現在放送中のテレビアニメ『ひとりじめマイヒーロー』。本作はヘタレヤンキーの勢多川正広（声優：増田俊樹）と高校教師の大柴康介（声優：前野智昭）が出会ったことからはじまり、恋と友情でゆれ動く様子が描かれています。

　今回は立花慎之介さん（支倉麻也役）と松岡禎丞さん（大柴健介役）のキャストインタビューをお届け。ドラマCDからアニメ化決定のときのエピソードや、キャラクターに対する印象などさまざまなことを語っていただきました。

■前野智昭さん（大柴康介役）と、増田俊樹さん（勢多川正広役）のインタビューはコチラ。

――アニメーション作品としてキャラクターを演じてみた感想と、映像をはじめてみたときの感想を教えてください。

立花慎之介さん（支倉麻也役）

　ドラマCDのころからキャラクターについて想像はできていましたが、アニメーションで視覚的にとらえることができて、演技を後押ししてもらっている感じを得られました。『ひとりじめ』シリーズは個々のキャラクターの心情が細かく描かれている作品です。そのため、喋っていないときの間でも絵が芝居をしてくれていて、それがアニメーションのよさだなと思います。作画のクオリティーに関してもキャストが驚くほどの完成度なので、ファンの方も喜んでいただけているのかなと思っています。

松岡禎丞さん（大柴健介役）

　アニメーションは動きがあるので、ドラマCDのころとは違うベクトルの演技を現場から求められました。演じる前は役作りに苦労しましたが、実際に現場に入ったあとは最初に戻らなければいけないという気持ちにもなりました。はじめて映像をみたときは背景の美しさや、細部まで細かく描き込まれている部分をみたときに、アニメ化できてよかったなと思いました。

――キャラクターを演じてみた印象と共感できる部分はありますか？

立花慎之介さん

　支倉と健介の話は全体の前半部分がメインで、物語の流れがみえてきます。支倉は容姿端麗で王子様的存在ですが、内面の闇がみえ隠れするキャラクターで、それがカレの魅力でもあります。とくに独占欲も強くて健介とは違った前向きさも感じられます。でもそこには葛藤があって、その思いが一途な純粋さに変わっていくんです。

　そんなところが支倉っぽさなんだと思います。ですがそれに共感できるのかというと、ちょっと違います。正直にいうと友達にいたら大変だなと思うタイプで、どう接しようかなって考えちゃいますよね！　でも、分かり合えばうまくコミュニケーションを取れると思います。支倉自身も周りの人間が嫌いじゃなくてしっかりみているので、一緒にはいられるのかなと思います。

松岡禎丞さん

　健介に関してはいい意味でおバカですよね（笑）。いのししのように猪突猛進的でもあれば、警戒する面もあるアップダウンの激しい子だなと思います。共感したい部分は困っている人を助けてしまうところです。そこは見習いたいと思っています。健介って困っている人がいたら“どうしたんですかー！”ってひとりで飛んでいくような行動力があると思うんです。それに支倉と仲直りしたいという気持ちはずっと持っていて、そんなところから支倉の気持ちもリアルに感じとれる子なんだと思いました。

――演じられてみて、印象的だったシーンを教えてください。

立花慎之介さん

　3話の終わりの成就したあとの“この子をください”っていうナレーションがあるんです。そこが最も心情が出ている印象的なシーンです。メインキャスト以外だと宝城のおかしな感じが好きなので、個人的に大好きです。実際にあんな警官がいたらすぐにいなくなるんだろうな～っと（笑）。そのキャラクターを楽しく演じている近藤孝行くんをみていると、やっぱり楽しそうだなと思いつつ、アニメーションになるとさらによくなるんですよね。

松岡禎丞さん

　2話目のラストになるんですが、支倉の言葉が本当に100か0かだったんで、絶交するか抱かれるかちょっとまってみたいな（苦笑）。あのシーンはすごい印象に残っています。あとは山に行って遭難しかけるシーンでもそうですが、個人的に立花さんの演技力もあいまって支倉のセリフがささるんですよ！　彼の考えって直球じゃないですか！　もう支倉のシーン1択です！

――収録現場の雰囲気はいかがですか？

立花慎之介さん

　ドラマCDからメインキャストの4人は変わっていませんが、ほかのキャラクターは新キャストの方々が担当されています。ですが、新キャストさんたちも気負いせず現場に参加して、きちんと演じきってくれているのですごくうれしいです。そんなところからも新しいアニメ版の『ひとりじめマイヒーロー』ができたんだなと思います。

松岡禎丞さん

　男性声優が多い現場なので、オフのときはみんな今話題のゲームの話をしたり、仲よくお仕事をさせていただいています。

――作品の魅力を教えてください。

立花慎之介さん

　メインキャラクター以外のお話もおもしろい作品です。クラスメイトや大人など個性の強いキャラクターが多いです。なので、登場キャラクター全員がさまざまな物語をつむぎだしてくれる、大所帯の家族だと感じています。その家族感がこの作品の魅力だと思います。

松岡禎丞さん

　キャラクター個々の心情、視点で物語をみることができる作品なんじゃないかなと思います。もちろん、人物像で受けつけられないキャラクターもいると思いますが、誰かは必ずヒットすると思います。

――前出のドラマCDからの続投となりますが、役作りにあたって、アニメーション作品として意識した部分はありますか？

立花慎之介さん

　アニメーションはアクションするときに息やリアクションを入れたりするのですが、支倉の場合はあえて入れないようにしていました。ドラマCDと違ってアニメは絵が演技してくれるので、余計なリアクションはせずにセリフの演技に力をいれました。

松岡禎丞さん

　役作りはドラマCDのころから継続していましたが、初心に戻りアニメーション作品として咀嚼した部分もあります。アニメーションの場合は尺が決まっているので、絵や表情から意味をとらえることにすごく意識を配りました。

――立花さんから見た大柴健介の印象を教えてください。

立花慎之介さん

　犬ですかね、元気で忠実な犬って感じです。なついてきたり、じゃれてくるけど、内面には芯があってときどき強い面がでてくる。健介は人懐っこさとかっこよさを両方もっているところが犬っぽいかなと。作中ではムードメーカー役でもあるので、一緒にいると明るく楽しくいさせてくれるんじゃないかな。

――松岡さんから見た支倉麻也の印象を教えてください。

松岡禎丞さん

　立花さんのリアクションやアドリブなどあえてはぶく演技によって、ものすごくなにを考えているか分からない感じに見えるんですよね。それがいい方向にもみえるし、悪い方向にも見えてしまう。ぼくがネガティブな性格だからそうみえてしまうのかな（笑）。もし、支倉が実際に存在したら、友達になりたいという気持ちはあるんですが、自分はその時点で引いてしまうと思います。それだけ彼は自分の中で印象的に映っていて、逆に憧れのような存在になっているんだと思います。

――演じられている支倉麻也とって、大柴健介はどんな存在だと思いますか。

立花慎之介さん

　何ものにも代え難い存在だと思います。自分のすべてを投げ打ってでもほしい存在なんじゃないかな。彼はそのためならば、努力もするし自分のことを犠牲にもすると思うんです。作中には“この子をください”って神様にお願いするシーンもあって、それぐらい代えがたい存在が健介なんだと思います。

――演じられている大柴健介とって、支倉麻也はどんな存在だと思いますか。

松岡禎丞さん

　最初のころは心にずっと残っていたしこりだったのだと思います。本当はずっと一緒に居たかったのに絶交してしまって、そのことを後悔しているんです。2話の最後って健介にとっても衝撃的な展開なんですよ。ヤルかヤラれるかみたいな！　それを受け入れたことが、健介の支倉への愛情表現なのかな。そこから支倉にとって親友としても恋人としても、これからも一緒に居たいかけがえのない存在になったんだと思います。なので、支倉は健介とこれからもうまく付き合ってくれると思うので、健介のことはアナタにお任せしたいです。

――ファンのみなさまへのメッセージをお願いします。

立花慎之介さん

　大柴康介と勢多川正広の距離が近づいていくお話になっていきます。 とくに本作のCMには注目してください！　たくさん収録しているので、作品外の部分でも楽しんでいただきたいです！　エンディングの誰が歌うのかわからない「TRUE LOVE」など、最後まで楽しんでいただける演出が満載なので注目していてください！

松岡禎丞さん

　これからは大柴康介と勢多川の想いや葛藤が描かれていきます。ぜひ、楽しんでいただければ幸いです！　また、ブルーレイなどの発売予定もあるのでぜひ、もう一度1話から見直してほしいです！　見直してみるとまた違ったみかたができると思います。最後まで『ひとりじめマイヒーロー』をよろしくお願いいたします！

作品概要

■CAST
　大柴 康介：前野智昭
　勢多川 正広：増田俊樹
　支倉 麻也：立花慎之介
　大柴 健介：松岡禎丞
　福重 満：山下大輝
　山部 剛：安達勇人
　吉田 次郎：山下誠一郎
　夏生：羽多野渉
　宝城 常人：近藤孝行
　松沢：清水彩香
　良子：藤田茜
　矢橋：田丸篤志
　トオル：藤巻大悟
　宝城 彩香：小清水亜美
　勢多川 メグミ：福圓美里
　ゴズ先生：田島章寛

■STAFF
　原作 ：ありいめめこ
　監督：ひいろゆきな
　シリーズ構成：なるせゆうせい
　キャラクターデザイン・総作画監督：西野文那
　プロップデザイン：朱原デーナ
　色彩設計：川上善美
　美術監督：福島孝喜
　美術設定：中村嘉博、田中美紀
　美術：石垣プロダクション
　撮影監督：小池真由子
　撮影：チップチューン
　編集：武宮むつみ
　音響監督：森下広人
　音楽：妹尾武、田尻光隆
　音楽制作：エイベックス・ピクチャーズ
　アニメーション制作：エンカレッジフィルムズ
　製作：「ひとりじめマイヒーロー」製作委員会

(C) ありいめめこ・一迅社/「ひとりじめマイヒーロー」製作委員会