメカを駆って企業からの依頼をこなす“レイヴン”と呼ばれる傭兵で、これは“孤高の傭兵”という言葉がイメージとしてはぴったりでしょう。

『アーマード・コア』 『アーマード・コア』

 斜陽を迎えた巨大企業“クローム”と、高い技術力を背景に急成長する“ムラクモ・ミレニアム”の2社が争う初代『AC』の世界。プレイヤーは、企業からの依頼“ミッション”を通じて、社会の歪みを目の当たりにしていきます。

 “大破壊”によって地上の文明が崩壊した後の世界ということでは、終末後の世界を描くポストアポカリプス的であり、メカモノという点ではSF的であり、しかし、それらの言葉だけでくくってしまうとなんか違う。『AC』独自の世界観を匂わせていることは、ユーザーをひきつける魅力の1つだったと思います。

 そして『AC』の表現ですごかったのが、キャラクタービジュアルが存在しないことです。ゲーム中では、主人公に依頼をする企業の人間であったり、レイヴンの活動をサポートするオペレーターであったり、敵対するレイヴンであったり、さまざまな人物のセリフをボイスやメールで見聞きすることができるにもかかわらず、そのビジュアルが一切表示されません。厳密にはムービー中に人の姿が映っているけれど、それもあえて曖昧(あいまい)に描かれているんです。

『アーマード・コア』

 キャラクターがいるのに外見がわからないという、マイコン時代ならまだしも、当時では考えられない情報の欠落に、自分は思わず「このキャラはどういう人物なんだろう?」と想像力をかき立てられました。

『アーマード・コア』

 少ないセリフの中に人物の個性を感じられたのも、『AC』のよかったところ。もし、キャラクターに魅力がなければ、ビジュアルのないことはただの不満に終わったはずなので、ある意味で諸刃の剣な表現かもしれません。

 さらには、キャラクターの人物像を想像することをきっかけに、ゲームプレイを通じて触れる世界のさまざまな物事に対して、想像を巡らせてしまう。こちらに与えられた設定は、戦争による文明の崩壊であったり、企業の争いであったり、傭兵であったり、ある意味で分かりやすいので、想像も膨らませやすいですし。そうして想像を進めるほどに、頭の中で世界が広がっていき、『AC』の世界観が魅力的になっていったように感じます。

 また、主人公に関してはビジュアルもセリフもまったく存在せず、完全にイチからプレイヤー自身で想像するしかないことは、たまらない“ロールプレイ体験”をさせてくれました。自分の想像力で補った世界で、自分で自由に思い描く主人公(というか俺)が活やくする……これが楽しくないはずがない!

『アーマード・コア』
『アーマード・コア』

 『AC』の名言「認めよう、君の力を。今この瞬間から君はレイヴンだ」。ゲームを開始して、レイヴンになるためのテストをクリアすると言われるセリフで、この言葉を聞いた瞬間、ぐっとゲームの世界に引き込まれました。

 あえて情報に制限をかけて、ゲーム内ではなくプレイヤーの脳内で世界や主人公を完成させる『AC』の表現方法は素晴らしかったですし、以降のシリーズ作品でも、節目となる作品で世界観の刷新があっても、遊ぶ側の想像力をかき立てる表現方法についてはずっと継承されているので、これからも『AC』には我々の想像力を刺激するゲームであってほしいと個人的に思います。

終わりなき探求を楽しむアセンブル

『アーマード・コア』

 世界観の話から離れてゲームプレイ的な面から見ると、『AC』の大黒柱はやはりアセンブルな気がします。誰かと対戦をするにも、1人でミッションをプレイするにしても、機体を組み上げるアセンブルの要素は欠かせません。ゲームクリア後がむしろ本編という面もある『AC』において、最終的には、もっとも長い時間をプレイする遊びだと思います。

 もちろん、アセンブルを楽しむにはパーツ集めが必要で、その手段となるミッションは、“遊んで楽しい”、“パーツ集めに役立っておいしい”という一挙両得な遊びでした。対戦、ミッション、アセンブル、あるいはACテスト……どの遊びも、他の何かしらの遊びと重なり合っていて、充実したプレイ体験を味わえたことに、初代『AC』の完成度が既に高かったことを感じます。

『アーマード・コア』
『アーマード・コア』

 ミッション中には、隠しパーツが存在することも。当時の開発スタッフの名にちなんだ名称を持つレーザー兵器“カラサワ”は、その凶悪すぎる強さにインパクトがあり、『キングスフィールド』シリーズに登場する武器の名を冠としたレーザーブレード“ムーンライト”と並んで、『AC』シリーズを象徴する武器となっていきました。

 アセンブルに話を戻すと、『AC』では何か1つパーツを変えるだけで戦闘での変化を実感でき、個性的なパーツも豊富に存在するので、自分の頭に思い描く理想の機体に近づくため、「ああでもない、こうでもない」と機体をいじる“終わりのない探求の楽しさ”が初代『AC』の時点で味わえたと思います。週末に友だちと集まって対戦した時などは、戦った後に各自のアセンブルを見せ合い、みんなで意見を出し合っていたのも楽しかった思い出です。

『アーマード・コア』
▲平日は、アセンブルとACテストを何度も繰り返すうちに、つい時間を忘れて深夜になっていることもざらでした(笑)。

 ただ、そうやって友だちと対戦やアセンブルを楽しみながらも、自分のアセン嗜好を決定付けたのは、初代『AC』で1度だけ出場した対戦会イベントでの体験でした。その対戦会では、決勝トーナメントへの出場を賭けた予選の試合で、ブレードによる大逆転を決めたんですね。

 その後、トーナメントの初戦で小型ロケットを当てることができて、その際、観戦者たちの間から「おぉ……」という感嘆の声があがったのを聞いたんです。まあ、その試合にはあっさり負けたのですが(苦笑)。

 けれども、自分はその対戦会での2つの出来事があまりに気持ちよくて、何を勘違いしたのか「もう俺の武装はブレードとロケットだけでいい」と思うようになり……。さすがに小ロケはやめましたけど(笑)。それでも、『AC』のプレイヤーなら「それ勝つ気があるの?」って思うアセンですよね。

 実際、その後のシリーズで何度か対戦会に出た時は、せいぜい1勝、よくても2勝止まりでした。それでも、ロケットやブレードは、削ったAP以上に精神的なダメージを与えている感じが気持ちよかったです。結局、『ラストレイヴン』まではメイン機体の武装がその2種のみでした。そんな風に自分のロマンを追求できるのも、『AC』の楽しみです……よね?

 だいぶ余談が過ぎました。そんなアセンブルのおもしろさは、ロボットファンやメカ好きにとっては、対戦に限った話だけではなかったと思います。好きなアニメに登場する機体に似せたものを作るとか、好きな作品に登場しそうな新メカを考えてみるとか、そういう遊び方ができるのも『AC』のよかったところです。ちなみに自分は、某『Zガ○ダム』に出てくる金色の機体に似せたアーマード・コアを組み上げて遊んでいました(笑)。

『アーマード・コア』
『アーマード・コア』
▲ちなみに、強化人間という隠し要素もありました。強化人間という字面とシステムが、ロボットアニメ好きに響く!

20周年記念企画? 『アーマード・コア マシンサイドボックス』とランカーAC“ナインボール”歴代プラモデルをプレゼント!

『アーマード・コア』

 かなり主観的ではありましたが、なるべく当時の気持ちを思い出しながら、初代『AC』の魅力を書き連ねてきました。初代『AC』を含め、PSで発売された3タイトルはPS3/PS Vita用ゲームアーカイブスとして配信されているので、気になった方、当時の気持ちを味わいたくなった方はぜひダウンロードして遊んでみてください。

 個人的に『AC』をプレイしている時間は、本当に楽しいものだったので、このゲームと出会えたことにはとても感謝しています。この先、30周年、40周年の時も多くの人に愛されているタイトルであるように、フロム・ソフトウェアには、ぜひシリーズの続編を……続編をお願いします!

『アーマード・コア』

 また、ここまで記事を読んで下さった方も、お付き合いいただきましてありがとうございます。今回は『AC』の20周年を祝う企画ということで、『AC』ファンの方々に何かしら喜んでもらえることができないかとご相談したところ、未開封の『アーマード・コア マシンサイドボックス』と、プレイヤーを苦しめたランカーAC“ナインボール”の歴代プラモデルをご提供いただきました。

『アーマード・コア』
▲『アーマード・コア マシンサイドボックス』

 『アーマード・コア マシンサイドボックス』は2006年12月21日に発売されたコレクションアイテム的な記念BOXで、初代『AC』の他、PS2『アーマード・コア2』、PS2『アーマード・コア3』、PS2『アーマード・コア ラストレイヴン』のゲーム4タイトル、映像DVD、サウンドトラックCD、設定資料集が収録された内容になっています。

 プラモデルはKOTOBUKIYAさまから発売されたもので、『アーマード・コア マスターオブアリーナ』に登場したランカーAC“ナインボール”モデルとその上位機体“ナインボール=セラフ”、そして“アーマード・コア ナインブレイカー”の3モデルです。

『アーマード・コア』
▲『AC010 クレスト CR-C98E2 ナインボールVer.』
『アーマード・コア』
▲『AC013 ナインボール=セラフ』
『アーマード・コア』
▲『AC017 ナインボール ARMORED CORE Ver.』

 貴重なアイテムが欲しいという人は下記から、ふるってご応募ください! 締切は8月13日23:59です。

【プレゼントに応募する】

【1】『アーマード・コア マシンサイドボックス』
【2】『AC010 クレスト CR-C98E2 ナインボールVer.』
【3】『AC013 ナインボール=セラフ』
【4】『AC017 ナインボール ARMORED CORE Ver.』

“周年連載”バックナンバー

(C)1997-2017 FromSoftware, Inc. All rights reserved.

関連サイト

注目記事

アイコン別記事一覧

※クリックすると、ソートされた記事一覧に移動します。